第5学年1組 国語科学習指導案 平成26年11月27日(木)第5校時 5年1組教室 (在籍時児童30名) 指導者 教諭 池崎 麻里 1 単元名 伝記を読んで、本のショーウィンドウを作ろう 教材名 「百年後のふるさとを守る」 河田 惠昭 光村図書 児童個々に選んだ伝記 2 身に付けさせたい力 人物像をとらえることを通して、自分の考えを広げたり深めたりすることができる力(読オ) 3 上記のために選択した単元を貫く言語活動とその特徴 本単元を貫く言語活動として、「本のショーウィンドウで伝記の小径を作ろう」ことを位置 づけた。 本単元で取り上げる「本のショーウィンドウ」とは、伝記に描かれている人物の業績や生き 方をまとめ、見ている人にわかりやすく紹介する立体的なリーフレットである。この中には、 読者に取り上げた人物の概要を簡潔に伝えるため、また、その伝記を推薦するために、人物の 業績、人物像、自分の生き方と人物の生き方を比較した考察、などのパーツを位置づける。 単元目標である自分の考えを広げたり深めたりすることのできる力を身に付けさせる前提と して、読書している本の内容を正しく、深くとらえ、自分の考えをもつことができていなけれ ばならない。それを本のショーウィンドウの各項目を仕上げていくという過程において、自然 に達成していけるように授業を展開していく。そして、一人一人が深く理解をし、自分の考え をもった上で交流を図るからこそ、その考えを更に広げたり深化させたりすることが可能にな るのだと考える。従って、本単元でねらう「人物像をとらえることを通して、自分の考えを広 げたり深めたりすることができる力」を身に付けさせるのにふさわしい言語活動であるといえ る。 単元構想図 単元を貫く言語活動:本のショーウィンドウで伝記の小径を作ろう(全 13 時間) 第1次(1時間) ①本のショーウ ィンドウで学 習課題を設定 する。 ②伝記の特色を 知る。 第2次(8時間) 第3次(4時間) 【教科書教材】「百年後のふるさとを守る」 ③人物のしたことを読み取る。 ⑤人物の考えや思いを読み取る。 ⑦人物像を象徴する言葉を書き抜く。 式 ⑧人物像を考える。 ト方 ッ ⑨人物の生き方と自分の生き方 ンセ を比べて考えをもつ。 Bワ ・A 構造【並行読書】自分の選んだ伝記 子 入れ ④人物のしたことを読み取る。 ⑥人物の考えや思いを読み取る。 ⑦人物像を象徴する言葉を書き抜く。 ⑧人物像を考える。 ⑨人物の生き方と自分の生き方を比 べて考えをもつ。 伝 記 の 特 色 し た こ と 思 い ・ 考 え らそ しの い人 言 葉 人 物 像 生 き 比方 較の ⑩まるわかりシ ートを完成さ せる。 ⑪⑫本のショー ウィンドウ を完成させ る。 ⑬ショーウィン ドウを読み合 い、交流する。 表 現 身に付けさせたい力:人物像をとらえることを通して、自分の考えを広げたり深めたりすることができる力(読オ) 5 年‐1 4 単元について (1) 児童について 本学級の児童は、第4学年までに、人物の行動や気持ちを叙述に即して丁寧に読み取ること を積み重ねてきている。第5学年になってからは、「のどがかわいた」で登場人物の相互関係 や心情、場面についての描写をとらえた。「生き物は円柱形」では、要旨をとらえて自分の考 えを広げたり深めたりした。「大造じいさんとガン」では、主人公の行動をもとに心情をとら えるだけでなく、情景を表しているところを探し、そこから主人公の心情をとらえることをし てきた。また、それらの学習の中で話合い活動を取り入れることにより、様々な読み取り方が あることを知り、友達の意見から自分の考えを深めることも経験している。その結果、ほとん どの児童は、叙述に即した自分なりの読み取りをすることができるようになっている。しかし、 自分の言葉に置き換えて表現するなど、より深い読み取りができる児童は少ない。 児童は、「伝記」というものをこれまでに学習したことがない。人物の生き方について道徳 などで触れたことはあるが、自分自身と他人の生き方を比べ、自分の生き方について深く考え るということは初めてである。そこで、まずは伝記の特徴をおさえた読み方を身に付けさせ、 読み取ったことをもとに様々な視点から人物像をとらえさせ、人物と自分の生き方を比べさせ ていく必要があると考える。また、夏休みの課題を分析すると、「人物像(どういう人か)」 ということが読み取れていない児童が1/3ほどいた。そこで、人物像とはどういうことかも 授業できちんと教えていく必要があるといえる。 (2) 教材について 本単元は、学習指導要領「C 読むこと」の(1)目標の(3) 目的に応じ,内容や要旨をとらえながら読む能力を身に付けせるとともに,読書を通して 考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる。 (2)内容①指導事項の(1) オ 本や文章を読んで考えたことを発表し合い、自分の考えを広げたり深めたりすること。 を受けて設定した。 児童にとっては、伝記を読解する初めての単元となる。そこで、「百年後のふるさとを守る」 を読み、伝記の特徴をおさえた読み方を身に付けさせる必要がある。伝記は主に、人物の行動 や会話、心情が物語のように描かれている部分と、事実の説明や筆者による人物の業績に対す る価値づけがわかる解説の部分とで構成されている。これに加え、教科書教材には、中心人物 である浜口儀兵衛をモデルとして描かれた『稲むらの火』の文章が数カ所引用されている。 児童が選んだ伝記を見てみると、物語調に描かれた部分がその大半を占め、最後に筆者の解 説が記されているものが多い。その場合、教科書教材のように両者が混在しているのではなく、 わかりやすく区分されていて、児童にとってもその区別はつきやすくなっている。一方、筆者 の解説が一切書かれていないものも一部ある。教科書教材との大きな違いは、人物の主たる業 績がまとめられていたり人物の年表が書かれていたりするものが多数ある点である。部分を正 確に読み取ることではなく、あくまでも様々な視点から人物像をとらえて自分の考えを広げた り深めたりすることを単元目標としているため、読み取りの苦手な児童への支援として、必要 であればこの部分も活用していきたい。 5 年‐2 浜口儀兵衛は、現在のヤマサ醤油株式会社の七代目当主であり、安政時代に起きた二度の大 地震の際に、村の救済と堤防の建築に尽力した人物である。高い行動力、統率力、強い意志を はじめとして、自分のためだけではなく周囲の人々のために私財を賭して村を救おうとした献 身的な姿勢や、百年後の人々のことまで考えて堤防を建築したという視野の広さなどは、児童 にとって憧れを抱けるような理想の人物像であるといえる。また、儀兵衛の生き方には一貫性 があり、彼の行動や言葉の一つ一つからは、村を愛する思いや彼の意思の強さなどをうかがい 知ることができる。そのため、児童にとって、人物像をとらえやすい人物であるといえる。し かし、儀兵衛の業績のみにとらわれてしまうと、児童の生活経験とは大きくかけ離れたものに なってしまうため、業績の裏にある儀兵衛の考えや思いに着目させることで、これまでの自分 の生き方と比較をさせ、その考えを広げたり深めたりできるように指導していきたい。 (3) 指導について 今回の授業研究は、夏休みから始まっている。夏休みの課題の一つに伝記を読むことを入れ た。読書する視点を明確にして読めるようワークシートを準備し、それに記入することを通し て本単元の準備ができるようにした。また、その読み取りの程度をもとにして、本単元におけ る話合いの3人グループを編成した。 ショーウィンドウには、①人物がしたこと、②なぜそのようなことをしたのか、③その人 らしい言葉、④人物像(どういう人か)、⑤自分の生き方と比べて、を書き込んでいく。単元 の指導目標である「登場人物の生き方と自己の生き方を比べ、考えを広げたり深めたりするこ とができる。」を達成するためには、人物の人物像を様々な視点からしっかりととらえること が大切だといえる。そこで、「まるわかりシート」と名付けたワークシートを教科書教材用と 並行読書用の二部用意する。その二部の形式は全く同じもので、ワークシートの色を変えて区 別する。授業の前半で、教科書教材「百年後のふるさとを守る」をもとにそれぞれの項目の書 き方を指導し、後半ではその方法を自分で選んだ伝記に拡張し、ショーウィンドウ作りの下書 きを行っていく。それがそのまま、ショーウィンドウ作りに生かされるようにしていく。 本単元で「人物像をとらえることを通して、自分の考えを広げたり深めたりすることができ る力」を身に付けさせ、それをショーウィンドウで表現できるようにするため、以下のような 具体的な手立てを講じていく。 具体的な手立て①…選書の工夫 夏休みに取り組む伝記に関しては、1学期の懇談会において、児童が興味を持って読める もの、読み取りの力に応じたもの、手元に長い間置いておけるものなどにするよう保護者に 協力を求めておいた。授業開始の一か月前には、本の確認を行い、読み取りやショーウィン ドウ作りが難しそうな伝記を選んだ児童には、図書室や中央図書館で借りておいたものを紹 介し、読ませた。 具体的な手立て②…授業形態の工夫 ワークシートの項目一つ一つに対し、前半は全員で「百年後のふるさとを守る」で学習し、 後半には自分で選んだ伝記を通して、人物像に迫り自分の考えを広げたり深めたりしていく。 項目ごとにかかる時間が異なるため、一単位時間の前半に教科書教材を扱い、後半に並行読 書の伝記を用いて授業を展開する「入れ子方式」と、一単位時間ずつ交互に教科書教材と並 5 年‐3 行読書の伝記とを扱って授業を展開する「AB ワンセット方式」を取り入れていく。 具体的な手立て③…まるわかりシート(ワークシート)の工夫 「なぜそのようなことをしたのか」、「その人らしい言葉」の記入欄を横に並べ、その下 に「人物像(どういう人か)」を記入する欄を作ることで、前者の二つの要素を加味し、人 物像を考えられるようにした。さらに、人物像をもとに自分の生き方と比べられるようなレ イアウトにした。 「百年後のふるさとを守る」を読み進めるときは白い用紙を用い、並行読書で自分の伝記 を読み進めるときにはピンクの用紙を用い、どちらの学習をしているのかわかりやすくした。 二つの用紙を全く同じ形式にすることにより、教科書教材での学びをより生かせるようにし た。 人物がしたこと 人物の業績の中か ら、人物像に迫るとい う観点で6~8つに絞 って書く。【C読むこ と(2)ウ】 なぜ、そのようなこと をしたのか 人物の行動につ いての描写をとら え、その背景にある 思いや考えを自分 なりにまとめて書 く。 【C読むこと(2) エ】 その人らしい言葉 人物像を象徴する言 葉を書き出す。 【C読むこと(2)ウ】 自分の生き方をと比 べて 人物の生き方や考 え方と、自分の経験や 考えなどとの共通点 や相違点を見付け、共 感するところや取り 入れたいところなど を中心にまとめる。 【C読むこと(2)オ】 人物像(どういう人 か) 「なぜ、そのよう なことをしたのか」 と「その人らしい言 葉」から、それぞれ 考えた人物像を整 理して書く。 【C読むこと(2) エ】 具体的な手立て④…付箋の工夫 「人物がしたこと」、「その人らしい言葉」がすぐに教材から見つけられるよう、色の違 う付箋をつけさせた。「人物がしたこと」に関しては、重要な物にはさらに色を変えさせた。 人物像に迫るときは、付箋に書いたものをワークシートに貼らせ、重要なものを選択でき るようにした。 ・したこと→黄色 ・重要なしたこと→ピンク ・その人らしい言葉→青 ・なぜ、そのようなことをしたのかから考えられる人物像→ピンク(大) ・その人らしい言葉から考えられる人物像→青(大) 5 年‐4 具体的な手立て⑤…話し合い活動の工夫 一人では読み取りが難しい児童もいるので、グループで話合い活動を行わせる。そのグルー プは、夏休みの課題の分析をもとに意図的な3人グループとした。語彙が少ない児童や表現力 が乏しい児童は、他の児童の意見を聞くことによって手がかりを増やすことができると考える。 また、意見の交流を行うことによって、自分の意見に自信をもったり、自分の考えを深化させ たりすることにもつながると考える。 5 単元の指導目標 (1)伝記を読み、登場人物がしたことや思いを読み取ったり、自己の生き方について考えをま とめようとしたりすることをしている。【国語への関心・意欲・態度】 (2)登場人物の功績や心情から人物像をとらえて読み、登場人物の生き方と自己の生き方を比 べ、考えを広げたり深めたりすることができる。【読むこと】 (3)文章の中での物語のように書かれている部分と事実の説明や筆者の考えが書かれている部 分を読み分け、伝記の特徴をとらえることができる。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】 6 単元の評価規準 ア 国語への関心・意欲・ 態度 単 元 の 評 価 規 準 エ 読む能力 言語についての 知識・理解・技能 ・伝記を読み、登場人物が ・登場人物の功績や心情か ・文章の中での物語のよう し た こ とや 思 いを 読 み ら 人 物 像 をと ら えて 読 に 書 か れ てい る 部分 と 取ったり、自己の生き方 み、登場人物の生き方と 事 実 の 説 明や 筆 者の 考 に つ い て考 え をま と め 自己の生き方を比べ、考 え が 書 か れて い る部 分 よ う と した り する こ と え を 広 げ たり 深 めた り を読み分け、伝記の特徴 をしている。 している。 をとらえている。 ①登場人物のしたことや ①人物像の意味を知り、そ ①文章の中での物語のよ 理由、思いを読み取り、 れ を 表 す 言葉 を 考え て う に 書 か れて い る部 分 自 己 の 生き 方 と登 場 人 いる。 と 事 実 の 説明 や 筆者 の 物 の 生 き方 を 照ら し 合 わせようとしている。 ②自分の生き方について、 考 え を 広げ た り深 め た りしようとしている。 ②教科書教材で、登場人物 考 え が 書 かれ て いる 部 の 行 動 や 功績 を とら え 分 を 読 み 分け る こと が ている。 でき、伝記の特徴をとら ③並行読書で、登場人物の 行 動 や 功 績を と らえ て いる。 ④教科書教材で、登場人物 の行動や功績をもとに、 学 習 活 動 オ そ の 背 景 にあ る 考え や 思いをとらえている。 ⑤並行読書で、登場人物の 5 年‐5 え る こ と に役 立 てて い る。 に 即 し た 評 価 規 準 行動や功績をもとに、そ の 背 景 に ある 考 えや 思 いをとらえている。 ⑥並行読書で、登場人物を 象 徴 す る よう な 言葉 を とらえている。 ⑦並行読書で、登場人物の 行動や心情、考え、言葉 か ら 人 物 像を と らえ て いる。 ⑧並行読書で、登場人物と 自己の生き方を比べ、共 通 点 や 相 違点 を 見出 し な が ら 自 己の 生 き方 に ついての考えをもち、他 者 と の 意 見交 流 を通 し て 考 え を 広げ た り深 め たりしている。 7 指導計画(13時間扱い) 次 時 ○学習活動 ■学習内容 ○伝記を読み、ワークシ 0 0 ◇評価規準(評価方法) ・指導上の留意点 具体的な手だて① ートに取り組む。(夏 ・ワークシートを用いて、 休み中) 読む視点を与えて取り 組ませる。 ○全文を音読する。 ■新出漢字と難語の確認 ○新出漢字・難易語句を ■課題設定 確認する。 ○本のショーウィンド ウについての見通し 1 ・「伝記を読んで、本の ショーウィンドウを作 ろう」 ◇ア①(観察) エ①(発言・観察) 具体的な手だて⑤ ・夏休みに行ったワーク シートの分析により、 をもち、学習課題を設 ■人物像の意味 意図的3人グループ編 定する。 成を行う。 ○人物像の意味を知る。 ○人物像を表す言葉を 確認する。 ・特定の人物の性格やも のの考え方 ・文末表現=「~(な) 人」 ・児童の読書経験を把握し ておく。 ・教師が作成した本のシ ■人物像を表す言葉 ョーウィンドウを児童 ・やさしい人 に紹介し、意欲付けを 5 年‐6 ・おもしろい人 行うと共に、単元の見通 ・真面目な人 しをもたせる。 ・人物像を表す言葉は、「 ・意志の強い人 ~(な)人」に統一させ 第 ・努力する人 る。 1 ・情熱がある人 次 ・命を大切にする人 ○伝記の特色を知る。 ■伝記の特色 ◎並行読書の本の構成 ・物語のように書かれて いる部分 ・事実の説明や筆者の考 えが書かれている部分 ・モデルの文章の部分 を確認する。 2 ◇ア①(観察) オ①(観察) 具体的な手だて② ・本教材の特徴的な文章 構成をおさえる。 ・それぞれの部分で、ど のようなことが書かれ 入 ているのかを確認させ れ る。 子 ・自分の選んだ伝記(以下 は並行読書と記す)を用 意させ、どのような構 成になっているか考え させる。 ○儀兵衛のしたことを 第 読み取る。 2 ■人物のしたこと ・積み藁に火をつける。 ・藩に手紙で援助を求め 次 る。 ・村人のために自分のお 金を出す。 3 エ② (まるわかりシート白) 具体的な手だて②③④⑤ ・したことがわかるとこ ろに付箋(黄)を貼ら ・堤防作りを申し出る。 せる。また、付箋には ・村人を自分のお金で働 したことを簡潔に書か かせる。 A ◇ア①(観察) ・松の木を植えさせる。 せる。 ・たくさんのしたことの中 ・堤防を完成させる。 から人物像に迫る上で ■したことの整理 大切だと思うことを6 ・人物像に迫る観点で重 つに絞らせ、ピンクの付 要な物を選ぶ。 箋でチェックさせる。 ・3人グループで話合いを し、必要であれば修正を してもよいことを伝え 5 年‐7 る。 ・まるわかりシート(白) に6~8つのしたこと を書かせる。 ◎並行読書の人物のし ■人物のしたこと たことを読み取る。 ■したことの整理 第 ・人物像に迫る観点で重 2 要な物を選ぶ。 次 ◇ア①(観察) エ③ 具体的な手だて②③④ (まるわかりシートピン ク) ・教科書教材と同じ流れで したことに付箋を貼ら 4 せる。 ・たくさんのしたことの中 B から人物像に迫る上で 大切だと思うことを6 つに絞らせ、ピンクの付 箋でチェックさせる。 ・まるわかりシート(ピン ク)に6~8つのしたこ とを書かせる。 ○儀兵衛の行動をした 考えや思いを読み取 る。 ■人物の行動の背景にあ る考えや思い ・村人の命を救いたいか ら。 ・村から、人が出ていっ 5 A ◇ア①(観察) エ④ (まるわかりシート白) 具体的な手だて②③④⑤ ・したことの前後の文章 てほしくないから。 を読み、叙述に即して ・村をなくしたくないか 人物の行動の考えや思 ら。 ・百年後の広村のことを 考えていたから。 いを読み取らせる。 ・まるわかりシート(白) に人物の行動をした考 えや思いを書かせる。 ・行動をした考えや思い を書くときには、語尾を 「~から」「~ため」に 統一する。 ・3人グループで話合いを し、必要であれば加筆、 修正をしてもよいこと 5 年‐8 を伝える。 ◎並行読書の人物の行 動をした考えや思い ■人物の行動の背景にあ る考えや思い を読み取る。 ◇ア①(観察) エ⑤ (まるわかりシートピン ク) 具体的な手だて②③④ 第 2 ・教科書教材と同じ流れで 6 行動をした考えや思い 次 を読み取らせる。 B ・まるわかりシート(ピン ク)に行動の考えや思い を書かせる。 ・行動をした考えや思い を書くときには、語尾を 「~から」「~ため」に 統一する。 〇儀兵衛の「その人らし ■人物を象徴するような い言葉」を考える。 言葉 ◎並行読書の人物の「そ ・「このままでは、村が の人らしい言葉」を考 える。 7 つぶれる。」 ・したことの中から、人 ちに希望と気力を取り 言葉を選び、付箋(青 もどしてもらえるか。 )を貼り、まるわかり 」 シート(白)に書かせ ・「なんとしても、堤防 子 具体的な手だて②③④⑤ 物像を象徴するような なる。」 れ エ⑥ ・「どうすれば、村人た ・「村を見すてることに 入 ◇ア①(観察) を完成させる。」 る。 ・教科書教材と同じ流れで 人物像を象徴するよう な言葉を選び、まるわ かりシート(ピンク) に書かせる。 ・3人グループで話合いを し、必要であれば加筆、 修正をしてもよいこと を伝える。 8 ○儀兵衛の人物像を考 える。 入 れ ◎並行読書の人物像を 考える。 ■儀兵衛の人物像 ・自分のことより村の ことを大切にした人 (村) 5 年‐9 ◇ア①(観察) エ⑦(付箋・まるわかり シート白、ピンク) 具体的な手だて②③④⑤ 子 ・多くの人の命を大切 にした人(命) ・人物像を書くときには、 語尾を「~(な)人」に 本 ・責任感が強い人(性) 時 ・意志の強い人(性) ・行動をした考えや思い ・情熱がある人(性) から考えた人物像をピ ・子孫のことまで考え ンク(大)に、その人 た人(将) 統一させる。 らしい言葉から考えた 第 人物像を青(大)に書 2 かせる。 次 ・3人グループで話合い、 人物像を様々な視点か らとらえ、深める。 ・まるわかりシート(白) に人物像を書かせる。 ・教科書教材と同様の方法 で並行読書の人物の人 物像を考え、人物像を整 理する。 ○自分の生き方と儀兵 ■自分の生き方との比較 ◇ア②(発言・観察) 衛の生き方を比べる。 ・自分より、周りの人のこ ◇エ⑧ ◎自分の生き方と並行 読書の人物の生き方 を比べる。 とを大切にしている。 ・最後まで、やり遂げてい る。 (まるわかりシート白、ピ ンク) 具体的な手だて②③⑤ ・将来のことを考えている ・人物像からわかる儀兵衛 。 9 ■自分の考えの深化 の生き方と自分の生き 方を対比させ、自分の 生き方についての考え を広げたり深めたりさ 入 せる。 れ ・まるわかりシート(白) 子 に記入させる。 第 ・3人グループで話合いを 2 し、必要であれば加筆、 次 修正をしてもよいこと を伝える。 ・教科書教材と同様の方法 で並行読書の人物と自 分の生き方との対比を 5 年‐10 行わせる。 ・まるわかりシート(ピン ク)に書かせる。 ◎まるわかりシート(ピ ■自分の考えの深化 ンク)を仕上げる。 ◇ア②(観察) ◇エ⑧ ◎まるわかりシート(ピ (まるわかりシートピン ンク)を交流し、深め ク) る。 具体的な手だて③⑤ ・まるわかりシートが本 のショーウィンドウの 下書きになることを確 10 認する。 ・まるわかりシートの未 記入の部分を中心に今 までの学習を想起させ 完成させる。 第 ・記入した内容を交流させ 3 考えの深化を図る。 次 ・助言の観点を明確にして おく。 ◎並行読書の本で本の ■ショーウィンドウの書 ◇ア②(観察) ショーウィンドウを き方 ◇エ⑧ 作成する。 ①したこと (ショーウィンドウ) ②なぜ、そのようなこ 具体的な手だて③ 11 とをしたのか(~か ・ ら・~ため) 12 ③その人らしい言葉 ④人物像(~な人) ⑤自分の生き方と比べ て ・まるわかりシートをも とに本のショーウィン ドウを作成させる。 ・ショーウィンドウには、 学習した順に沿って書 かせる。 ⑥人物の絵 ◎完成したショーウィ ンドウを読み合う。 ■他者のショーウィンド ウの良いところ 第 3 ◇ア②(観察) ・完成したショーウィンド ウを友達と交換し、読み 13 合わせる。 次 ・感想等を伝え合わせる。 ・単元の振り返りと学習の まとめをさせる。 5 年‐11 8 本時の学習指導(8/13時) (1)目標 ・並行読書で、登場人物の行動や心情、考え、言葉から人物像をとらえることができる。 (2)評価規準 ア 国語への関心・意欲・態度 エ 読む能力 ①登場人物のしたことや理由、思いを読み取 ⑦並行読書で、登場人物の行動や心情、考え、 り、自己の生き方と登場人物の生き方を照 言葉から人物像をとらえている。 らし合わせようとしている。 (3)展開 ・指導上の留意点 〇学習活動 ■学習内容 ◇評価 時 ☆「教育に関する3つの達成目標」と 間 の関連 1 本時の学習課題をとら ・具体的な手だて② える。 3 ・教師による「まるわかりシ 自分の伝記の人物の人物像を読み取ろう。 ート」をもとに、単元を貫 く言語活動との関連を説明 ■人物像の意味の確認。 ・特定の人物の性格やも のの考え方。 ・文末表現=「~(な)人」 する。 ・学習課題を斉読させること で、課題を意識させる。 ・人物像の意味を確認する。 ・「~(な)人」という形で 表現することを確認する。 ・「~(な)人」の「~」の 部 分 は 文章 上 にな い 言葉 (叙述をもとに考えられる 言葉)でもよいことを伝え る。 2 学習の手順を確認す ■学習手順の確認。 る。 ・学習の手順を全員で確認し、 4 グループごとに学習が進め られるようにする。 ・付箋の書き方やワークシー ト へ の 貼り 方 の見 本 を示 す。 ・「なぜ、そのようなことを 5 年‐12 人物像を読み取る学習手順【百年後のふるさとを守る】 ① 「なぜ、そのようなことをしたのか」、「その人ら しい言葉」から人物像をそれぞれ考え、ピンクと青 の付箋に記入する。 ② 記入した付箋をまるわかりシート(白)に貼る。 ③ グループで意見交流をする。 ④ 人物像をグループごとにまとめる。 ⑤ まるわかりシートに記入する。 ⑥ 全体で交流する。※書き加えや修正をしてもよい。 したのか」から考えた人物 像は、ピンクの付箋に書き、 その周りに貼らせる。「そ の人らしい言葉」から考え た人物像は、青の付箋に書 かせ、その周りに貼らせる。 ・必要に応じて、したこと(ピ ンクの付箋・小)、その人 らしい言葉(青色の付箋・ 小)の前後を読み返して考 えてもよいことを伝える。 ・「したことの考えや思い」、 「その人らしい言葉」から 共通する人物像になる場合 もあることを伝える。 ・語尾を「~(な)人」に統 一して書かせる。 ・様々な視点で人物像を捉え ることを伝える(村のこと 以外にも)。 3 教科書教材を黙読す ■教科書教材の内容の確認。 ・読む範囲を限定する(P64L1 る。 3 ~P69L2 まで)。 ・時間を3分で区切る。 4 教科書教材を使い、人 物の人物像を考え、付 箋に記入する。 ■叙述をもとにした読み取 り方。 ・具体的な手だて③④ ・文章にある言葉ではなく、 ■「したことの考えや思い」 「その人らしい言葉」 自分自身の言葉で人物像を まとめてもいいことを伝え る。 人物像「~(な)人」 ・「なぜ、そのようなことを したのか」、「その人らし い言葉」から、それぞれ人 物像を考え、付箋に記入さ せる。 ・教科書に書いていない文章 で人物像が書いてある付箋 を紹介し、全体に広める。 5 年‐13 7 ・必要に応じて、机間指導で 視点に関する助言を行う。 5 グループで意見交流を ■グループで意見をまとめ 行い、人物像を絞り、 るポイント まるわかりシート(白) ①意見をまとめるときは に記入する。 付箋に書いてある言葉 を使う。 ②少ない意見も大事にす る。 ・具体的な手だて⑤ ・事前に意図的な3人グルー プを編成しておく。 ・机を移動して話合いがしや すいようにする。 ・グループでの話し合いを通 して、重要な人物像を整理 ③様々な視点で人物像を とらえられるようにす る。 する。 ・意見をまとめるポイントを 指導する。 ④その人にふさわしい人 ・行動や業績をそのまま書い 物像に、ランキングをつ ている児童には、どういう ける。(1 位~6 位) 考えや思いからそれを行っ ■人物像の整理。 〈予想される児童の反応〉 ・村のことを大事に思う人 (村) たかを振り返らせる。 ・視点が 1 つしかない児童に は、業績や事実などを思い 起こさせ、それ以外の視点 ・村人を大切にした人(村) ・自分のことより村のこと を大切にした人(村) に気づかせる。 ・3つ以上の視点で考えられ ている児童には、その根拠 ・命を大切にする人(命) を答えられるように準備さ ・責任感が強い人(性) せる。 ・意志の強い人(性) ・情熱がある人(性) ・子孫のことまで考えた人 (将) ・別の業績や言葉にも目を向 けさせられるように ・人物像をとらえる視点とし て、以下の視点が考えられ る。 (村)村や村人についての こと。 (命)命に関係すること。 (将)未来・将来に関する こと。 (性)性格に関すること。 5 年‐14 7 6 全体で交流する。 ■人物像の確認。 〈期待する児童の反応〉 ・自分のことより村のこと を大切にした人(村) ・多くの人の命を大切にし た人(命) ・責任感が強い人(性) ☆学習規律を守り、指名され たら「はい」と返事をする ことができる。 ・その人にふさわしい人物像 ランキング1位を中心に、 根拠を入れて発表させる。 ・豊かな言葉で人物像が表現 ・意志の強い人(性) されている児童を意図的に ・情熱がある人(性) 指名する。 ・子孫のことまで考えた人 (将) 6 ・他のグループの意見を参考 に、加筆、修正をしてもよ いことを伝える。 ☆友達の発表を聞き、自分の 考 え と 比べ る こと が でき る。 7 並行読書をしている本 ■教科書教材の内容の確認。 ・具体的な手だて③④ の人物像を考え、付箋、 ■叙述をもとにした読み取 ・机を直す。 まるわかりシート(赤) ・教科書教材で行ったことを に記入する。 り方。 ■「したことの考えや思い」 「その人らしい言葉」 もとに、個別で並行読書の 人物の人物像を考える。 ・必要に応じて、したこと(ピ 人物像「~(な)人」 ンクの付箋)、その人らし い言葉(青色の付箋)の前 人物像を読み取る学習手順【自分の選んだ伝記】 ①「なぜ、そのようなことをしたのか」、「その人ら しい言葉」からそれぞれ考え、ピンクと青の付箋に 記入する。 ②記入した付箋をまるわかりシート(ピンク)に貼る。 後を読み返して考えてもよ いことを伝える。 ・語尾を「~(な)人」に統 一して書かせる。 ・文章にある言葉ではなく、 ③人物像をまとめる。 ④まるわかりシートに記入する。 ⑤発表する。 自分自身の言葉で「~な人」 をまとめてもいいことを伝 える。 〈予想される児童の反応の例〉 ○ナイチンゲール ・意志が強い人(性) ・全ての人の命を大切にし た人(命) ・様々な視点でとらえること を伝える。 ・教師が作成したまるわかり シートを参考に、具体的な 人物像の視点を例示する。 ・自分で書いた付箋をもとに、 5 年‐15 10 ○ヘレン・ケラー その人らしい人物像にラン ・好奇心旺盛な人(性) キングをつけて、1位から ・世界から差別をなくそう 順にまるわかりシートに記 と努力した人(将) 入させる。 ○黒田官兵衛 ・決断力のある人(性) ・家族愛に満ちていた人 (家) ◇評価場面 〈評価規準〉エ⑦ 〈評価方法〉まるわかりシートへの記述の内容 〈個に応じた手だて〉 Aの児童(性格や考え方に関する内容を書いている。 2つ以上の視点で書いている児童) →考えのもとになった叙述も説明できるようにさせる。 Cの児童(行動や業績を書いている児童) →教師と会話をしていく中で文章化していく。 書かれている内容をもとに、自分の言葉で「~な人」 と考えさせる。 「したことの理由」、「その人らしい言葉」をもう一 度確認させる。 8 発表する。 ・様々な視点から人物像を考 4 えられている児童、豊かな 言葉で人物像を表現してい る 児 童 を意 図 的に 指 名す る。 ・読み取った人物像の根拠も 発表させる。 9 次時の見通しをもつ。 ・次時は、人物の生き方とこ れまでの自分の生き方を対 比させることを伝え、見通 しをもたせる。 5 年‐16 1 (4)板書計画 【夏休みに取り組んだワークシート】 5 年‐17 【まるわかりシート】 【完成した本のショーウィンドウ】 5 年‐18
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