新任教員紹介 - WAKWAK

新 任 教 員 紹 介
示することで、対話に利用できる情報量を増
やし、直接会って対話する状況に少しでも近
森川 治
づけるという方略を取っていました。一方、
機械工学科教授
私は、対面対話の模倣をやめ、人間の特性か
ら発想した新しい対話方式を提案する方略を
(H27.3.1付 赴任)
とり、
「超鏡(HyperMirror)
」を発明しまし
た。この超鏡を、幼稚園から大学、老人ホー
平成 27 年3月1日付で大学院医学系研究
ムまで多様な年齢層の方を対象にいろんな場
科教授として着任しました。どうぞよろしく
面で使ってもらいながら、システムの改良、
お願い申し上げます。
使用方法の提案を重ねる研究を進めてきてお
私は東京に生まれ、大学は東京工業大学理
り、大阪大で2つ目の博士号(人間科学)を
学部情報科学科に入学し、コンピュータを道
取得しました。
具として使った研究に興味を持って学部、修
研究の傍ら、ユーザインタフェースの ISO
士、博士課程を過ごしました。当時、4色問
標準化の委員、ヒューマンインタフェース学
題という数学の難問をコンピュータを使って
会創設の発起人などをしてきました。
解いたというニュースに闘志を燃やし、私は
山口大とは今回が初めてではなく、実は、
3次元組み合わせトポロジーの問題をコン
10 年ほど前、遠隔医療のプロジェクトで、医
ピュータを使って研究して理学博士号を取得
学部の井上先生とご一緒したことがあります。
しました。
機械工学については、私は専門ではありま
就職は、通商産業省工業技術院製品科学研
せんが、従来の音と映像の情報提示から、力
究所に入所し、盲人用読書器の開発プロジェ
を返したり、ロボットの手足を動かしたりす
クトに加わり、文字認識、システム構成など
るような、物理世界に働きかけるユーザイン
の研究に従事しました。利用者である盲人の
タフェースも今後必要になってくると思って
方々にお会いして、要望を聞きながら、当時
います。そのためには、機械工学がご専門の
のコンピュータの能力で実現可能な仕様をま
先生方とご一緒できること、大変期待してい
とめ、6台のコンピュータを共通バス結合し
ます。
た専用システムを作成し、つくば万博に出展
山口大では、超鏡を応用したメンタルな介
しました。
護アシストシステムや、高齢者の健康寿命を
その後、インタフェース、特に、対話メディ
延ばすようなトレーニングシステムなどの提
アのインタフェースに興味をもち研究を進め
案・研究をして行きたいと考えています。
ています。
着任直後の不慣れが多い身でありますの
直接会って話す場合と比べ、ポケベルや
で、皆様にご迷惑をおかけすることがあると
メール、電話では、交換される情報量が圧倒
思います。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、
的に少ない。そこに注目した工学系の多くの
よろしくお願い申し上げます。
研究者たちは、次世代の対話メディアである
テレビ電話を、高音質、高解像度、等身大表
- 15
せんでしたが、前就業先におられたご出身の
方から伺っていたとおり、気候が温暖で大変
鈴木 博貴
生活しやすいと感じております。また、工学
機械工学科助教
部のキャンパスが常盤台という高台にあり、
総合研究棟の8階から宇部市を一望できたこ
(H27.4.1付 赴任)
とが、大変印象的でした。周りがのどかであ
る一方で、そこからすぐ見えるほど山口宇部
昭和 57 年7月生まれ、平成 17 年3月に広
空港が近く、東京へは大変交通至便であり、
島大学工学部第一類(機械系)を卒業後、名
仕事をするに大変よい環境であると感じてお
古屋に移り、平成 22 年3月に名古屋大学大
ります。
学院工学研究科機械理工学専攻において博士
このような環境の中で、教育・研究・社会
(工学)の学位を取得いたしました。現職に
貢献に取り組んで参ります。教育につきまし
着任するまでは、日本学術振興会特別研究員
ては山口大学工学部から有為な人材が輩出さ
( D C 1・ P D )
、 仏 国 の Ecole Central de
れ続けることに少しでも貢献できるように、
Lyon に滞在し研究したのち、名古屋工業大
研究につきましてはこれまで進めて参りまし
学大学院工学研究科常勤助教を務めました。
た世界最先端の学術研究をさらに発展させて
このような経歴におきまして、機械工学に
インパクトある成果を挙げ続けるように、加
おける流体工学に関する研究を進め、中でも
えて、専門分野の知見を社会貢献の点からも
乱流現象を工学的に扱う乱流工学と呼ばれる
還元するように、進めて参ります。
分野に携わって参りました。乱流現象は身の
まだ着任して間もなく至らぬ点も多々ある
回りによく存在する一方、通常は視認されな
かと存じますが、精一杯頑張って参る所存で
い等のため、日常生活において認識されづら
す。皆様のご指導ご鞭撻を賜りますよう、ど
い現象かもしれませんが、輸送機器の抵抗や
うぞよろしくお願い申し上げます。
熱物質等の拡散等をはじめとして我々の生活
に直接的に密接に関係する一方、超多自由度・
強非線形な数理解析的に扱うことが難しい現
象であり、調べるには高度な技術を要する実
験や最新のスーパーコンピュータが欠かせま
中原 佐
せん。これまで、乱流現象の基礎的な学術研
機械工学科助教
究に実験的におよび数値解析的に取り組んで
(H27.4.1付 赴任)
参りましたが、山口大学工学部にある、乱流
工学の伝統ある研究拠点において、研究をま
すます発展させて参る所存です。
出身は佐賀県佐賀市で、高校を卒業後、香
私が広島大学工学部卒であることは既に述
川大学工学部知能機械システム工学科に進学
べましたが、中部圏名古屋や海外と就業地を
いたしました。博士前期課程まで香川大学で
移ったのちに、この度、中四国圏の、大変由
学び、その後、京都大学大学院工学研究科マ
緒ある総合大学である山口大学の常勤教員と
イクロエンジニアリング専攻の博士後期課程
して着任しましたことに、格別な思いを感じ
を経て、現職に就くこととなりました。高校
ます。宇部は、居住の経験はこれまでありま
卒業後、香川、京都と移り住み、出身地から
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は遠くなる一方でしたが、この度ご縁があっ
て山口大学へ赴任できたことは、出身地にも
近くなり大変嬉しく思っております。
森本 真吾
私の専門は、工学と理学を融合した境界領
社会建設工学科助教
域であり、半導体製造技術をベースとした微
(H27.1.1付 赴任)
細加工技術に加えて、生体内に存在するモー
タタンパク質と呼ばれる駆動素子を生体外で
応用する研究を行っております。モータタン
戻ってまいりました。社建 H14 卒の森本(あ
パク質は、私たちの生命活動を維持するため
だ名:ちゃーりー)と申します。昨年まで都
には必要不可欠な物質であり、細胞分裂や筋
内のトンネルの資材を扱っている土木系の会
収縮、鞭毛運動などにおいて重要な役割を果
社㈱ケー・エフ・シーの技術部に勤務してお
たしております。また、モータタンパク質は、
りました。勤続 10 年を機に独立を考えてい
−9
m)スケールの小さな物
たところ、恩師でもあります現工学部長より
質であるため、その運動を生体外で応用する
「そういうことならここで修行してからにし
ことができれば、将来は分子スケールを対象
なさい」と身に余るお言葉を頂戴し、U ター
としたシステムを新たに構築できる可能性が
ン転職を決意した次第です。
あります。しかし、モータタンパク質を生体
学生時代は休学して海外に行ったり、単位
外で応用し、効率的な分子操作や輸送を行う
が足りず夜間の先生に受講をお願いしたり
システムを構築するためには、その運動方向
と、この会誌を読んでいる当時の級友だけで
や速度、対象とする分子を集めるための技術
はなく私自身も大学に戻ってくる日があるこ
などが必要となります。私はこれまでに、微
となど露ほども思っておりませんでしたの
細加工技術を用いて作製した微小構造内に
で、目に見えない力学というのでしょうか、
モータタンパク質の運動場を構築し、運動方
運命の存在を実感しました。
向や速度を制御する研究を行ってきました。
現在は、37 歳の2児の父となり、日ごろの
今後はモータタンパク質による分子の操作や
運動不足を解消するために、高台までの自転
濃縮を実現するための基盤技術の確立を目指
車通勤だけではなく、昼休憩時は体育館で教
すとともに、医療や化学分野などにおいて実
職員のソフトバレーにも参加させていただい
用性に耐えうる新たな分子操作システムの創
たりと大学ライフを満喫しております。私が
成に取り組んでいきたいと考えております。
学生だった頃を覚えていらっしゃる先生方か
工学および理学分野の境界領域における最
ら「森本先生」と言われるたびに、わき腹が
先端の教育研究を通じて、本学および地域の
くすぐったいと言いますか非常に照れくさい
発展と学生の成長に微力ながら貢献したいと
思いでいっぱいになります。立場が違えば見
考えております。至らぬ点が多々あるかと思
え方が違うと言いますが、まさしく、先生
いますが、日々精進していきたいと思ってお
方がこれほど忙しいとは新しい発見でした。
ります。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い
いろいろな先生方に支えていただきながら、
申し上げます。
3ヶ月が過ぎ、よちよち歩きですがようやく
ナノメートル(10
周りが見え始めてきたのではないかなと思っ
ております。
そんな私がつい先日、先生デビューを果た
- 17
しました。受け持ったのが専門外の化学系の
での研究を振り返りながら、簡単にご紹介し
実験でしたので、新1年生に負けないよう
たいと思います。
しっかりと予習をしましたが、学生のスポン
私は、幼少期から魚釣りが好きだったの
ジのような吸収力には驚かされました。新し
で、大学では魚の研究をすることを目的に、
いことに対する興味が高く、まるで好奇心の
水産系の学科のある九州大学に入学しまし
塊のようです。社会に出て 10 年ほどの経験
た。4年の研究室配属時には、本学から離れ
を何かしら学生に伝えられればと戻ってまい
た海沿いにある研究施設である「水産実験
りましたが、よくよく考えますと私の方がか
所」にある研究室を選びました。研究室の立
くあらねばと思いを新たにし、学生からエネ
地条件と、元々の趣味が相まって、学位取得
ルギーをもらっているようです。
に至るまでは、ひたすら野外調査に赴き、魚
私の専門は土木の中のトンネルですが、学
類を採集する日々を送っておりました。今思
科内は地盤、基礎、橋梁、水理、防災、計画
えば、労力に見合わない(=論文にならない)
などの土木全般に関して非常に多岐にわたっ
調査もたくさん行いましたが、あの頃の経験
ており、また、それぞれの分野における世界
が、今の自分の土台となっていることは疑う
的にも第一人者の先生方が集まっておられま
余地がありません。
す。学生に負けず多くのことを吸収し、世の
研究を進めるうちに、魚採りの楽しさを次
ため人のため、また、日本だけでなく世界も
世代に伝えたい、魚が採り続けられる環境を
視野に、3年後の起業を目指し奮闘していく
次世代まで残したいと強く思うようになり、
所存でございます。今後とも皆様のご指導、
研究内容・自身の興味ともに、水域生態系の
ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
保全へと自然にシフトしていきました。
生態系の保全が目標となると、「どこ」を
「どうやって」保全・管理していくかを示す
必要があります。もちろん、野外調査によっ
て得られるデータが基本であることに変わり
乾 隆帝
はないのですが、それだけで表現できること
社会建設工学科特命助教
には限界があります。これらのうち、まず
「どこ」を明らかにするための技術として代
(H27.4.1付 赴任)
表的なものが、GIS を用いた空間情報解析で
す。これらは、景観生態学分野で盛んな手法
2010 年に九州大学生物資源環境科学府で
ですので、私は、日本学術振興会特別研究員
博士(農学)の学位を取得後、日本学術振興
PD として、景観生態学分野の研究室でこれ
会特別研究員 PD を経て、2014 年度から学術
らの技術を習得しました。次に、
「どうやっ
研究員として山口大学大学院理工学研究科に
て」を明らかにするためには、まず、生き物
所属しておりましたが、今年度、助教(特命)
の生息環境(ハビタット)の形成・維持メカ
として赴任することになりました。
ニズムを明らかにする必要があります。水域
私の専門は、元々農学部の水産学系ですの
の場合は、流れや塩分、土砂輸送等の数値シ
で、工学部の人間としては、異色の経歴かも
ミュレーションが有効な技術です。これらの
しれません。折角の機会ですので、工学的な
技術を習得するため、昨年度から水圏環境動
研究をおこなうようになった経緯を、これま
態システム工学研究室にお世話になっており
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ました。
チウム硫黄電池やリチウム空気電池が注目さ
学生時代に習得した野外調査の能力、日
れています。しかし、これらの革新型リチウ
本学術振興会特別研究員 PD 時代に習得した
ム二次電池には従来のリチウムイオン電池と
空間情報解析、そして山口大に来てから進め
は全く異なる電池材料設計が求められます。
ている水環境の数値シミュレーションを駆使
これらの高容量二次電池に最適な新しい材料
し、今後とも、水域生態系の保全・管理に貢
設計指針を世の中に提示し、さらに実用化に
献したいと思っています。
耐えうる電解液、電極材料を開発することを
短い期間ではありますが、どうぞよろしく
目標に日々研究に励んでいます。
お願いいたします。
私は福岡県北九州市で生まれ育ちました。
大学進学を機に地元を離れ、これまで 10 年
以上故郷から遠く離れて暮らしておりました
が、この度よいご縁に恵まれ、実家から車で
1時間ほどの山口県宇部市で働けるように
上野 和英
なったことを大変喜んでおります。山口大学
応用化学科助教
工学部キャンパスは常盤公園をはじめ自然豊
かな環境に囲まれている一方で、化学系の会
(H27.1.1付 赴任)
社も近隣に多く、産業界との繋がりも深いと
感じております。更に、
地元も近いとあって、
大学院医学系研究科(工学)応用分子生命
私にとって山口大学工学部は非常に魅力的な
科学系学域・助教として着任いたしました。
職場です。今後は自身の研究活動だけでなく、
どうぞよろしくお願いいたします。平成 21
学生の教育・地域社会への貢献を通して、本
年3月に横浜国立大学大学院工学府機能発現
学のますますの発展に微力ながら貢献してき
工学専攻にて博士(工学)の学位を取得した
たいと思っております。皆様のご指導、ご鞭
後、博士研究員として東北大学多元物質科学
撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
研究所(∼平成 21 年8月)
、米国アリゾナ州
立大学(∼平成 23 年8月)
、横浜国立大学(∼
平成 26 年 12 月)で高分子化学・電気化学と
いう学問分野のもと、有機材料学的視点から
新しい設計コンセプトに基づいた機能性材料
川本 拓治
を開発する研究を行って参りました。
応用化学科助教
最近では、次世代の高容量・高信頼性エネ
(H27.4.1付 赴任)
ルギー貯蔵デバイスの実現を目指し、これに
適用可能な機能性材料(主に電解液)の研究
を行っています。昨今のエネルギー問題の解
私は大阪府の出身で、2014 年に大阪府立
決へ向けて再生可能エネルギーの利用が広く
大学理学系研究科分子科学専攻博士後期課程
唱えられていますが、これと相まって、多く
を修了し博士(理学)の学位を取得しました。
のエネルギーを一度に貯めることのできる蓄
その後、米国・ピッツバーグ大学で博士研究
電デバイスの開発が望まれています。将来的
員を約1年間経験しました。今回、ご縁があ
にこれを具現化可能な蓄電デバイスとしてリ
り、山口大学工学部で教育・研究に携われる
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ことができ、大変嬉しく思っております。
科を卒業後、平成 20 年に同大学大学院建築
私の専門は有機化学の分野で、特に新しい
研究科建築学専攻修士課程修了後に、世界に
有機合成反応の開発を目標に研究を行ってお
踏み出す一歩として日本に参りました。平
ります。これまでは一酸化炭素やホルムアル
成 21 年に東京大学大学院新領域創成科学研
デヒドなどの基幹工業原料をいかに効率よく
究科社会文化環境学専攻に進学し、平成 25
有機分子に導入する手法の開発を行ってきま
年3月に博士(環境学)の学位を取得いたし
した。最近ではそれらに加えて二酸化炭素の
ました。その後、日本学術振興会特別研究員
効率的利用法の開発を目指し研究を行ってい
(JSPS)
・PD、東京大学大学院新領域創成科
ます。二酸化炭素の削減は世界的な問題です
学研究科・特任研究員を経て、本学へ赴任い
が、これらを有機化学の力を用いて効率的に
たしました。
化学変換できる手法の開発を目指していま
1981 年生まれで出身は、韓国の釜山です。
す。山口から新しい化学を発信できるよう努
学生や兵役時代もソウルで、日本に来てから
力して参ります。
もずっと東京だったので、約 30 年間都会か
私は理学部出身で工学部の教育に若干の戸
ら出たことのない私ですが、宇部市に来てか
惑いを持っていますが、熱意を持って取り組
ら1ヶ月経ち、徒歩で大学に通ったり、非常
んでいきたいと思います。
に余裕のある生活の中で教育・研究活動がで
教育者としてはもちろん、研究者としても
きることや、自然に恵まれた環境で子育てが
まだまだ半人前ですが、これからは山口大学
できることなど、本学への赴任の機会をいた
工学部の教員として、学生たちと一緒に、教
だけたことを大変嬉しく思っております。こ
育者としても研究者としても成長していける
の場を借りてご高配頂いた皆様にもう一度御
よう日々精進したいと考えています。まだ着
礼申し上げます。
任して間もないこともあり、至らぬ点が多々
主な研究分野は、「都市デザインとエリア
あるかと存じますが、皆様のご指導、ご鞭撻
マネジメント」です。今までの都市計画は、
を賜り、精進して参りますので、何卒よろし
国民に対する都市機能サービスの等分配の原
くお願いいたします。
則に基づき、全国で同様の公共的サービス提
供を主な目的として都市の成長を牽引してき
ましたが、個々の地区固有の課題に対して
は十分に対応できなかった問題もありまし
た。
「エリアマネジメント」とは、一定の地
宋 俊煥
域の中で行政による画一的な都市計画やサー
感性デザイン工学科助教
ビスでは対応できない課題に対し、その地域
の特性に合わせた地域独自の都市計画あるい
(H27.4.1付 赴任)
は都市運営を行っていく手法であると言えま
す。特に全国人口が減少期に入ることとなる
大学院理工学研究科情報・デザイン系学域
2000 年代以降は、夜間人口を指標とした都
建築デザイン工学分野の助教として着任いた
市の成長は限定され、国際競争や地域間競争
しました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
の激化、人口減少や高齢化といった社会・経
簡単に学歴及び経歴をご説明しますと、私
済動態の下、地域の課題やテーマに主体で取
は平成 18 年に韓国・中央大学工学部建築学
り組もうとする自立的な地域の管理・運営を
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主とした「エリアマネジメント」の取り組み
理論がレブナー理論です。基本的には様々な
がますます重要となっていくと考えられます。
数学的性質を調査・解明していきますが、一
私は、今後の地方中小都市の未来像を予測
方で様々な分野への応用にも関心を持ってお
し描きなから「地方中小都市版エリアマネジ
ります。先に述べたようにレブナー理論では
メント」手法の開発に専念し、特に山口に応
拡がる平面領域を記述しますが、「拡がる」
用できる研究を積極的に取り組んでいきたい
と一言に言っても、液体のような物質の拡が
と考えております。私の主な研究フィールド
り、規模の拡がり、噂の拡がりといったもの
は実験室ではなく「まち」です。これから「ま
まで、思い浮かべるものは様々です。レブナー
ち」の方々に大変お世話になるかと思います
理論の有意性は「拡がる」という現象を抽象
が、皆様からご支援とご指導いただけると幸
化し数学的現象として特徴付けることによ
いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
り、この世のあらゆる「拡がり」に対して理
論を適用し得ることにあります。実際、同理
論は純粋数学や流体力学はもとより、パーコ
レーションをはじめとする2次元統計物理モ
デルとも深い関連があることが近年の研究に
堀田 一敬
より明らかになっています。特にパーコレー
工学基礎教育講師
ション理論は情報伝達といった社会現象の理
解にも応用されている分野です。レブナー理
(H27.4.1付 赴任)
論の研究はそのような様々な科学研究の基礎
を支えるものです。
昭和 54 年生まれ、埼玉県出身です。2007 年
今後は自身の研究はもとより、工学のニー
に東京都立大学理工学研究科数学専攻で修士
ズに基づいた良質な数学教育の提供に尽力し
を、2010 年に東北大学情報科学研究科で博
ていきたい所存です。
着任してまだ日が浅く、
士号を修得致しました。その後ヘウム州立高
至らぬ点が多々あるかと思いますが、どうぞ
等教育大学(ポーランド)講師、マリー・キュ
よろしくお願いいたします。
リー大学(ポーランド)招待講師、ヴュル
ツブルク大学(ドイツ)DAAD 博士研究員、
東京工業大学日本学術振興会特別研究員 PD
を経て、今年度より現職に着任いたしました。
ここ 10 年ほどは1∼3年に1度は引越をし
ていましたが、ここ山口でようやく少し腰を
落ち着けることができそうです。
私の専門は純粋数学の複素解析で、特にレ
ブナー理論と呼ばれる等角写像の力学系の理
論の研究に携わっております。簡潔に述べる
と次のようになります。平面領域が拡張して
いく様子を時間パラメータをもつ関数で表現
すると、関数が満たす偏微分方程式を得るこ
とができます。その微分方程式を中心とした
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−教職員の異動−
【定年退職】(平成 27 年3月 31 日)
宮本 文穂(社会建設工学科教授)
今村 速夫(応用化学科教授)
牧野 哲(工学基礎教育教授)
松野 好雄(工学基礎教育教授)
【転 出】(平成 27 年3月 31 日)
三石 真也(社会建設工学科教授)
国土交通省
江本 久雄(社会建設工学科助教)