- 日本中間子科学会

2004 年 春(No.19)
中間子科学連絡会
めそん 第 19 号 目次
会告
事務局からのお願いとお知らせ .................................................................................................................
1
第 13 回中間子科学連絡会運営委員会議事録 ........................................................................................
3
第 14 回中間子科学連絡会運営委員会議事録 ........................................................................................
6
2003 年度中間子科学連絡会会計報告 .......................................................................................................
8
読者だより
遠隔操作実験 .................................................................................................................................. 深谷敦子
9
研究会・ワークショップ報告
ICM2003 磁性物理学国際会議 ................................................................................................. 野末泰夫
10
Fusion03 国際会議 ......................................................................................................................... 河村成肇
11
ISCOM2003 国際会議 ................................................................................................................. 大平聖子
12
施設だより
J-PARC 統合計画の現状.................................................................................................三宅康博
13
J-PARC ミュオン科学施設ワーキンググループ報告....................................................... 三宅康博
14
高エネ機構・物構研・中間子科学研究施設の現状(平成 16 年 2 月).................... 永嶺謙忠
16
理研 RAL 支所 および 理研ミュオン科学研究室 報告 ........................松崎禎市郎、岩崎雅彦
19
第 15 回総研大学・KEK 夏期実習のお知らせ .......................................................................................
20
KEK 中間子 2003 年度後期共同利用実験報告会プログラム ...........................................................
20
採択実験課題一覧
物構研中間子科学研究施設 ( 平成 15 年度後期 ) .........................................................................
22
理研 RAL ミュオン施設採択実験課題 (17th PAC) .......................................................................
23
関連する研究の学会発表 ........................................................................................................................................
24
日本物理学会 2004 年春季大会(3 月 27 日∼ 3 月 30 日、九州大学箱崎地区)
27pXE-6 (門野良典)
27pXL-3 (菊池彦光・他)
27pXT-11(西山樟生・他)
28aPS-11 (佐藤宏樹・他) 28aPS-15 (大石一城・他) 28aPS-108(黒岩壮吾・他)
28aXC-13 (杉山純・他) 28aXE-4 (沖直樹・他)
28aXE-3 (渡邊功雄・他)
29pWL-11 (大平聖子・他) 29pZC-8 (今尾浩士・他)
30aXC-4 (幸田章宏・他)
30aXE-5 (青木勇二・他) 30aXR-3 (幸田章宏・他)
編集部からのお知らせ .............................................................................................................................................
28
表紙写真:
建設中の J-PARC(大強度陽子加速器)2003 年 12 月現在。
J-PARC の建設工事が日本原子力研究所東海研の南側敷地におい
て順調に進んでいる。写真左上より Linac、RCS(3GeV リング)、
MR(50GeV)、中央にミュオン実験施設も入る物質生命実験棟が
確認できる。
中間子科学連絡会ホームページ
http://msl-www.kek.jp/ M_users_j.html
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中間子科学連絡会
Q)
A)
第 13 回中間子科学連絡会運営委員会
議事録
14:00 ∼ 16:00
日 時:
平成 15 年 9 月 25 日
(木)
場 所:
学士会館東大赤門分館
出席者:
西田、
門野、
久野、
鳥養、
永嶺、
西山、
欠 席:
秋光、
岩崎、
石田、
松崎、
小嶋、
網代、
小池、三宅
(以上敬称略)
「* ISIS 等ではビームタイム代金をチケット
で支払っており、そのチケットは競争型研
究費として国の予算から出ている。但し見
直しが行われている。」
Q) Spring8 では原研理研で装置予算および
マシンタイム配分が別になっている、旅費
等の手当ても無くなっていることについて
共同利用者からのクレームがある。
A) KEK は旅費等を含めた共同利用経費は
存続する予定である。昔は実験経費もほと
んど KEK から出ていた。
C) 事務体制、旅費等は東大センター時代
より KEK 移行後の方が確かに良くなって
いる。(T)
残念ながら定足数に満たなかったので、協議
事項については持ち回り審議の結果で決定する
こととします。
○協議事項
1) 中間子科学連絡会総会のあり方について。
(賛、 否、 保留)
追加意見:
2) 旅費補助について。(賛、 否、 保留)
追加意見:
○議事録抄録
1. 中間子施設の現状(永嶺報告)
(1) 現在の人員について中性子線源系と物質三
系にまたがっている。教官 7 名、技官 3 名、
非常勤研究員 1 名、研究支援員 1 名である。
物構研の理解を得て新たな助手公募をしてい
る。
長期外国人の滞在を計画している。
(2) 施設としては大オメガの円筒型セパレータ
や多分割型 μSR 実験装置が設置され、πB ポ
ートに 5mK まで下がる希釈冷凍機が設置さ
れた。
(3) 来年度以降の課題
J-PARC ヘの移行に関し、議論がなされた。
原研は共同利用はしないことが確実との感
触。(N)
原研と KEK は別の運営か?(T)
KEK は共同利用研として存続するので
あり、チケット制 * 等は取らない。
原研は共同研究は行うだろう。
中性子センターが提案されている。全体の受
け口になるかどうかは不明。
共同利用の部分は KEK が行うことになる。
Spring8 では(1-β) α* 方式ではないか?
「* 装置設置者が設置後 α 年に亘ってその装置
の設置されているチャネルのビームタイ
ムを β の割合で占有し(1- β ) の割合で共
同利用など他の機関に使用させるといった
案。装置作製設置の主体を外に求め、施設
の建設を進める為に KEK 中性子が主張し
ており、中間子もこの考えを取り入れて議
論している。」
–3–
物性専門委員会で、現在予算が認められてい
ない中性子のスペクトロメータをどうすべき
か議論が有った。
(4) MUSAC が来年 2 月に開かれ、その際 ISMS
の打ち合わせも行われるが、採択実験課題
を ISMS Newsletter などに英語で載せるように
するかどうかの質問が有った。発表に問題
無しとする意見と少し考えた方が良いとの
意見が有る。
C) 運営体制については最終的な理念(設置
目的、設置理念)にもとづいて考えるべき
ではないか?原研側からミュオンに線が書
いてあるのはどうか? 現状では原研の中
にミュオンをやる部門がないので、仮想的
に書いてある。しかし原研の中にもそうし
たグループを作ろうという動きはある。
C) 先端研の μSR グループの人事は1年遅
れになりそうである。
C) 運営経費の問題は機構運協で提起した。
2) 独法化について法人化準備委員会で議論が
されており、機構長任期 3 年 3 期、理事会の
構成員、中期目標中期計画案などが決まりつ
つある。
(5) 東海に移った後、物構研の中でどうなるか
研究所としての activity を目に見える形にす
るために、センターとして構造生物研究セン
ターの他に物性材料研究センターが考えられ
ている。
3) 運営委員会の任務として運協委員の推薦
が有るが来年4月一日で運協は存在しなく
な る。PAC 委 員 の 推 薦 等 は 残 る。 次 回 は
MuSAC が 2/23 ∼ 27 に予定されており、そ
の前にやる(2 月初め)予定である。
された。中性子、中間子研究分野共通の問題
であることは認識されている。
学術会議物研連委員に藤井氏西田氏は入って
いないが、秋光氏がメンバーであり、物研連
との窓口となる。
物研連で昨年、日本における中性子科学研究
の将来像についての提言がだされた。 中間子科学連絡会長から理研理事長への書簡
は郵送した。理研の理事長交代で化学にも目
が向くかも、新素材の μSR が面白くなるの
では?
(6) 中間子施設のビームは 2006 年夏に停止、
J-PARC のビームは 2007 年度末になる予定。 「協議事項」
この間 ISIS の活用を考える必要がある。中 1) 中間子科学連絡会総会のあり方について
性子では学術創成として日英協力を考えてお
り、中間子も加わるかどうか考えなければな
らない。
RIKEN-RAL の協同研究の活用が考えられる。
(7) ISMS のニュースレターが配付された。山
崎賞が設けられたこと、各研究所 PAC での
採択課題の掲載の提案があったとの報告がさ
れた。
1) 物性委員会報告(西田)(学術会議の物性
専門委員会ではなく、物性研究者の集まりの
物性委員会です。)
ジャーナルの危機問題が議論された。
(投稿
者の減少、IPAP 設立)
J-PARC 実験装置建設費が手当てされていな
いので対応しなければいけないとの話題がだ
–4–
年一回の総会は物理学会の年会の時に総会と
して開催する。分科会(秋の物理学会)の学
会の時は、会長が副会長と協議して、中間子
連絡会インフォーマルミーティングとして開
催する。会議は会長が招集して、副会長が開
催できるものとする。
今年の秋の物理学会では諸般の事情で総会を
開催しなかったが、やはり多くの会員が集ま
る機会を利用するべきとの議論があり、物性
部会、素核部会として物理学会で開いたらと
の提案が有った。ただし部会といっても組織
的に分割するものではない。議論の上部会と
の名称を用いず、単にインフォーマルミーテ
ィングとし、意見交換を主として議決は行わ
ない。決定は総会時に行うことで意見の一致
をみた。
2) 旅費補助について。学生に研究会参加の旅 ( )は例
費の補助をするという提案が有り、一部修正
(別添)したうえで実行することに異論がな 中間子科学連絡会会長殿
かった。
研究会参加旅費補助費申請書
研究会参加者旅費補助規定
趣旨:中間子科学連絡会主催、共催の研究会参
加者であって、機構、所属機関から旅費等の手
当てがなされない学生などに対し参加旅費の一
部を補助する。
補助の申請者:
中間子科学連絡会主催、共催の研究会に参
加することを計画しており、旅費等の補助を希
望する者は指導教官等の承認をえて、申請をす
ることができる。
研究会名称:(2003 年前期共同利用成果報告会)
研究会日時:(2003.9.17-19)
開催場所 :(KEK 四号館セミナーホール)
指導教官 :( 署名)
(印)
申請者氏名:( )
所 属 、身 分:
(xx 大学, yy 学部, zz 年生, ww 研究室)
旅費実費 :
( 円) 額が明らかになるよう内訳を別記して下さい。
旅費補助額:
( 円) 受領書
申請方法:
研究会参加旅費補助費として以下の金額を受領
以下の項目を記載した申請書(別紙様式)を、 致しました。
会長宛提出する。
年 月
日
補助額:
旅費の実費の半額とし1万円を超えない。
所属氏名: 署
(会計状況と、申請数の状況によるが当面こ 名 (印)
の額とする。)
旅費補助額:
( 円)
発表者に関しては旅費の実費とし 2 万円を
超えない。
補助額は審議の上決定する。
受領方法:
原則として、会計より現金手渡しまたは振
り込みとする。
付記
2003 年 9 月よりこの規定を遡って適用する。
–5–
間子連絡会から複数名を選んでください。」
との依頼の紹介がされた。
●
今回の任期は 2 年(通常は 3 年)。物研連
からは別に 4 名の推薦がされる。
2004 年 2 月 14 日
13:30 ∼ 16:00 ● 最重要項目は、次期所長の選考
日 時:
(土)
場 所:高エネルギー加速器研究機構4号館
☆「(原則として、)就任時 63 歳未満。」など
233 号室
の案があるが、最終的には今後運営委員会
出席者:
西田、
小池、
網代、
松崎、
石田、
小嶋
で決定される。
●
(外部)
中間子連絡会からは、第 1 候補として西田
永嶺、西山、門野、三宅(内部)
会長を推すことを全員一致で決定。
●
欠席者:秋光、岩崎、久野、鳥養
複数候補として小池氏、鳥養氏が推薦され
(以上敬称略)
運営委員で選挙した結果、小池氏を第2候
補に決定。
第 14 回中間子科学連絡会運営委員会
議事録
配布資料:第 2 回 J-PARC ミュオン科学実験施
設国際アドバイザリー委員会
プログラム案
運営会議メンバー推薦依頼文書
核談通信 No168 原稿(中間子科学
研究施設)
J-PARC ミュオン施設予算計画案
< MuSAC に関し永嶺主幹より報告>
●
第 2 回 MuSAC が来週 2/19-20 に高エ研で
開催される。
●
いよいよ、2004 年 4 月 1 日から建設予算
を受ける。
●
施設建設の中間レビューを受ける
●
J-PARC 中核的ユーザー構想
☆この構想は J-PARC の予算が厳しい中で、
今後4年間の戦略を考える必要から出てき
た。その骨子は以下の通り。
<施設報告が永嶺主幹によりなされた。>
☆ KEK-MSL 以外の研究者で 5 年程度の中期
●
Patrick Strasser 氏が新助手として 4 月 1 日
的期間において MUSAC が承認する先端
着任予定
的ミュオン科学研究を主導でき、J-PARC
●
髭本氏 特定人事で、助教授昇進
以外の資金源から資金を獲得し J-PARC̶
●
大学共同利用機関法人となり、運営体制が
MSL に基幹設備を設置する研究者を中核
決まった。
的ユーザーといい、J-PARC プロジェクト
☆ 4 月から名称がミュオン科学研究系となる。
チームディレクターが募集し MUSAC で
☆ 物構研の決定機関として 24 人からなる物
審査して認められた者。
構研運営会議がもうけられる。
☆完成後のビームタイムを α 年間に渡り、β%
10
・ 内部
名(主幹候補者西山氏は、職指
占有できる。
定委員の予定)
☆ KEK-MSL において客員教授、助教授とし
・ ミュオン科学研究系からは、門野氏が選
て処遇するべく努力する。
挙で推薦された。
☆中核的ユーザーに応募する可能性のあるグ
・ 外部委員の推薦候補者を決定する必要が
ループと考えて次のグループとコンタクト
有る。
を取った。(永嶺)
<運営委員推薦候補者選出>
●
西田会長より物構研の小間所長からの、
「中
–6–
・ 原研先端研グループ
・ 大型科研費、特定研究に参加頂いた小池、
鳥養、石田
る予定であり、その後、NML だけあと 1 年
・ 豊田中研の杉山さんから企業として関心
間だす事を考えて意見表明していたが、そ
があるとの連絡あり。
れ程容易ではない。PS をいつ止めるかの
☆国内外にアナウンスをして、広く公募する。
結論は、3 月中に出す予定である。NML
☆国内的には、中間子連絡会の西田会長から
も若干、早めに止めて運転費用を、建設費
流すことになる。
用にまわす構えを機構から要求されるかも
☆運営委員の間で意見交換を行った。
しれない。17 年度一杯で止める可能性が
占有部分についてユーザーからは便利だと
高い。
いう意見、共同利用の枠から外れるのか?
旅費や運転経費の負担者が誰になるのか?
<以下の議論があった>
などの疑問が出た。
科研費申請をどういう形でするのが効率的 ● 理研 RAL の将来計画および国内のミュオン
ビームがなくなる期間のミュオンユーザー
か?規模からいって、ERATO、学術創成、
の需要をどう満たすかを議論する必要があ
重点領域等も視野に入れる必要がある。
ることが認識された。次回運営委員会(4 月
☆サイエンスに直結しない予算が必要なのだ
下旬頃)で、岩崎氏を含めて議論すること
が難しい。
とした。
スペクトロメータの価格について評価を始
●
九州の物理学会の総会でも議論をする。
めている。
・ 検出器のセグメント化、回路の VME 化
<永嶺氏報告>
するなどで安くはなっている。
●
J-PARC で成果を挙げうるのは、平成 20 年 ● 永嶺氏− Mills 氏で計画した先端事業拠点
計画「最先端ミュオン・Positron Beam」が
以降である。
●
認められた。7 割が旅費である。2 年間の
補助金申請するにあたり最初の 2 年は、既
計画で、戦略として 5 年間継続の可能性が
存の施設を用い、3 年目以降に新設備で実
●
験をやれればよいので、平成 17 年度に申
請すべき。今年くらいからグループを立ち
上げる必要がある。
原研でのトリチウム利用に関しては今後の
課題である。
<執行体制変更について西田会長より提起が
あり>
西山氏が主幹となった場合、門野氏を連絡会
の庶務委員長に決定。
< J-PARC ミュオン建設進捗状況について三宅
氏より報告>
<永嶺氏より以下の報告があった>
●
原研の中でミュオングループの立ち上げ準
備が着実に進んでいる。
●
ビームのシャットダウン時期について。
素核研(PS)は、来年の夏でビームを止め
–7–
ある。
2003 年度中間子科学連絡会会計報告
三宅 康博(会計委員)
2003 年度の中間子科学連絡会への会費納入
ありがとうございました。
135 名の会員のうち、47 名(うち学生 1 名)
の方々に会費納入をしていただきました。まだ、
会費納入がお済みでない方はお振り込みくださ
いますようお願いいたします。
1)収入の部
95,000 円
会費納入総額 168,890 円
昨年度繰り越し金 計 263,890 円
2)支出の部
第 11 回運営委員会(3/25)
第 12 回運営委員会(5/21)
第 13 回運営委員会(9/25)
旅費補助(2003 報告会) 計 次年度繰越金 12,577 円
15,356 円
11,025 円
2,420 円
41,378 円
222,890 円
以上
–8–
読者だより
実験室の外部からデータ収集システムに接
続できるのは、現場で実験される方々にもメリ
東北大学 金属材料研究所 ットがあると思います。他の大型実験施設では
山田研究室 深谷敦子 既に環境の整っているところもあるのですが、
実験の状況や結果を KEK の宿泊施設から見た
り、操作できると便利だと思います。
金研では、総合ネットワーク運用室の方が、
2 月初旬に、KEKMSL-μSR グループと山田 当日はもちろんのこと、金研側の準備やテス
グループとの共同実験で、東北大金研から中間 ト接続についても、親身になってサポートして
子施設への遠隔操作実験を行いました。学術創 くださったので、トラブルなく接続ができまし
成研究の「新しい研究ネットワークによる電子 た。ここで、μSR グループにお願いなのですが、
相関系の研究」のコラボラトリーという従来と 事前の説明と、取得するべきアカウントなどの
は異なる研究システムの構築を目指す目的で、 手続きについて、時間に余裕をもって教えてい
この遠隔操作実験は計画されました。KEK で ただけるとよかったと思います。また、接続に
は既に放射光が遠隔操作実験を開始しています 関する問題点なのですが、テスト接続の際、他
が、中間子グループとしては初めての試みとな の人の実験中で、外部からデータ収集システム
ります。
を操作できてしまうことに気付き、改善した方
実験ですが、金研から中間子施設のマシンに がいいとの指摘がありました。
VPN 接続をして、データ収集システムを操作 最後に、金属材料研究所側での TV 会議シス
します。実は、しばらく KEK で実験していな テムや VPN 接続に際して、総合ネットワーク
かった為、新しいデータ収集システムを使うの 運用室の和田繁男さん、三浦重幸さんに、親切
は初めてで、使い方を教えて頂きながら操作を で丁寧なサポートをいただきました。当日はも
行いましたが、μSR グループの皆さんのおかげ ちろんのこと、事前の準備やテスト接続につい
で、スムーズに実験を進めることができました。 ても、お世話になりました。この場をお借りし
トラブルのない時は現場で実験する時と同じよ て感謝させていただきます。
うに実験を進めることができますが、現場で実
験をするのと異なる点は、小さなトラブルであ
っても原因がわかりにくく、また金研側では解
決できないことも多いことです。現場で実際に
作業をする側の重要性を感じました。今回は、
μSR グループとの共同研究の為、大石一城さん、
幸田章宏さんが中心となって、現場での作業や
トラブルの解決は、気付いた時に即座に行われ
ました。また、常時 TV 会議システムを接続し
ていた為、現場の雰囲気もわかり、思っていた
よりも違和感を感じずに実験が進みました。実
験は大きなトラブルはなく、順調に終えること
ができました。
「遠隔操作実験」
–9–
研究会・ワークショップ報告
ICM2003 磁性物理学国際会議
日時:2003 年 7 月 27 日∼ 8 月 1 日
場所:ローマ
大阪大学大学院理学研究科
野末 泰夫
昨 年 の 夏 に ロ ー マ で 開 催 さ れ た ICM2003
(International Conference on Magnetism, 2003) に
ついて報告する。とはいっても,この巨大な会
議は,基礎研究から応用研究まで広大な分野を
カバーしているので,とても全体を把握するこ
とは不可能であることを申し上げておく。
さすがに観光立国イタリアでの開催と言う
ことで、前回 2000 年のブラジル Recife での開
催と同様に、受け入れ態勢は万全で手慣れた
印象を受けた。Recife では治安上の理由からホ
テルと会場を専用バスで往復するような閉塞
感が幾分あったが、今回はそのようなことは
ない。会場はローマ市郊外にある The Congress
Building で、ローマの中心にある Termini 駅か
ら METRO Line B で 20 分 程 度 の EUR-FERMI
駅から歩いて 10 分程度の場所にある。ローマ
さて、会議については、Plenary Talk では日
本から東北大の前川禎通氏が磁気ナノ構造にお
けるスピン依存伝導について、また、東北大の
大野英男氏が強磁性半導体ヘテロ構造について
の講演があった。日本からの招待講演には、東
北大の村上洋一氏が軌道整列に関する共鳴X線
散乱について、東大の高山一氏がスピングラス
におけるエージング現象について、また、東大
の内田慎一氏が銅酸化物高温超伝導体の光学ス
ペクトル解析による不均一性と pair breaking に
ついての講演があった。
μSR 関係の発表は稀土類,強相関電子系、分
子磁性,超伝導関係を中心に十数件のエントリ
ーがあった。残念ながら、理研のミュオン関係
者は直前に急用が入ったため、出席されていな
かった。我々は、中野岳仁氏(阪大理)、木庭大
輔君(阪大理 M2)、渡邊功雄氏(理研)
、F.L.
Pratt 氏(RAL)、池本夕佳氏(JASRI/SPring-8)
等とここ数年進めてきたゼオライト LTA 中の
カリウムクラスターの s 電子系の強磁性につい
て、最新の μSR の解析結果について発表した。
隣の中野岳仁氏の発表と共に、s 電子系の強磁
性という新奇性の高い内容であったが、ほぼ受
け入れられたと感じた。最近まで話題になりな
市中心部の歴史に満ちた雰囲気とは異なって、 がら消滅してしまった強磁性の話もあったが、
近代的なビルが建ち並んだ地区にある。どこ ゼオライト中のカリウムクラスターの強磁性に
でも犯罪は多いようで,車内にスリ注意の掲示 ついては、これまで基本的な測定を重ねてきた
が出ていた。ひったくりにあわないように、車 甲斐があって、半信半疑で話を聞かれると言う
内に限らず、荷物を前面で抱えて防御してい ことは無くなった。特に、μSR の緩和率の温
る旅行者が多かった。最近改装されてきれいに 度依存性などの実験結果が磁気相転移を明確に
なった Termini 駅の構内では、常時警官が警備 示していることは、この現象が広く受け入れら
しており、一頃より治安は良くなったとのこと れるためにきわめて有効であった。なお、会議
である。期間中、気温がかなり高く、エアコン のプログラム編成は、関係する分野が重なるこ
の無いホテルに宿泊した参加者は夜眠れないた とが多く、片方しか出られない場合もあったが、
めか、少々疲れ気味の様子であった。9 月にな 逆に、関係するプログラムが入っていない日も
ってから大停電があり,ニュースでは真っ暗な あった。会議は盛況であったが、全参加者数の
Termini 駅構内に帰宅できなくなった人たちが 割には、
会場の混み具合はそれほどでもなかった。
大勢映っていた。会議期間中に停電がなかった なお、プロシーディングの投稿は、Elsevier
のは幸いであった。
の Web サイトにアクセスし、会議前に全て終
– 10 –
了するように指定されていて、それ自体は一見
スムーズのように思ったが、トラブルが多かっ
たように聞いている。私の場合でも、最初の投
稿は受け付けてくれたが、更新する際には何度
アップロードしようとしてもエラーとなり、し
かもその原因が全くわからず、なすすべが無か
った。結局、直前に届いた指示により、会議場
で CD-ROM を直接渡す方法に切り替えた。ま
た、レフェリーを依頼された原稿は本文のみで
図が完全に抜けていて、審査できなかった。結
局、その論文は受理されないことになってしま
った。投稿する側の不慣れがあったかも知れな
いが、Elsevier のシステムの信頼性の問題もあ
ると思う。
次回の ICM2006 は磁性物理学大国の日本で
開催され、2006 年 8 月 20 日から 25 日まで国
立京都国際会館で開催される予定である。
Fusion03 国際会議
高エネルギー加速器研究機構 中間子科学研究施設 河村 成肇
核融合反応に関連する様々な物理を議論する
国際会議 FUSION03 が昨年 11 月、宮城県松島
において東北大核理研の主催で 100 人弱の参加
者を集めて行われた。重イオン反応や超重元素
など所謂オーソドックスな原子核物理での核融
合反応に関する発表を中心に、ミュオン触媒核
融合、物質中での核融合反応なども各々独立し
たセッションを構成し、会議期間 4 日間はかな
り盛り沢山な内容であった。数∼数 10MeV と
いう高いエネルギー領域で起こる核融合反応
は、(ビームなどの)標的となる物質の状態と
絡めて議論されることは従来あまりなかった。
ミュオン触媒核融合や他の物質中での核融合反
応の研究は、その意味で多くの原子核研究者に
とって斬新なものだったと思われる。それらの
報告は一つ一つはだいぶ内容が異なるものなの
で物質中という言葉で括ってしまうのは不適切
ともいえるが、個人的には興味深い話を一度に
聞くことができ、満足いくものであった。
会議は日本三景の一つ松島で行われ、観光と
三陸の海の幸を楽しむこともできた。
会場となった The Congress Building (Palazzo dei Congressi)
会議の Opening Ceremony の様子
– 11 –
る有機物強相関系の磁性と伝導性なので、こ
こではこれらを中心にご紹介させていただく。
理化学研究所
加藤礼三氏 ( 理研 ) は、招待講演のなかで、筆
大平 聖子 者 が 現 在 共 同 研 究 を さ せ て い た だ い て い る
[Pd(dmit)2] 塩に対するさまざまな角度からの実
験結果を報告し、これらの物質における金属
昨 年 9 月 21 日 か ら 26 日 に か け て、 分 子 - 絶縁体転移とスピンフラストレーションとの
性 導 体 の 国 際 会 議 5th International Symposium 関連性を示唆した。この系にかぎったことで
on Crystalline Organic Metals, Superconductors はないが、有機物に対して有効なのが圧力、と
and Magnets (ISCOM2003) が、 フ ラ ン ス の くに一軸加圧下での測定である。これは有機
Port-Bourgenay において開催された。パリから 物のやわらかさを生かした測定方法で、ある
飛行機か TGV でナントへ、そこからさらに 1 特定方向の相互作用を変化させることができ
時間ほど会議のために用意されたバスにゆられ るため、結晶構造と電子状態の関係がクリア
ると、開催地である Port-Bourgenay に着く。こ に現れる。分子性導体における物性測定のスタ
こはゴルフコースやテニスコートなどがある ンダードになりつつあるのではないか。その他
海沿いのリゾート地で、会議が開催されたホ の講演では、κ-(BETS)2FeCl4 における磁場誘起
テルの周辺には、家族で休暇をすごせるよう 超伝導 (FISC) の発見も目をひいていたと思わ
な villa 風の宿泊施設が建ち並んでいる。会議 れる。λ-(BETS)2FeCl4 という物質における FISC
の時期はちょうどオフシーズンだったので、学 が 2001 年に報告されたことをご存じの方もい
生やポスドクなどの若い人たちは、安くここ らっしゃるかも知れないが、κ型の構造でも低
に泊まることができた。昨年ヨーロッパをお 温で磁気抵抗の消失が観測されたという報告で
そった猛暑はさすがに過ぎ去っていたものの、 あった。おそらく今後、これら一連の物質に対
日中は 9 月末とは思えない暑さと陽射しだっ する関心はさらに高まっていくことが予想され
た。会場からほんの少し歩けば大西洋が広が る。また、有機磁性体の μSR 研究について報
り、参加者の多くはランチのあとに散歩にでか 告した S. J. Blundell 氏の講演では、興味深い研
け、中には海で泳いでしまう人もいたり・・・。 究内容もさることながら、たいへんわかりやす
さて、この会議では、分子性導体における い μSR 実験法のイントロに感心してしまった。
超伝導や磁性が中心にとりあげられ、化学系 ここではふれなかったが、新規物質の合成に
なら分子設計や物質合成、物理系ならさまざま ついても多くの報告がなされた。物質の多様性
な物性測定から理論まで、とにかく『有機』と は、有機物の特徴のひとつ。これらの中から何
名のつくものが幅広く報告される。また、た かおもしろい物理が見出されれば、と今から次
とえば国内にいてもふだん物理学会と化学会 回の 2005 年が楽しみである。
に分かれてしまいがちな人々が、お互いの研
究について知ることができる、貴重な情報交換
の場でもある。午前と午後に招待講演を含めた
口頭発表があり、中 3 日間の夜にはポスターセ
ッションが行われ、あわせて約 250 件の発表が
あった。分子性導体の研究といえば、今日まで
日本がつねに世界をリードし続けている分野の
ひとつと言える。今回の発表件数を国別にみて
も、もちろん日本がダントツの 1 位であった。
筆者の興味はやはり、現在の研究対象であ
ISCOM2003 国際会議
– 12 –
施設だより
また、オブザーバーとして、ミュエスアール
分光物性国際連組織 (ISMS) の北米地区副会長
J. E. Sonier(サイモンフレイザー大)、ヨーロ
三宅 康博
(高エネルギー加速器研究機構) ッパ地区副会長 R. Cywinski(リーズ大)、ISMS
セクレタリー P.J.C. King(ラザフォードアップ
J-PARC 統合計画の現状
ルトン研究所)、及び横溝英明(日本原子力研究
J-PARC 統合計画関連の大きな出来事として、 所)、西山樟生(高エネルギー加速器研究機構)
2003 年 11 月に開催された中間評価が挙げられ 5 名のうち 3 名が参加された。
る。この委員会は、2003 年 10 月に内閣府の総 J-PARC 施 設 建 設 の 現 状 報 告、 ミ ュ オ ン 科
合科学技術会議において、大強度陽子加速器 学実験施設建設計画及び KEK 研究者による
計画は A 評価であったが、ニュートリノ計画 実験プログラム等に続き、コアユーザーに関
が C 評価を受けたことに端を発している。争 する活発な議論が展開された。3/8、9 に開催さ
点としては、リニアックのエネルギー回復シナ れる、国際アドバイザリー委員会で、概略が
リオとニュートリノのどちらを優先させるのか Poutissou 委員長から報告される。
ということに的を絞って議論が展開された。新
聞紙上でも紹介された通り、ニュートリノの研
究の重要性、緊急性を鑑み、1 期計画に組み入
れる事が結論された。エネルギー回復シナリオ
に関しては、運転開始後、3 年程度で速やかに
400MeV の整備を進めることが適切であるが、
予算措置を受けるためには、再度中間評価を受
けなければならない。
ミ ュ オ ン 科 学 と し て 最 重 要 な、 第 2 回
J-PARC・ミュオン科学実験施設委員会(MuSAC)
が、2004 年 2 月 19 日、20 日に開催された。委
員会のメンバーは、J. M. Poutissou(会議委員
長;トライアムフ研究所)を始め、秋光純(青
山学院大学)、池田進(高エネルギー加速器
研究機構)
、池田裕二郎(日本原子力研究所)
、
岩崎雅彦(理化学研究所)、永嶺謙忠(高エネ
ルギー加速器研究機構)
、西田信彦(東京工業
大学)、三宅康博(高エネルギー加速器研究機
構)、山崎良成(日本原子力研究所)、安岡弘志
(日本原子力研究所)
、R. H. Heffner(ロスアラ
モス研究所、ISMS 会長)
、C. Petitjean(ポール
シュラー研究所)、L. I. Ponomarev(クルチャト
フ研究所)等国内外の物質科学、ミュオン科学、
加速器の専門家である 13 名の方々であった。
– 13 –
J-PARC ミュオン科学施設ワーキング
グループ報告
三宅 康博
(高エネルギー加速器研究機構)
製の2重のダイアフラムを圧縮空気でふくらま
せ、フランジ面を密着させ、且つ2重のダイア
フラムとフランジの間を真空に差動排気するこ
とで真空を保つものである。日本で唯一、石川
島播磨での試作機が製作されたが、片面のみの
ピローシールの製作がおこなわれただけで、遠
隔操作による脱着が可能なものではなかった。
また、フランジ面等を傷つけることなく所定
の場所に設置するためには、予め設置されたガ
イドの上をスライドさせ、且つ 1mm 以内の精
度でのアラインメントがなされなければならな
い。15 年度に KEK の工作室と共同で、エッジ
面が傷つかず、且つトラブルが生じないピロー
シールのデザインをし、試作機を製作した。リ
-7
3
ークレートとして、3.5×10 Pa m /s を達成した。
16 年度には、本試作機を用いて、平行度の許
容範囲、到達真空度、等各種試験を進めていく。
[1] 物質生命科学実験施設(MLF)建家設計
の大幅な変更と建設会社の決定
平成 15 年 4 月より見直されてきた建家設計
が終了し、入札の結果、清水建設 Jv が受注し、
10 ヶ月遅れで、いよいよ建設が開始される運
びとなった。ミュオンに係わる変更点として、
BT 下流機械室の 1 スパン削減されることで、
以下の事を検討している。
・ 130 トンクレーンの寄りつき(北側)制限の
為に 100 トンブロックの設置スペースがなく
なった為に天井ブロックの搬入工程や、メ [3] NM 天井シールド
3GeV333μA の陽子ビームライン上に串刺し
ンテナンスシナリオの再構築。
・ 第1実験ホール(東翼)BT 建家にあった搬 状に標的が設置され、完成した暁には、世界
入口を、第1実験ホールミュオンエリアに 最高強度の中性子ビーム並びにパルス状ミュ
移設する。搬入スペース分の実験室が狭く オンビームが生み出され、まさに次世代の最先
なる事への対応。実験ホール自身は、エリ 端科学研究が飛躍的に展開される。しかしなが
アが十分確保されているので、対応可能で ら、一方では、大強度の陽子ビームにより、中
性子やガンマ線などの大量の放射線が発生す
あると考えられる。
・ MLF 高さ方向の緩和 /NM トンネル東西横断 る。特にこれらの放射線の天井方向の遮蔽をす
るために、NM トンネル部のビームライン上部
ルートの廃止
これにより、実験ホールのクレーン揚逓から FL.5-10m に設置される総数 111 個に及ぶコン
の制限が緩和できるので、実験ホールの屋根を クリートブロックを製作する。完成形態として、
下げることが可能となる。下流側の操作室階高 1つの重量は数トンから 62 トンの大重量のブ
を調整し納める。しかしながら、東西実験室間 ロックである。NM トンネル内の所定の場所に
の大型機器の移送、ならびにトンネル内への大 設置する据付作業も含む。
型機器搬入が実験室からできなくなる。搬入設 中性子施設に予算の支援を要請し、J-PARC
置工程の再構築。
[2] ピローシール機構の開発
1)ピローシール・ガイド機構
遠隔操作によってフランジの脱着を施し、且
つ真空を保つという機能を有する真空シールと
して、PSI 研究所で開発されたピローシールが
知られている。この真空シールは、ステンレス
物質・生命科学実験施設内の陽子ビームライン
(NM トンネル)の上部に設置する「NM トン
ネル上部構造体」の国際調達作業を進めている。
16 年 3 月末に、受注業者が決まる予定である。
●
●
●
– 14 –
1/22 入札公告官報公示
3/15 入札
3/22 開札
[4] 埋め込み鉄
本件は、J-PARC 統合計画物質生命施設の建
家に埋め込む鉄遮蔽体である。物質生命実験
施設の建家建設は、平成 15 年度末から始まる。
16 年度前半は土木工事等が中心であるが、夏
期に入ると建家の建設がいよいよ本格的に開始
される。物質生命科学施設の1階の床部が完成
した段階で、一旦、建設工事を中断し、当該の
鉄遮蔽体、1000 トンあまりの鉄ブロックを所
定の場所に設置する。搬入を含め設置工事に許
される工事期間は、平成 16 年 9 月、10 月の 2
ヶ月間のみである。全体工程の要請から最重要
な決定事項である。その後、鉄筋を組み、コン
クリートを流し込み、完全に埋め込まれる。
●
2/6 官報公告
●
2/13 仕様説明会
●
●
3/29 4/9 仕様書引き渡し締切。
開札
[5] 20mm 厚の円板状のグラファイト標的
15 年度は周囲のフレーム部を冷却水により
冷却する、エッジ冷却方式でのグラファイト標
的の検討を進めてきた。MCNP コードによる
熱計算、ANSYS 有限要素法コードによる熱分
布・応力評価により、計算上は、緩衝材を用い
れば成立することが解った。実際に、銅のフレ
ームとの間にチタン合金を緩衝材として挿入す
る試作を行った。16 年度は非破壊検査法の確
立、電子銃による熱試験等を通じて、試作標的
の寿命の持続性・信頼性を高める開発を押し進
める予定である。
一方、グラファイトの中性子照射による収縮の
効果がミュオン標的の寿命に影響することが判明
した。照射実験等も視野に入れて検討を進める。
[7] ケーブル貫通口
1)建設工事中の遮蔽体埋め込む為の、幅 2m、
高さ 1m、奥行き 1m の鉄製の貫通口本体を、
15 年度に製作した。50 本を越える大電流用
のフィードスルーならびに、熱電対、信号線
の気密試験を 16 年 3 月に行う。
2)設置工事は、平成 16 年 10 月末∼ 12 月を予
定しているが、詳細を建設室・建築業者との取
り合い、打ち合わせが最重要な調整事項である。
[8] 標的チャンバー
1)仕様の決定、設計:現在、詳細設計に向け
た作業を継続
2)キャスクとの接合ガイド機構の設計を集中
的に開始した。
[9] 1次ライン電磁石
1) 平成 15 年度に、設計を完成させる。
2) 暫定的だが、平成 16 年度には、建設予算
を用いて MIC 線材を発注する予定である。
[10] 電気工事
1)KEK の流儀では、配電盤までの電気工事
は、建設工事に含まれている。
ミュオン施設には建設予算がなく、受電設備
からの配線工事を含めて、特別経費予算要求
等をしている。一方で、工程上 18 年度初頭に
工事だが、入札してからだと最短で 9 月工事開
始なので、工程を含めた議論を開始している。
[11] 気密シート
NM トンネル上部ないしは、FL.8m に設置す
る気密シートを検討している。15 年度中、仕
様を決定したい。一方で、工程上 19 年度初頭
に工事だが、入札してからだと最短で 9 月納入
[6] 空冷装置
KEK 施設並びにピーエーシーとともに設計
であり、工程を含めた議論を開始している。
作業を行った。メンテナンスの問題をどうする
のかなどの課題を解決する必要がある。18 年
度初頭に必要だが、入札してからだと最短で 9
月工事開始に間に合わないので、17 年度での
発注作業を考えている。
[12] 制御
物 質 生 命 科 学 実 験 施 設 中 央 制 御 室 と の、
PPC、MPC などのインターロック信号、空調機
器、電磁石の信号の PLC を用いたやりとりに
関しての検討を開始した。
– 15 –
高エネ機構・物構研・中間子科学研究
施設の現状(平成 16 年 2 月)
永嶺 謙忠
業界(豊田中研)から提案の実験が行われた。
・ 平成 15 年度後期の中間子 PAC は 2 月 18 日
(水)に開催された。プロポーザルの提出が
1 月 30 日に締切られ、22 件の応募があり、
審査の結果全てが承認された。
(高エネルギー加速器研究機構)
1.はじめに
「 め そ ん No.18」 か ら 今 日 ま で、 即 ち 2003
年 8 月 か ら 2004 年 2 月 ま で の 間 に 起 こ っ た
KEK-IMSS-MSL の主な出来事を簡潔に記しま
す。
2.MSL の現状
・ MSL の人員表及び MSL が所属する物質構造
科学研究所の平成 16 年 2 月時点での運営組
織は、添付図 1 及び 2 の通りである。平成
16 年 4 月より機構の法人化に伴い、添付図 3
4.IMSS での重要決定事項
・ 4 月からの「法人化」に伴って、物構研の組
織は添付図 3 にように変わる。この案に加え
て、物構研内部組織として、放射光・中性子・
ミュオン 3 施設横断の組織として、
「構造生
物研究センター」と「構造物性研究センター」
とが設置される。
・ 4 月以降、物構研研究主幹は 3 人交替する。
5.将来計画関係
KEK 原研「大強度陽子加速器計画」(J-PARC)
におけるミュオン科学実験施設は、物質生命科
学施設のミュオンサブグループとして、ミュオ
ンターゲット及び NM(中性子 - ミュオン)ト
のように組織が変わる。「中間子科学研究施 ンネル内陽子ビームライン機器設計製作、陽子
設」は「ミュオン科学研究系」となることに ライントンネル内遮蔽体、などを担当している。
なった。ミュオン科学研究系研究主幹は西山 加えて、建屋に関連して生ずる担当範囲の機器
樟生氏となる。
設計製作、2 次ライン設計製作、等についての
・ 助手人事が行われ、ストラッサー・パトリッ 作業を行っている。J-PARC 第 I 期予算として、
ク氏(現理化学研究所協力研究員)が 4 月 1 ミュオン科学実験施設の建設予算が平成 16 年
日より着任する。
からスタートすることとなった。
・ 特定教官人事が行われ、3 月 10 日付で髭本
この期での主な作業は次の通りである。
亘氏が助教授に昇格し、移行の手続きに入る。 ・ 高放射線場において、遠隔操作で真空ビーム
・ 第 2 実験室に完成した「大立体角軸収束超伝
ラインを脱着するためのフランジ機構「ピロ
導表面ミュオンチャンネル(大オメガ)」で
ーシール」の新しい設計が共通研究系工作セ
は「世界最強」のパスル状表面ミュオンビー
ンターとの協同研究で進められている。横向
128
μe,
μSR
ムと、
チャネル分割
測定系とを
けのベンチテストがほぼ完了し、正規の配位
用いて、ミュオン科学に関する共同利用実験
でのテストに入る。
がスタートしている。高温タングステン薄膜 ・ ミュオン標的周辺の 1 次ライン用の天井コン
から熱エネルギーミュオニウムの発生実験な
クリート遮蔽ブロックが原研予算で製作され
どに成果があった。
ることになり、入札手続きが進められている。
・ 重放射化が想定される 3GeV 陽子輸送電磁石
3.共同利用実験の現状
の遠隔操作手法の開発をスタートさせた。
・ 平成 15 年度後期の共同利用実験は、2 月 6 ・ 2 月 19 ∼ 20 日 に J-PARC-MUSAC( ミ ュ オ
日までに 14 機関からの 25 課題の実験が行な
ン科学実験施設国際アドバイザリー委員会)
われた。「プロトン伝導膜研究」に関する産
が、全委員出席のもとに、開催された。完成
– 16 –
後の施設利用の方式に関して、「ビームチャ
ネル実験ポートの一部を含む基幹実験設備」
の建設を担当する利用者グループ「中核的ユ
ーザー」計画を議論し、一部修正のうえ、承
認された。
・ 第 I 期建設予算の開始、平成 16 年実行予算
要求・平成 17 年概算要求等の作業に関連し
て、今後 4 年間にわたる経費の積算と予算区
分との対応を明確にする作業を行った。
「不
足分」に関する対応についても検討を行い、
その結果に基づき「要求」及び「施設内努力」
を行っていくこととした。
添付図1
中間子科学研究施設人員表(H.16.2.18 現在)
教授・研究主幹
永嶺 謙忠
研究機関研究員
物質構造科学研究所中性子線源研究系
教授
物質構造科学研究所物質科学第三研究系
西山 樟生
研究機関研究員
物質構造科学研究所中性子線源研究系
教授
学振特別研究員
物質構造科学研究所物質科学第三研究系
研究支援推進員
三宅 康博
院生
宮寺 晴夫
東京大学理学系物理専門課程 D2
下村浩一郎
物質構造科学研究所中性子線源研究系
院生
今尾 浩士
東京大学理学系物理専門課程 D1
髭本 亘
物質構造科学研究所物質科学第三研究系
助手
専門職員
小鮒 文義
河村 成肇
国際研究協力部研究協力課
物質構造科学研究所中性子線源研究系
技術部課長
事務補佐員
福地 光一
事務補佐員
根本 靖久
市村 規子
物質構造科学研究所中間子科学研究施設
技術部測定器第一課
技術部技官
塩坂 裕子
国際研究協力部研究協力課
技術部測定器第六課 (H.16.3.31 退官 )
技術部係長
池戸 豊
中間子科学研究施設研究支援推進員
物質構造科学研究所中性子線源研究系
助手
幸田 章宏
物質構造科学研究所物質科学第三研究系
大強度陽子加速器計画推進部
助手
S.R. Saha
物質構造科学研究所物質科学第三研究系
門野 良典
助教授
大石 一城
客員教授
石田 勝彦
牧村 俊助
理化学研究所副主任研究員
技術部測定器第六課
客員助教授
中村 哲
東北大学大学院理学系研究科助教授
– 17 –
添付図2
物質構造科学研究所 運営組織図
(平成 16. 2. 18)
所 長
副 所 長
中性子中間子研究施設
中間子科学研究施設
放射光研究施設
中性子科学研究施設
放射光源研究系
物質科学第1第2研究系
理 論
中性子線源系
線源管理部門
物質科学第3系
ミュオン物性部門
研究主幹・教授
(永嶺 謙忠)
教 授(西山 樟生)
助教授(三宅 康博)
助 手(下村浩一郎)
助 手(河村 成肇)
技 官(福地 光一)
技 官(根本 靖久)
技 官(牧村 俊助)
研究支援推進員
(池戸 豊)
教 授(門野 良典)
助 手(髭本 亘)
研究機関研究員
(大石 一城)
研究機関研究員
(S. R. Saha)
学振特別研究員
(幸田 章宏)
VUV・SX
X 線
添付図3
大学共同利用法人 高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所 運営組織図(案)
(平成 16. 2. 18)
所 長
ミュオン科学研究系
中性子科学研究系
主幹:西山樟生
主幹:池田 進
副 所 長
放射光科学
放射光科学
放射光源系
第1研究系
第2研究系
主幹:春日俊夫
主幹:野村昌治
主幹:河田 洋
– 18 –
理研 RAL 支所
および 理研ミュオン科学研究室 報告
せていく計画である。
10 月以降のビ−ムタイム予定は以下のように
なっている。
サイクル− 1:10/13 ∼ 11/4 (22.6 日 )
松崎 禎市郎、岩崎 雅彦
2 11/17 ∼ 12/17 (30.6 日 )
(理化学研究所) サイクル− :
サイクル− 3:2005 年 1/12 ∼ 2/17 (36.6 日 )
サイクル− 4:2005 年 3/23 ∼ 5/5 (43.6 日 )
サイクル− 5:2005 年 5/18 ∼ 6/30 (43.6 日 )
1. 理 研 -RAL 支 所 ミ ュ オ ン 実 験 施 設 で は、 シャットダウン:2005 年 7/1 ∼ 8/14
ミュオン触媒核融合実験(ポ−ト 1)、ミュオ
ン物性実験(ポ−ト 2)、超低速ミュオンビ−
ム発生実験(ポート 3)、固体水素標的中にイ その他お願い:
オン注入された原子核への負ミュオン移行反応 5.理研 -RAL 支所ミュオン施設実験課題採択
実験(ポ−ト 4)が進行している。
委員会は毎年 2 回開催していますが、本年の春
(参照:http://nectar.nd.rl.ac.uk/~rikenral/index.html)
期委員会は、長期シャットダウンのため延期さ
せていただきます。開催予定が確定しましたら、
2.2003 年 10 月 10 日 に、 第 17 回 理 研 -RAL 皆様にご連絡いたします。
支所ミュオン施設実験課題採択委員会が開催
された。ミュオン触媒核融合及び超低速ミュオ 6.本年 5 月中旬から 6 月上旬にかけて、理
ンビ−ム発生に関する研究課題が 5 件、ミュオ 研 -RAL ミュオン施設の研究成果発表会を理研
ンプロ−ブによる物性研究課題が 7 件提出され (和光)で開催いたします。この会は、基本的
た。検討された結果、それぞれの分野で 4 件及 には最近の理研 -RAL ミュオン施設の進展につ
び 6 件が採択された。
いての会ですが、必ずしも本施設で実験を行っ
た研究者に限ること無く、広く理研シンポジウ
3.第 3 ビ−ムタイムサイクル(2003 年 11/5 ムとして一般的に行いたいと考えています。特
∼ 12/17)は予定通り実験が実施された。第 4 ビ に JPARC の建設に伴い、今後どのように本施
−ムタイムサイクル(2004 年 1/14 ∼ 2/12)は加 設を運用していくかをも左右する大事な会議で
速器取り出しセプタム磁石の故障で、1/28 で中 あり、是非とも皆様のご出席をお願いいたしま
断することになった。従って、第 5 ビ−ムタイ す。開催予定が確定いたしましたら、できるだ
ムサイクルの期間は 12 日間延長されて、2/25 け早くお知らせいたします。
∼ 4/6 の期間となった。
以上
4.Rutherford Appleton Laboratory の ISIS 陽子
加速器(800MeV,200μA)の出力電流を 300μA
へ増強するために、本年 4 月から 9 月にかけ
てシャットダウンが予定されている。この期間
に、RFQ 電磁石や RF 加速空洞の設置作業や、
中性子発生標的の reflector の改良が行われる。
また、新規製作した改良型ミュオン(パイオン)
生成標的(10mm 厚さ)もこの期間中に設置さ
れる。 本年 10 月以降、加速器からの出力陽
子ビーム強度を徐々に 300μA に向けて上昇さ
– 19 –
【報告会プログラム】
第 15 回
KEK 中間子 2003 年度後期
総研大学・KEK 夏期実習のお知らせ
共同利用実験報告会プログラム
KEK は 総 研 大 を 構 成 す る 基 盤 研 究 機 関 の
一つであり、総研大の行事の一環として毎年
KEK の大型共同利用施設の利用を体験するた
めの短期講習会を開催しております。対象(応
募資格)は大学院修士課程及び学部高学年の学
生、又は民間企業などの若手研究者で、特に現
所属などには関係なく自由に参加することが出
来ます。平成 16 年度(第 15 回)も以下の日程
で開催することになり、中間子科学研究施設で
も実際にビームを用いて μSR 実験をテーマと
した実習を行う予定ですので、皆様の周りで関
心を持たれそうな方々に周知頂きます様、よろ
しくお願い致します。
場所:高エネルギー加速器研究機構
4 号館 2 階輪講室 2
日時:2004 年 3 月 11 日(木)
中間子科学研究施設で 2003 年度後期までに行
われた共同利用実験の報告会を開きます。
年度末のお忙しい時期とは思いますが、共同利
用実験で得られた成果を報告・討論していただ
くとともに、施設側との実験遂行上の問題点、
データ解析等を含めた率直な意見交換を行う機
会にして頂ければと思います。
【プログラム案】
日程:2004 年 6 月 14 日(月)∼ 16 日(水)
10:00
初日にガイダンス、放射線安全講習、及び共
通講義等を行い、2 日目、3 日目午前に実習を
行います。参加は無料ですが、交通費、宿泊費
(KEK 共同利用宿舎利用、一泊 500 円)等の実
費は自己負担となります。
なお、他のテーマも含め、夏期実習の詳細につ
いてはホームページ ( http://www-conf.kek.jp/sok
endai/kkj/2004/kakijisyu.html) を御覧下さい。
挨拶 実験施設の現状
永嶺 謙忠 10 分
10:10-20
J-PARC( 原研・KEK 統合計画 ) の現状
三宅 康博 15 分
10:30
国際共同実験報告
TRIUMF
Ce 化合物の μ+Knight shift /高圧下の μSR
(E975/877) 髭本 亘 15 分
キラル磁性体のスピン構造
(E978) 大石 一城 10 分
パイロクロア超伝導体 KOs2O6 のギャップ異
方性
(E977) 幸田 章宏 10 分
高圧下での LSCO の磁性
(E949) 新井重一郎 10 分
KEKMSL- 大オメガ
プロトン伝導膜中のミュオン拡散
(予備実験、I03-10) 杉山 純 10 分
熱ミュオニウム生成/電子衝撃イオン化
(I03-11/13) 宮寺 晴夫 10 分
– 20 –
午後前半(13:00-15:00)
KEKMSL
2 次元コバルト酸化物超伝導体の磁性と超伝導
(I03-06/E975) 髭本 亘 15 分
バイロクロア酸化物 Cd2Os2O7 の磁性の研究
(I02-12) 幸田 章宏 10 分
還元アニールした Hg-1245 超伝導体の μSR
測定
(S02-14) 常盤 和靖 10 分
La2-xSrxCuO4 における反強磁性秩序の Ni 不純
物効果
(S03-19) 大石 一城 10 分
μSR による La2-x-yEuySrxCuO4 における超伝導
と磁気秩序の競合についての研究
(A0)
後神 達郎 10 分
CaB6 の磁性の mSR による検証
(S03-04) 高際 寛之 10 分
新 し い ス ピ ン・ パ イ エ ル ス 物 質 に お け る
相転移
(S03-18) 佐々木智生 10 分
ボロンカーバイドにおける超伝導ギャップの
異方性と磁場侵入
(I03-15) 髭本 亘 10 分
休憩(15:00-15:15)
午後後半(15:15-18:00)
μSR によるアタカマイトのスーパー強磁性発
現機構の解明 (S03-13) 鄭 旭光 10 分
CuO の反強磁性結合の結晶サイズ依存性
(A0)
鄭 旭光 10 分
一次元強磁性鎖を持つ三角格子フェリ磁性体
Ca3Co2O6 に及ぼす不純物置換効果の μSR (S03-14) 新井重一郎 10 分
(Mg,Zn)CNi3 の磁性
(S03-15) 上原 政智 10 分
ボロンカーバイドにおける超伝導ギャップの
異方性と磁場侵入
(I03-15) 髭本 亘 10 分
重い電子系超伝導体 UPt3 の超低温域におけ
る異常な磁性 (I03-14) 髭本 亘 10 分
μSR study of anomalous correlated electron
phenomena in filled skutterudite PrRu4P12 and
CeOs4Sb12
(I03-08) S. R. Saha10 分
– 21 –
スクッテルダイト LaOs4Sb12 の超伝導
− PrOs4Sb12 との比較−
(S03-17) 青木 勇二 10 分
二次元水素結合系四角酸の μSR
(I03-19) 西山 樟生 10 分
固体重水素中の dμ からヘリウムへのミュオ
ン移行反応率の温度依存性
(I03-18) 河村 成肇 10 分
ミュオン X 線を利用した物体内部選択的非
破壊元素分析法の開発
(S03-12) 久保 謙哉 10 分
採択実験課題一覧
物構研中間子科学研究施設
( 平成 15 年度後期 )
I03-06
:
門野 良典(物構研)
2次元コバルト酸化物超伝導体の磁性と超
伝導
I03-08
Shanta Ranjan Saha(物構研)
μSR study of anomalous correlated electron
:
phenomena in filled skutterudite PrRu4P12 and
CeOs4Sb12
I03-09
幸田 章宏(物構研)
:
遷移金属酸化物超伝導体LiTi2O4 の磁性の
研究
I03-10
永嶺 謙忠(物構研)
:
プロトン伝導膜中のミュオン拡散(予備実験)
I03-11
永嶺 謙忠(物構研)
:
ミュオニウムの電子衝撃イオン化
I03-12
池戸 豊(物構研)
:
ミュオン電子ラベリング法によるバッファ
溶液中のタンパク質の電子伝達の研究
I03-13
永嶺 謙忠(物構研)
:
熱ミュオニウム生成実験
I03-14
髭本 亘(物構研)
:
重い電子系超伝導体UPt3 の超低温域にお
ける異常な磁性
I03-15
髭本 亘(物構研)
:
ボロンカーバイドにおける超伝導ギャップ
の異方性と磁場侵入長
I03-16
下村 浩一郎(物構研)
:
光照射μSR法によるZnO中の反磁性ミュ
オンの電子状態の研究
I03-17
下村 浩一郎(物構研)
:
ワイドギャップ半導体Cu2Oの孤立水素原
子の電子状態の研究
I03-18
河村 成肇(物構研)
:
固体重水素中のdμからヘリウムへのミュ
オン移行反応率の温度依存性
I03-19
西山 樟生(物構研)
:
二次元水素結合系四角酸の μSR
I03-20
三宅 康(物構研)
:
ポーラスシリコンナノ構造におけるμ-D
原子の生成
S03-13
鄭 旭光(佐賀大)
μSRによるアタカマイトのスーパー強磁
:
性発現機構の解明
S03-14
新井 重一郎(東京理科大)
:
一次元強磁性鎖を持つ三角格子フェリ磁性
体 Ca3Co2O6 に及ぼす不純物置換効果の μSR
S03-15
上原 政智(横浜国大)
(Mg,Zn)CNi3 の磁性
:
S03-16
石田 憲二(京都大)
Yb系重い電子化合物YbRh2Si2 における量
:
子臨界点近傍の磁性 ( Ⅲ )
S03-17
青木 勇二(東京都立大)
:
スクッテルダイト LaOs4Sb12 の超伝導
--PrOs4Sb12 との比較 -S03-18
秋光 純(青山学院大)
:
新しいスピン・パイエルス物質における
相転移
S03-19
深谷 敦子(東北大学金研)
La2-xSrxCuO4 における反強磁性秩序の Ni
:
不純物効果
S03-20
秋光 純(青山学院大)
:
ハルデン系におけるドープされたホールの
役割
– 22 –
理研 RAL ミュオン施設採択実験課題
(17th PAC)
R246
R254
R247
R255
K. Ishida (RIKEN)
Magnetic field effect in muon catalyzed fusion
:
in solid D-T mixtures
N. Kawamura (KEK)
Temperature dependence of the muon transfer
:
reaction
M. Fujita (Tohoku Univ.)
Impurity effect on spin correlations in
:
electron-doped Pr1-xLaCexCu1-yZnyO4
:
R256
R248
P. Strasser (RIKEN)
Muon Transfer Reaction in Pure Hydrogen
:
with Implanted Argon Ions
R249
:
Y. Matsuda (RIKEN)
Development of slow muon beam line
R250
Y. Kohori (Chiba Univ.)
μSR Study of Ferromagnetic Filled
:
Skutterudite Compound SmFe4P12
R252
I. Watanabe (RIKEN)
Development of a New High-Pressure Cell
:
for the RIKEN-RAL and its Application to the
Observation of the De-stabilization of Static
Stripes under High Pressure
R253
Y. Koike (Tohoku Univ.)
μSR study of the impurity effect on the
:
magnetic ground state in both hole-doped and
electron-doped high-Tc superconductors
– 23 –
T. Nakano (Osaka Univ.)
μSR studies of Potassium Clusters in Zeolites
S. Ohira (RIKEN)
μSR study on κ -(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3 with
:
high statistics
関連する研究の学会発表
27pXE-6 μ SR による電子ドープ系銅酸化物の磁性と超伝導の研究
高エ機構物構研, 総研大 門野良典
半径の増大をもたらしているようにも見えている。
一方で、PLCCO については大変興味深い結果が得られているので少し詳
しく報告する。我々は x=0.11 の試料について異常なミュオンナイトシフト
(Kz)を観測した。測定では磁場を結晶の c 軸方向(c//z)にかけて行なった
が、まず大きな異常として、Kz は帯磁率χc に比例するべきものが PLCCO で
はほぼ完全に面内方向の帯磁率χ ab に比例していることが明らかになった。
ミュオンはこの異常な超微細相互作用を通して、磁場を c 軸方向にかけたと
きの ab 面内の局所帯磁率を観測している(通常のバルク測定では考えられな
い条件)ことになる。
さらに Kz が超伝導の出現とともに巨大な変化を示す事が明らかになった。
図1に示すように、超伝導転移温度 Tc より低温側で明らかに余分なシフトが
誘起される。外部磁場が高々200 G のときに 10 数 G に達するというその大き
さから見て、いわゆるナイトシフトというよりはある大きさの内部磁場 B*の
出現と考えられる。さらに B*の外部磁場依存性を見ると 1kG 付近で向きが逆
転する以外は大きさにそれほ変化がなく、40kG を超えた当たりからまた増大
に転じる傾向が見られた。これはごく最近中性子回折により見いだされた
CuO2 面の磁場誘起磁性とよく符合する。我々はこの B*の起原は CuO2 面の磁
場誘起磁性が Pr-Cu 間の超交換相互作用を通してミュオンのナイトシフトに
反映したものと考えている。
言うまでもなく 200G といった
低磁場では磁束コアの部分のみの
ナイトシフトへの寄与はほとんど
無視できることから、磁場誘起磁
性は CuO2 面全体に及び、かつ超伝
導と共存していると考えられる。
これはその起原として量子臨界点
近傍の磁性と超伝導の共存といっ
たシナリオを強く示唆するものと
思われ、ここでもホールドープ系
との違いが見られる。
なお LSCO の研究は内田グルー
プ(東大)、植村グループ(コロン
ビア大)他との、また PLCCO は 図1:200G におけるミュオンの回転周
山田グループ(東北大金研)との 波数(a)および緩和率(b)の温度依
共同研究である。
存性。(c)同試料の帯磁率
Magnetism and superconductivity of electron-doped cuprats studied by μSR
KEK-IMSS, Sokendai R. Kadono
電子ドープ系超伝導体はその発見以来、基本的にはホールドープ系と同じ
ような電子状態を基本として理解できるのではないかという見方が従来支配
的であったが、最近の実験的研究によりホールドープ系との相違が次第に明
らかになるにつれ、そのような見方が揺らぎはじめている。ホールドープ系
では常伝導相で非フェルミ液体的な振る舞いが観測され、それをどう理解す
るかで未だ大きく見解が別れたままであるが、電子ドープ系ではそのような
異常な常伝導相の証拠はなく、むしろ通常のフェルミ液体状態でよく記述で
きるという実験結果が目に付く。例えば最近でも電子ドープ系の一つである
Pr1-xLaCexCuO4 (PLCCO, x=0.09)において上部臨界磁場を超える磁場で超
伝導を壊した状態の NMR 測定を行なうと、通常金属で見られるいわゆる
Korringa 則が低温まで成り立っていることが報告されている。また、超伝導
相においても Nd2-xCexCuO4 では格子に整合する反強磁性(AF)相関が観測され、
非整合な AF 相関を示すホールドープ系とは明らかに状況が異なるように見
える。
磁束状態では磁束の中心(コア)で秩序変数はゼロとなり、空間的に超伝
導相と常伝導相が共存している。そこでもしもストライプ的な基底状態が存
在しているとすると、この常伝導コアでそのような基底状態が復活している
可能性がある。それに対してフェルミ液体的な基底状態ではそのような短距
離相関に基づく超構造は出現せず、むしろ超伝導と磁性がバルクに共存する
(例えば量子臨界点のようなシナリオ)ことが考えられる。このように磁束
状態での磁性の競合・共存が実際の系でどう折り合っているかは基底状態の
理 解 に 重 要 で あ り 、 我 々 は ホ ー ル ド ー プ 系 で は La2-xSrxCuO4(LSCO,
x=0.13,15,19)、電子ドープ系では PLCCO(x=0.11)についてそのような点に注目
しながら磁束状態の研究を行なってきた。
LSCO では既に中性子散乱により、低温の磁束状態中で復活するストライ
プ的な反強磁性相関が報告されているが、そのような相関を示す相が磁束コ
アに局在しているかどうかについては未だに確たる証拠が得られていない。
μSR についても同様であるが、磁場誘起反強磁性の直接的な効果がない低磁
場において磁束コア半径のドーピング依存性を眺めると、実効的なコア半径
が x の減少とともに増大することが見られ、背景にある反強磁性相関がコア
Cu3(CO3)2(OH)2
27pXL-3
KEKA
SR
27pXT11
A
A
高 エ 研 ・ 物 構 研 、 ICU a 、 北 大 理 b 西 山 樟 生 、 髭 本 亘 、 下 村 浩 一 郎 、
西 山 純 江 、 久 保 謙 哉 a、 丸 田 悟 朗 b
Hydrogen (muon) dynamics in squaric acid studied by μSR
KEK-IMSS-MSL, ICU a , Hokkaido Univ. b
Kusuo Nishiyama, Wataru
Higemoto, Koichiro Shimomura, Sumie W. Nishiyama, Kenya M. Kuboa ,
Goro Maruta b
μSR study of the diamond chain magnet Cu3(CO3)2(OH)2
Department of Applied Physics, Univ. of Fukui, KEK A
Cu3(CO3)2(OH)2
水素結合 2 次元系の四角酸は水素位置の秩序化により同位体効果
を持つ反強誘電性を示す。ミュオンのゼロ磁場緩和は、水素によ
る核双極子によるダイポール緩和を反映し、その占有位置や動的
振舞を明らかにする。四角酸の大型単結晶を用いた角度依存およ
び 温 度 依 存 性 の ゼ ロ 磁 場 μSR 測 定 を 行 っ た 。 得 ら れ た 緩 和 関 数 を 動
的 久 保 -鳥
鳥谷部関数でフィットして得られたダイポール幅(下図1)
と結晶のダイポール幅の計算から「水素の軽い同位体であるミュ
オン(1/9の質量)は低温においては、水素と結合していない
酸素間の位置を占め
μSR in SQ-acid
0.20
る が 100K か ら 動 き
始 め 300K 近 傍 で は
Δ(μ//a,c)
0.18
水素位置と入れ替わ
Δ(μ//b)
った位置を占める」
0.16
こ と が 解 っ た 。 300K
近傍ではミュオンの
0.14
緩和は主として b 軸
方向にある2つの水
0.12
素原子によって起こ
される。より精密な
0.10
緩和関数による解析
も行われている。ま
0.08
た図1に見られるよ
0
100
200
300
400
うに反強誘電体転移
Temp(K)
点 (380K) に 於 け る 水
図1四角酸中のゼロ磁場緩和で観測されたダイポー
素の秩序ー非秩序化
ル幅の温度変化(ミュオンの入射方向による違い
を示す緩和率の変化
も示す)。
も観測された。
/2
ESR
NMR
[ ]
TN= .8
Cu3(CO3)2(OH)2
SR
KEK
0.02
Cu3(CO3)2(OH)2
Cu3(CO3)2(OH)2
.
μSR に よ る 四 角 酸 中 の 水 素 ( ミ ュ オ ン ) の
挙動の研究
μSR
μSR
.7K
[ ] H. Kikuchi et al., Physica B, in press.
– 24 –
La2−xBaxCuO4 (x=0.125) ʹ͓͚ΔѹྗԼ μSR
28aPS-11
౦ཧେཧ޻ɼߴΤ‫ߏػ‬෺ߏ‫ݚ‬
μSR から眺めた頂点塩素を有する
28aPS-15
Ca2-xNaxCuO2Cl2 の磁性
A
KEK 物構研 A, 総研大 B, 京大化研 C, 東大理 D,
大石一城 A, 幸田章宏 A, 髭本亘 A, 門野良典 A,B, 山田幾也 C, 東正樹 C,
高野幹夫 C, 小嶋健児 D
Magnetism of Ca2-xNaxCuO2Cl2 Probed by Muon Spin Relaxation
ࠤ౻޺थɼ‫ޙ‬ਆୡ࿠ɼ઒ऱխ໵ɼ஛Լ૱࢙ɼ৽ҪॏҰ࿠ɼ
඘ຊ࿱ A ɼ੢ࢁনੜ A ɼӬྮ‫ݠ‬஧ A
μSR measurement under Pressure in La2−x Bax CuO4 (x = 0.125)
Faculty of Science and Technology, Tokyo University of Science, A KEK-IMSS
K. Satoh, T. Goko, M. Kawazu, T. Takeshita, J. Arai,
W. HigemotoA , K. NishiyamaA , K. NagamineA
KEK-IMSSA, SOKENDAIB, ICR, Kyoto U.C, U. of TokyoD
K. OhishiA, A. KodaA, W. HigemotoA, R. KadonoA,B, I. YamadaC, M. AzumaC,
M. TakanoC, K.M. KojimaD
La2−x Bax CuO4 (LBCO) ͷϗʔϧೱ౓ 1/8 ෇ۙʹ͓͍ͯ‫؍‬ଌ͞ΕΔ௒఻ಋͷ཈੍ͱ੩త࣓‫ؾ‬
டং͸ɼ྆ऀͱ΋௿Թਖ਼ํথ (LTT) ߏ଄ʹਂؔ͘܎͍ͯ͠Δͱߟ͑ΒΕ͍ͯΔɽ͔͠͠ͳ͕
Ca2-xNaxCuO2Cl2 は低温まで正方晶を保ち平坦な CuO2 面を有することから、
ΒɼLTT ߏ଄ͱ੩త࣓‫ؾ‬டংͷ௚઀తͳؔ܎͸ະͩ໌Β͔ʹͳ͍ͬͯͳ͍ɽຊ࣮‫Ͱݧ‬͸ɼLTT
STM/STS、ARPES 等 CuO2 面の電子状態に関する研究が精力的に行われている。一
ߏ଄ͱ௒఻ಋɼ੩త࣓‫ؾ‬டংͷؔ܎Λ໌Β͔ʹ͢ΔͨΊʹɼLTT ߏ଄͕ѹྗʹΑͬͯ཈੍͞
方でこの系は磁化率の値が非常に小さいため、磁化率測定から磁気相図を作成する
ΕΔ͜ͱʹண໨͠ɼѹྗԼʹ͓͍ͯ LBCO (x=0.125) ͷి‫ؾ‬఍߅཰ͱྵ࣓৔ μSR ͷଌఆΛߦ
ことが困難であることでも知られている。そこで我々は微視的なプローブである
ͳͬͨɽLTT ߏ଄Λ཈੍͢ΔͨΊʹඞཁͳѹྗ͕ൃੜՄೳͳ μSR ଌఆ༻ѹྗηϧΛ։ൃͨ͠ɽ
μSR 法を用いて以前、スタイキャストで包埋した多結晶試料を用いた結果を学会で
SN ൺ͸໿ 50%Ͱ͋ΓɼৄࡉͳղੳΛߦͳ͏ʹे෼Ͱ͋Δɽ
報告した[1]。その際、観測された緩和が試料によるものか、スタイキャストによ
ਤ̍ʹѹྗԼʹ͓͚Δి‫ؾ‬఍߅཰Λࣔ͢ɽθϩ఍߅ͱͳΔԹ౓͔Βܾఆͨ͠௒఻ಋసҠԹ౓
るものかの判断が困難であったため、反強磁性相以外に関しての考察ができなかっ
Tc ͸ɼ1.25 GPa ·Ͱ௚ઢతʹ্ঢ͢Δ. ͜Ε͸ LTT ߏ଄͕௒఻ಋͷ཈੍ͱਂؔ͘܎͍ͯ͠Δ
た。そこで今回は x ” 0.2 の 10 組成に関して包埋剤を含まない多結晶試料を用いて
͜ͱΛ͍ࣔͯ͠ΔɽҰํɼਤ̎ʹࣔ͢Α͏ʹɼ໿ 1.3 GPa ͷѹྗԼʹ͓͚Δ μSR ʹ͓͍ͯ΋
μSR 測定を行い、Ca2-xNaxCuO2Cl2 の磁気相図作成を試みたのでその結果を報告する。
ৼಈ͕‫؍‬ଌ͞Εɼ੩త࣓‫ؾ‬டং͕ଘࡏ͢Δ͜ͱ͕෼͔ͬͨɽ·ͨɼৼಈ͕‫࢝͑ݟ‬ΊΔԹ౓͔Β
今回の測定結果から得られた Ca2-xNaxCuO2Cl2 の磁気相図を図に示す。前回の結
ܾఆͨ͠੩త࣓‫ؾ‬டংԹ౓ Tm ΍ৼಈ਺͔Β‫ٻ‬Ίͨ಺෦࣓৔ͷେ͖͞͸ৗѹͷ஋ͱ΄ͱΜͲม
果と同様、Na 低ドープ領域(x ” 0.02)で反強磁性転移に伴う明瞭なミュオンスピン
Խ͠ͳ͍ɽѹྗԼதੑࢠճં࣮‫[ ݧ‬1] ͔Β LTT ߏ଄͸ 1.3 GPa ͷѹྗʹΑͬͯ‫׬‬શʹ཈੍͞Ε
回転を観測し、TN が Na 量の増加に伴い急激に減少することが判明した。また更に
͍ͯΔͱߟ͑ΒΕΔͷͰɼѹྗԼ μSR ͷ݁Ռ͸ɼ੩త࣓‫ؾ‬டংͱ LTT ߏ଄͕ແؔ܎Ͱ͋Δ͜
Na をドープした 0.05 ” x ” 0.1 の領域では、反強磁性磁気秩序に伴う回転スペクト
ͱΛ͍ࣔࠦͯ͠Δɽ
ルは観測されず、Cu スピンの揺らぎに伴う緩和率の上昇が TD < 10 K 以下で観測さ
La2-xBaxCuO4
ZF-μSR
0.26
0.10 MPa
0.25 GPa
0.48 GPa
0.76 GPa
1.05 GPa
1.25 GPa
0
ਤ1
20
40
60
Temperature (K)
0.26
35 K
0.26
25 K
0.24
0.20
6K
0.0
0.2
ਤ2
0.4
0.6
Time (μsec)
0.8
1.0
A
る舞いであることが示唆される。
SC
当日は、各組成で得られた結果
の詳細を示し、本系の磁気相図に
SG-like
0.05
0.10
0.15
Na concentration x
ついて議論する。
0.20
[1] 山田幾也 他, 日本物理学会
第 58 回年次大会 29aWA-7.
ණஎ૴ѭ‫ ࣄאڪ‬7PKXQH$TKVKUJ%QNWODKC# 64+7/($ ߘਿ‫ڪ‬դলE ‫ޥ‬ગ‫&܋‬
μ54UVWFKGUQPVJGTOQGNGEVTKEEQDCNVQZKFGU80C Z %Q1 ET[UVCNU
A,B
6Q[QVC%4&.+PE7PKXQH$TKVKUJ%QNWODKC#64+7/($#+56E1UCMC7PKXE
Anisotropic energy gap in Ca(Al0.5 Si0.5 )2 probed by μSR
Aoyama-Gakuin Univ., KEK-IMSSA , SokendaiB
S. Kuroiwa, H. Takagiwa, M. Yamazawa, J. Akimitsu
K. OhishiA , A. KodaA , W. HigemotoA , R. KadonoA,B
,5WIK[COC,*$TGYGT#',#PUCNFQ$$*KVVK$//KMCOKE;/QTK&65CUCMK&
¥
¥໡‫܇‬ƟఴஏডృLJࠤƎЀ༘ƣਪभ
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=?Ɲ݉DŽƐƛ¦0CZ%Q1ƣࠣ֎
भઆॴƠࠤƎ
ॴĺ§ƈƣ† r“٥ƣ
դٞƤĺࠝ‫ڹ‬ĻӿӸ߰झƜƣŒŒ r† ห٥LJ຋ŹƔ‫ߙٽ‬Ɯୖড୴Ơ৖ผƊ
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ƂƊƤ૴ϞҌƝ๷ਭƊǁ
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ⴕ߁‫ޕ‬
[1] M. Imai, et. al., Phys. Rev. Lett 87, 077003 (2001)
[2] M. Imai, et. al., Appl. Lett 80, 1019 (2002)
1:
この領域ではスピングラス様な振
AF
এߑ ࢽ,*$TGYGT#',#PUCNFQ$$*KVVK$ ߎझ๮ߩE ॏ¥๠Ӏ& ‫܉ึ½ݴ‬๡&
B
A
としては温度領域が広いことから、
C:% | Œ ›†‫ߞٵ‬ҍൊఴஏ੾ƣ μ548«0C Z %Q1 િ‫ࣵڑ‬
μSR ᴺߦࠃࠆ Ca(Al0.5Si0.5)2 ߩ⇣ᣇ⊛ࠛࡀ࡞ࠡ࡯ࠡࡖ࠶ࡊߩ᷹ⷰ
A
強磁性転移に伴う量子臨界揺らぎ
図、Ca2-xNaxCuO2Cl2 の磁気相図。
28aPS-108
A
10
低温 2 K でも観測されており、反
TN
TD
Tc
100
1
0.00
15 K
0.22
80
Temperature [K]
40 K
Asymmetry
2.0
0.0
Ca2-xNaxCuO2Cl2
60 K
0.26
0.26
1.0
れた。このスピン揺らぎは実験最
Pressure ~ 1.3 GPa
0.26
La2-xBaxCuO4 x = 0.125
Resistivity (mΩcm)
x = 0.125
=?,5WIK[COCGVCN24.
=?,5WIK[COCGVCN24$
24$ , 2J[U %QPFGPU
/CVVGT
=?,5WIK[COCGVCN24$
=?&,5KPIJ24$
2:
– 25 –
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§
ÎZƤ-ϞҌƜ%5&9Ï
40
NaxCoO2
30
TSDW (K)
[1] S. Katano et al., Phys. Rev. B 48, 6569 (1993).
single crystal
polycrystal
paramagnetic
20
C-SDW
IC-SDW
10
0
0.5
0.6
0.7 0.8 0.9
Na content x
1
ॴ¥0CZ%Q1ƣࠣ֎भઆॴ§ĀƤિ‫¦ࣵڑ‬
ÿƤ੯‫ ?= ࣵڑ‬ƣ‫ڑ‬Ҝ§ Zƣ… r‚Ƥ.K%Q1
ƀƾƣ໸ॺƜŷǀ§
州大学箱崎キャ
μSR から見た100K近傍におけるY系の
Cuのスピンの揺らぎ
理研 A , 東北大工 B , 産総研 C , 高エ機構物構研 D
渡邊功雄 A , 足立匡 B , 小池洋二 B , 阿子島めぐみ C , 永嶺謙忠 D
The Cu-Spin Fluctuations around 100 K in Y-System Studied by μSR
RIKENA , Tohoku UniversityB, AISTC , KEK-IMSSD
Isao WatanabeA , Naoki OkiB , Tadashi AdachiB, Yoji KoikeB, Megumi AkoshimaC,
Kanetada NagamineD
我々はこれまで、La2−x Srx CuO4 において、100K近傍でのCuスピンの揺らぎの変化を μSR
によって詳細に調べてきた。その結果を電気抵抗測定の結果と比較することによって、電荷の局在化
がスピンの揺らぎの抑制を引き起こすという、ストライプモデルの重要な要素を実験的に確認して
きた [1,2]。今回は、これまでの実験をY系に拡張し、La系にみられるような高温におけるCuス
ピンの動的揺らぎの変化が起きているのかどうかを調べてみた。多結晶試料 YBa2 Cu3 O6+δ を用い、
酸素濃度 δ を 0.41 から 0.91 まで変化させた。測定は英国における理研RALミュオン施設におい
て実施した。解析関数として、La系の場合と同様に、A0 e−λt ×GZ (Δ, t) を用いた。A0 は t=0 にお
ける初期アシンメトリ、λ はCuスピンの動的緩和率、GZ (Δ, t) は、分布幅 Δ をもつ核磁気双極子
磁場による静的緩和を表す。
図1に、δ=0.67 における λ の温度変化を示す。この試料は、ホール濃度がCuスピンに対して
約1/8程度である。λ は、La系の場合と同様に約150Kより低温で増大することがわかった。
この温度はLa系よりも高く、超伝導転移温度 Tc と相関しているように見える。ホール濃度変化を
調べたところ、この λ が増大を始める温度は、δ=0.67 近傍で極大を示し、La系と同様に1/8効
果と関係があることを示唆している。図2に、同じ試料の Δ の温度変化を示す。Δ は50K近傍に
小さなディップを持つ。このディップは Sonier ら によっても報告されており、電荷の秩序状態と関
連づけて議論がなされている [3]。ホール濃度変化を調べたところ、このディップが現れる温度はほ
とんどホール濃度に依らないことがわかった。また、Sonier らによって報告されている δ よりもよ
り低い δ の値までディップが観測された。
0.13
-1
0.04
( sec )
YBa2Cu3O6+
=0.67
-1
( sec )
0.05
0.03
0.09
100
150
200
Temperature (K)
図1:δ=0.67 における動的緩和率 λ の温度変化。
また、Ni の周りにできると期待できる非超伝導領域が、Zn の場合に比べ小さいことを報
告した[1-3]。また、前回は、最適ドープ域である x = 0.15 において、x = 0.13 と同様の
測定を行った結果、磁気秩序の発達は、x = 0.13 よりも x = 0.15 の方が遅いこと、また、
Zn 置換と Ni 置換で比較した場合は、Ni 置換の方が遅いことを報告した。
今回は、
x = 0.15
の Zn, Ni 置換の試料と、さらにオーバードープ領域である x = 0.18, 0.20 の Zn 置換の試
料について、同様の測定を行った。
x = 0.15 の主な Zn, Ni 濃度におけるμSR タイムスペクトルを図に示す。0.3 K まで測
定したところ、y = 0 では緩和の変化が見られないが、Zn, Ni ともに 3%置換の試料では、
低温で Cu スピンのゆらぎのスローイングダウンに伴うミュオンスピンの速い緩和が見
られた。さらに、Ni を 10%置換した場合、静的磁気秩序の形成によるミュオンスピンの
回転が見られたが、Zn を 10%置換した場合はミュオンスピンの速い緩和は見られなかっ
た。すなわち Zn 置換系においては、磁気相関が破壊されたものと推察される。磁化率と
La2-xSrxCu1-y(Zn,Ni)yO4 x = 0.15
周りにできると期待できる非超
伝導領域が、Zn の場合に比べ小
0.10
50
の領域と Cu スピンがμSR の時間窓よりも速くゆらいでいる領域が対応していること、
対応していること、また、Ni の
0.01
0
以 前 、 我 々 は 、 Zn 濃 度 、 Ni 濃 度 を そ れ ぞ れ 10% ま で 細 か く 変 化 さ せ た
La2-xSrxCu1-y(Zn,Ni)yO4 の x = 0.13 におけるμSR と磁化率の測定から、試料中の超伝導
ピンが速くゆらいでいる領域が
0.11
0.02
0
東北大工、理研 A、高エ機構物構研 B
沖直樹、足立匡、リスディアナ、矢入聡、小池洋二、渡邊功雄 A、永嶺謙忠 B
Impurity effects on the spin fluctuations and superconductivity in
La2-xSrxCu1-y(Zn,Ni)yO4 (0.15≦x≦0.20) studied by the μSR and magnetic susceptibility
Graduate School of Eng., Tohoku Univ.; RIKENA; KEK-IMSSB
N. Oki, T. Adachi, Risdiana, S. Yairi, Y. Koike, I. WatanabeA, K. NagamineB
μSR の結果を詳細に解析した結果、x = 0.13 と同様に、試料中の超伝導の領域と Cu ス
YBa2Cu3O6+
=0.67
0.12
μSR と磁化率からみた La2-xSrxCu1-y(Zn, Ni)yO4
(0.15≦x≦0.20)におけるスピンゆらぎと超伝導の不純物効果
さいことがわかった。
0
50
100
150
x = 0.18, 0.20 の Zn 置換の試料
200
Temperature (K)
図2:δ=0.67 における核磁気双極子磁場の分布幅 Δ
温度変化
参考文献
[1] I. Watanabe et al., J. Low Temp. Phys. 131 (2003) 331.
[2] I. Watanabe et al., Proc. of ICM2003, to be published in J. Mag. Mag. Mater.
[3] J.E. Sonier et al., Phys. Rev. B 66 (2002) 134501.
については、2 K 以上の温度でμ
SR 測定を行った。x = 0.18 の
y=0
1
15K
1K
0
1
0
0
y(Ni) = 0.03
y(Ni) = 0.10
1
0
1
0
1
2
図. La2-xSrxCu1-y(Zn,Ni)yO4 (x = 0.15, y = 0, 0.03, 0.10)
れたが、x = 0.20 では、10%まで
のμSR タイムスペクトル.
のすべての Zn 濃度で速い緩和は
[1] T.Adachi et al., J. Low Temp. Phys. 131, 843 (2003).
[2] T.Adachi et al., cond-mat/0306233.
見られなかった。
(Counts)
y(Zn) = 0.10
Time (μsec)
y(Zn) = 0.03 では速い緩和が見ら
[3] T.Adachi et al., proc. of M2S-HTSC Ⅶ, Physica C (in press).
105
Response of NE213
104
y(Zn) = 0.03
2K
0.3K
y=0
(Counts/4ns)
○
28aXE-4
Normalized Asymmetry
28aXE-3
10
4
10
3
10
2
3
10
102
10
10
1
1
10-1
0
– 26 –
10
0.2 0.4 0.6 0.8
1
1.2 1.4 1.6 1.8
2 (MeVee)
-1
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
(ns)
KOs2O6
30aXC-4
重い電子超伝導体 PrOs4Sb12 のPSR による観測 II
30aXE-5
都立大理,高エ機構物構研 A
A
KEK
B
,
A o
C
A B
,
,
C
C
,
, S.R.
,
A
C
A
,
C
,
A
,
,
PSR study on heavy fermion superconductor PrOs4Sb12 II
Y. Aoki, W. HigemotoA, S. Sanada, A. Tuchiya, S.R. Saha, H. Sugawara,
TMU, KEKA
Anisotropic order parameter of the novel pyrochlore superconductor KOs2 O6
KEK-IMSS A , SOKENDAI B , ISSP Univ. of Tokyo
H. Sato, A. Koda, K. Ohishi, K. Nishiyama, and R. Kadono
C
A. Koda A , o R. Kadono A B , K. Ohishi A , S.R. Saha A , W. Higemoto A ,
S. Yonezawa C , Y. Muraoka C , Y. Matsushita C , Z. Hiroi C
Pr イオンをベースにした初めての重い電子超伝導体 PrOs4Sb12 は、異方
的ギャップ形成や多重超伝導相の存在の可能性、磁場誘起四極子秩序相と
の関わり(新たな対形成機構の可能性を示唆)の観点から、現在多くの実験
的理論的興味を集めている。超伝導秩序変数はまだ解明されていないが、
最近我々が行なったゼロ磁場ミュオンスピン緩和(ZF-PSR)実験から、それ
が時間反転対称性を破った特異なものであることがわかった[1]。この実験
手法は、内部磁場発生の有無の検証に最も優れており、超伝導転移温度以
下で観測された 1 Gauss 程度の微弱な自発的内場の発生が、この実験的証
拠である。
PrOs4Sb12 の参照物質である LaOs4Sb12 も、超伝導転移温度 TC=0.74 K の
超伝導体である。PrOs4Sb12 の特異な超伝導における 4f2 電子の役割を調べ
る目的で、LaOs4Sb12 においても同様に ZF-PSR 実験を KEK-MSL:SA ポートで
行なった。幾つかの温度におけるスペクトルを図 1 に示す。久保-鳥谷部関
数的な振舞から、核双極子磁場がミュオンスピン緩和の主たる要因である
ことが見て取れる。実際に解析から求まった'KT=0.15 Ps-1 は、ミュオンの
停止位置が Sb ケージの外で、6 個の Sb イオンに囲まれた位置であるとす
る PrOs4Sb12 における我々の
LaOs4Sb12
解釈と矛盾していない。
0.10
zero field
PrOs4Sb12 の結果と大きく異
Tc=0.74 K
なる点は、LaOs4Sb12 では TC
をはさんで緩和が温度依存
0.05
していないことである。この
T (K)
ことから、LaOs4Sb12 の超伝
R2603
1.451.45K
R2604
0.910.911K
導状態は時間反転対称性を
0
R2610
0.100.1K
保持しているものと解釈で
き、PrOs4Sb12 の超伝導状態
0
5
10
15
time (Ps)
とは質的に異なったもので
図 1 LaOs4Sb12 のゼロ磁場PSR スペクトル。
あることがわかった。
μSR
KOs2 O6 [1]
4
2
2K
3T
Cd2Re2 O7
[2]
Relaxation Rate (μs )
KOs2 O6
β = 2.0
−1
1
β = 4.0
β = 2.39(7)
Corrected Asymmetry
0.5
KOs2O6 (B0 = 2T)
0
0
5
10
15
Temperature (K)
σ = σ0 1 − (T /Tc )β
References
1. S. Yonezawa et al., J. Phys.: Condens. Matter 16, L9 (2004).
2. R. Kadono et al., J. Phys. Soc. Jpn. 71, 709 (2002).
S=2
FePb4Sb6S14
30aXR-3
KEK
A
B
,
A
, S.R.
C
,
A
C
,
C
A
A
,
A B
,
,
μSR Study of S = 2 Haldane gap antiferromegnet FePb4 Sb6 S14
KEK-IMSS A , SOKENDAI B , ISSP Univ. of Tokyo
C
A. Koda A , S.R. Saha A , K. Ohishi A , W. Higemoto A , R. Kadono
Y. Matsushita C , Y. Ueda C
A B
Ni2+
S=2
Fe2+
μSR
FePb4 Sb6S14
S = 2
1
,
S = 1
high-spin
12 K
30%
Corrected Asymmetry
FePb4Sb6S14 TF−μSR
110 K
2K
0.2
0
−0.2
0
5
Time [μs]
10
Reference
2003
0.45
0.4
0.35
[1] Y. Aoki et al.: Phys. Rev. Lett. 91 (2003) 067003.
μSR
,
青木勇二, 髭本亘 A, 真田祥太郎, 土屋明久, S.R. Saha,
菅原仁, 佐藤英行, 幸田章宏 A, 大石一城 A, 西山樟生 A, 門野良典 A
21aPS-11
– 27 –
編集部からのお知らせ
「めそん」への投稿
「めそん」は中間子連絡会の機関誌で、連絡会、 「めそん」の原稿
各施設からのお知らせ、特集記事など会員に有 「 め そ ん 」 は DTP ソ フ ト の 一 つ で あ る
用な情報の提供を目指すとともに、会員相互の InDesign 2.0 (Adobe Systems Inc.) を用いて版下
情報交換の場としても積極的に活用していただ
くことを目標にしております。
さて、
「めそん」では従来より会員諸氏から
の投稿を歓迎しておりますが、投稿をより容易
にするために、以下のような欄を設けておりま
す。
1) 研究会・ワークショップ報告(会員が参加し、
有意義と思われた会合について)
2) 読者便り(内容に特に制限なし、但し会員
の多くが関心を持つと思われるもの)
3) トピックス(最近の研究で大きな進展のあっ
た話題、できればミュオン利用に関連した
もの)
4) 会員からのお知らせ ( 学術的会合その他行事
予定)
これらの各欄に対応する話題をお持ちの方
(自薦、他薦を問わず)はぜひ編集委員へご連
絡ください。また、特集記事に関しても要望等
をお寄せ戴ければ積極的に対応していきたいと
考えております。
また、
「めそん」編集部では、ミュオンを用
いた研究に関する皆様の学会発表等の内容を
「めそん」
誌上にあらかじめ掲載させて頂き、
もっ
て会員相互の情報交換の一助としたいと考えて
おります。そこで国際会議、物理学会、化学会
その他学術的会合にてミュオンを用いた実験研
究の成果、またはそれに関連する仕事(理論研
究等を含む)の発表を予定されておられる方は、
その発表内容に関する学会予稿(あるいは同程
度に纏まった abstract 等)で camera-ready のも
のに、発表を予定しておられる会合名等の情報
(発表日時、場所)を左上隅に明記の「めそん」
編集部までお送りください。編集部で検討の上
「めそん」誌上に掲載させて頂きます。
を製作し、その出力をそのままオフセット印刷
で発行しております。そこで原稿作成に際して
は次の諸点に御留意ください。
1)一般のワープロ等を使用する場合:
テキスト原稿はワープロを用い、見出し等のレ
イアウトは最小限に留めてください。英数字(ギ
リシア文字等も含む)は、出来るだけ半角文
字をお使い下さい。本文の図についてはすべて
テキストとは別に EPSF か TIFF 形式で用意し、
テキスト原稿とともに電子情報として(フロッ
ピーディスク又は電子メールで)編集委員まで
提出してください。レイアウトは編集部の方で
行います。(編集部ではこちらを推奨します。)
2)LaTeX を使用する場合:
DTP ソフトでは対応出来ませんので図も含め
たレイアウトはすべて著者の方で行って頂きま
す。レイアウトについては今号を参照して下さ
い。また、投稿に際しては LaTeX のソースも
含めてすべてのファイルを電子情報として提出
してください。
何れの場合にも、内容確認のため A4 版に印
刷した原稿を添付して下さい。また、印刷は
B5 版に縮小されますので図の大きさ等御配慮
願います。なお、原稿・ディスク等提出頂いた
ものは原則としてお返し出来ませんのであらか
じめ御了承ください。
– 28 –
[ 編集後記 ]
中間子科学将来計画は中間子科学連絡会の一重要課題ですが、J-PARC ミュオン施設の建設予
算が平成 16 年度から正式にスタートするとのことで、その実現にまた一歩おおきな進展があり
喜ばしいことです。これまでの関係者のねばり強い努力が実を結んだものと思われます。連絡会
発足からでもめそん 19 号分を要しているわけですが、めそん第 27 号のころにはもうミュオンビー
ムが出ているはずで、今後急ピッチな展開が予想されます。
今回も KEK の市村氏に全面的に版組をお願いしました。ありがとうございました。
(KI)
めそん 第 19 号 平成 16 年 3 月 10 日発行
編集委員長 石田勝彦(理化学研究所)
[email protected]
副編集委員長
門野良典(KEK 物質構造科学研究所)
[email protected]
編集委員
久保謙哉(国際基督教大学理学研究科) [email protected] 松田恭幸(理化学研究所 ) [email protected]
小嶋健児(東京大学理学研究系 ) [email protected]
河村成肇(KEK 物質構造科学研究所)
[email protected]