平成26年度帰国報告書⑥ - 国立大学法人 北海道教育大学

平成 26 年度
カルガリー大学教育事情短期研修
活動報告書
北海道教育大学 教育学部
教員養成課程 釧路校
地域教育開発専攻 野外教育研究室 4 年
1103 福 一紀
2014/04/28
1)カルガリー大学での授業・講義・セミナーについて
1 週間のうち、水曜日と土日を除く午前中に大学でのクラスがありました。午後は学校
訪問などが無いときに大学教員によるセミナーを受けました。
基本的に月・火・木の午前は IFP(International Foundation Program)Class があ
り、英語を母語としない学生に向けて学術的な英語を身に付けさせるためのクラスを受講
しました。内容は主に Reading・Listening・Speaking で、テキストに沿って「単語を推
測するパート」や「要約をつくるパート」など多岐に渡ります。時々、受講学生全員がコ
ミュニケーションをとる時間やメンバーに質問などをする時間が設けられ、色々な国の文
化や習慣を知ることができ、コミュニケーションを図ることができました。
印象としては日本の高校や大学で行われる英語教育とは少し異なっていると感じまし
た。そして取り上げられるテーマやトピックは受講生により身近なものであったと思いま
す。例えば日本の「桃太郎」のようなそれぞれの国の昔話や逸話や各国のファーストフー
ド事情などが取り上げられていました。そうしたテーマを通じて、実際に相手に質問して
情報を聞き出して書くという活動があったのですが、この活動は話す・聞く・書く技能を
必要とするのでかなりレベルが高い活動であると感じられましたし、受講学生の殆どが英
語を聞いて話せるというレベルに達していたと思います。
午前の 11:00 からのクラスは Communication のクラ
スで、歌を聴いてその歌詞の空欄を埋めたり、Academic
English の vocabulary card を作って単語テストをした
りと、楽しく英語を学ぶことができました。
このクラスでは担当教員と dialogue journal という
一種の交換日記のような取り組みも行われ、担当教員と
1 冊のノートを通じて会話をしました。担当教員から質
問に答えたり、出題されたトピックについて自分の考え
や思いを英語でノートに書き、翌週それについてのコメ
写真 1 dialogue
journal
ントと新たなトピックが書かれ返却されます。普段での会話を超えて、より親密さが増す
活動に感じられました。
表 1 午前中のプログラム
9:00~
月曜日
火曜日
Reading
Reading
Listening/
Listening/
Speaking
Speaking
水曜日
木曜日
金曜日
Reading
10:00
10:00~
11:00
11:00~
Excursion
Communication Communication
Listening/
Pronounce/
Speaking
Education
Communication
12:00
1
金曜日の Pronaunce と Education のクラスは私たち北海道教育大学のメンバーのみのク
ラスで、発音の練習やカナダの文化や習慣などについての講義、教育法についてのセミナ
ーがありました。このクラスは日本での英語教育には扱うことがない部分で、実際に「生
きた英語」を知る機会になりました。具体的には“th”や英語の母音の発音、そして英語
母語者が使わない英語やスラングなどの説明がありました。本当にグローバル化に対応し
たいと考えるなら、現代英会話の教育もしていかなければならないと感じました。
2)カナダ(特にカルガリー)の学校教育の実際について
私たちはカルガリー市内の学校を 6 校(小学校 2 校、中学校 3 校、高等学校 1 校)見学
することができました。
表 2 見学した学校
学校名
校種
University Elementary
訪問日
大学附属小学校
3月2日
Willow Park School
公立中学校
3月5日
Connect Charter School
私立中学校
3月6日
Lord Beaverbrook High School
公立高等学校
3月9日
Escuela St. Margaret School
公立中学校
3 月 10 日
Rundle School
公立小学校
3 月 17 日
見学した小学校 2 校は、低・中・高学年それぞれ 1・2 年、3・4 年、5・6 年で 1 つの教
室で、複数のまとまりに分けられ、それぞれに担任が付くという形式をとっていました。
つまり 1 つの学級に複数名の教員がいるということになります。これにより、きめの細か
い教育が可能になるとともに、教員同士の連携も図ることができると考えられます。日本
では 1 つの学級に基本的に 1 人の担任で、子どもも多い時には 30 人から 40 人を一人で担
当することになります。この点では日本と大きく異なる部分です。
1・2 年
担任 1 人に
担任 1 人に
つき 10 数
つき 10 数
名
名
図 1 小学校低学年担任のイメージ図
2
3)カナダ(特にカルガリー)での生活体験について
カナダの人々は非常に親切で親しみやすいと感じました。カナダは移民の国で、様々な
文化が混在・融合しているので、他国を受け入れやすいという特徴があります。今回、実
際に生活をして、困っているときに地元の人々に助けられたり、ホストマザーから支援を
いただきました。初めてのホームステイ・留学ということで、不安でいっぱいだったので
すが、安心して 1 ヶ月を過ごすことができました。
そして、カナダは自然が豊富で、エクスカーションで
は Drumheller や Banff を訪れ、日本では見ることができ
ない景色を堪能しました。Drumheller は恐竜が有名で、
博物館で恐竜の歴史を学んだり、実際の化石を見学しま
した。Banff は日本でも有名なカナダの観光地で、多く
の日本人やアジアの方が訪れていました。日本人が経営
している土産屋もありました。
一方でカルガリーの街はダウンタウンと郊外に分かれ
写真 2 Lake Louise
ていて、ダウンタウンは多くのビルが立ち並び、発展を感じさせる街並みでした。郊外は
住宅地で統一した街並みが外国を感じさせます。
是非、興味がある学生は外国にどんどん飛び立ってい
ってほしいと思います。私は学部 4 年目の卒業間近で経
験したので、もっと早くに外国に行っていれば良かった
と考えています。自分自身の殻を破り、自分の可能性を
引き出す経験をどんどんしていって欲しいと思います。
写真 3 ダウンタウンの街並み
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