ⅴ 公益法人等の税務 - 税理士法人イースリーパートナーズ

ⅴ 公益法人等の税務
公益法人等、普通法人、法人格を取得していない人格のない社団等とNPO法人、そ
して認定特定非営利法人(以下、「認定NPO法人」といいます)に対する課税の取
扱いは、次の表のようになります。
~1~
(1)
NPO法人が法人税法上の収益事業を行った場合に、法人税が課税されます。
(2)
NPO法人に対し寄付を行った個人又は法人に対する課税は、そのNPO法
人が認定NPO法人の場合には、公益法人等に対して寄付した場合と同様に
取り扱われますが、一般のNPO法人に対する寄付は、寄付をした個人につ
いては、プライベート費用として、何ら税法上の恩典はありませんし、寄付
をした法人については、一般寄付金としてその法人の寄付金の限度額の範囲
のみが損金となり、人格のない社団に対して寄付をした場合と同じ取扱いに
なります
収益事業とは
法人税法上の収益事業とは、次の34種類の事業を、継続して事業場を設けて営むこ
とをいいます。この事業には、その収益事業の事業活動の一環として、あるいは関連
して付随的に行われる行為も含まれます。
物品販売業
不動産販売業
金銭貸付業
物品貸付業
不動産貸付業
製造業
通信業
運送業
倉庫業
請負業
印刷業
出版業
写真業
席貸業
旅館業
料理店業その他の飲食店業
周旋業
代理業
仲立業
問屋業
鉱業
土石採取業
浴場業
理容業
美容業
興行業
遊技所業
人材派遣業
遊覧所業
医療保健業
一定の技芸教授業等
駐車場業
信用保証業
無体財産権の提供等
~2~
各種届出等
(1) 主たる事務所を所轄する税務署へ提出するもの
(1) 収益事業開始届出書
収益事業を開始した日から2ヶ月以内に提出します。
提出の際、収益事業の概要を記載した書類、収益事業についての開始貸借対照表、
主たる事務所の所在地の略図を添付します。
(2) 青色申告の承認申請書
帳簿書類を備え付けてこれに複式簿記の原則に従って記帳を行い、その記録に基づ
いて決算を行い、原則として7年間これらの帳簿を保存する場合には、青色申告の承
認申請を行うことによりその年度の所得と前 7 年以内に開始した事業年度の欠損金
(税務上の赤字の金額)とを相殺することができるなど、有利な取扱いを受けること
ができます。
青色申告の承認申請は、収益事業を開始した日から3ヶ月を経過した日と収益事業
を開始した事業年度終了の日とのいずれか早い日までに行います。
(3) 棚卸資産の評価方法の届出書
この届出書は、収益事業を開始後最初に到来する確定申告期限までに提出します。
提出しない場合は、法定評価方法である最終仕入原価法で棚卸資産の評価を行うこ
とになります。
(4) 減価償却資産の償却方法の届出書
この届出書は、収益事業を開始後最初に到来する確定申告期限までに提出します。
提出しない場合は、建物は、定額法、建物附属設備、構築物、備品、機械装置は、
定率法の法定評価方法で評価を行うことになります。
(5) 消費税
消費税は、その法人が行っている事業が法人税法上の収益事業か収益事業以外かに
関係なく、課税売上高の金額により納税義務が発生します。次の事由に該当されるこ
ととなる場合には、収益事業を行っていないNPO法人も届出が必要です。
「消費税課税事業者届出書」
基準期間(その事業年度の前々事業年度)の課税売上高が 1,000 万円を超える場
~3~
合には、消費税の納税義務者となります。その場合には、
「消費税課税事業者届出書」
をその事由が生じたときに、速やかに提出することになっています。
「消費税簡易課税制度選択届出書」
基準期間(その事業年度の前々事業年度)における課税売上高が 5,000 万円以下で
ある課税期間については、課税売上高から納付する消費税を計算する簡便な方法を選
択することができます。この制度を選択したい場合には、適用を受けようとする課税
期間開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出しなければなり
ません。
ただし、いったん簡易課税制度を選択した場合には、2年間は変更が認められませ
ん。
「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」
消費税の納税義務者であった法人が、基準期間の課税売上高が 1,000 万円以下とな
った場合には、その事由が生じたときに、速やかに提出することになっています。
(2) 主たる事務所を所轄する都道府県へ提出するもの
(1) 法人設立等申告書
法人設立日から15日以内に、主たる事務所を所轄する都道府県事務所へ提出しま
す。この届出書は、収益事業を行うか行わないかに関係なく、提出が必要です。
(2) 収益事業開始申告書
収益事業を開始した日から15日以内に主たる事務所を所轄する都道府県事務所
へ提出します。
(3) 法人等の道府県民税の減免申請書
例えば大阪府の場合には、条例により収益事業を行っていないNPO法人について
は均等割申告書の提出期限の2週間前までに減免申請書を提出することにより、府民
税均等割(最低額は2万円)が減免されます。
各NPO法人において、都道府県の条例を確認するか、所轄の行政機関に問い合わ
せをした上で手続を行ってください。
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(3) 主たる事務所を所轄する市町村へ提出するもの
(1) 法人設立・事務所等開設申告書
法人設立の日から2ヶ月以内に主たる事務所を所轄する市町村長に提出します。
この届出書は、収益事業を行うか行わ無いかに関係なく、提出が必要です。
(2) 法人等の市町村民税の減免申請書
例えば大阪市の場合には、条例により収益事業を行っていないNPO法人について
は均等割申告書の提出期限の2週間前までに減免申請書を提出することにより、市民
税均等割(最低額は5万円)が減免されます。
各NPO法人において条例を確認するか各市町村に問い合わせを行ってください。
(3) 法人・事務所等異動届(収益事業開始届)
収益事業を開始した場合に遅滞なく主たる事務所を所轄する市町村に提出します。
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