:::第8回若手研究者発表会::: 日時:2010年10月20日(水)18 時~ 場所:TWIns 2F 大会議室 ① 「細胞シート治療標準手技確立に向けた手技教育用装置の開発」 鈴木 孝司 東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 助教 再生医療の一つである培養細胞シート移植は新時代の治療方法であり,その手技もこれまでにない新し いものが求められる.近年医療現場に導入される新しい治療機器(例えば手術支援ロボット)が,その操 作方法のトレーニングコースを持つように,新しい手技の適切な運用と普及には教育と標準化が不可欠 である.本研究では細胞シートの取り扱い手技の標準手法確立を目的として,手技動作の定量的な記録・ 解析に基づく標準手技の定義,手技の上達度を示す指標の提案,トレーニングシステムの構築を行う. 本発表ではこれまでに構築した,トレーニング時の動作計測および教示システムについて報告する.動 作計測は術者の腕および肩に取り付けたワイヤレスセンサを用い,教示システムには術者の手技を映し 出したビデオ画面上にリアルタイムに文字・図形が書き込めるシステムを用いた.今後は計測したデー タの解析手法の開発を進め,また教示システムの有用性を検証する. . ② 「妊娠初期絨毛細胞を用いた筋ジストロフィー再生治療の可能性」 荒川 玲子 東京女子医科大学大学院医学研究科 先端生命医科学系専攻 博士課程4年 Duchenne 型筋ジストロフィー(DMD)は、未だ治療法の確立していない小児期発症の重篤な X 連鎖劣性遺伝 性疾患であり、保因者女性の妊娠において出生前診断が選択される場合がある。妊娠 10~12 週の母体か ら採取される絨毛組織は胎児由来であり出生前診断に用いられ、妊娠が進むと胎盤の一部となる。一方、 出産時に得られる胎盤には間葉系幹細胞が含まれており、再生治療の細胞供給源として研究が進められ ている。妊娠初期絨毛には、胎盤などに比して幹細胞の割合が多く含まれる可能性があると考え、胎盤 由来細胞と妊娠初期絨毛由来細胞の表面抗原マーカーの相違を検討した。また新たな細胞供給源となり える可能性を求め、妊娠初期絨毛由来細胞に対して骨格筋分化誘導を行い、骨格筋マーカーの発現を定 量的 PCR 法、蛍光免疫染色法、ウエスタンブロット法により経時的に検討した。
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