コーイケルホンディエ

コーイケルホンディエ
改 正
現 行
■沿 革
■沿 革
1942 年第2次世界大戦のさなか、Van Hardenbroek
昔から現在に至るまで、鴨をおびき寄せる猟に用いら
van Ammerstol 男爵夫人がコーイケルホンディエの再
れているこの小型のスパニエルは、性格も快活で、真
興を始めた。男爵夫人は自身が探している犬のタイ
のスポーティング・ドッグだといえる。第 2 次世界大
プの写真を行商人に渡し、そのような犬を探すよう依
戦が終結するまでに、ほとんど全滅してしまったが、
頼した。行商人はフリースラント州の農場で、現在は
たいへんな苦労の末に再興された。現在は質の高い
トミーとしてよく知られている牝犬を見つけた。その牝
犬が数多く繁殖されている。
犬が後にコーイケルホンディエを創りあげた牝犬とな
った。1966 年にオランダKCはこの犬種を暫定公認
し、1971 年に正式に公認した。
コーイケルホンディエは未だに鴨をおびき寄せるため
に用いられている。その任務は派手な尾を振りながら
鴨を囮へおびき寄せることであるが、自分で鴨を狩る
ことはない。この犬種は鴨の好奇心を煽り、鴨がトラ
ップに捕獲されるよう囮までおびき寄せる。それらの
鴨は食されるために殺されるか、鳥類学の研究のた
めに使用される。
■一般外貌
■一般外貌
コーイケルホンディエは調和のとれた、オレンジレッ
機敏で、パーティ・カラーの、ほぼスクエアなボディで
ド・パーティーカラーの、ほぼスクエアなボディをして
ある。尾には豊富な飾り毛があり、頭部を高く掲げる。
いる小型のスポーティング・ドッグである。歩様時には
頭部を高く掲げ、活動中には豊富な飾り毛がある尾
をトップラインと水平、または上に掲げる。耳先に見ら
れるブラックの毛はイヤリングと呼ばれる。トリミング
はせず、自然なままでプレゼンテーションされる。
■習性/性格
■習性/性格
陽気で機敏、自信に溢れ、十分な忍耐力やスタミナも
陽気だが、うるさくはない。飼われている環境に適応
ある。気立てがよく、用心深いが、うるさくはない。この
しやすく、友好的で、気立てが良く、敏活である。
犬種は忠実で、おおらかで、友好的である。
狩猟期以外では、害獣を見つけ殺すことが見込まれ
るため、鋭敏で、敏速、且つタフであることが必要とさ
れる。真のスポーティング・ドッグで、注意深く、活動
的、作業に対し熱心で、明るい性格である。
■頭 部(ヘッド)
■頭 部(ヘッド)
適度な長さの頭部であり、全体的に調和が取れてい
る。輪郭ははっきりしており、流れるような線を伴う。
▼頭蓋部(クラニアル・リージョン)
▼頭蓋部(クラニアル・リージョン)
◇ストップ
◇ストップ
側望すると、明瞭であるが、深すぎない。
明瞭であるが、深すぎない。
▼顔 部(フェイシャル・リージョン)
▼顔 部(フェイシャル・リージョン)
◇鼻(ノーズ)
◇鼻(ノーズ)
ブラックで、よく発達している。
ブラック。
◇マズル
◇マズル
側望すると、深すぎず、僅かに楔型をしている。上望
側望しても深すぎない。
するとあまり先細っておらず、目の下はたっぷりとして
いる。
◇唇(リップス)
◇唇(リップス)
よく色素沈着しているのが望ましく、引き締まってお
垂れ下がってはいない。
り、垂れ下がっていない。
◇顎/歯(ジョーズ/ティース)
◇顎/歯(ジョーズ/ティース)
シザーズ・バイト、完全歯列が望ましい。ピンサー・バ
シザーズ・バイトを正常とするが、ピンサー・バイトも許
イトも許容されるが、あまり望ましくない。
容される。
◇頬(チークス)
充実している。
◇耳(イヤーズ)
◇耳(イヤーズ)
適度に大きく、鼻先から目尻までを結んだ線より僅か
中位の大きさで、鼻先から目尻までを結んだ線より僅
に上に位置する。
かに上に位置する。白くはなく、頬に沿って垂れてい
耳は折り重なることなく頬に沿って垂れている。飾り毛
る。長い飾り毛と先端が黒いもの(イヤリング)が好ま
も豊富で、耳先の毛がブラックであること(イヤリング)
しい。
が大変望ましい。
■頸(ネック)
■頸(ネック)
十分な長さで、筋肉が発達しており、すっきりしてい
真っ直ぐで、筋肉が発達している。
る。
■ボディ
■ボディ
◇トップライン
キ甲から尾にかけて滑らかな線をしている。
◇背(バック)
◇背(バック)
頑丈で、真っ直ぐで、やや短い。
頑丈である。
◇腰(ロイン)
十分な長さと幅で、筋肉が発達している。
◇尻(クループ)
僅かに傾斜し、十分な幅をしている。尻の長さは幅の
1.5 倍あるべきである。
◇胸(チェスト)
◇胸(チェスト)
肘まで達し、肋骨も十分張っている。前胸は十分発達
深く、肋はよく張っている。
している。
◇アンダーライン及び腹部
腰に向かって僅かに巻き上がっている。
■尾(テイル)
■尾(テイル)
トップラインに続くように付き、トップラインと同じライン
背と同じライン上、或いはそれよりわずかに上に掲げ
上、或いはほぼ真っ直ぐ上に掲げている(陽気に)。
られる。巻き尾ではない。白いプルームで十分に被わ
白いプルームのある豊かな飾り毛がある。最終脊椎
れており、先端は飛節に達する。
は飛節に達していなければならない。
▼前 肢(フォアクォーターズ)
▼前 肢(フォアクォーターズ)
◇肩(ショルダーズ)
前脚は真っ直ぐで、飾り毛は多すぎない。
頸から背にかけて流れるような線を描くよう、肩は十
分に傾斜している。
◇上腕(アッパー・アーム)
肩甲骨に向かってよく角度があり、同じ長さである。
◇肘(エルボーズ)
ボディに近接している。
◇前腕(フォアアーム)
真っ直ぐ、平行で、十分な骨密度及び長さがあり、が
っしりしている。
◇中手(パスターン)
丈夫で、若干斜めである。
◇足(フォアフィート)
小さく、若干卵型(オーバル)、指趾は緊握し、指先は
前を向いている。
▼後 肢(ハインドクォーターズ)
▼後 肢(ハインドクォーターズ)
◇一般外貌
臀部には長い飾り毛があるが、飛節より下には飾り
よく角度があり、後望すると真っ直ぐで、平行である。
毛はない。飛節は十分な角度を成す。
がっしりしている。
◇大腿(サイ)
筋肉が発達している。
▼足(フィート)
◇下腿(ローワー・サイ)
小さく、指趾は緊握し、短い被毛で覆われている。
大腿と同じ長さである。
◇飛節(ホックジョイント)
よく下りている。
◇足(ハインドフィート)
前足と同じである。
■歩 様(ゲイト/ムーブメント)
■歩 様(ゲイト/ムーブメント)
流れるようで、軽快で、歩幅があり、推進力がある。
流れるようで、軽快だが、飛び跳ねるようではない。
四肢は平行である。
◇毛(ヘアー)
◇毛(ヘアー)
中位の長さで、ややウェーブ状か真っ直ぐでボディに
中位の長さで、ややウェーブ状か真っ直ぐである。巻
密接している。柔らかい毛。アンダー・コートは発達し
き毛ではなく、ボディにぴったりと生えている。被毛は
ている。
細すぎず、アンダー・コートは発達しており、手入れは
前肢には中手関節に達する、適度な飾り毛があるべ
簡単である。
きである。後肢にはかなり長い飾り毛が臀部にある
が、飛節より下には飾り毛がない。頭部、肢の前側、
足の毛は短くなければならない。尾の下側には十分
な飾り毛がある。喉及び前胸の毛はより長い。イヤリ
ング(先がブラックの長い飾り毛)が大変望ましい。
◇毛 色(カラー)
◇毛 色(カラー)
ホワイトの地色に、鮮明なオレンジレッドの明瞭な斑
ホワイトの地色に、鮮明なオレンジ・レッドの明瞭な斑
がある。肢にあるほんの少しの小さなスポットは許容
がある。オレンジ・レッドが優勢でなければならない。
される。オレンジレッドが優勢でなければならない。オ
ブラック・アンド・ホワイト及びトライカラーは認められ
レンジレッドにブラックの毛が幾分混じったもの、及び
ない。
ティッキングが僅かに見られるものは許容されるが、
頭部の模様:ホワイトのブレーズとオレンジ・レッドの
あまり望ましくない。
頬が好ましい。
頭部の毛色:明確なブレーズが鼻まで入っている。
頬と目の周りに色がなければならない。ブレーズの幅
が狭すぎたり、広すぎたり、頬に部分的にしか色がな
いものはあまり望ましくない。
オレンジレッドからホワイトに毛色が変わっている箇
所のブラックのテイル・リングは許容される。
■サイズ
■サイズ
理想的な体高
体 高
牡:40cm 牝:38cm
約 35~40 ㎝
+2cm 或いは-3cm まで許容される。
■欠 点
■欠 点
上記の点からのいかなる逸脱も欠点とみなされ、その
上記の点からのいかなる逸脱も欠点とみなされ、その
欠点の重大さは逸脱の程度及び犬の健康並びに福
欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
利、また伝統的な作業を行うための能力への影響に
比例するものとする。
・ 小さすぎる耳。
・ 半分立っている耳「フライング・イヤー」。
・ 巻きすぎている尾。
・ ハックニー歩様。
・ カーリーな毛、またはシルキーな毛。
・ ブラックの毛がオレンジレッドの斑の中に多く混ざ
っているもの。
・ ティッキングが多過ぎるもの。
・ 最大サイズを超えるものや最小サイズを下回るも
の。
■重大欠点
・ 心配げな行動。
・ 際立って地低いもの、調和が取れていないもの。
・ ウォール・アイ。
・ アンダーショット、またはオーバーショット
・ 尾が短すぎ、飛節に達していないもの。
・ 耳が部分的か完全にホワイトのもの。
・ 片方の目、または両目の周りがホワイトのもの。
■失 格
■失 格
・ 攻撃的もしくは過度のシャイ。
・陰睾丸。
・ 肉体的・精神的に明らかに基準外であるものは、
いかなる犬でも失格とみなされる。
・ ブラック及びホワイトまたはトライカラーのもの。
・ 陰睾丸。