目からウロコ! チャネル設計手法 - Teledyne LeCroy

2012/7/4
DPD_1 Differential Pairs
Slide‐1
目からウロコ!
チャネル設計手法
Dr. Eric Bogatin,
Signal Integrity Evangelist,
Bogatine Enterprises
www.beTheSignal.com
11/1/2011
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
www.beTheSignal.com
Slide‐2
概要
• 問題とその対処
• 全てのシグナル・インテグリティ問
題を解決する一般的な手法
• 4つの問題とその解決法
www.beTheSignal.com
1
2012/7/4
Channel Design
Slide‐3
詳しい情報はWebへ
WWW.BeTheSignal.com




最新のドキュメント
今後のセミナースケジュール
My Blog: 今月学んだこと
Webinarのアーカイブ
 オンライン・トレーニング
www.ProntedCircuitUniversity.com
www.beTheSignal.com
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
Slide‐4
3つの重要な流れ
1)差動ペア、2)高速データレート、3)果てしない高速化
SATA (serial ATA)/SAS
1.5, 3, 6, 12 Gbps
PCI Express
2.5, 5, 8 Gbps
Infinibad
2.5, 5, 10 Gbps
USB
0.012, 0.48, 5 Gbps
Gigabit Ethernet
0.01, 0.1, 1, 10, 25, 100 Gbps
XAUI
3.125, 6.25, 10 Gbps
www.beTheSignal.com
2
2012/7/4
Channel Design
Slide‐5
現実世界:
インタコネクトは、信号を歪みも減衰もなく
完璧に伝送することはできない。
Tx
Rx
ドライバ
パッケージ
基板
バックプレーン
基板
パッケージ
レシーバ
送信端
受信端
www.beTheSignal.com
Channel Design
Slide‐6
根本原因の特定こそ問題解決の近道
根本原因の特定を
間違えば、問題の
解決は運にまかせ
るしかなくなる。
スタン、ほんとうにこれで大丈夫かい? とんがった頭と長い嘴があるから奴らが飛
べるっていうのはおかしいと思うんだ。
www.beTheSignal.com
3
2012/7/4
Channel Design
Slide‐7
キガビットクラスのシリアル・リンク
設計の一般的な手法
•
一般的な手法 (まだ、直感的な設計プロセスが主流)
を理解する。
•
問題の根本原因を特定する。
•
根本原因を設計のガイドラインに落とし込む。
•
シグナル・インテグリティ信号処理を含めて、コストが
かからない手法(慣例)を可能ならば全て試す。
•
コストに余裕があるならば、初めに「投資に見合う価値
があるか」を見極めてから、シミュレーションを行う(仮
想試作)
•
ほとんどのインターコネクト/TRX(トランシーバ)の特性
は、お互いに複雑に絡み合っている。‐シミュレーション
の利用が効果的
www.beTheSignal.com
Channel Design
Slide‐8
シミュレーションの4つのタイプ
ステップ応答
単一ビット応答
1.ステップ応答
PRBS応答とアイパターン
チャンネルの周波数応答:Sパラメータ
2.単一ビット応答
3.PRBS応答
アイパターン
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
4.チャンネルと周波数応答
www.beTheSignal.com
4
2012/7/4
Channel Design
Slide‐9
インパルス応答は、符号間干渉(ISI)を特定
Sパラメータで特性評価
200ps UI
ISI
数ビット後にエコーが発生
ISIのいくつかは、FFE、
DFE、CLTEなどのイコラ
イザで補償が可能
長時間にわたるエコー
は、一般的に反射によ
るもの。
www.beTheSignal.com
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
Slide‐10
対処すべき4つの主問題
送信端
• Losses(損失)
– 基板
– ケーブル
• Reflections(反射)
– インターコネクト間
– ビア
• Noise:Cross talk(ノイズ/
クロストーク)
– 基板(リターン・プレーン)
– パッケージ
– コネクタ
• Mode Conversion(モード
変換)
– ルーティング
– ファイバー繊維
– コネクタ
受信端
秘密の呪文:LRN‐M (Losses, Reflections, Noise, Mode Conversion)
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
5
2012/7/4
Channel Design
Slide‐11
反射の一般的な原因
• 3つの重要な対処
 短いほうが良い
… 特にスタブ
TDD11
 インピーダンス整合
 連続したリターンパス
… インピーダンスを高くし
ておきたい場合は例外
www.beTheSignal.com
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
Slide‐12
インピーダンス不整合の2つのタイプ
素直なリターンパス
:線形ルート・トポロジー
•
•
•
•
•
•
•
入り組んだリターンパス
:スタブ・トポロジー
細くなったトレース、角
DCブロック・コンデンサ
ある種のコネクタ
ICパッケージ
スルー・ビア(リターン・ビア併設)
曲がり角
ミアンダライン
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
•
•
•
•
•
•
層間ギャップ
テストポイント
終端、トレースによるスタブ
ビアによるスタブ
ある種のコネクタ
ある種のビア
www.beTheSignal.com
6
2012/7/4
Channel Design
Slide‐13
終端スタブの影響の軽減:
可能な限り短く
1Gbps
スタブ長:1インチ
スタブ長:0.3インチ
スタブなし
スタブ長:1インチ
終端スタブのTD(電気長)<50%RT(信号の立ち上がり時間)
スタブ長/6インチ/ns <0.5RT
スタブ長,RTx3インチ/ns
RTを0.1xBR(ビットレート)と仮定すると
スタブ長<0.3インチ/BR[Gbps]
例:BR‐1Gbpsならスタブ長<0.3インチ(7.62mm)
スタブ長:0.3インチ
RT(Rise Time):立ち上がり時間
www.beTheSignal.com
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
Slide‐14
最適なパッド設計が、DCブロック・
コンデンサを擬似的スルーに
小さなパッド、グランド抜きあり
S21
小さなパッド
大きなパッド、グランド抜きあり
大きなパッド
2GHz/div
ステップ3: パッドの下のグランド・プレーンを抜く:シャドー・パッド
ステップ4: 3Dソルバーでのみ高度な最適化が可能
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
7
2012/7/4
Channel Design
Slide‐15
ISIによる立ち上がりのなまり
30インチ
単一ビット応答 (SBR)
“データ0”のビットの電圧レベルがそれ以前
のパターンに依存
0111111000000
0111101000000
0111001000000
0110001000000
0100001000000
“データ0”のビット
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
www.beTheSignal.com
Slide‐16
ISIは、“データ依存”ジッタ
(デタミニスティック・ジッタ)の原因に
• 両極端なパターンのシ
ングル・ビット応答
– 11111010000000
– 00000010000000
– 5 Gbps, 立ち上がり時
間 = 50 psec
• それ以前のビットがすべ
て1かすべて0かでシン
グル・ビットのゼロクロス
のタイミングが異なりま
す
• 立ち上がり時間がなま
るほど、ジッタも増えま
す。
インターコネクトなし
20インチのインターコネクト
40インチのインターコネクト
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
8
2012/7/4
Channel Design
Slide‐17
最低周波数から最高周波数までフラット
(同じ大きさ)なチャネル応答では、立ち
上がり時間のなまりが小さい
 立ち上がり時間のなまり‐> ISI ‐> アイパターンのつぶれ、デタミニスティック・ジッタの発生
振幅
立ち上がり時間の
なまりは発生しない
振幅
周波数
周波数
www.beTheSignal.com
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
Slide‐18
損失のある伝送と立ち上がり時間
のなまり ‐周波数軸
•
問題
– 立ち上がり時間のなまりがISI、アイ
パターンのつぶれ、デタミニスティッ
ク・ジッタの原因 に
根本原因: 周波数に依存した減衰
–
–
•
一次的対処
–
–
–
•
導通損
誘電損
振幅
•
@Tx
インターコネクト
@Rx
周波数
長さを短く
導体幅を広く
低分散係数素材
応答を補償するための信号処理
–
FFE, DFE, CTLE
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
9
2012/7/4
Channel Design
Slide‐19
クロストークの影響
クロストークのあるコネクタ
• 病理学的な最悪条件 :





カップリングした2インチの伝送路
5 mil のライン幅、5 milのライン間隔
マイクロストリップ構造
25 psecの立ち上がり時間
5 Gbpsの伝送レート
aggressor
victim
クロストークのない受信端信号
遠端クロストーク特性
クロストークのある受信端信号
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
www.beTheSignal.com
Slide‐20
スプリットラインの近端クロストーク
の最悪ケース
カップリング
スペース
victim
aggressor
ライン幅 5 mil
差動インピーダンス 100 Ω
どちらが近端クロストークに影響するか
カップリング、スペース?
(近端クロストークは立ち上がり時間と長さには関係しない)
(
クロストークを‐40 dB以下にするには、
スペースをトレース幅の2倍以上
3つのカップリング条件:
強いカップリング:スペース= トレース幅
ゆるいカップリング: スペース = 2 x トレース幅
カップリングなし: スペース = 3 x トレース幅
(逆走)
強いカップリングがある状況で、約 1 dB
クロストークを削減できる。
クロストークを減らすには、Aggressorか
ら距離を離す
スペース (mil)
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
10
2012/7/4
Channel Design
Slide‐21
チャンネル間クロストークを最小化
設計項目
良否の方向
Aggressor のTXとvictim のRX 、同期又は非同期
通常、非同期が悪い
チャンネル間スペース
大きいほうが良い
遠端クロストーク:マイクロ・ストリップ・ライン又はストリップ・
ライン
ストリップ・ラインが良い
近端クロストーク: マイクロ・ストリップ・ライン又はストリッ
プ・ライン
チャンネル間スペース >ライン幅の2倍では、ストリップ・ラ
インが良い
差動インピーダンス
通常、インピーダンスが低い方が良い
インターリーブ又はノンインターリーブ
マイクロ・ストリップ・ライン:インターリーブでは最良
ストリップ・ライン:ノンインターリーブでは最良
ライン間カップリング
カップリングは強いほうが常によい。しかし、適切なリター
ン・プレーンがあれば、カップリングは決定的な要因にはな
らない。
近接する x‐y の配線する層
不用意なボード側のカップリングを避ける
カップリングの長さ
短い方が常に良い
立ち上がり時間
長い方が常に良い
ビットレート
立ち上がり時間が短くなるように、通常悪化する
www.beTheSignal.com
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
Slide‐22
モード変換
Vdiff = V1 – V2
Vcomm = 1/2 (V1 + V2)
TL1
U1
TL2
1
U2
1
• 全ての非対称性によって差動信号がコモンモード信号
に変換される
 V1とV2の電圧レベルをシフトさせて、差動の関係(逆方向
で同じ大きさ)を崩す全ての要因
 V1とV2の相対タイミングをずらす全ての要因
 トレース断面の非対称性
 トレース長のスキュー
 Dk(比誘電率)によるスキュー
 パッド/ビアによるスキュー
 ドライバによるスキュー
 コネクタによるスキュー
2
TL3 2
差動信号の振舞いは?
コモンモード信号の振舞いは?
コモンモード信号
• カップリングと反射には対策がない
• それなら?
1. 差動信号の歪
2. コモンモード信号がUSTP(ツイストペア)に加わる場合に、
起こりうるEMIの問題
3. コモンモード信号は差動信号に再変換される可能性あり
差動信号
RT = 50 ps, Increasing TD skew by 20 psec at a time
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
11
2012/7/4
Channel Design
Slide‐23
モード変換の影響 #3: コモンモード信
号の変動と、差動信号への再変換
コモンモード信号の終端あり
コモンモード信号の終端なし
Skew = 0 psec
Skew = 20 psec
(10% UI)
(Len ~ 120 mils)
コモンモード信号の終端なし
Skew = 60 psec
(30% UI)
コモンモード信号の終端あり
Skew = 100 psec
(50% UI)
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
Channel Design
Slide‐24
モード変換の軽減
• 問題の原因を取り除く:
 ペアの信号ラインを対象に、等長にする
 短い取り出し線に調整用に長さを足す
 ガラス繊維によるスキューに注意する
• 影響を最小化する: コモンモード信号を終端
 (ドライバーでは通常起こらない)
 インピーダンスの不連続点で信号が反射する
場合には、問題が残る場合がある。
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
12
2012/7/4
Channel Design
Slide‐25
対処すべき4つの主問題
• Losses(損失)
送信端
– 基板
– ケーブル
• Reflections(反射)
– インターコネクト間
– ビア
• Noise:Cross talk(ノイズ/
クロストーク)
– 基板(リターン・プレーン)
– パッケージ
– コネクタ
• Mode Conversion(モード
変換)
– ルーティング
– ファイバー繊維
– コネクタ
受信端
秘密の呪文:LRN‐M (Losses, Reflections, Noise, Mode Conversion)
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
Channel Design
www.beTheSignal.com
Slide‐26
詳しい情報はWebへ
WWW.BeTheSignal.com




最新のドキュメント
今後のセミナースケジュール
My Blog: 今月学んだこと
Webinarのアーカイブ
 オンライン・トレーニング
www.ProntedCircuitUniversity.com
Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011
www.beTheSignal.com
13