プロポリスの血糖上昇抑制作用を確認. さらに、この強い有効成分として

平成 16 年 11 月
情報ご担当者様
株式会社山田養蜂場、九州大学大学院農学研究院との共同研究
プロポリスの血糖上昇抑制作用を確認.
さらに、この強い有効成分として世界で初めてトリカフェオイルキナ酸を発見
-日本薬学会学術誌“Biological & Pharmaceutical Bulletin”2004 年 11 月号に論文発表-
運動時の活性酸素が体に与える悪影響に対し、プロポリスは有効な抗酸化サプリメントになりえる
プロポリスやローヤルゼリー等のミツバチ産品を製造・販売する株式会社山田養蜂場(本社:岡山県
ことを実証
苫田郡鏡野町 代表:山田英生)は、九州大学大学院農学研究院 松本清教授・松井利郎助教授との共同研
究によって、ブラジル産プロポリスから抽出した水溶性画分が、血糖上昇を抑えることを確認しました。
この有効成分は、コーヒー中の成分として有名なジカフェオイルキナ酸や、野菜に微量含まれるト
リカフェオイルキナ酸であることをつきとめました。しかも、トリカフェオイルキナ酸が抗高血糖作用
をもつことは今回世界で初めて明らかになりました。さらに、カフェオイルキナ酸類の作用を比較し、
キナ酸に結合するカフェオイル基の数の増加に従って、α-グルコシダーゼ阻害作用が強くなる現象を発
見しました。この研究成果は、Biological & Pharmaceutical Bulletin 11 月号に論文掲載されました。
【 キーワード 】プロポリス、カフェオイルキナ酸、α-グルコシダーゼ、抗高血糖、糖尿病.
【 研究の背景 】 糖尿病は、常に血糖値が高くなる病気です。現在完治させる治療法はなく、放置する
え
そ
と網膜症、腎症、神経障害といった深刻な合併症を起こし、失明や人工透析治療、壊疽による足の切断
などで生活の質を著しく低下させます。よって、予防や早期発見・早期治療が重要です。平成 14 年度
糖尿病実態調査報告(厚生労働省)によると、糖尿病患者は予備軍を合わせると 1,620 万人にものぼり、
深刻な事態となっています。
“健康日本 21”では、生活習慣が原因の糖尿病を予防する対策として、運
動の推進や過食を避けるといった改善目標が掲げられています。こういった状況のもと、日常の食事の
後に急激に血糖が上がるのを抑え、穏やかにする食品成分が注目されています。
【 研究の目的 】 プロポリスは、ミツバチが植物の新芽や浸出物を採取しミツロウと混合わせた樹脂状
の塊で、健康食品として広い世代で大変注目されている素材の一つです。近年、さまざまな機能性につ
いて研究がなされており、今回、ブラジル産プロポリス由来の成分の血糖上昇の抑制効果を試験し、そ
の有効成分を明らかにする研究を行いました。
【 まとめ 】 今回の共同研究により、下記のことが明らかになりました。
① ブラジル産プロポリスの水溶性画分の有効な血糖上昇抑制作用を確認しました。
② α-グルコシダーゼの作用(特にマルターゼとしての作用)を強く阻害する有効成分として、コーヒー
や野菜等に含まれている有機酸として知られたジカフェオイルキナ酸 2 種とトリカフェオイルキ
ナ酸の、合計 3 種をつきとめました。特に、最も作用が強かった 3,4,5-トリカフェオイルキナ酸の
抗高血糖作用は今回世界で初めて明らかになりました。
③ カフェオイルキナ酸類のα-グルコシダーゼ阻害作用を比較し、キナ酸に結合しているカフェオイ
ル基の数が多くなるにつれて、比例して阻害作用が強くなる現象を発見しました。
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株式会社山田養蜂場 文化広報室 畑
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