未承認薬使用の一般的申請について 2005年11月28日 ・基本的な考え方 保険適応が認められている場合、そのこと自体を有効性・安全性が十分に確認されていること の証拠と考えることができる。一方、未承認の薬品等を使用する場合にはこれと異なり、(1) その治療法が有効・安全であること、(2)より適切な選択肢が存在しないこと、(3)患者本人が それらの事情を理解した上でその医療を受けることに同意していることを、未承認薬使用を試 みる当事者において立証する必要がある。 患者本人の生命に関わる緊急事態においては、生命を救うことが何よりも優先されるべきであ り、これらの事実の証明が事後に行なわれることになってもやむを得ない。しかし、将来に向 け一般的に許可を得ようとする場合には訴訟リスク等に備えておく必要もあるため、第三者の 検証に耐えうるよう可能な限り準備しておく必要がある。 従って、未承認薬使用に一般的許可を受けようとする場合には、その未承認薬使用を選択する 基準と選択できない基準(除外基準)の双方につき、できるだけ客観的な条件によって示すこと が望ましい。 一般的には以下のような記載内容が想定される。 ・選択基準 -未承認薬使用の対象となる病名・症状に該当すること。 例) xxx病であるという担当医師の確定診断。 (具体的な診断基準が挙げられれば望ましい。) -未承認薬使用の方が患者にとって望ましい理由、または他の治療法を選択できない理由。 例) 他の治療法における除外基準に該当していること。 例) すでに一般的な他の治療法を試したが効果が確認できないこと。 -未承認薬使用を安全に実施できる条件。 例) 症状が一定の基準以下であること。 例) 特定の薬剤を使用していないこと。 -20歳以上の成人であること。 -未承認薬使用の同意書に署名し、本人の同意が確認できること。 注意) 未成年者・意識低下で本人が同意できないケースを想定する場合には、 上記2条件を変更し、同意書に代諾者欄を設ける必要がある。 ・除外基準 -未承認薬使用を選択できない条件。 例) 未承認薬使用で用いられる薬剤等に対するアレルギー。 例) 妊娠中、または妊娠を希望していること。 以上
© Copyright 2024 Paperzz