研究スタッフ 研究目的 主な研究テーマ

研究スタッフ
教
授:
櫛引
淳一、
助
教
授:
小田川裕之
助
手:
荒川
元孝、
COE研究員:
大橋
雄二
研究目的
当研究室では、超音波計測学に関する研
究、とりわけ新しい計測技術として超高
周波超音波技術を応用した「超音波マイ
クロスペクトロスコピー (UMS) 技術」
に関する基礎研究とその応用研究を行っ
ています。このUMS技術により物質の音
響特性を非破壊、非接触的に極めて精度
よく測定することができ、固体、液体、
生体組織の特性を解析・評価する新しい
測定手段として注目されています。
弾性特性
(音速・減衰)
LSAW特性
バルク波特性
など
物理特性
化学特性
線膨張係数
屈折率
など
化学組成比
など
UMSによる材料評価・特性解析
主な研究テーマ
1. 超音波材料解析システムの開発
UMS技術は以下のシステムから構成されてい
ます。
○直線集束ビーム (LFB) 超音波材料解析
システム
○方向性点集束ビーム (PFB) 超音波顕微鏡
○バルク超音波スペクトロスコピー・システム
○生体超音波スペクトロスコピー・システム
試料表面あるいは試料中を伝搬する漏洩弾性
表面波やバルク波の伝搬特性(音速、減衰)を
超高精度(6桁)に計測することにより、材料の
評価・解析を行うことができます。従来法(示
差熱分析法、X線回折法、プリズムカプラ法、
密度測定法など)よりも1∼2桁良い分解能で分
析が行えることを実証しています。
櫛引・小田川研究室
図1 世界最高の測定分解能
(0.001%) を有する
LFB超音波材料解析システム
http://www.ecei.tohoku.ac.jp/kushi/
2. 超高周波超音波センサと薄膜作製
技術の研究
3. 新しい材料解析・評価法の開拓
LFB超音波材料解析システムは、ポリ
マーからダイヤモンドまで、すべての材
料に適用できます。また、バルク基板の
みならず、薄膜、薄板、拡散層など、あ
らゆる形態の試料に適用できます。
(111)-[1 1 2] GGG
TRANSDUCER
ACOUSTIC
LINE-FOCUS
BEAM LENS
#0
V0 (z)
θ LSAW
SPECIMEN
FOCAL
PLANE
-1 VW
θ LSAW = sin
櫛引・小田川研究室
x
-400
-300 -200 -100
DISTANCE z [µm]
VLSAW =
z
V LSAW
0
VW
2
⎛
V ⎞
1- ⎜1- W ⎟
⎝ 2 f ∆z ⎠
図2 LFBレンズの原理と作製した
超高周波超音波デバイス
市販超低膨張ガラスの評価
表1 LSAW速度の他の物理的・化学的
特性に対する感度と分解能
感度
TiO2濃度
密度
分解能
(±2σ)
±0.17 m/s
4.40
±0.77
(ppb/K)/(m/s)
ppb/K
-0.058
±0.010
wt%/(m/s)
wt%
±0.0027
0.0156
(kg/m3)/(m/s)
(kg/m3)
LSAW
VELOCITY
[m/s]
3307
3306
3305
3304
3303
3302
2
1
0
-1
-2
LSAW VELOCITY [m/s]
本技術は、固体材料のみでなく、生体、
生体高分子水溶液、液体にも適用できま
す。VHF/UHF帯における音響特性を精密に
計測することにより、これまで得られな
かったデータを測定することが可能であ
り、新しい知見が得られるものと考えま
す。
-20
z
y
-2
4. 生体超音波エレクトロニクス
∆z
-10
-30
-500
y POSITION [mm]
○材料の異方性検出・評価
○単結晶インゴットやウェハの均一性の評価
○結晶育成条件・プロセスの評価・改善
○ガラス材料、及びその作製プロセスの評価
○薄膜、拡散層、表面加工層の評価
○デバイス作製プロセスの評価
○残留歪みの評価
○材料の音響関連物理定数の決定
○薄膜の音響関連物理定数の決定、膜厚の
決定
など
#1
V1(z)
0
WATER
LSAW速度
線膨張係数
応用例
RELATIVE OUTPUT [dB]
超音波トランスデューサには、ZnO圧
電薄膜を使用しており、スパッタリング
法による成膜に関する研究を行っていま
す。また、計測に用いられるさまざまな
超高周波超音波センサを自作しています。
RF pulse
-1
0
1
2
x POSITION [mm]
3308
3306
3304
3302
3301
-2
-1
0
1
2
x POSITION [mm]
図3 市販超低膨張ガラス(C-7971,
Corning社製)に対するLSAW
速度分布
http://www.ecei.tohoku.ac.jp/kushi/