2年生の部

★夏休み課題「夏の一言」とは★
自由に本を一冊選んで読み、いちばん感動した(印象に残った)ことばを抜き書きし、そ
のことばによって考えたことや感じたことを、200字以内で作文します。
少ない字数で考えをまとめるのは、短くてとっつきやすい反面、長い作文とは、またちが
った難しさがあります。
以下に、平成26年度夏の優秀作品を紹介します。
(2年生の部)
た け だ かずよし
★「病気も贈り物だな。」(武田一義『さよならタマちゃん』より)
いちばん病気に関係なさそうな私の母が去年病気をしたとき、似たような言葉を言ってい
た。「娘たちが毎日近くにいてくれてうれしいなあ。病気して、ちょっと得しちゃった。あ
りがとう」と。母にはこれから、元気で長生きしてほしい。
(1組女子)
★「生きていると気持ちが前へ前へと急いでしまうけど、本当に大切なことは、一番最初の
なつかわそうすけ
ところにあるのかもしれないね。」(夏川草介『神様のカルテ』より)
学校に通い、授業を受けて、帰宅する。毎日同じ流れの繰り返しで、このままの自分で就
職できるのだろうか?と、たまに不安になる。そんなとき、この言葉に出会った。自分が、
大きな夢を抱えて高校に入学したときの気持ちや、自分の本当にやりたいことを、忘れかけ
ていたのだと気づいた。迷ったとき、悩んだときは、前ばかり見るのではなく、スタートに
戻ってみるのもいいのかもしれないと思った。
(2組女子)
★「死ぬまで夢を持て!叶わなくても、しょせん夢だから。」
(島田洋七『佐賀のがばいばあちゃん』より)
私には夢がある。大きな夢から、手の届きそうな夢まで、考え出したら楽しくなるくらい
に、夢は尽きない。周りに話すと、馬鹿にされたり、「現実を見ろ」と言われたりする。で
も、この言葉に出会って、大きな目標を立てるのが悪いことだとおもわなくなった。叶わな
しょせん
くても、所詮夢は夢。夢を見るのは私の自由だから、誰に何と言われても、ワクワクするよ
うな夢を描いていたい。
(2組女子)
れき
★「私も、君を守るよ。」(川原磔『SAO~ソード・アート・オンライン』より)
生きるか死ぬかの間でこんな言葉を言えるのは勇者・・・いや、善者ではないか。この世界
ぎ ぜ ん し ゃ
には偽善者と呼ばれる人々がいる(もちろん私もその中に入るだろう)。でも、この登場人
物は、この言葉を実行し、本当に最後の最後まで全力を尽くして戦う。その姿に胸を打たれ、
この言葉が忘れられない。
(1組女子)
★「どんな人でも、表だけで全て決まらない。だって、きっと人には隠し事がいっぱいある
んだもん。それを表に出せるのは、親しい人だけ」
(Cutlass『嘘を吐いた記憶の物語』より)
初対面の相手に自分の全てを話せる人は、そういないだろう。それと同じことだと思った。
自分の隠し事を表に出せる相手は、やっぱり自分をよく知る親しい人しかいない。逆に言え
ば、初対面のころとだいぶ印象が変わったな・・・という友だちがいたとしたら、その友だち
は、自分のことを「親しい人(本当の自分を見せられる人)」と思ってくれている、という
ことかな?と思い、うれしい。
(3組男子)
★「俺は絶対に特攻に志願しない。妻に、生きて帰ると約束したから。」
ひゃくた な お き
(百田尚樹『永遠の0』より)
ざんこく
戦争のために、昔の人がどれだけ悲しく残酷なことをしたのか、どれだけ悲しい思いをし
たのか。戦争に何の意味があるのか不思議で仕方がない。この本の主人公とその家族と同じ
ような悲しい思いをした人がたくさんいたと思うと、胸が痛い。この本を読んで、あらため
て、戦争はやってはいけないことだと感じた。
(3組女子)
★「心のおもむくままに生きるのは、危険だらけ。」
ゆ づき
(藤沢優月『なりたい自分になる魔法の教科書』より)
気づいたら楽な道に流される自分。この言葉で、そんな自分を卒業しなきゃと思った。や
ふ か
りたいことだけやってすごすのは、今は楽でも、その先の自分に負荷をかける、危険なこと
だ。やりたいことと、やらなければいけないこととのバランスを保つことが大切だと、考え
させられた。
(4組女子)
★「嫌なこと、悲しいこと、辛いことを経験したことによる心の痛みを、すべて忘れるとい
う方法で解決していいものだろうか。むしろ人間はそうした心の痛みを、一生抱えて生きて
いくべきではないのか。」
(東野圭吾『パラレルワールド・ラブストーリー』より)
人は生きていれば、多くの辛く苦しい経験をする。「辛いことは早く忘れたい」と思う人
も、少なからずいると思う。けれど、忘れることは、その苦しみから逃げること。忘れてし
まえば、辛いことは「ただの経験」で終わってしまうのではないか。辛く苦しい経験を無駄
に終わらせないためには、それを自分自身の成長、次の苦しみに打ち勝つ強さに繋げること
が大切だと感じられた。
(4組女子)
ど う か せ ん
★「時間は永遠ではない。わたしたちはみんな、火のついた導火線のように生きてる。こん
な普通の一日だって、全部借りものだよ。借りた時間は、誰かがいつか、まとめて取り立て
い し だ い ら
み おか
にやってくるんだ。」(石田衣良『美丘』より)
病を抱えた主人公・美丘のこの言葉は、いつも通りの毎日を「当たり前だ」と思って過ご
していた私の心に響いた。物事には全て期限があるのに、それを忘れて、私たちは何気なく
かんちが
生きている。短い高校生活でさえ、当たり前に感じてしまい、一生続くと勘違いしている。
わかっているようで忘れかけていることを、この言葉は気づかせてくれた。
(4組女子)
あせ
★「できることをすべてやったら、焦らず、あきらめぬこと。自分には必ず幸運が訪れると
信じ、甘い言葉には耳を貸さぬこと。」(Alex Rovira『Good Luck』より)
この本には、幸運をつかむためのいろいろなヒントが書いてある。この言葉は、今の私に
は足りないことだなと思ったから、印象に残った。できることをやっても、焦ってしまった
かつ
り、誘惑に負けてしまったり・・・そんな弱い自分に喝を入れてくれているように思えた。
(5組女子)
ま
こう
は せ べ
★「苦しいことには真っ向から立ち向かう。」(長谷部誠『自分に勝つ』より)
長谷部選手は、どんなに苦しい練習も文句も言わずやりとげてすごい。今の自分は、とて
つら
もそんなふうにはできていない。辛い練習があったら、文句を言ってしまう。僕も、辛いこ
とがあっても、文句を言わず真っ向から立ち向かえるようになりたい。
(5組男子)
★「世の中がつまらなくなったんじゃない。あなたがつまらない人間になったのよ!」
(あおいせきな『生徒会の一存』より)
現実に、「つまんない」とか言っている人は、実際一緒にいてもつまらない。こちらの気
分も落ち込んでしまう。だから、とても納得できる言葉だった。
(6組女子)
★「生き延びることを第一に考えろ。どんなに苦しくても、生き延びる努力をするんだ。」
(百田尚樹『永遠の0』より)
私は、苦しいことや辛いことがあると、「死にたい」と思ったことがあった。でも、この
本の主人公・宮部さんが、戦友にかけたこの言葉を読んで、しっかりと生きる努力をしたい
と思った。
(6組女子)