31 現在,リモートセンシング,GIS に関する多数のフリーソフトをインターネットから入手できます。 例えば,4 月号ではフリーGIS ソフトGRASS の紹介がありました。こういったソフトを提供している 機関は,自習用に衛星画像を含むフリーのトレーニング画像も提供しています。しかし,そういった自 習用画像はごく限られた地域(大抵は外国)が対象です。例えば授業を行うのであれば,知らない街の 画像より,自分が住んでいる街が写っている画像を利用する方が学生も関心度が増すに違いありませ ん。そこで,今回はインターネット上で公開されている無料の衛星画像のうち,特にLandsat 画像の入 手法を紹介します。Landsat の概要については http://www.restec.or.jp/jpn/data/products/satellite/landsat/intro_land.html 等をご覧下さい。 (最終確認日2006 年5 月8 日) 空間分解能数十センチクラスの高分解能の商用衛星と比べると空間分解能は低いですが,1 枚数十万 円もする商用衛星画像と比べ,Landsat 画像の一部は無料で入手が可能です(全てが無料ではありませ ん) 。Landsat 画像のうち,特に雲の無い画像の一部が無料で公開されています。まずは,メリーラン ド大学の“Earth Science Data Interface.”にアクセスして下さい。 http://glcfapp.umiacs.umd.edu:8080/esdi/index.jsp(最終確認日2006 年5 月8 日) ここから入手できる画像は2005 年10 月号のこのコーナーで紹介されたGoogle Earth の背景画像に も一部利用されているそうです。実際の画像を検索してみましょう。上記ページにアクセスすると右上 にESDI Login と書いてある枠があります。そこのRegister というボタンをクリックして必要事項を 記入して下さい。 Email : Password : Verify Password : First Name : Last Name : 自分のメールアドレス Welcome 自分で決めたパスワード 名前 苗字 メールアドレス 自分で決めたパスワードの確認 無 料 L a n d s a t 画 像 名前(ローマ字) 図−1 苗字(ローマ字) ログイン状態 登録が完了すると先ほどの右上の枠に自分の名前とメールアドレスが表示されます(図−1) 。引き続 き,Map Search をクリックして下さい。世界地図が表示されます。左端の Landsat Imagery のう ち,ETM+,TM,MSS それぞれのチェックボックスをチェックし,地図上の Lat/Long ボタンを押し て地図の範囲指定の画面にして下さい。例として,富士山を含む範囲で検索してみます(図−2) 。 四隅の緯度経度を入力し,リ ターンキーを押すと 11 image (s)in selection となりました。 Min Latitude : 35N Max Latitude : 35.5N さらに,Preview & Download 図−2 Min Longitude : 138.5E Max Longitude : 139E 緯度経度の指定 を選んでください。全部で11 シーンがヒットしました。それぞれの画像リストの右側にチェックボッ クスがあります。このうち一番上の画像は1993-05-21 に撮影されたもので,左上にクイックルック画 像が表示されています。その右側にダウンロードボタン(Download)があります。ここをクリックす ると新しいウィンドウが開き,ブラウズ画像(p107r36_5t19930521.browse.jpg)やヘッダ情報 (p107r36_5t19930521.hdr)とともに,p107r36_5t19930521_nnX.tif.gz(X:1-7)というファイルが ダウンロードできます。X は対応するバンド番号です。 この他,無料で入手可能な地球環境観測データとして最近特に注目されているデータとしてMODIS 画像があります。毎日全球を観測出来,衛星の打ち上げ以降(2000 年12 月)の全てのデータをインター ネット上から入手可能です。こちらの入手法については拙著の『リモートセンシング読本』 (日本測量協 会,2005 年)に入手法を紹介していますので,そちらをご覧下さい。 このように,一部限定された環境ではありますが,私たちは無料のリモートセンシング/GIS ソフト だけでなく,無料のデータも入手できる環境にあります。10 年程前,こういった環境を整えるには数十 万円から数百万円以上(Landsat 画像1 枚数十万円)必要としたのですが,今ならパソコンとインター ネットがあれば一通りの練習は誰でも出来る環境になりました。是非一度,ご自分でチャレンジしてみ てください。 (岩男弘毅 国立環境研究所) THE JOURNAL OF SURVEY 測量 2006. 7 21
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