京セラクリスタルデバイス株式会社 ユーザビリティの向上を目指し、AS400

キヤノンユーザーリポート
No.355
京セラクリスタルデバイス株式会社
ユーザビリティの向上を目指し、AS400
(IBM i)・Accessのマイグレーション
システム統合とサービス向上を実現した
お客様プロファイル
法 人 名: 京セラクリスタルデバイス株式会社
U
京セラの水晶関連事業部門とキンセキの統合で誕生した京セラクリ
住
スタルデバイス。AS400(IBM i)やWindows系などが混在する
システムの統合、そしてグループ企業の関連部門との連携実現とい
う、2つの大きなテーマに取組んだ情報システム部は、使い慣れた
既存のIT資産も活かしながら、Webベースのシステムでユーザビリ
ティを向上させるプランを立てた。しかし、Webアプリケーション
システム開発の経験がなく、日程的にもコスト的にもスクラッチか
R
L: http://www.kyocera-crystal.jp/
所: 東京都狛江市和泉本町
1丁目8番1号
設
(昭和25年)
8月12日
立: 1950年
(2011年3月末現在)
従業員数: 645名
事業所等: 4事業所
事業内容: 人工水晶の育成から各種水
晶応用製品の製造まで一貫
して開発生産する水晶デバイ
スの専業メーカーです。
らの開発はリスクが大きい。そこで導入したのがWeb Performer。
早速サンプルワークシステムを開発した。営業部門から製造部門、
物流部門まで、グループ会社をまたがって、重要情報の共有、デー
タ統制、営業支援などを実現し、ユーザビリティも高まった。
お客様が実現できたこと
システム統合とユーザビリティ向上への道筋が見
えた。
既存の IT 資産も有効活用し、開発投資効率を高め
た。
新たなスキルの獲得で開発の受け皿が大きくなっ
た。
○水晶デバイスは、携帯電話やデジ
タルカメラなどのデジタル機器の
性 能 を 左 右 す る 重 要 な 部 品 で す。
京セラクリスタルデバイスは、人工
水晶の育成から水晶を応用した水
晶振動子、水晶発振器、SAW フィ
ルタ、光学デバイスなどの製品ま
で一貫して開発生産する、業界トッ
プレベルの水晶デバイスメーカー
です。
○世界中のお客様に数多くの水晶製
品を供給しており、デジタルネッ
トワーク・ユビキタス社会の発展
に貢献していきます。さらに、通
信情報産業市場の発展にともない、
当社の水晶デバイス事業は、飛躍
的な発展が期待されています。
お客様の声
お客様のご要望
混在するシステムやユーザー環境を統合し、データ共有と
統制を高めたい
社外にも存在するシステムユーザーへのサービスを向上
したい
AS400(IBM i)など使い慣れたインフラやスキル
も活かしたい
専務取締役
管理本部長 満田 正和 氏
「実際に体験して開発ス
ピードに納得」
「ノンプ ログラミン グ の 開 発
ツールは初めての 経 験で、いか
導入前の課題と背景
2つの課題:システム統合とユーザビリティの向上
情報システムについて御社特有の問題があったそうですね。
にツール に 慣 れるか が 課 題 で
「京セラクリスタルデバイスは京セラの水晶関連事業部門とキンセキの統合
したが、電 話やメールでの 迅 速
で誕生したという経緯があり、AS400やWindowsなど、さまざまなシステ
で正 確なサポートに 助けられま
したね 。レガシーなシステムと
ムが混在しています。また、製品の販売は京セラが担当しているなど、グルー
較べると、参 照系画 面 作成や、
プ企業の関連部門もシステムのユーザーとして想定する必要があります。シ
手 直し作 業 など飛 躍 的 に 効 率
ステムの統合や連携、そしてユーザーへのサービス向上を、開発コストにも
的になっているのを実 感してい
ます」
配慮しながらどう実現するか、それが情報システム部の大きな課題でした。
検討の結果、AS400に代表される既存のIT資産も活かしながら、将来的な
DBや基盤の変更にも対応できるソリューションとして、Web化という方向
性を見出しました。しかし、Webソリューションの社内開発には問題もあり
ました。情報システム部はRPGやCOBOL、VBなどのスキルやノウハウを
培ってきましたが、Javaの知識が不足していたのです。その解決策がWeb
Performerの導入でした」
担当営業紹介
導入の必然性
システム連携をスピーディに実現したい
従来のシステムの問題点は何でしたか。
「従来のレガシーなシステムはメンテナンスが難しく、セキュリティ保護に
も問題がありました。そこでAS400を活用してデータベースを強靭にする
一方、ユーザーインターフェースをWeb化することでユーザビリティの改
善をはかることにしました。こうした開発において重要なのは、開発された
ソリューション営 業 本 部
佐本 真司
京 セラクリスタル デ バイス 様 のニーズ
にお 応えできる商 品 、
Web Performerを
ご 提 案 でき、大 変 嬉しく思っております
システムが特定のDBに制限されないことです。それが開発ツールに求められ
た重要なポイントで、Web Performerを選んだ理由もそこにありました。基
本構造は大きく変わらないとは言え、DBごとに使いこなすテクニックは大きく
変わります。このテクニックの部分を標準化できること、つまりリポジトリ内
容さえ決めれば、複数DBの接続設定を変えるだけというのが開発者にとって
Web Performerを使う大きな利点と言えます」
るという発想が必
要です。京セラグ
ループは『アメー
運用の工夫
蓄積されたIT資産を活かしつつ、
新たな技術を付加
バ経営』という経
営手法をとってい
ますが、情報シス
管 理 本 部 情 報システム部
左:情 報システム開発 部 責 任 者 大日方 弘 志 氏
中:製 造 支 援 課 WEB開 発 係 斉 藤 彰 将 氏
右:製 造 支 援 課 WEB開 発 係 岩 岡 睦 氏
実際に開発されたシステムを紹介いただけますか
テム、特にコアの
「最初に手がけたのはサンプ
部分に対しても、
ルワークシステムです。京セ
その考え方を一貫して適用しています。システムの枝葉
ラクリスタルデバイスの製品
は変わっても、芯の部分の考え方は変わりませんので、
体系はいわば箒型で、ひとつ
理解しやすいのです」
の基幹製品に対するバリエー
ションの 数が 膨 大 です。通
常、まずお客様のニーズに応
じてカスタマイズあるいは
管 理 本 部 情 報システム部
左:情 報システム 企 画 部
副責 任 者 加治 健 作 氏
右:情 報システム開 発 部 製 造 支 援 課
責任者 加瀬 毅 氏
取り組みの成果
広がった課題解決のキャパシティ
セミカスタマイズされた製品の試作品を作り、その後に
システムをWeb化して何が変わりましたか
量産が開始されます。試作にあたり、営業部門がヒアリ
「今回のシステムでは、AS400システムのWeb化も開
ングした要求仕様をデータ化し、試作製造部門や業務部
発しました。従来のシステムではAS400の端末エミュ
門、物流部門に至るまで広く共有するのがサンプルワー
レータがないと情報にアクセスできないため、ユーザー
クシステムです。いわば事業の要とも言えるこのシステ
間で情報共有を行う事が難しかったのですが、Web化を
ムは、以前はSQL ServerとAccessの組み合わせで運
行った事で多くのユーザーがInternet Explorerを介し
用されていました。これを、長年使い慣れたAS400と
て、情報を共有できる様になりました。そして、営業支
DB2、そしてWebベースのユーザーインターフェース
援などユーザビリティの向上も重要です。実際、サンプ
というスタイルにマイグレーションしたのです。アプリ
ルワークシステムでは、営業部門が必要なデータをCSV
ケーションサーバーにはAS400との親和性に優れた
出力できるので、進捗確認や過去の履歴参照が容易にな
WebSphereを使いました。
りました。また、DB情報を基幹システムにのせた事によ
対象データ項目はサイズや周波数などの製品仕様に加
り、メンテナンスの部分でも飛躍的に向上しましたし、
え、お客様情報、担当工場など約100項目に渡ります。
様々なシステムと連携する事が可能となったのです」
営業担当はExcelで入力した情報をサーバーにメール送
信。これらの情報はサーバー側で自動的にDB2へ登録
情報システム部への期待も高まりましたね
され、営業部門、製造部門や物流部門などグループ会社
「Eclipse、Tomcat、WebSphere、Java、そして
や組織をまたがる300人ほどがWeb Performerで開発
Web Performer、いずれも初挑戦に近いものでしたが、
した画面を介して情報共有する仕組みです。データは試
それにより開発者がCOBOLやRPGのエキスパートとい
作段階から量産移行した後も引き続き利用されますか
う殻を破って、新しいスキルや可能性を獲得できたのは
ら、その共有や連携のメリットは極めて大きいものがあ
大きな成果です。今回のサンプルワークシステムは業務
ります」
部門からの要求に応えて開発しましたが、今後増えると
予想される社内ニーズに対する受け皿が大きくなったと
既存のAS400(IBM i)システムも活用されたのですね
「IT資産の蓄積は大事です。新しい技術が出たからと
言って、いきなりそちらに置き換えるということは今ま
で経験していませんし、仮にそうしてもなかなか難しい
かと思います。むしろ過去の蓄積に新しいものを付加す
感じています」
将来の展望
各社のビジネスドメインや目的に応じて最適なものを
作るようにしています。各グループ会社の独自性を尊
Web化への期待は大きい
重しながらも、グループ全体での効果を高めるために
今後の展望についてお聞かせください。
も、Webソリューションはひとつの切り口になるでしょ
「今後、開発スタイルも変わりそうです。今まで以上
う。そうした期待から、情報システム部内にWebアプ
にシステムの企画や開発に積極的に取組めると思い
リケーションを開発する専任の担当者を設けました。今
ます。まだ 個別に動いている多くのシステムを連 携
後は製造系システムをはじめ、さまざまな開発シーンで
させ、よりユーザーメリットの高いシステムを創れた
Web Performerを使ってみようと考えています。
らと思います。それには開発スピードも重要ですが、
また、今後はワークフローも重要なテーマとなります。
Web Performerはその点でも大きな効果を発揮してくれ
AS400とWindowsを混在で使えるワークフロー製
るでしょう。京セラグループとしては、基幹系やインフラ
品が少ないので、Web Performer のワークフローオプ
はなるべく共有しますが、その他のアプリケーションは、
ションにも注目しています」
Web Performer を利用して開発したシステム
■以前のサンプルワークシステム構成図
Mail(Excel)
サンプルワークシステム
【Access 画面】
SQL
Server
外出先
履歴参照(csv)
AS400 (IBM i)
業務部門
営業部門
設計部門
物流部門
DB2
エミュレータ
■Web Performer で開発したサンプルワークシステム構成図
Mail(Excel)
サンプルワークシステム
WebSphere
APP Server
【Web 画面】 40 画面
外出先
履歴参照(csv)
AS400 (IBM i)
営業部門
業務部門
設計部門
DB2
物流部門
以前のサンプルワークシステムにおいてSQL Server上に格納していた情報を、新システムにおいてDB2に踏襲した
混在するシステムを統合しユーザビリティを向上
グループ会社のシステムを統合した事により情報の共有が可能となった
Web アプリケーション 100%自動生成ツール「Web Performer」
ノンプログラミングで Web アプリケーションを 100%自動生成することにより開発生産性の大幅向上を実現。技
術者の育成や確保といった局面でも威力を発揮します。
○ Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国におけ
Web Performer ホームページ
る登録商標です。○ Oracle と Java は、
Oracle Corporation 及びその子会社、
canon-soft.co.jp/product/web_performer
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