2016年秋号

公益社団法人福岡医療団
千鳥橋病院
福岡医療団
FUKUOKA IRYO DAN
千鳥橋病院
検 索
千鳥橋病院・千代診療所広報誌
健康増進活動拠点病院
Vol.97
千鳥橋病院の理念
無差別・平等の医療
2016年秋号
「患者の人権」
を尊重した医療をすすめます
安全・安心・信頼の医療
患者さんや地域の方々とともに
医療の質の向上につとめます
安心して住み続けられるまちづくり
保健・医療・福祉のネットワークを広げます
ヘルスプロモーション活動の推進
HPHとして、患者、地域、職員の健康づくりをすすめます
千鳥橋病院の医師研修理念
「各科に共通の確かな基本的力量と豊かな人
権意識、健康増進への意識を備えた、地域医療
を志向する医師」
を
「それぞれの研修医を主体
者にして」養 成 する。当院は、厚 生 労 働 省より
「基幹型臨床研修病院」
に指定されています。
医療トピックス
肺の病気(COPD)
と予防接種について
キラッと看護
ICT
(感染対策)
について
熊本地震医療支援報告
職場紹介(地域連携室)
平和企画 被爆者体験談
千代診療所 外来体制表
2
3
4
6
7
8
千鳥橋病院 看護の理念
「患者の権利」
を尊重し、安全で安心できる、差
別のない看護を提供します。
撮 影:藤島 肇(千鳥橋病院総務課) 「天草諸島を眺望する」
「ちどり通信」
へのご意見・ご感想をお寄せください
撮影場所:熊本県天草市 太郎丸嶽頂上(2015年9月撮影)
コ メント:登山サークルで太郎丸嶽に登った際に、天気が良く天草諸島を眺めると
● Eメール … soumu@f id.jp
カメラのシャッターを押していた。登山の疲れも吹き飛んだ感じでした。
ックス
医療トピ
肺の病気(COPD)と
予防接種について
呼吸器内科
東3呼吸器内科病棟医長
医師
赤沢 慶子
COPDについて
COPDは、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字を
とった名称で日本語では慢性閉塞性肺疾患といいます。
COPDはタバコなどの有害物質を吸い込むことで、空気の通り道で
ある気道(気管支)
や、酸素の交換を行う肺(肺胞)
などに障害が生じる
病気です。
その結果、空気の出し入れがうまくいかなくなるので、通常の
呼吸ができず、息切れなどの症状が起こります。長年の喫煙が原因とな
ることが多いため
「肺の生活習慣病」
とも言われます。
日本には500万人
以上のCOPD患者さんがいると推定されていますが、診断されている患
者さんはほんの一握りで、多くは十分な治療を受けられていないのが現
状です。
COPDは簡単な肺機能検査で診断ができます。喫煙習慣があり持続
肺機能検査の様子
する咳や息切れなどが気になる方はぜひ一度検査を受けましょう。
禁煙外来のススメ
肺炎球菌ワクチン予防接種を受けましょう
COPDの最大の原因はタバコです。そのため
早期のCOPDは無症状ですが、病状の進行とともにウイルス、細菌
COPDの治療は禁煙が重要となります。禁煙に
などによる気管支炎や肺炎を起こしやすくなります。肺炎をきっかけに
よりCOPDの進行が遅くなり、寿命がのびること
咳や痰、発熱、呼吸困難の悪化などの症状が急激に出てくることがあり
が分かっています。
ます
(これを急性増悪といいます)。急性増悪はさらにCOPDの病状を
しかし、
タバコを止めたくても止められない方
進行させるため、肺炎の予防も大事な治療となります。
また肺炎は日本
が多いかと思います。
タバコが止められない理由
の死因の第3位となっており、亡くなる方の約95%が65歳以上の高齢
は意思の弱さではなく、
タバコの煙に含まれる
者です。COPDの患者さんだけではなく、高齢者の方にとっても決して
「ニコチン」
が強い依存性をもつためです。喫煙
軽視できない病気です。
習慣は
「ニコチン依存症」
という治療が必要な病
肺炎の予防のためにできることの一つとして予防接種があります。
気です。
この
「ニコチン依存症」
の治療を行い、禁
2015年10月からは高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種制度が開
煙の成功率を高めるのが禁煙外来です。禁煙を
始され公費助成を受けられるようになりました。高齢者の方、特に
考えている方はぜひ一度禁煙外来を受診してく
COPDなどの持病をお持ちの方は肺炎球菌ワクチンの予防接種を受
ださい。
けましょう。
■
■
禁煙外来
呼吸器外来
月
月
夜間
禁煙外来の自己負担金の目安
火
午前
水
診察料(初診時:3割負担)
+ 処方せん料
午前
午前
木 (第2
・4週)
金
午前
午後
金
午後
約2,000円
お薬代(3割負担)
1,000 円~4,000 円
(再診時:3割負担)
約1,000円
平成 年度 肺炎球菌ワクチン接種対象者
千代診療所
28
今年度に以下の年齢になる方は個人負担金4,200円で予防接種ができます。
ただし、
生活保護受給者、
市町村民税非課税世帯の方は
個人負担の免除が受けられます。
窓口でお問い合せ下さい。
65歳
70歳
75歳
80歳
85歳
90歳
95歳
100歳
昭和26年4月2日~昭和27年4月1日生まれの方
昭和21年4月2日~昭和22年4月1日生まれの方
昭和16年4月2日~昭和17年4月1日生まれの方
昭和11年4月2日~昭和12年4月1日生まれの方
昭和 6年4月2日~昭和 7年4月1日生まれの方
大正15年4月2日~昭和 2年4月1日生まれの方
大正10年4月2日~大正11年4月1日生まれの方
大正 5年4月2日~大正 6年4月1日生まれの方
対象者以外:6,480円[税込](千代診療所、2016年7月27日現在)
2
キラッと看護
ICT(感染対策チーム)と
地域連携について
千鳥橋病院では患者様に安全な医療を提供するため、医師・感染管理認定看護師・薬剤
師・検査技師などの多職種で構成されたインフェクション・コントロールチーム(ICT:感染対
策チーム)を設置し、
病院内の感染対策に取り組んでいます。
ICTでは病院内の感染症発生の監視、週に1回病院内のラウンド、職員教育、
マニュアルの
作成、地域への学習会開催などの活動を行っています。
さらにここ数年では病院内の感染対
感染管理認定看護師
灘吉 幸子
策だけでなく、
他の医療機関とも連携して感染対策に取り組んでいます。
2014年度の診療報酬改定から感染対策の地域連携が位置付けられました。
感染対策と地域連携
近年、感染対策の考え方は、病院内の感染対策(病院感
染)だけではなく、診療所や介護施設、在宅なども含め、医療
現場全体の感染対策(医療関連感染)を考えるように変化し
ています。千鳥橋病院では、福岡地区感染対策ネットワーク
に参加し、感染対策の分野でも多数の医療機関と連携をし
ています。
福岡地区感染対策ネットワーク
http://fukuoka-ict-net.jimdo.com/
他の医療機関との合同カンファレンス
感染対策チーム
地域連携で期待できること
1 自施設にいなくても地域の専門家を活用できる
2 施設の規模に関わらず、
感染対策のボトムアップができる
3 物理的に近いので、
短時間で問題解決が可能
4 顔が見える関係で質問・相談しやすくなる
千鳥橋病院では毎月1回
ICT会議を開き、勉強や報
告、
協議を行っています。
5 他施設のいい取り組みを参考にできる 等々
チームに分かれて病棟な
どのラウンドを行います。
千鳥橋病院では、連携医療機関と感染対策に関する合
同カンファレンスを開催したり、お互いに院内ラウンドを
行ったりすることで感染対策の改善につなげています。今
後は、医療機関以外にも介護や在宅との連携も重視し、
活動を広げて行く予定です。
診療所・介護施設・在宅などでの感染対策に関す
る質問や相談を受け付けています。
どんな事でもお気軽にご相談下さい。
連絡先
千鳥橋病院 感染管理認定看護師 灘吉幸子(ナダヨシ サチコ)
092-641-2761
(代表)
器具の管理、
ゴミの分別か
ら棚の上まで細かいとこ
ろまで確認します。
たくさんのチェック項目を
ひとつずつ確認し、気づ
いた点などについては
報告しあっています。
FAX:092-651-9844
メールアドレス:sc-nadayoshi@fid.jp
3
自分にできることを見つけて
佐々木拓也
医師
(初期研修医)
2016年4月の熊本地震に対し、熊本民医連・くわみず病院に医療支援に行きました。 4月16日・本震発生の朝に出勤すると、病院ではすでに医師や事務の方が慌ただしく支援の準
備を進めていました。山本副院長に「支援に行かないか?」と誘われ、2時間後には支援車両で
熊本に向かっていました。当時は強い余震も断続的に続いており、大自然を相手に何ができる
か分からず不安でいっぱいだったのを覚えています。熊本付近は高速、一般道ともに緊急車両
や支援車両などで混雑していました。通常の倍以上の4時間ほどかけてくわみず病院に到着しました。すでに災害
対策本部は立ち上がっており、1時間ほどのオリエンテーションの後に早速それぞれの業務に入りました。救急外
せんこう
こ う ま く か け っし ゅ
来では腹痛や脱水、嘔気嘔吐など震災によるストレス関連の症状が多い中で、十二指腸潰瘍穿孔、急性虫垂炎、
急性硬膜下血腫など緊急手術のために他院へ搬送したケースもありました。自身も被災者である現地の医師や看
護師さんは皆非常に明るく、元気に活動している姿(そう振る舞って
くれていたのかもしれませんが)には、支援に行っている自分が逆に
はげまされました。
3日間被災地に行くことで多くのことを感じ、経験することができま
した。短い期間でしたが、このような経験ができて本当によかった
と思います。地域的には少しずつ落ち着いてきましたが、まだ支援
は必要です。
これからも自分にできることを見つけて実行していきたいです。
現地の医療関係者と協力しながら支援する佐々木医師
熊本地震医療
被災者の希望
当院では4月に発生した熊本地震後すぐに、熊本市内の熊本県民医連の病院などに
医師・看護師・リハビリセラピストなどを支援として約100名の派遣を行いました。現地
では診療はもちろんのこと避難所訪問や地域訪問、車中泊訪問などを積極的に行いま
した。派遣された職員・送り出した職員は心ひとつに「熊本の医療を守る。患者さん・地
域住民を守る。被災地の職員を守る」
を合い言葉に奮闘しました。
また、阿蘇大橋が崩落した南阿蘇地域では唯一の救急病院が地震のため、診療が不
可能となり、地域クリニックの活動も一時ストップした間、地域の介護施設を仮設診療
所として全国の民医連の仲間と共に、
日赤や「国境なき医師団」など様々な医療団体と
も協力して2次被害の防止など全力で支援を行いました。
久木野仮設診療所で診療する辻隆宏医師
足のマッサージを行うハーランド泰代PT
車中泊の方々に訪問を行う。
手前は伊藤良子PT
4
くわみず病院に掲げられた横幕
リハビリ専門職としての自覚 荒木康浩
PT
(リハビリテーション技術部)
く ぎ の
4月24日から3日間、災害支援に参加しました。私の活動拠点は南阿蘇地区の久木野総合福
祉センターでの介護施設に急きょつくられた仮設診療所でした。現地では①エコノミークラス症
候群の予防②高齢者の活動性と生活リズムの確保③元々リハビリをされていた方への対応④子
ども達のメンタルケアなどのニーズも多く、リハビリ専門職として関わることができました。具体的には集団体操の実施
や子ども達とサッカー、現地職員の方と連携して支援が必要な避難者をピックアップし、個別的な介入もおこないました。
また夜は車中泊者の健康チェックに同行させてもらうなど現地の状況を知ることもできました。
3日間の災害支援はあっという間でした。はじめての災害支援で不安もありましたが、リハビリの支援メンバーで
LINEグループを作り、時間の経過と共に変わる現地の状況や支援内容を情
報共有することで、不安の解消や継続した支援の大切さを実感することもで
きました。支援先により活動内容は様々ですが、今回の支援では自分の専門
分野の知識や経験を生かした活動も行うことができ、とても貴重な経験がで
きました。
被災地で感じたのは支援を継続していくことの大切さと難しさです。地域
に根ざした『民医連』の継続した支援活動は現地の被災者の希望となってい
ました。
被災者へリハビリを施しながら声を掛ける荒木PT
療支援報告
望となる支援
会う人全員に声を掛けよう
松永慶子
看護師
全日本民医連からの要請の第2陣(4月21日~24日まで)として熊本入りしました。私に与えら
れた任務は被災地でも被害の大きかった益城町での地域活動でした。1日目は避難所訪問。避
難所へ民医連が入るのは第2陣がはじめてとのことでした。私が地域活動をさせて頂く4月22日からようやく民医連に
も避難所訪問の要請が来ました。しかし目の行き届かない小さな公民館にはだれも医療者が入っていない現状でした。
2日目は地域訪問。地図を広げ友の会会員の自宅を確認し歩いて回りました。目を覆いたくなる程の家屋の倒壊、
ほぼ全壊でした。1日かけて10軒程回りましたが、会えた世帯は1世帯のみ、それも黄色の紙で『危険』と貼られてい
る家屋でした。予想していた事態でしたので、私達のグループは「会う人には全員に声を掛けよう」を合言葉にしました。
途中、倒壊した自宅横の納屋で過ごす高齢夫婦にお会いし、
「避難所には
食事だけもらいに行くが、気を遣うから納屋で寝た方がいい」と話されまし
た。もちろん医療の目は入っていません。報道された通り車中泊の人も多く、
血圧を測りながら足をさすり、いつまで続くかわからない状況に私は励ます
言葉を見つけることができませんでした。
私達が行うべき支援は、目の届く避難所はもちろんですが、目の届かない
所で避難している被災者に目を向ける支援を提供することではないでしょう
か。まだまだ長い支援が必要であると同時に時間の経過に伴い支援の内容
も変化していくと思います。今必要とする支援を民医連らしさで支える時だ
と感じました。
一軒ずつ声を掛ける民医連スタッフ
(写真提供:野田雅也 様)
5
千鳥橋病院
地域連携室
介
職場紹
~地域と連携して患者様に安心の医療を~
後列左から 松村事務、
松橋事務員、
中島師長、
松永看護師、
末永副総師長
前列左から 永野部長、
号刀事務員、
高畠由隆副院長、栁田主任
地域連携室では看護師・事務にて主に地域の医療機
関からの診察・検査予約、緊急受診・入院患者様紹介の
連携窓口業務などを行っております。
ご紹介頂いた患者
様に安心して診療して頂けるようスタッフ一同努めてお
ります。
業務内容
千鳥橋病院連携システム
診察、検査、入院の予約窓口
緊急受診の紹介窓口
診療情報提供書や返書等のご報告、問い合わせ窓口
ベッド管理、退院支援業務
逆紹介支援 など
患者様ご紹介の流れ
STEP
1
紹介元医療機関
STEP
2
STEP
3
STEP
4
STEP
5
患者様のご紹介・申込み 地域連携室にお電話ください。 TEL(0120-651-205)
予約状況確認・
日程のお知らせ
地域連携室
地域連携室の担当が予約状況を確認し、
日程をお知らせいたします。
「予約確認書」
を紹介元医療機関へFAXします。
紹介元医療機関
患者様に
「予約確認書」
をお渡しください。
地域連携室宛に
「診療情報提供書」
をFAXしてください。
当日患者様に
お持ちいただくもの
予約確認書、健康保険証、診療情報提供書(紹介状)
診察、検査当日
患者様は
「予約確認書」
に記載されている受付窓口にお越しください。
受診・検査後の報告は、速やかに地域連携室を通じてご連絡いたします。
千鳥橋病院地域連携室直通
092-651-0738 FAX 092-651-0759 0120-651-206
受付時間 平日 午前8時50分~午後5時
0120-651-205
土曜 午前8時50分~午後1時
6
受付時間外のご連絡につきましては、
千鳥橋病院代表番号をご利用ください。
TEL 092-641-2761(代表)
診療に関するご質問やご案内はE-mail
でも受け付けています。
E-mail [email protected]
平和企画
生 涯 忘れることのできない昭 和20年8月9日
午前11時2分。長崎は一発の原子爆弾により、
一瞬にして廃墟の街と化してしまいました。当
被爆体験
九死に一生、20歳の夏
かれて「おかあさん、お
かあさん…」と繰り返し
叫びながら、とうとう帰ら
ぬ人となりました。どん
なにかお母さんに会いた
た。
かったろうに、その心中
その日は朝から強烈な太陽が照りつけ、空に
は入道雲がぽっかりと浮いていました。私は頼
まれていた洗濯物を会社の横の川で洗い終え
て寮の部屋に戻り、石鹸を置いて下駄箱のとこ
ろまで来たとき…あの特徴のあるB-29爆撃機
のにぶい爆音が聞こえた…と思った瞬間、閃光
があたり一面を覆い、家屋の下敷きとなって身
動きもできなくなっていました。
(ああ、これで死ぬのかなあ)
突然死の恐怖に駆られ、それからどれだけの
時間がたったのか、気が付いてみると
(まだ生きている。助かった!)
同時に本能的に助けを求めたのです。何回も
叫んでいるうちに、人の声がしてやっと救いださ
れたときは、あたり一面はすでに火の海。救出
が数分遅れていたら、私も焼け死んだところで
した。
母親を呼びながら死んだ同僚
どこをどう逃げたのか、気が付いた所は防空
壕のなかでしたが、すでに負傷者でいっぱいで
した。「水をくれ、水…」
「殺してください」
「苦し
い」
と泣き叫ぶ声が、だんだん蚊の鳴くようなか
ぼそい声に変わり、次から次へと亡くなられまし
こ こ が 地 獄 で な く て 何 が 地 獄 か
―
時 私は三 菱 兵 器 大 橋 工 場に勤 務していまし
を思うとき、今でも涙 が
山田 陽子さん
止まりません。
原爆の後遺症に今でも苦しめられ
私は奇跡的に助かり、一応故郷に避難して
いましたが、
『三菱兵器従業員は職場に復帰せ
よ』のポスターを見て、廃墟と化した夜の長崎へ
と戻ってきました。あちこちで遺体を焼いている
青い炎が、何とも言えない悲しみを誘います。
翌日から女子は炊き出し、男子は遺体収容が
始まりました。飴のように曲がった鉄骨の下から、
無残な遺体が次々に運び出されます。その日屋
外にいた人たちは、強烈な爆風と熱線に吹き飛
ばされ、衣類はボロボロ、鮮血にまみれた頭髪
は生まれたばかりの仔犬のようにつるりと皮がむ
け、男女の区別さえつきません。すでに息絶え
た愛児を背負った母親は、裸足で夢遊病者の
ように彷徨い歩く。道端には黒焦げの死体、目
を見開いたままの馬の死骸、負傷者の収容所と
なっていた学校では、板張りの部屋に寝かされ
た負傷者の焼けただれた傷口から、ウジ虫が
真っ白に湧いてくる。薬もなく看護婦もなく、な
す術もなく、ただ寝かされて、天井をじーっと見
つめたままの屍同然の負傷者。これが地獄で
なくて、何が地獄と言えるでしょうか。
た。同僚のTさんも全身に火傷を負い、私に抱
私は生き延びはしましたが、原爆の後遺症で
福岡市在住
山田陽子
さん 歳
92
未だにめまいと体調不良に襲われています。二
度と原爆による悲劇を起こさないように私たちは
「戦争の悲惨、平和の尊さ」を訴えます。今は
ただ犠牲となられた方々のご冥福を祈るばかり
です。
オバマ大統領の広島訪問についてご意
見をうかがいました。
「一言あやまってほしかった。長崎にも来てほし
かった」
と話されました。
10歳の陽子さんの写真
7
千代診療所 診療体制のご案内
曜
日
月 曜 日
火 曜 日
[2016年8月~]
水 曜 日
木 曜 日
金 曜 日
土曜日
診 療 科 目
午前
午後
午前
午後
午前
午後
午前
午後
午前
午後
午前
内科(一般内科)
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
紹介状をお持ちの方は、
まず電話にてご連絡をお願いいたします。
外
科 10:00迄
-
10:00迄
-
10:00迄
-
10:00迄
-
10:00迄
-
10:00迄
整
形
外
科
○
-
○
-
○
-
○
-
○
-
-
乳
腺
外
科
◇
◇
第2以外
◇
◇
-
-
-
◇
◇
第4のみ
脳 神 経 外 科
○
-
-
-
-
-
○
-
○
◇
-
小
○
○
○
-
○
○
○
-
○
-
-
科 11:00迄
◇
11:00迄
-
11:00迄
-
11:00迄
◇
11:00迄
◇
◇
耳 鼻 咽 喉 科 11:00迄
-
10:30迄
-
11:00迄
-
10:30迄
-
11:00迄
-
第2・第4
11:00迄
皮
15:00迄 11:00迄
-
○
-
○
-
第1
第3 ○
産
児
婦
科
人
膚
14:00~
14:00~
科
○
-
○
科
○
15:00迄
○
-
○
15:00迄
○
-
○
科
-
-
-
○
-
-
-
○
-
-
-
アルコール外来
-
-
第2◇
第2
第4◇
-
-
-
-
-
-
-
労働衛生外来
-
-
-
-
-
-
-
◇
-
-
-
眼
泌
尿
受付
時間
器
[診療開始]午前 9:00~
○ 午前 8:00 ~ 11:30 午後12:30~16:00[診療開始]午後13:30~
◇ 予約制(前日までに予約をとりご来院下さい)
ホームページでもご確認できます
第1
15:00迄 第3 ○
都合により休診となることもあります。
お電話で確認後ご来院下さい。
土曜は週および診療科によって受付時間が
変わりますので、お問い合わせ下さい。
千代診療所(代表)
092- 651- 0726
http://chiyoshin.com
千鳥橋病院は24時間365日対応の救急指定病院です。
救急車の受け入れ、急患の対応を行っています。
千鳥橋病院(代表)
受付・診療時間を
クリック!
!
092 - 641- 2761
お知らせ
と き
ところ
8
ちどり通信 Vol.97
健康まつり
ステージ企画や出店など
楽しい催しがいっぱい
11月 6日(日) 11:00~
(予定)
千鳥橋病院・千代診療所院内
千代北公園
ぜひご参加ください
■発行日/2016年9月1日 ■発行元/千鳥橋病院広報委員会
〒812-0044 福岡市博多区千代5-18-1 TEL.092-641-2761 FAX.092-633-3311 http://www.chidoribashi-hp.or.jp/