新開発「低摩擦弾性すべり支承」の商品化 ~ 高性能で低コストの免震装置

平成 24 年 3 月 22 日
ニュースリリース
新日鉄エンジニアリング株式会社
新開発「低摩擦弾性すべり支承」の商品化
~ 高性能で低コストの免震装置 ~
新日鉄エンジニアリング株式会社(代表取締役社長
長
執行役員
高橋 誠)建築・鋼構造事業部(事業部
浅井 武)は、この度、地震を受け流して建物を守る、高性能で低コストの「低
摩擦弾性すべり支承」を独自開発し、商品化しました。
同商品は、オフィスビルやマンションそして病院や公共施設などの各種免震建築物の免震効果
の最適化を容易にする免震装置です。既に、都内の最新鋭のデータセンターにて使用実績があり
ます。
今回、商品化した「低摩擦弾性すべり支承」は、積層ゴムとすべり板から構成されるシンプル
で且つコンパクトな構造です。地震時の小さな揺れには、積層ゴム部分が変形することで地震の
揺れをカットし、大きな揺れには、すべり材がすべり板の上を滑ることによって、地震の力を上
部の建物に伝えにくくする機構になっています。
独自開発の「低摩擦すべり機構(特許申請中)」により、動摩擦係数が極めて低く、様々な周期
帯の地震に対しても、安定した性能を発揮すると共に低コストを実現しました。
また、すべり板の表面には、耐久性の優れた「特殊表面コート※1 」を採用し、すべり材には、
長期の使用でも安定した性能を持つ「PTFE材※2」を使用。メンテナンスフリーを実現した、
優れた耐久性を持つ商品です。
この商品は、免震建物の長周期化を実現し、低層から高層まで、幅広い建築物の免震効果の向
上を可能にします。また、当社の既存商品「免震U型ダンパー」や「積層ゴム一体型免震U型ダ
ンパー」と併用することで、それぞれの特性を活かした、より高度な免震設計も可能です。
東日本大震災から1年が経ち、建物の健全性と居住性が強く求められている中、当社は、事務
所・商業ビルやマンション及び病院・公共施設等の所有者や設計者に対して、動摩擦係数が極め
て低く、低コストの「低摩擦弾性すべり支承」を提供し、安心・安全そして快適な社会の実現に
貢献してまいります。
※1
特殊表面コート
:
当社が独自に開発した表面コート方式。極めて低い摩擦係数を示す。
※2
PTFE材とは
:
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE).
フッ素原子と炭素原子のみからなるフッ素樹脂。テフロンの商品名で知られ、耐熱性、耐薬性
に優れ、摩擦係数が極めて低いのが特長。
[本件に関するお問い合せ先]
総務部広報室
03-6665-2366
【紹介図】
【実績写真】
※すべり板表面には、埃よけの保護板を
設置しています。
保護板は、地震時の障害とはなりません。
【機構概略図】