須波の家 House in Sunami

須波の家 House in Sunami
●写真キャプション
○依頼主の原風景・原体験を内包する住宅
1 俯瞰写真. スラブ厚さ120mmのシェル屋根には硬質発砲ウレタン吹付の上、
断熱モルタル、FRP防水を施している。
敷地にほど近い島で生まれ育った依頼主に対し、海への眺望がいいだけの家でなく、瀬戸
内地域に漂うのどかな空気感がそのまま室内空間になったような住宅を提案した。
3 北側正面.
背後にトップライトを設けた中庭を設けることで、海側だけでなく閉じがちな山側にもプ
ライバシーを保ちながら生活が開かれる計画とした。 5 施工中の様子. 下から、鉄骨建方時、壁型枠建込時、屋根スラブ配筋完了時.
6 躯体型枠脱型時.中庭より望む.
シェルアーチのスラスト(外に開こうとする力)に抗する必要がある桁方向も、海を望める
開放的なシェルとするため、鉄骨フレームを補助的に用いている。同時に間仕切り壁、水
りや収納の配置をXY方向のバランスが良い耐力壁となるよう決定している.
配置図 1/1500
○省エネ・メンテナンス性への配慮
開口部にはすべてペアガラスを使用。シェル屋根上部は硬質発泡ウレタン吹付けの上、断
熱モルタル押えとし、熱負荷の低減に配慮している。おおらかなワンルームのような空間
を支える冬期の暖房方式として省エネ性の高い蓄熱式電気床暖房を全室に採用した。深い
庇は夏期の直射日光の射込みを遮ると同時に、風雨による外壁の汚れを防いでいる。
○シンプルで美しい佇まい
仕上げや設備で「スペック」として環境に配慮した住宅とすると同時に、施主に長く愛さ
れ住み続けられる、真の意味でのサスティナブルな住宅として、普遍的で無垢な材料(コ
ンクリート、ガラス、タイル等)を用いながら、シンプルで美しい佇まいを目指した。
コンクリート
5400
寝室
駐車場
寝室
5400
4500
4500
居間
5500
道路
中庭
台所
鉄骨フレーム
1800
8100
9900
●構造アクソメ
7 居間内観. 床仕上げは磁器質タイル仕上. 全室、蓄熱式床暖房を敷設している.
収納内部は各所ともフェノールフォーム保温板の上シナベニヤ仕上. 開口部は全てペアガラス仕様.
○おおらかに空間を包むシェル屋根とそれを支える平面計画
シェル屋根
4 敷地航空写真. 東・南の2方向が開いた新興住宅地の敷地である.
住宅地の裏手には山々が控える.
○敷地や室内のどこに立っても海が見える平面
2 敷地南、斜面下方より見上げる.
4500
900 900
N
5400
●平面図1/150
8 中庭より見る. 室内のどの場所からも瀬戸内海への景色と同時に、背後の芝生庭・遠くの山並みを感じることが出来る.
中庭側サッシの間には屋根の垂直力を支える鉄骨柱が組み込まれている.