11. 動物 バンコクの中心街を除くと、いたるところに、野良犬が闊歩しています。 ちょっと住宅街へ入ると、闊歩というよりダラッと寝ています。車が来ようが、人が来ようがお構い無しです。 あまりに堂々と寝ているので、車の方が避けて通ります。 その寝方は、両手?両足を広げ、腹這いになって寝ていま す。横向きに寝るとか、丸まって寝る姿は日本でも見ますが、蛙がつぶれたような格好で、腹這いに寝ている姿は、日本 では見た事がありません。 犬同士では喧嘩をするようですが、人にはあまり吠え掛かったりはしません。道端の屋台等では、食べている人の足元 で、ジッと人が食べているのを見つめています。おねだりの為に吠えたり、手をかけるような事はしません。ひたすら待っ ています。屋台の食べ物は、鶏肉でも豚肉でも骨付きの物が多いので食べ終わった骨を足元に捨てると犬がすぐに拾っ て食べてしまいます。一本3バーツ位の豚肉の串焼きをわざわざ買って与える人もいるようで、食べ物にはそんなに不自 由をしていないようです。 お寺などに行くと、すごい数の犬と猫がいます。飼われている訳ではないので野良犬、野良猫に分類されるのでしょう。 お寺に参拝に来る人達はお寺で犬や猫を苛めませんし、食べ物も豊富にあるようで、犬同士猫同士の喧嘩もありません し、犬と猫の争う姿もあまりみかけません。 お役所の方では、野良犬の捕獲をやっているようですが、屋台の人達が野良犬の首に首輪替わりのビニール紐を結ん でしまうので、ビニールの紐の分だけ飼い犬になっているようです。 犬の方は、餌を貰う時だけは人に関心を寄せますがその他の時は全く無関心で、人の方も寝ている犬を邪魔に感じる 事はあっても基本的に無関心です。 最近、犬を飼う事がブームになっているようで、ペットショップでシーズーとかポメラニアンとかマルチーズのような室内 犬をよくみかけるようになりました。 タイのお金持ちや西洋人は大型の犬がお好みのようで、ゴールデンレトリバーのような大きい犬を飼っている人もいま す。先日、アパートでエレベータに乗ろうとしたら、大きなシェパードが 2 匹こちらを向いてお座りをしていたのでびっくりし た事がありました。 タイの野良犬は妙に足が短いものが多く、短足の私としては、親近感を覚えます。 バンコクの街は緑が多く、街の中でも色々な動物をみかけます。可愛い物もいますがあまりありがたくない物もいます。 可愛い動物の代表は、野鳥でしょうか。朝早くからきれいな鳴き声が聞こえてきます。「嗚呼、南国にいるんだなァ」と実感 する時もあります。もうひとつは、リスでしょうか。電線の上をチョコチョコと走り、近くの木にピョンと飛び移る姿をよくみかけ ます。時にはつがいなのでしょうか二匹でじゃれあいながら木の上で遊んでいるのを見る事があります。 ありがたくない物の代表は、チンチョ(やもり)でしょう。色白のやもりで天井、壁に張り付いています。 噛み付いたり、鳴いたりする訳ではないので、見慣れるとそんなに嫌な感じはしませんが、最初の内は気になってしょうが なかったものです。 野生と言っていいのか分かりませんが、ねずみはとても大きいです。およそねずみとは信じられない位の大きさで、駆 け回っています。 ゴルフ場でよくみかける色鮮やかなトカゲも気持ちが悪いですが、街外れの工場で見かける 1m位の大きなトカゲは壮 観です。トガゲと言うより小型の恐竜です。 あそこまで大きいとチョコマカと動く事はありません。ノッシノッシと歩いています。 ノッシノッシと言えば象でしょう。バンコク市内では、大きなトカゲより頻繁に見る事が出来ます。小さな子象から大きな象 まで、身近に見たり触ったりできます。お腹の下をくぐると幸運になれると言われていますが、象のお腹の下をくぐる事自 体が滅多に出来る事ではないので、それがラッキーなのかも知れません。 もっとも嫌な物は蛇です。毒蛇も多いようで近づかない方が賢明です。すずめが子育てをする季節には、大きな蛇がヒ ナを狙って工場の屋根裏まで登って来て、突然、ドッサッと落ちて来る事があります。 雨季でまわりが水浸しになった時、成型機の下にコブラが避難していた事がありました。 いきなり鎌首を持ち上げて威嚇されました。 蛇も驚いたのでしょう。柵や囲いの無い状態で見るコブラは迫力がありました。 タイ人のスタッフが大騒ぎしながら捕まえて見せてくれました。その後、皮を剥がされ、バーナーで焼かれ、食べられてし まいました。 田舎者のタイ人の方が、野生に近かったりするのかもしれません。
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