産科婦人科学

産科婦人科学
科目責任者 稲 葉 憲 之
学年・学期 3学年・3学期
Ⅰ.前 文
産科は主として妊娠・分娩・産褥という一連の生殖過程,並びにその異常を取り扱うが,同時に出生児(新生児)管
理も行い,小児科学と密接な関係を有する。(周産期医学)。一方,婦人科学は特に女性性器疾患の診断・治療を軸とし
て分化・発展してきた学問で,裡に外科的,内科的性格を併せ持っている。同学は女性の性機能の生理と病態を通して
その乳幼児期,思春期,性成熟期,更年期,老年期という女性の全生涯に関与する,まことに守備範囲の広い学問であ
る。加えて近年の分子生物学や ME の急速な発展とその臨床応用があり,学ぶべき情報量は膨大なものとなっている。
限られた時間内にこれらすべてを教授することは困難であるが,下記の学習目標に沿って要領よく講義を進めたい。全
てが細分化された現状では数人で全領域を講義することは不可能であり,時に有害である。参考書丸写しによる素人同
然の講義は学生ならずと眠くなるであろう。従って,産科婦人科学は名誉教授,特任教授,越谷病院の先生方,さらに
非常勤講師の先生方にも参加頂き,その専門分野の講義を担当して戴いた。教科書に載っていないお話にも耳を傾けて
戴きたい。
Ⅱ.担当科(教授)
産科婦人科学 (稲葉 憲之)
産科婦人科学 (渡辺 博)
産科婦人科学 (深澤 一雄)
越谷・産婦人科(林 雅敏)
Ⅲ.一般学習目標
産科婦人科学を産婦人科臨床の基礎,生殖内分泌医学,周産期医学,婦人科腫瘍学,更年期医学,感染症,他の6領
域に大別し,少なくともそれぞれの知識のゴールデンスタンダードは十分理解出来るような講義内容とした。また,最
新の医療情報,学問上のトピックスについても講義中に各専門家より随時ご紹介戴き,さらにBSLでは実地に体験・学
習させたい。
Ⅳ.行動目標
各項目別の理解・習得目標は以下の如くである。
(1)産婦人科臨床の基礎−女性性器の発生・分化・解剖の再確認と産婦人科的診察法の習得。
(2)生殖内分泌学−間脳・下垂体・卵巣系の内分泌機構,及びその異常の理解,さらに最新医療としての assisted
reproductⅣe technology(ART)の理解。
(3)周産期医学−妊娠・分娩の正常経過とその異常,妊娠・分娩管理,特に妊娠合併症の管理について習得,さらに正
常新生児取り扱いに関しても学習。
(4)婦人科腫瘍学−女性性器(外陰・子宮・卵巣)の良性・悪性腫瘍の分類・診断・治療,発癌機構の理解。
(5)更年期医学−更年期より老年期に至る婦人の生理,病態の把握,また quality of life(QOL)に基づいた hormone
replacement therapy(HRT)に代表される治療の必要性の理解。
(6)感染症,他−STD など婦人科特有の感染症の診断・治療,及び B, C, G, 型肝炎ウイルス,成人 T 細胞白血病ウイ
ルスに代表される周産期母児垂直感染症などの紹介。
−326−
Ⅴ.講義・実習の講義内容
回数
月
日
曜日
時限
講
義
テ
ー
マ
担 当 者
1
11 16
火
1
ガイダンス(産婦人科診療・検査法)
産科婦人科学
稲 葉 憲 之
2
16
火
2
性の分化(機転と異常)
越谷・産科婦人科
林 雅 敏
3
19
金
3
性腺・性器の発生,性器の位置異常・形態異常
産科婦人科学
北 澤 正 文
4
19
金
4
産婦人科領域の遺伝子診断
教育支援センター
田 所 望
5
24
水
1
性周期−間脳・下垂体・卵巣系における内分泌機構
産科婦人科学
望 月 善 子
6
24
水
2
月経異常−病態・診断・治療
越谷・産科婦人科学
坂 本 秀 一
7
30
火
1
不妊症−原因・診断・治療(ART を含む)
産科婦人科学
北 澤 正 文
8
30
火
2
子宮内膜症
越谷・産科婦人科学
榎 本 英 夫
9
12 3
金
3
加齢と性機能・病態・治療
越谷・産科婦人科学
大 藏 健 義
10
3
金
4
妊娠の成立と維持
産科婦人科学
河 津 剛
各2
11
7
火
1
下垂生殖の病理学
病理学(人体分子)
井 村 穣 二
各2
12
7
火
2
子宮体部の病理1
病理学(人体分子)
井 村 穣 二
各2
13
10
金
3
卵巣・付属器の病理1
病理学(人体分子)
井 村 穣 二
各2
14
10
金
4
産科・胎盤の病理
病理学(人体分子)
井 村 穣 二
実
15
14
火
1
病理実習1
病理学(人体分子)
井 村 穣 二
実
16
14
火
2
病理実習2
病理学(人体分子)
井 村 穣 二
実
17
17
金
3
病理実習3
病理学(人体分子)
佐 藤 英 章
実
18
17
金
4
病理実習4
病理学(人体分子)
佐 藤 英 章
5
水
1
胎児−発育・生理・胎児付属物
産科婦人科学
渡 辺 博
20
5
水
2
妊娠管理−妊婦健診・modified BPP 等
産科婦人科学
渡 辺 博
21
11
火
3
分娩−分娩の3要素
産科婦人科学
西 川 正 能
22
11
火
4
分娩管理
教育支援センター
田 所 望
23
12
水
1
産婦人科 ME(超音波・CTG:cardiotocograph)
産科婦人科学
渡 辺 博
24
12
水
2
異常分娩(出血・ショック含む)
教育支援センター
田 所 望
25
17
月
3
産褥−正常・異常(病態・治療)
産科婦人科学
大 島 教 子
26
17
月
4
妊娠の異常−流・早・過期産
産科婦人科学
坂 本 尚 徳
27
19
水
1
妊娠の異常−子宮外妊娠・前置胎盤・癒着胎盤
産科婦人科学
掛 田 充 克
19
1
−327−
三
学
年
回数
月
28
曜日
時限
1 19
水
2
妊娠の異常−妊娠高血圧症候群
越谷・産科婦人科
濱 田 佳 伸
29
24
月
3
妊娠の異常−多胎妊娠
産 科 婦 人 科
坂 本 尚 徳
30
24
月
4
妊娠の異常−合併症妊娠
産科婦人科学
大 島 教 子
31
25
火
2
産科手術学−種類・適応・要約・手技
産科婦人科学
熊 坂 高 弘
32
26
水
1
子宮悪性腫瘍(頚部・体部)
−疫学・発生機序・診断・治療・予後①
産 科 婦 人 科
稲 葉 憲 之
33
26
水
2
子宮悪性腫瘍(頚部・体部)
−疫学・発生機序・診断・治療・予後②
産科婦人科学
稲 葉 憲 之
34
27
木
2
子宮悪性腫瘍(頚部・体部)
−疫学・発生機序・診断・治療・予後③
産科婦人科学
平 井 康 夫
35
31
月
1
周産期母子垂直感染症
産科婦人科学
大 島 教 子
36
31
月
2
子宮筋腫−病態・診断・治療
産科婦人科学
大 津 礼 子
1
火
1
卵巣腫瘍(良性・悪性)−分類・診断・治療①
産科婦人科学
深 澤 一 雄
38
1
火
2
卵巣腫瘍(良性・悪性)−分類・診断・治療①
産科婦人科学
深 澤 一 雄
39
2
水
1
卵巣腫瘍(良性・悪性)−分類・診断・治療②
産科婦人科学
清 水 敬 生
40
3
木
1
絨毛性疾患−病態・診断・治療
産科婦人科学
高見澤 裕 吉
41
4
金
1
外陰・膣−良性・悪性腫瘍の診断・治療
産科婦人科学
香 坂 信 明
42
7
月
3
産婦人科領域の腹腔鏡
産科婦人科学
林 正 路
37
2
日
講
義
テ
ー
マ
担 当 者
注)上表のうち,左端の「各2」「実」と表示されたコマは,それぞれ別科目「病理学各論Ⅱ」,「病理学各論実
習」の授業であるが,科目構成上「産科婦人科学」の授業とともに表記されている。
Ⅵ.評価基準
学期末試験
Ⅶ.教科書・参考書・AV資料
参考書:へるす出版 産婦人科学
−328−