ナスカを飛ぶ! 人類史上最大の謎を解く

国立科学博物館
ナスカを飛ぶ! 人類史上最大の謎を解く
国立科学博物館では、2006 年 3 月 18 日(土)から 6 月 18 日(日)まで、
特別展「世界遺産 ナスカ展 ─ 地上絵の創造者たち」を開催いたします。
ナスカの地上絵―それは人類の歴史上最大の謎とされ、多くの人々の関心を
引き続けてきました。本展覧会では科学的な調査に基づいて、地上絵をつくっ
た人々の驚くべき文化の謎に迫ります。
紀元前 100 年から紀元 700 年頃まで南米ペルーの南部海岸地帯に広く栄えた
ナスカ文化。その中でも砂漠地帯に 800 平方キロの広さにわたって描かれたナ
スカの地上絵は 1930 年代に発見されて以来、いったい誰が、なぜ、何のために
描いたのか、誰にも解明できず巨大な謎でありつづけてきました。
本展覧会では、IT 技術を駆使して地上絵を実際にはるか上空から眺めるバー
チャル体験をはじめ、ナスカ人のミイラ、彩色土器、織物といった多彩な考古
遺物を展示します。ナスカ研究の第一人者による最新研究成果に基づいて、地
上絵をつくったナスカの人々の全容に迫る、世界で初めての本格的なナスカ探
求の展覧会です。
本展覧会に関するお問い合わせ先
「ナスカ展」広報事務局
TEL
03-3263-5900
〒102-0083
/
担当:鎌倉・東山
FAX
03-3263-5623
東京都千代田区麹町 3-7
[email protected]
1
展覧会概要
Nasca, Wonder of the World
Messages Etched on the Desert Floor
展覧会名:特別展「世界遺産 ナスカ展−地上絵の創造者たち」
開催期間:2006 年 3 月 18 日(土)∼6 月 18 日(日)
休 館 日:毎週月曜日
(84 日間)
*3 月 20 日、27 日、4 月 3 日、5 月 1 日は開館
開館時間:午前 9 時∼午後 5 時、金曜日は午後 8 時まで(入館は閉館の 30 分前)
開催会場:国立科学博物館 特別展会場
(東京都台東区上野公園 7-20)
主
催:国立科学博物館、TBS、毎日新聞社
後
援:文部科学省、外務省、ペルー共和国大使館、TBS ラジオ
特別協賛:未定
協
賛:未定
協
力:東京海上日動、凸版印刷、日本通運、日本ヒューレット・パッカード
AIR FRANCE KLM CARGO、JR 東日本
観 覧 料:一般・大学生
1400 円(1200 円)
、小・中・高校生
金曜夜間限定ペア得ナイト券
* (
500 円(400 円)
2000 円
)内は前売り、20 名以上の団体。前売り券は 2 月 18 日より発売
問 合 せ:ハローダイヤル 03-5777-8600
ホームページ
http://www.kahaku.go.jp/
http://www.tbs.co.jp/event/
企画協力:ペルー文化庁・ペルー国立考古学人類学歴史学博物館
ペルー文化庁・アドルフォ・ジェンキス
イカ地方博物館
パルパ博物館
ナスカ・アントニニ博物館
ペルー中央準備銀行付属博物館
監 修 者:島田泉(南イリノイ大学教授・考古学者)
ドナルド・プロー(マサチューセッツ州立大学教授・ナスカ研究、特に戦首級研究の第一人者)
馬場悠男(国立科学博物館
人類研究部長)
篠田謙一(国立科学博物館
人類第一研究室長)
作品点数:190 件、約 200 点
巡回会場:
〔鹿児島〕鹿児島県歴史資料センター黎明館
2006 年
7 月 26 日∼ 9 月 3 日
9 月 12 日∼10 月 30 日
〔静
岡〕静岡県立美術館
2006 年
〔大
分〕大分県立芸術会館
2006 年 12 月 14 日∼ 2 月 3 日
(予定)
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みどころ
ナスカの地上絵、この巨大なジオグリフは 20 世紀に発見されて以降、
「世界 8 番目の不思議」ともいわれ、人類史上最大の謎とされてきました。
本展ではその絵をつくった人々の驚くべき文化の謎に迫ります。
──最先端 CG による体感型、巨大バーチャルシアター
地上を飛び立ったセスナ機から見下ろす雄大なナスカ平原。
眼下に広がるのは、人間の想像力の限界さえ圧倒する驚異の世
界です。
本展では世界で初めて、ナスカの地上絵とそれが刻印された大地を圧倒的な
映像クオリティで再現しました。はるか南米のナスカ現地を訪れなければ感じるこ
とができない大きな感動を、バーチャルシアターで体験して頂きます。
──ナスカ人のミイラ、1300 年の時を超えた瞳
古代エジプトをはじめ、ミイラに瞳が残ることは極めて稀なことです。
厚くおおわれた綿布を解いていくと、そこにあらわれたのは子供のミイラでした。そ
して驚くべきことに、あどけない表情を浮かべるこのミイラの幼い顔には、黒い瞳がは
っきりと残っていたのです。レントゲン撮影、CTスキャンによる内部断層撮影のほかD
NA、食性分析など、現代の最先端の科学から明らかにされた情報をあわせて展示
いたします。
おさなご
1300年前、幼子はこの瞳でどのような風景を眺めていたのでしょうか。
──復元された織物、豊かな色彩と図像の美
刺繍で飾られた布の、明るく鮮やかな色彩とユニークな図案が遠い年月の隔た
りを超えて、われわれの美意識に語りかけます。
丁寧に紡がれた糸、鮮やかに染め上げられた多彩な色、丹念に一針一針刺され
た刺繍。今回展示される3点の刺繍付き大型マントは、約8ヶ月の歳月をかけ、
この展覧会のために修復したものです。
まるでナスカの人々を取り巻く宇宙を表したかのように生命の脈動を伝える、
これら織物の世界の広大なひろがりをご覧ください。
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展覧会構成
プロローグ
ここでは、ナスカ文化の前身であるパラカス文化(紀元前 900∼100
プロト
年)から原 ナスカ期、ナスカ前期、中期、後期、移行期の土器の変化を
たどり、ナスカ文化の複雑な図像世界と、多彩色絵付けの高い技術水準
を紹介します。また、これらの遺物を制作し、ナスカの地上絵を描いた、
ナスカ人の姿を紹介します。
第1部
1
参考写真
パラカスの人物象形壷
ナスカ−砂漠からのメッセージ
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
自然
ナスカ人は、古代エジプト人と同じく、河谷の周囲に広がる乾燥した砂漠地帯で暮らし
ていたため、水の供給が生存の鍵でした。彼らは東のアンデス山脈から流れる川の恩恵を
受け農耕を営んでいましたが、その水量を予想することは難しく、鉄砲水や地震など天災
の不安にもさらされていました。
ナスカの社会では、人間とほかの生き物の間には超自然的なつ
ながりがあり、命あるものはみな超自然的な力を持つと考えられ
ていました。そのため、キツネのような生き物は単に畑で見かけ
る動物であるだけでなく、ネズミなど有害小動物を捕食してくれ
る、作物の良き守護神でもありました。
ここでは、ナスカの人々が人間に強力な力を及ぼすと考えた生
き物や、ナスカ人の日常生活を取り巻く動植物が描かれた土器を
紹介します。
貸出写真1.
ピーナツの入った容器を持つサル
高さ 18.2cm、最長幅 11.5cm
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
2
暮らし
乾燥したペルー南部海岸地帯では水の有効利用が死活問題でした。人々は肥沃な土壌を
求めて、海岸から内陸へ入った河谷周辺で灌漑農業を営み、マメ、トウモロコシ、トウガ
ラシ、ジャガイモなどアンデス原産の植物を中心にさまざまな作物を栽培していました。
また、投石器、石のついた投げ縄、棍棒、槍などを使い、野生のグア
ナコ(ラクダ科)やシカを狩り、網を使った漁を営み、海岸ではアザラシ
やラッコ、海鳥を捕獲していました。主要な家畜はラクダ科の動物リャ
マで、荷物の運搬の他、毛、肉を利用していました。
また、交易によって、東どなりの火山地域産の黒曜石や、北方のエク
アドル海岸産のスポンデュルス貝とサル、北や東の熱帯雨林産の鳥の羽
根などの品々を手に入れていました。
ここでは、ナスカ人の日常風景を紹介します。
参考写真
つながれたリャマ
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
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3
ものづくりの文化と技術
ナスカ人は多彩色土器や織物作りの他にも、貝、骨、羽根、木、金属などの工芸を手が
けていたことが分かっています。
美しい彩色土器に使う十数色もの顔料は、海岸地帯の河谷
を取り巻く山々で採取した鉱物から作られていました。また、
黄金を薄板に伸ばしてマウス・マスクなどの装飾品を制作し
ていましたが、同時期に北部海岸で栄えたモチェ文化とは違
い、金と銅以外の金属加工は手がけていませんでした。
ここでは、織物や土器の製作に欠かせない道具類を紹介し
貸出写真2.
ます。
黄金の旗印または頭飾り
長さ 29cm、幅 17.5cm
4
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
ナスカの日常生活
ナスカ社会は互いに地理的に隔たった場所にある、複数の首長制社会の集まりで、それ
ぞれの社会は政治と宗教の両面で権力を握る個人に率いられていました。
彼らは一夫多妻制度のもと、血縁関係にある家族が集まって「ア
イユ」と呼ばれる集団を形成し、比較的小さな集落に暮らしていま
した。彩色豊かな衣服をまとい、耳飾りやペンダントを身につけ、
刺青を施すなどのおしゃれを楽しんでいました。人々の職業は農民、
漁師、猟師、戦士などがほとんどで、職種はあまり多くありません
でした。
また、彼らの寿命は 40 歳位で、埋葬のさいは死者に服を着せて
座った姿勢で織物にくるみ、食物を入れた土器などを副葬しました。
まれに黄金やスポンデュルス貝など貴重品が副葬されることもあ
りました。
ここでは、様々な男女の像と衣服を紹介します。
5
参考写真
耳飾りとドレス・ピンを付け、
鳥を抱く女性
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
ナスカ人−ミイラの謎を解く
ペルー南部海岸の砂漠地帯は極端に乾燥した気候で、人間の遺
体や副葬品は自然の力で一千年にわたって保存されてきました。
今回、リマ国立考古学人類学歴史学博物館で、1925 年から 30 年
にわたり、ペルー人考古学者フーリオ・C・テーヨによって発掘
された 400 体余のパラカスのミイラのうち、保管されていた 298
体の中から、特に保存状態の良いこどものファルド(ミイラを包
むもの)を開梱しました。本展では、このミイラと、既に開梱さ
れ、保存状態の良い成人のミイラ1体を紹介し、DNA、レント
ゲンなどの調査結果による、ミイラ最新研究を紹介します。
貸出写真3.
ナスカ後期の子供のミイラ
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
5
またここでは、「頭部外科手術跡のある頭蓋」と「頭蓋変形」をあわせ
て紹介します。外科手術は、戦傷により高まった脳圧を下げるためか病気
治療のためと考えられています。頭蓋の変形は、地位を示すためか民族的
帰属の印、もしくはファッションのためと説は様々ですが、幼少時に頭に
パッドを当てた板を縛ることで頭蓋骨を変形させたと考えられています。
参考写真
大きな頭蓋開口術跡のある
パラカスの頭蓋骨
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ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
儀礼と音楽
ナスカ人は、自分たちの生命は自然界の精霊の力の作用を受けている
と信じていました。また、その精霊を理解し、なだめる力を持つ者がシ
ャーマンで、彼らは幻覚剤を用いて精霊を見ることが出来ると信じられ
ていました。シャーマンの儀式は音楽、踊り、飲酒を伴い、作物の植え
付けや収穫、死者や首級の埋葬の時に行われていました。
ここでは、シャーマンや楽師の土器、太鼓、アンタラ(笛)、ラッパな
どの楽器を紹介します。
参考写真
たくさんの楽器を奏でる楽師
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
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神々の世界
ナスカ文化の宗教では、自然崇拝、魔術、シャーマンを中心とし、命あるものはすべて
超自然的な力を与えられていると考えられていました。ナスカ人が「地上、天空、水中で
最も強力なもの」とみなす生き物は、水と豊穣と生命に影響
力を行使し、人間の運命を左右することが出来るとされ、特
に重要な存在でした。図像では、そうした超自然的な力が「神
話的存在」−強力な自然の精霊の力を備えた存在−として描
かれています。
特に強力な力を持つ動物として、地上ではネコ科動物(ピ
参考写真
神話的シャチ
ューマ、ジャガー、クーガー)、天空の怪鳥はコンドルと、タ
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
カ、そして海の支配者としてシャチが描かれています。
ここでは、神話的存在が描かれた土器や、手の込んだ刺繍が施されたパラカスのマント
も紹介します。これらのマントは遺体を包んだもので、今回の展覧会にあわせて、特に保
存状態が良く美しいマントを8ヶ月の歳月をかけて修復しました。
貸出写真4.
パラカスのマント
長さ 279.0cm、幅 175.0cm
ペルー文化庁・ペルー国立考古学人類学歴史学博物館
部分拡大
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戦争と首級
ナスカ文化の土器にはさまざまな武器を持った戦士の戦闘場面
や、敵の首を刎ねる場面が多く描かれていますが、その目的につい
ては議論が分かれています。いずれにせよ戦闘で手に入れた敵の首
級は儀式で使いました。そのさい、額に穴をあけて運搬用のロープ
を通し、上下の唇をトゲで刺し貫いて口が開かないようにとめまし
た。土器の中には首級の口から作物が芽生えている絵もあり、死と
参考写真
口から作物が生えた首級
再生が表裏一体のものであり、循環してゆくというナスカ人の思想
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
が表されています。
戦士の絵はナスカ後期には複雑になり、描かれる頻度も増えました。これはその頃に、
彼らの文化の中で闘争の持つ意味が大きくなったことを意味すると思われます。
ここでは、戦士や戦闘の場面、儀式の様子が描かれた珍しい壺、槍や黒曜石のナイフ
などの武器と、戦士によって刈られた首(首級)の実物を紹介します。
貸出写真5.
首級をかたどった双胴壺
高さ 12.5cm、最大幅 22.0cm、底幅 14.2cm
ペルー文化庁・ペルー国立考古学人類学歴史学博物館
貸出写真6.
ナスカの首級
ペルー文化庁・ペルー国立考古学人類学歴史学博物館
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誕生と再生
ナスカ美術では、生命と豊穣と再生の観念が隅々に行きわたっ
ています。それにもかかわらず、同時代に北部海岸で栄えたモチ
ェ文化のような、多様な性行動が描かれることはありませんでし
た。ナスカ文化の土器にはエロティックな題材は多くありません。
また、ナスカの土器には女性の出産を描いたものも少なく、子
供はめったに描かれていません。
ここでは、数少ないエロティックな土器と妊娠や出産が描かれ
た珍しい土器を紹介します。
参考写真
交合する男女
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
7
10
パルパ河谷ラ・ムニャで発掘された埋葬品
近年、多くのナスカの発掘調査が行われるなか、特に注目されるマルクス・ラインデルと
ジョニー・イスラの調査団がパルパで行った、ラ・ムニャ遺跡(墓地と住居跡の複合遺跡)
の発掘調査品を紹介します。
参考写真
ビーズのネックレス
ペルー文化庁・ペルー国立考古学人類学歴史学博物館
参考写真
第2部
1
地上絵の謎
地上絵はなぜ描かれたのか?
ペルー南海岸の砂漠地帯に 800 平方キロメートルもの広さにわたって描かれている巨
大な地上絵は、1930 年代にアンデスを越えて飛んだパイロットたちが発見して以来、だれ
にも解けない人類史上最大の謎とされていました。パルパと呼ばれる砂漠には、ハチドリ、
キツネ、コンドル、フクロウの目をした身長 30 メートルの人物や、渦巻き、三角形、台形
と、総延長 1500 キロメートルに及ぶ無数の直線が、縦横に走り交
差しています。
この巨大な絵とラインを作った目的はいまだに完全には解明さ
れていません。手がかりとなる人間活動の痕跡がほとんど残って
いないため、巨大な謎は多くの人々の挑戦を退けてきました。し
かし、科学的な調査は徐々にその全貌を明らかにしつつあります。
ここでは、地上絵の模型、実際のナスカの石で作ったジオラマ、
地上絵に描かれているモチーフと同じ動植物が描かれた土器など
を紹介します。
貸出写真7.
ハチドリ
高さ 18.4cm、直径 16.3cm
ペルー文化庁・ペルー国立考古学人類学歴史学博物館
8
貸出写真8.
ハチドリの地上絵
撮影 義井豊
*トリミング可。
左写真はトリミングしたもの
貸出写真9.
サルの地上絵
撮影 義井豊
貸出写真10.
手の地上絵
撮影 義井豊
9
2
バーチャル(VR)で飛ぶナスカの地上絵!
ナスカでも体験できないナスカ・・・
VR とは「Vertual Reality(バーチャルリアリティ)」の頭文字をとった略称で「仮想現実」
と訳されています。建物や景観を CG を使って作成し、その仮想空間の中を、まるでその場
にいるかのような感覚で見て回れるという高度なデジタル技術を使った「映像表現技術」
です。東京会場では 10 メートル×3 メートルの巨大スクリーンを設置し、ユネスコの世界
遺産に指定されているナスカのフマナ平原の地上絵を VR 映像で再現することによって、映
像をみるすべての人にナスカに行っていただきます。まるで実際にペルーに行ってセスナ
機で飛んで上空から眺めているような体験ができる体感型シアターで、ナスカの図像を
様々な角度から観察し解説をいたします。
3
エピローグ
世界遺産であるナスカの地上絵は、自然の風化や、過去に人々が残した車両跡などによ
り、もとの姿が消えつつあります。
ここでは、ナスカの地上絵が置かれた現状を紹介し、地上絵の保存と修復の展望を考察
するとともに、人類の遺産を後世に伝えていくために我々に課せられた課題を提示します。
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テーマ音楽
本展覧会のテーマ音楽を制作・演奏するのは、南米アンデス地方の伝統楽器、サンポー
ニャとケーナの演奏家として知られる瀬木貴将氏。
本展のテレビ・ラジオスポットをはじめ、紹介番組などでお聞きいただけます。
瀬木 貴将
Takamasa Segi
/サンポーニャ&ケーナ奏者
P R O F I L E
1966 年東京都出身。 13 歳の時、サンポ−ニャ&ケ−ナを独学で始める。18 歳の時に南
米ボリビ アに渡り、4枚のアルバムをリリース。 1995 年『VIENTO∼風の道』でソロデ ビ
ュー。2000 年キリンビール素材厳選 TVCF 音楽を担当。コンピレーションアルバ ム『PURE』
にオリジナル曲『ILUSION』が収録され 50 万枚を超えるヒット作となる。2001 年ボリビア
のトップミュージシャンを集めた瀬木貴将 with クラブアン ディーノツアーを全国で展開。
ポルノグラフィティのシングル、『アゲハ蝶』に フィーチャリングされ 110 万枚のヒット
となる。2004 年 CD『サファリに行こう』 (東芝 EMI)をリリース。そして 9 月には本場、
ボリビアでコンサートツアー(6 カ所)を行い大反響を呼んだ。その模様が 2005 年に本場
ボリビアで DVD『LIVE IN BOLIVIA』としてリリースされる。現在までに合計 14 枚のソロ
CD(アルバム 9 枚) をリリースしている。
サンポーニャ
ケーナ
南米アンデス地方の伝統的パンフルートの一
南米アンデス地方の伝統的縦笛の一種。管に指
種。 長さの違う葦の茎を束ねただけのシンプ
穴(表六穴、裏一穴)と吹き口の切り込みを入れ
ルな構造のこの楽器は、世界最古の管楽器とも
ただけの 非常にシンプルな楽器で、いわゆる
言われる。本展覧会ではその原型といえるナス
リード等は存在しないため、初心者には演奏す
カ時代の笛を展示している。
る以前に音を出すのが難しい。材料は葦、竹の
他、動物の骨なども使われる。
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