日本におけるカーボン・オフセットの取組と 日本におけるカ ボン オフセットの取組と 国内排出量取引制度について 平成22年11月4日 環境省市場メカニズム室 長 上田 康治 室長 1.日本におけるカーボン・オフセット 2 カーボン・オフセットとは? 【定義】市民、企業等が、①自らの温室効果ガスの排出量を認識し、②主体的にこれを削減する努力を 【定義】市民 企業等が ①自らの温室効果ガスの排出量を認識し ②主体的にこれを削減する努力を 行うとともに、③削減が困難な部分の排出量を把握し、④他の場所で実現した温室効果ガスの排 出削減・吸収量等(クレジット)の購入、他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動 の実施等により、③の排出量の全部又は一部を埋め合わせること。 【意義】(1)市民・企業等による主体的な温室効果ガス排出削減活動の促進、(2)温室効果ガスの排出が コストであるという認識を経済社会に組み込み、ライフスタイルや事業活動を低炭素型にシフト、 (3)国内外の温室効果ガス排出削減 吸収プロジェクトへの資金調達 (3)国内外の温室効果ガス排出削減・吸収プロジェクトへの資金調達 家庭やオフィス、移動(自動車・飛行機)での温室効 果ガス排出量を把握する 省エネ活動や環境負荷の少ない交通手段の選択な ど 温室効果ガ ど、温室効果ガスの削減努力を行う 削減努力を行う 削減が困難な排出量を把握し、他の場所で実現した 削減が困難な排出量を把握し 他の場所で実現した クレジットの購入または他の場所での排出削減活動 を実施 対象となる活動の排出量と同量のクレジットで埋め合 わせ(相殺)する 3 カーボン・オフセットの事例 2010年3月末現在、国内におけるカーボン・オフセットビジネスは約780件で あり、商品・サービス型が大半を占める。(報道発表ベース) カーボン・オフセット年賀 カ ボン オフセット年賀 状 カーボン・オフセット旅 カ ボン オフセット旅 行 年賀状購入者の生活に 伴って排出されるCO2 の一部をオフセット ツアー代金にオフセット料金 を 上乗せして、航空機等の使 乗せして、航空機等の使 用 によるCO2をオフセット 北海道洞爺湖サミット(2008 年7月開催)など、国際会議 等でのオフセット スポーツイベント等での オフセット 事例: FIFA W杯ドイツ大会 カーボン・オフセット ガソリン ボ ガ 消費者の自動車使用に伴う CO2をオフセット 日常生活からの温室効果ガ ス をオ をオフセット 例:一ヶ月の電気料金のCO 2 換算分 4 ジェイ バー オフセット・クレジット(J-VER)制度 〇国内で実施されたプロジェクトによる温室効果ガス排出削減・吸収量を、カーボン・オフセットに用いられる信頼 〇国内で実施されたプロジェクトによる温室効果ガス排出削減 吸収量を カ ボン オフセットに用いられる信頼 性の高いオフセット・クレジット(J-VER)として認証する制度。環境省が平成20年11月に創設。 〇本制度により、市民・企業・自治体等がカーボン・オフセットを行うための資金(J-VER購入資金)が、地方の森 林整備や地域地場産業等の国内の排出削減・吸収プロジェクト事業者に還流される。民間資金を活用して、地 球温暖化対策と雇用・経済対策を一体的に推進することができるグリーン・ニューディール促進策の一つ。 排出削減・吸収活動 プロジェクト実施事業者 プ ジ クト実施事業者 ※ISOに準拠した制度設計 プロジェクト計画開始届・誓約書の提出 <排出削減・吸収活動プロジェクトの例> ②計画 ③意見募集 プロジェクト計画書 を提出 ①方法論等の 設計・公表 ④妥当性確認 ⑤審議・ 登録 プロジェクト登録依頼書を提出 登録通知 プロジェクト計画 プロジェクト実施 確認 計画書最終版・ 妥当性確認報告書 を提出 妥当性確認機関 森林バイオマス活用 オフセット・クレジット (J-VER)認証運営委員会(環境省) (J VER)認証運営委員会(環境省) 検証機関 ⑥モニタリングを実施 ⑦検証 モニタリング報告書を提出 モニタリング報告書最終版・ 検証報告書を提出 森林管理 排 削減 依頼書を提 GHG排出削減/吸収量認証依頼書を提出 ⑧審議 ⑧審議・ 認証 ⑨J‐VER発行 認証通知 クレジット発行依頼書提出 資金 温室効果ガス排出企業等 J-VERを登録簿の口座内に保有 J-VERをカーボン・オフセット等に利用 J-VERを登録簿 の口座内に取得 J-VER 登録簿 口座 口座 J VER J‐VER J‐VER 5 オフセット・クレジット(J-VER)制度の対象プロジェクトの種類 J-VER制度では、現状では採算性が悪くプロジェクトが実施されない等の理由から本制度で積極的に促進支援す べきプロジェクト種類を特定し、本制度の対象としてリスト(ポジティブリスト)化している。 プ ポ ブ ※平成22年9月30日現在 <排出削減系> E001 化石燃料から木質バイオマスへのボイラー燃料代替 E010 照明設備の更新 E002 化石燃料から木質ペレットへのボイラー燃料代替 E011 ボイラー装置の更新 ボイ 装置 更新 E003 木質ペレットストーブの使用 E012 空調設備の圧縮機の更新 E004 廃食用油由来バイオディーゼル燃料の車両における利 廃食用油由来バイオディ ゼル燃料の車両における利 用 E013 フリ ク リング及び外気導入による空調の省エネ フリークーリング及び外気導入による空調の省エネ ルギー E005 下水汚泥由来バイオマス固形燃料による化石燃料代替 E014 アイロン装置の更新 E006 低温廃熱回収・利用 E015 小水力発電による系統電力代替 E007 薪ストーブにおける薪の使用 E016 コジェネレーション設備の導入 E008 情報通信技術を活用した、輸送の効率化による燃料消 費量削減 E017 ファン、ポンプ類の換装またはインバーター制御、 台数制御機器の導入 E009 情報通信技術を活用した、検針等用車両による燃料消 費量削減 E018 廃棄物由来のバイオガスによる熱および電力供給 のための化石燃料代替 E019 ヒートポンプの導入 L001 低タンパク配合飼料利用による豚の糞尿処理から のN2O排出抑制 <森林吸収系> R001 森林経営活動によるCO2吸収量の増大(間伐促進型プロジェクト) 森林経営活動による 吸収量の増大(間伐促進型プ ジ クト) R002 森林経営活動によるCO2吸収量の増大(持続可能な森林経営促進型プロジェクト) R003 植林活動によるCO2吸収量の増大 6 オフセット・クレジット(J-VER)制度 認証・登録等の状況 ○ 平成22年9月時点で、J-VER制度に登録されているプロジェクトの件数は累計37件。 成 年 時点 制度 登録され るプ ジ ク 件数 累計 件 ○ このうち24件のプロジェクトについて、オフセット・クレジット(J-VER)の認証が行われて いる。累計認証クレジット量は27,017t CO2。 いる。累計認証クレジット量は27,017t-CO2。 ○ このほか、今年度中に100件以上の新規プロジェクトが登録され、J-VERが認証される 見込み。 <プロジェクト種類別登録プロジェクト数> <J-VER制度のフロー図> プロジェクト事業者等 プ ジ クト事業者等 JJ‐VER認証運営委員会 VER認証運営委員会 ポジティブリスト等の設計 プロジェクト計画 累計60件 累計23種類 排出削減系 13 森林吸収系 24 妥当性確認 プロジェクト登録 排出削減・吸収量の モニタリング 累計37件 検証 <地域別登録プロジェクト数> 東北 5 中国 6 J‐VER認証申請 J‐VERの認証 累計24件 北陸 2 北海道 7 近畿 1 四国 5 中部 6 九州 5 7 2.国内排出量取引制度の検討状況 8 キャップ&トレード方式による国内排出量取引制度とは ■排出量にキャップを設定することで 公平で透明な排出削減の取組を担保する。 ■排出量にキャップを設定することで、公平で透明な排出削減の取組を担保する。 ・個々の企業に排出枠(温室効果ガス排出量の限度:キャップ)を設定することで、排出削減の確実な実施を担保する。 ・排出削減技術への需要が喚起され、技術革新が促される。 ■排出枠の取引等を認め、柔軟性ある義務履行を可能とする。 ・自ら削減するだけでなく、取引等を通じた柔軟な義務の履行が可能。 ・景気動向等に応じた活動量の変化にも対応しやすく、成長産業についても過去の実績に縛られない発展を確保。 ■炭素への価格付けを通じて経済効率的に排出削減を促進する。 ・企業の限界削減コストが均等化され、効率的な削減技術を持った企業が優位に立つ。 ・温室効果ガスの排出がコストとして認識され、削減対策を経済活動の一部として織り込んだ経営判断が可能となる。 【排出枠の設定(キャップ):削減を担保】 【排出枠の取引(トレード): 各社の排出実績や対策技術の導入余地を踏まえ設定 支払 高いコストをかけずに 済んだ! 排出量 排出枠 努力して削減したのに 報われない・・・。 A社 排出枠 排出量 B社 排出枠 排出量 更に削減するには高い コストがかかる・・・。 排出枠 排出量 排出枠 A社 柔軟な義務履行 】 + 削減コストの低減 B社 努力が報われた! 更に減らそう! 9 世界での排出量取引制度に関する検討・実施状況 カナダ:国内排出量取引制度 (開始時期未定) EU‐ETS (2005年1月開始) 中国:地域や産業 を限定し、「総量方 式」で試行的に実 施を検討 韓国:炭素排出量取 引制度モデル事業 (2010年1月開始) 米国:オバマ大統領が国内排出 量取引制度の導入方針を明示。 法案が下院本会議を通過 法案が下院本会議を通過。 上院でも法案提出。 日本:自主参加型排出量取引 制度(2005年度開始)、 国内統合市場の試行的実施 (2008年度開始)、 制度の創設を含む地球温暖化 対策基本法案の国会提出。 (2010年3月) 東京都の環境確保条例 (2010年度開始) 州レベルの排出量取引制度 (RGGI[レッジ]は2009年開始) ICAP 豪州:国内排出量取引制度 (2013年開始予定) ニュージーランド:国内排出量 ニ ジ ランド 国内排出量 取 引 制 度 ( 森 林 は 2008 年 、 産 業・電力・運輸は2010年開始) 2007年10月、EU主要国、米及びカナダの数州、ニュージーランド等は国際炭素行動パートナーシップ(ICAP 2007年10月、EU主要国、米及びカナダの数州、ニュ ジ ランド等は国際炭素行動パ トナ シップ(ICAP [アイキャップ])を創設。各国各地域の制度を国際的にリンクするためのルール作りを開始。 ※(EU、米国(RGGIを含む)、オーストラリア、ニュージーランド、東京都、オブザーバーとして韓国)[米国連邦政 府を除き全てICAPに参加] 10 我が国における国内排出量取引制度の検討 【平成17年~】 ジ イベ ツ ジェイベッツ ●環境省 自主参加型国内排出量取引制度(JVETS) (平成17年4月~) ・キャップ・アンド・トレードに関する知見・経験の蓄積と事業者の自主的な削減努力の支援を目的。 ・現在、第4期、第5期の運用中。これまでのべ359社が目標保有者として参加。 【平成20年~】 ●環境省 国内排出量取引制度検討会(平成20年1月~) ・平成20年5月、キャップ・アンド・トレードの論点を網羅した「中間まとめ」を公表。4つの制度オプション試案を提示。 ●環境省 国内排出量取引制度の法的課題に関する検討会(平成20年3月~) ・排出枠の割当に関する憲法上、行政法上の課題や、排出枠の法的性質等について検討。これまで2度の中間報告。 ●排出量取引の国内統合市場の試行的実施 (平成20年10月~) (平成20年10月 ) ・前政権で、義務型制度の導入を前提とせず、京都議定書期間における自主行動計画の目標達成の手段として開始。 ・本格制度の基盤となるものではないが、見直しを行った上で継続。 ジェイ ジ イ バー ●オ セ ト ク ジ ト( ●オフセット・クレジット(J-VER)制度 )制度(平成20年11月~) ・中小企業や農林業等における排出削減・吸収量を、市場流通可能な信頼性の高いクレジットとして認証。 【平成22年~】 ●地球温暖化対策基本法案(平成22年3月12日、10月8日閣議決定) ・キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度を創設するものとし、 そのために必要な法制上の措置について、基本法の施行後1年以内を目途に成案を得る。 総量方式を基本としつつ、原単位方式についても検討を行う。 原単位方式についても検討を行う ・総量方式を基本としつつ ●中央環境審議会 地球環境部会 国内排出量取引制度小委員会(平成22年4月~) ・基本法案を踏まえ、今後の制度設計に資するよう、制度の在り方について専門的な検討や論点整理を行う。 11 ジェイベッツ 環境省 自主参加型国内排出量取引制度(JVETS) 【1.制度の概要】 ○環境省が2005年度から開始。 ○CO2排出削減設備に対する設備補助、一定量 の排出削減の約束(CO2排出総量目標) 排出 の排出削減の約束(CO2排出総量目標)、排出 枠の取引により、積極的にCO2排出削減に取 り組もうとする事業者を支援し、確実かつ費用 対効果に優れた形で削減を実現するもの。 ○排出量取引の試行的実施の参加類型の ○排出量取引の試行的実施の参加類型の一つ。 CO2排出削減設備に対する 設備補助 A社 余剰排出枠の売却 (排出量取引) 余剰 排出枠 不足分の 排出枠を 購入 排出量 ○目標達成 →余剰排出枠 売却 排出枠 排出量 排出枠 一定量の排出削減の約束 排出枠(JPA) 初 初期割当量 排出枠(JPA) 初期割当量 (※1) ×目標未達成 →排出枠購入で 埋め合わせ 環境省 B社 排出削減目標達成の ため償却する排出枠 ※1:排出枠(JPA)初期割当量 =基準年排出量(過去3年間の平均値)-削減対策実施年度削減予測量 【2 実績】 【2.実績】 ○これまでに、のべ359社が参加。 ○第3期(2007年度)参加者は2008年度の1年間で、基準年度排出量の23%に相当する 382,625t‐CO2を削減。削減予測量(基準年度排出量の8.2%に相当)を大幅に上回った。 ○第3期の取引件数は23件 取引量合計は34 227 CO2 ○第3期の取引件数は23件、取引量合計は34,227t‐CO2。 ○排出量のモニタリング・報告・検証のためのガイドライン、排出枠管理のための登録簿システム、 排出量管理 システム等、制度運用に不可欠なインフラを整備。 12 JVETSを支えるインフラ ○排出量取引のためには、排出量のモニタリング報告 検証のためのガイドライン、排出枠管理の ○排出量取引のためには、排出量のモニタリング報告・検証のためのガイドライン、排出枠管理の ための登録簿システムや排出量管理システムといった基盤となるインフラが不可欠。 ○JVETSの運用により、インフラの整備を行い、EU-ETS同様の運用体制を構築した。 A社 排出量と同量の 排出枠を確保し、 余剰排出枠を売却 データ登録 排出量 排出量の検証 (検証ガイドライン の適用) (モニタリング・報告 ガイドラインの適用) B社 排出枠移転・償却 排出枠 ① 排出枠を購入し、 排出量と同量の 排出枠を確保 排出枠 登録簿システム ② 排出量管理システム 排出枠の取引・ 金銭授受 データ登録 (モニタリング・報告 ガイドラインの適用) 排出量 排出量の検証 (検証ガイドライン の適用) 取引仲介システム ③“GHG-TRADE.com” 検証機関 検証機関 13 排出量取引の国内統合市場の試行的実施の概要 国内統合市場 ※2008年10月開始 (運営事務局:内閣官房、経済産業省、環境省) ①試行排出量取引スキーム ②国内クレジット 企業が自主削減目標を設定、目標達成のため、排出枠・ クレジットが取引可能。 大企業等が技術・資金等を提供して中小 企業等が行った排出抑制の取組を認証 総量目標、原単位目標などを企業が自由に選択。 資金・技術 排出削減 協働(共 同)事業 削減量 自主行動計画 と整合的な目 標。妥当性を 政府で審査。 削減目標 国内クレジット 実排出量 実排出量 B社 A社 自主参加型国内排出量取引制度 (JVETS)は、①の参加類型の一つ 排出量の 算定・報告、 検証等を 実施。 C社(中小企業等) ③京都クレジット 海外における温室効果ガス削減分 自主行動計画への反映等を通じて京都議定書目標達成に貢献 <キャップ・アンド・トレード> 義務型制度の導入を前提とせず、京都議定書期間における自主行動計画の目標達成の手段として開始。 義務型制度の導入を前提とせず 京都議定書期間における自主行動計画の目標達成の手段として開始 地球温暖化対策基本法案に盛り込まれた「キャップ・アンド・トレード」ではなく、今後の制度設計の基盤とな るものではないが、排出実態等に関する情報収集などの意義はあるため、見直しを行った上で継続。 14 政府における制度創設の位置づけ 地球温暖化対策基本法案(平成22年3月12日、同年10月8日閣議決定)(抄) (国内排出量取引制度の創設) 第十三条 国は、温室効果ガスの排出の量の削減が着実に実施されるようにするため、国内排出量取引制度(温室効果ガスの排出を する者(以下この条において「排出者」という。)の一定の期間における温室効果ガスの排出量の限度を定めるとともに、その遵守 のための他の排出者との温室効果ガスの排出量に係る取引等を認める制度をいう。以下同じ。)を創設するものとし、このために 必要な法制上の措置について、次条第二項に規定する地球温暖化対策のための税についての検討と並行して検討を行い、この 法律の施行後一年以内を目途に成案を得るものとする。 2 前項の規定による検討においては、排出者の範囲、当該範囲に属する排出者の一定の期間における温室効果ガスの排出量の限 度を定める方法、当該排出者の温室効果ガスの排出の状況等の公表の制度その他国内排出量取引制度の適正な実施に関し必 要な事項について検討を行うものとする。 3 前項の一定の期間における温室効果ガスの排出量の限度を定める方法については、一定の期間における温室効果ガスの排出 前項の 定の期間における温室効果ガスの排出量の限度を定める方法については 定の期間における温室効果ガスの排出 量の総量の限度として定める方法を基本としつつ、生産量その他事業活動の規模を表す量の一単位当たりの温室効果ガスの排 出量の限度として定める方法についても、検討を行うものとする。 平成22年版 環境白書(平成22年6月1日閣議決定)(抄) 2010年3月に国会に提出した地球温暖化対策基本法案においては、温室効果ガスの排出の量の削減が着実に実施されるようにする ため、キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度の創設を盛り込んでおり、このために必要な法制上の措置について、 地球温暖化対策のための税と並行して検討を行い、法施行後1年以内を目途に成案を得ていきます。 地球温暖化対策のための税と並行して検討を行 、法施行後 年以内を目途に成案を得て きます。 新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~(平成22年6月18日閣議決定) (新成長戦略別表 「成長戦略実行計画(工程表)」) 「Ⅰ 環境・エネルギー大国戦略 1.低炭素化の推進(基本施策)」において、「2011年度に実施すべき事項」として「国内排出量取引 制度の創設」が盛り込まれたところ。 15 中央環境審議会 国内排出量取引制度小委員会における審議経過 ○4月23日(第1回) 国内排出量取引制度を巡る最近の状況について ○5月13~6月1日(第2回~第5回) 関係団体からのヒアリング (第2回:平成22年5月13日)気候ネットワーク、温室効果ガス審査協会、高知県 気 (第3回:平成22年5月21日)日本鉄鋼連盟、日本自動車工業会、電機電子温暖化対策連絡会(電機・電子8団体)、 経済同友会、日本労働組合総連合会、WWFジャパン (第4回:平成22年5月25日)セメント協会、日本製紙連合会、不動産協会、電気事業連合会、日本気候リーダーズ・ パートナーシップ、日本経済団体連合会 (第 回 平成22年6月1日)日本化学 業協会 石油連盟 日本ガス協会 日本商 会議所 全国地域婦人団体連 (第5回:平成22年6月1日)日本化学工業協会、石油連盟、日本ガス協会、日本商工会議所、全国地域婦人団体連 絡協議会、東京都 ○6月8日(第6回) ヒアリング、パブリックコメント等の結果について 環境省において実施・開催した以下の結果についても併せて議論 ■4/26~5/26 制度設計の論点に関するパブリックコメント ■ / ■5/18 地球温暖化対策に関する国民対話(東京会場) ○6月14日(第7回) 「欧州・米国の温暖化対策担当官によるプレゼンテーション・意見交換」 ○6月25日~7月23日(第8回~第10回) 国内排出量取引制度の各論点について、ヒアリング等の結果も踏まえ議論。 ○8月31日・9月10日(第11回・第12回) 制度オプション(案)に関する議論 ○10月18日(第13回) 制度オプションの評価、ポリシーミックスの在り方 個別論点について(対象ガス、対象期間、算定 個別論点について(対象ガス 対象期間 算定・検証・報告・償却の一連の手続き) 検証 報告 償却の 連の手続き) ○11月1日(第14回) 個別論点について(費用緩和措置、排出枠の総量、排出枠の適用単位、電力の取扱い、排出枠の設定方法) 16 キャップ&トレード方式による国内排出量取引制度の論点(全体像) 中期目標期間(2013~2020年)を基本。 2050年に向けた長期目標達成経路を検討。 2050年に向けた長期目標達成経路を検討 対象ガス CO2 その他 排出枠の総量 ③排出枠を どのように 設定するか。 排出枠の設定方法 様々な設定方法をどう組み合わせるか。 無償割当(ベンチマーク、グランドファザリング) 有償割当(オークション) 費用緩和措置 バンキング、ボローイング、外部クレジットの活用等 国際競争力配慮措置など 登録簿 川上事業者・川下事業者のいずれとするか。 電力の取扱いをどうするか 設備単位 事業所単位 企業単位 電力の取扱いをどうするか。設備単位・事業所単位・企業単位 の排出量のいずれとするか。 遵守ルール ②排出枠を 誰に設定す るか。 排出枠の設定対象 排出量のモニタリング・ 算定・ 報告・ 公表、第三者検証 ①いつまでに、 どれだけ削減 すればよいか。 制度期間 【その他】 ・適切な市場基盤 ・国と地方との関係 ・国内外での排出削減に貢献する 国内外での排出削減に貢献する 業種・製品についての考え方 ・ポリシーミックスの在り方 等 17 国内排出量取引制度の各論点の整理イメージ 制度上の論点を、①方向性等について意見の集約が可能と考えられる事項、②大きく意見が分かれる事項、の2 つに分け、このうち②の部分について、考え方の違いから3つのオプションに集約して整理した上で、それぞれの事 項について更なる検討を行う。 これらの検討結果を踏まえ、再度、制度の各論点の方向性を確認し、制度全体のあり方を取りまとめることとする。 Ⅰ 制度検討を進めていく上での基本的な考え方 1.制度が果たすべき役割 2.各論点を検討していく上での視点 Ⅱ 今後意見の集約が可能と考えられる事項 1.基本的な方向性について意見の集約が可能と考えられる事項 ○対象期間、 ○対象ガス、 ○排出枠の設定対象、 ○各種費用緩和措置(バンキング、ボローイング等) 、 ○遵守期間・ルール、 ○排出量のモニタリング・算定・報告・公表・第三者検証、 ○登録簿、 ○適切な市場基盤 2.検討作業の方針について概ね共通認識が得られる事項 ○排出枠 総量、 ○国際競争力 ○排出枠の総量、 ○国際競争力・炭素リーケージへの配慮措置 炭素リ ケ ジ 慮措置 ○国内外で排出削減に貢献する業種・製品への配慮措置(ライフサイクルでの評価) ○国と地方の関係、 ○ポリシーミックスの在り方 Ⅲ 大きく意見が分かれる事項 <オプション部分> ○電力の取扱い ・間接排出/直接排出 ○排出枠の設定方法 ・有償割当(オークション方式) /無償割当 グランドファザリング方式、 ベンチマーク方式 ・総量方式/原単位方式 これらの事項を、環境保全の効果と経済活動へ れ 事 を 境保全 効 経済 動 の配慮の視点から、3つのオプションに整理。 A 電力直接+総量方式(有償割当) 電力間接+総量方式(無償割当) 総 償割 B +電力原単位規制 C 電力間接+原単位方式 18
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