弁護士法人 淀屋橋・山上合同

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具体的な設立手続の概要について説明してください。
株式会社は、大要、以下のとおり、1.定款の作成、2.株式の引受けと出資の履行、3.取締役等の決定、4.設立
登記、という手続を経て設立され、成立することとなります。
1.定款の作成
株式会社の設立には、まず、発起人が定款を作成することが必要です(会社法26条1項)。発起人は1人でもよく、
定款は、書面又は電磁的記録をもって作成することができます。定款には、絶対的記載事項として、(1)目的、(2
)商号、(3)本店の所在地、(4)設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、(5)発起人の氏名又は名
称と住所、(6)発行可能株式総数、の記載をしなければならず(会社法27条、37条1項)、その他に、相対的記
載事項(定款に記載しなくても、定款自体の効力は有効であるが、定款で定めないとその事項の効力が認められない事
項。会社法28条)や任意的記載事項(定款に記載する必要はない事項。会社法32条1項等)を記載することもでき
ます(会社法29条)。
また、定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じないこととなっています(会社法30条1項)。
>2.株式の引受けと出資の履行
発起人は、定款で定めた以外の株式発行事項を決めた上で、(1)発起設立の場合は、設立時に発行する全部の株式を
引受け、その出資の履行をする(会社法34条1項)と、会社設立時に株主となり(会社法50条)、他方、(2)募
集設立の場合は、発起人が引き受けた残りの株式について、株主の募集をして(会社法57条、58条)、募集に対し
て申込み(会社法59条)があると、割当て(会社法60条)をし、引受けが確定し(会社法62条)、引受人が払込
みをする(会社法63条)と、会社設立時に株主となります(会社法102条2項)。
3.設立時取締役・設立時監査役等の選任
(1)発起設立の場合には、発起人は1株につき1議決権を有し、その議決権の過半数で設立時取締役・設立時監査役
等を選任します(会社法38条∼45条)。
(2)募集設立の場合には、創立総会を開催し、設立時取締役・設立時監査役等を選任します(会社法88条∼92条
)。
4.設立登記
株式会社は、その本店の所在地において、設立の登記をすることによって成立します(会社法49条)。
なお、登記申請書には、定款、株式の申込・引受を証する書面、取締役等の調査報告、払込取扱機関の残高証明書(発
起設立の場合)又は払込金保管証明書(募集設立の場合)、等の設立が法定の手続に則ってなされたことを確認するの
に必要な書類の添付が必要であるとされています(商業登記法47条2項)。
(執筆者 佐々木 清一)
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