TPPと今後の日本の農業

TPPと今後の日本の農業
と今後の日本の農業
“今がまさに分岐点”と言える、一方、この機会
を失えば 農村漁村はさらに衰退、国土経営コスト
が増加“
平成25年5月31日(金)
(社)全国肥料商連合会
(社)
国肥料商連合会
会長 上杉 登
1
アジェンダ
(1) TPPとその本質
(2) アベノミクスと『攻めの農業』
2
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)その本質は(1)
・ TPP=Trans‐Pacific Strategic Economic
Partnership Agreement
Partnership Agreement
・ アジア太平洋地域における貿易・投資の自由化を
実現しようとする複数国間の取り決め
・ FTA(Free Trade Agreement)の一種であり、完成
度の高い自由貿易を目指す
・ APEC加盟国・地域(21)に潜在的に開かれたメン
APEC加盟国 地域(21)に潜在的に開かれたメン
バーシップ(=広域・地域間FTA)
・ 非拘束的APECに法的拘束力をもたらす枠組み
出展:慶応大学 渡邊頼純
3
今年は貿易交渉イヤー
主要なアジア圏の自由貿易協定の枠組み
EU
APEC(21ヵ国・地域)=FTAAP
ロシア
香港
台湾
パプアニューギニア
RCEP(16ヵ国)
日中韓FTA
インド
韓国
ASEAN(10ヵ国)
ラオス
インドネシア
フィリッピン
中国
日本
タイ
TPP(11ヵ国)
カンボジア
シンガポール ブルネイ
米国
カナダ
ミヤンマー
ベトナム
出展:ジェトロ
マレーシア
オーストラリア ニュージーランド
ペルー
メキシコ
チリ
4
マレーシア
4672億㌦
億㌦
37.3
38.1
61.9
%
タイ
4552億㌦
43.7
62.7
%
56.3
%
40.0%
ASEAN
2兆4925億ドル
33.2
23 9%
23.9%
51.8
インドネシア
3809億㌦
66.8
66
8
%
日本
貿易総額
1兆6796億㌦
(2011年)
交渉中
41.0
55 4
44.6 55.4
%
28.6
%
EU
4兆4824億㌦
(域内貿易除く)
フィリッピン
1433億㌦
ベトナム
2137億㌦
52.1
中国
3兆6407億㌦
発効・署
名済み, 18.6%
その他
40.3
60.0%
40.0 60.0
%
51.3
シンガポール
7779億㌦
億㌦
24.4
拡がる
自由貿易
日経H25.3.5
米国
3兆6875億㌦
20.1
39.0
%
18.9
33.9
%
韓国
1兆809億㌦
47.2
8.9
5
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)その本質は
・ FTA乱立による「ブロック化」を回避し、「スパゲッ
ティ・ボール現象」を解消する ⇒ 貿易自由化を超
えて、制度の統一化、競争条件の共通化まで含め
た国際化
① 20世紀型FTA(2国間、地域内FTA)から21世紀型
FTAへ(地域間FTA、広域FTA)
② 関税撤廃志向型FTAから規制緩和志向型FTAへ
関税撤廃志向型
から規制緩和志向型
(日本経済の70%はサービス産業)
③ アジア太平洋地域における平和の礎にも
「平和に交易する二ヵ国は決して戦争はしない」
(コーデル・ハル 日米開戦時の米国務長官)
スパゲッティ・ボール現象:EPAやFTAなどの貿易協定において、各国の二
国間協定が増えていくと、様々な内容の貿易ルール(例外規定など)が
乱立して、自由貿易政策が停滞してしまう現象。
出展:慶応大学 渡邊頼純
6
TPPは米国における韓国との競争に不可欠
米国の自動車輸入台数
日本
韓国
ドイツ
1990
2011
米国の電気機器輸入
日本
韓国
1990
2011
7
日本は世界市場で売り負けている
□ 主要国市場では、高関税が残存
□ 主要国市場では、高関税が残存
関税率(最大)
品目例
米国
EU
中国
乗用車(3000 超)
乗用車(3000㏄超)
2 5%
2.5%
10 0%
10.0%
25 0%
25.0%
テレビ受信機
5.0%
14.0%
30.0%
□ TPP不参加、10.5兆円損失 (経産省試算) 日本勢のシェア低下、国内生産減少、雇用の海外流出の可能性
□ 日本の法人税率40%から35%に引下げとなっても依然高い
法人税率
2000年
2009年
OECD
約34%
約26%
アジア
約28%
約25%
日本
シャープ
35.8%
韓国
サムスン
キャノン 表面税率
LG電子 表面税率
電子
38.0%
40.7%
15.7%
19.2%
27.5%
8
日本は世界市場で売り負けている
先端技術商品の世界市場シェア
(2007~2010)
(1987~2007)
120
カーナビ
100
(▲4.5%)
(▲4.2%)
(+10.2%)
80
液晶パネル
60
DRAMメモリー
メ
太陽光
発電パネル
40
20
0
87年
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
0
1
2
3
4
5
200 6
7年
(+5.7%)
世 界 市 場 シ ェ ア (% )
DVDプレイヤー
25
9
急速に具体化する各国の経済連携
TPPを巡る今後の動き
2月23日
2月28日
3月15日
3月下旬
~4月上旬
日本
日米共同声明
施政方針演説
交渉参加を正式表明へ
11ヵ国
米国政府が議会に日本の交渉
米国議会ルールのため 参加を通知
交渉参加に表明から APEC貿易相会合・ TPP閣
4月20日~
4月20日
3 月超必要 僚会合
3ヵ月超必要
5月中
11ヶ国による拡大交渉会合
6月~7月 TPP交渉の参加が決定
日本が参加するTPP拡大交渉会合
9月中
APEC首脳会議・TPP首脳会合(大筋合意の予定)
TPP首脳会合(大筋合意の予定)
10月7日~ APEC首脳会議
10月7日
TPP交渉妥結?
年内
温暖で緩斜面
の南ル ト
の南ルート
厳しい急登攀
の北ル ト
の北ルート
FTTAP
日経H25.3.26
10
TPPの経済効果
(※1)内閣官房の試算
日本のTPP交渉参加の経済効果
政府試算
(※1)
投資・サービス
の自由化を織り
込んだ試算
(※2)
対象国
経済効果
GDP押し上げ
効果
日本
3.2兆円
0.66%
日本
1046億㌦
(10兆円)
2 00%
2.00%
米国
766億㌦
(7.4兆円)
0.40%
中国
▲348億㌦
(▲3.3兆円)
▲0.20%
世界
2234億㌦
(21兆円)
0.20%
①
②
A)
B)
C)
③
④
人口1人当り2万5000円の効果
人
人当り
円 効果
関税撤廃
乗用車 米国 2.5%
液晶テレビ 豪州・カナタ
豪州 カナダ 5%
日本の輸入 小麦252%,牛肉38.5%
経済効果3.2兆円(GDP効果0.66%)
農産品の生産額 3兆円減少
(※2)ペトリ教授(米ブランダイス大学)
① 投資
投資・サービスの自由化を加味
ビ
自由 を加味
② 対内外投資増、輸出市場に
参加する中堅企業の収益増
③ 経済効果10兆円、GDP効果2.0%
経済効果 0兆円 G 効果2 0%
④ 世界経済への効果 21兆円
輸出0.55%(2.6兆円)増、輸入0.60%(2.9兆円)減
輸出
( 兆円)増 輸入
( 兆円)減
消費0.61%(3.0兆円)増、投資0.09%(0.5兆円)増 ⇒ GDP0.66%(3.2兆円)増
11
TPPはFTAAPの一里塚
広域FTA構想の世界における位置付け(2011年)
80.0 出展:JETRO
世界の人口に占める構成比
(%)
世界貿易マトリクス・輸出額(2011年) 単位:100万ドル
世界貿易に占める構成比
70.0 日本の輸出はAPEC向けが全体の75%
70.3 世界65.7 NAFTA
61.0 60.0 日本
50.0
50.0 40.0 東アジア ASEAN+6
64.8 ASEAN+3
世界貿易 占める域内貿易比率
世界貿易に占める域内貿易比率
中国
EU27
56.0 824,525
100%
40.3 米国
日本
APEC
ASEAN
日本との貿易額(往復)に占める構成比
146,923 127,778 95,836
─
440,812 381,758 350,873 161,845 123,028 622,173
49.1 47.5
47.5 日本の対外直接投資残高に占める構成比
44.2 18% 15% 12%41.7 ─ 53% 46% 41.0 43% 20% 15% 75%
40.3 39.0 38.7 出展:ジェトロ
31.1
31.1 29 8
29.8 ①30.0 東 ジ
東アジアは、中国、韓国、台湾、及びASEAN
中 韓 28.4 台湾 29.0 び
26.9 26.4 22.2 25.2 23.6 ② ASEAN+6は、ASEAN,日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、及びニュージーランド
21.3 22.0 20.5 30 0
30.0 25.8 22.3 ③ ASEAN+3は、ASEAN,日本、中国、及び韓国
注 20.0 14 3
14.3 APECは、日本、オーストラリヤ、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、メキシコ、
10.5 9.6 10.5 ④10.0 ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリッピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、及びベトナム
7.3 6.7 <計21ヵ国・地域>
00
0.0 APEC
ASEAN+6
(FTAAP)
(CEPEA)
ASEAN+3
日中韓
TPP
(EAFTA)
EU
NAFTA
12
出遅れている日本
拡大するFTA
貿易額に占めるFTAのカバー率
0.0 リ
チリ
メキシコ
ペルー
カナダ
シンガポール
ASEAN
ニュージーランド
米国
韓国
EU
オーストラリア
日本
インド
中国
20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 91.2 81.4 75.6 67.1 62.7 60 0
60.0 47.0 38.8 34.0 26.4
26.4 26.0 18.6 17.9 出展:ジェトロ
2012年7月現在
率は2011年貿易統計
16.2 13
TPPはFTAAPの一里塚
TPP交渉参加11ヵ国と日本のGDP
メキシコ
1.15兆㌦
(2011年名目)
4%
豪州
1.49兆㌦
5%
6%
カナダ
1.74兆㌦
6%
その他交渉参
加国
1.27兆㌦
米国
15.08兆㌦
日本
5.87兆㌦
57%
22%
■ 日本のGDPはAPEC加盟国・地域の15%シェアを占める
■ 現在のTPP協定交渉参加国の名目GDPがAPEC加盟国・地域に占めるシェアは46%
だが、うち米国が39%と殆どをしめる
だが、うち米国が
と殆どをしめる
■ ここに日本とカナダとメキシコが加わると、TPPのAPECに占めるシェアは68%となる
14
米国にとってTPPは?
■ 米国は「日本が最終的にTPP締結国の一員となることを望んでいる」
■ 中国包囲網をつくり、米国主導の経済自由主義の秩序を広める為には、
同盟国で世界3位の経済大国である日本の加入は、米国にとり望ましい
ASEAN
3.1兆ドル
Mercosur
2.9兆ドル
ASEAN+中国
13兆ドル
ASEAN+日本
7.4兆ドル
TPP+日本
21.6兆ドル
TPP
17.3兆ドル
兆ドル
欧州連合
14.9兆ドル
NAFTA
17.6兆ドル
出展:日本貿易会
■ 米国における対日交渉の関心事は、「牛肉、保険、自動車」
・・・・関税問題でない
関税問題でない
( 外務省 片山 慶一 経済外交担当大使)
15
TPP成立の障害となりうる日本の農産品自由化
米国政府の基本姿勢
日本政府の基本姿勢
貿易自由化が齎す利益と
需要な(センシティブな)産業
保護の必要性との均衡が
維持されるべき、即ち
FTA適用の例外を認めるべき
FTAには、
FTAには
関税撤廃の例外を認めず、
可能な限り非関税障壁の除去
を適用する
包括的な内容とすべし
図1. 近年の米国の日本を含むTPP交渉参加国への農産物輸出の増加(単位:10億ドル)
出典 米農務省
出典:米農務省
FTA 締結国
日本
他の非FTA締結国
16
米国にとってTPPは?
米国の思惑
1) TPPへの加入によって、
米国がアジアにおける
中国に対する安全保障
を強化すること
2) TPPで主導権を握れば
TPPの拡張が米国の経
済自由主義の拡大に繋
がる構図が出来上がる
3) TPPの加入によって、
米国内の雇用増大に繋
がる米国の2014年迄の
輸出倍増計画の実現
可能性が高まる
出展:日本貿易会
米国の拡大交渉上の課題
1) オーストラリア、チリー、ペルー、
シンガポールとは二国間の自由
協定を締結済み マレ シア
協定を締結済み。マレーシア、
ベトナム、ニュージーランドと
二国間交渉中
2) 対マレーシア
対マレ シア
農産物関税撤廃、コメ輸入自由化、
自動車市場の開放等
(マレーシアは米国入国査証の緩和)
(マレ
シアは米国入国査証の緩和)
3) 対ニュージーランド
乳製品市場の参入が課題
(米国は自国の乳製品産業を保護
する動きもある)
4) 対ベトナム
農産物・産業製品の関税撤廃、投資
農産物
産業製品 関税撤廃、投資
協定、知的財産保護等
(ベトナムは米国入国査証の緩和) 17
困難な本年10月APEC首脳会談までのTPP合意
交渉参加国
米国内事情
本年10月に開催されるAPEC首脳会合
と同時期に
期
TPP交渉参加国の首脳会議を開催し、
TPPの大筋合意を発表することを目指す
18
5分野の関税分類上
の品目数は487
自由化率94.6%
例外品目を
巡る戦い
98%?
日本のおもな農畜産物の関税率
出展:
World tariff profiles2010
2010就農LOG
農畜産物
関税率
コ ンニ ャクイモ
1706%
えんどう豆
1085%
コメ
778%
落花生
593%
タピオカでんぷん
583%
小豆
403%
バター
360%
粗糖
328%
大麦
256%
小麦
252%
生糸
245%
いもでんぷん
234%
脱脂粉乳
218%
19
TPP成立の障害となりうる米国関連業界
日本政府の要求・合意
米国関連業界の反応
例外措置適用品目
USAライス連合
①
②
③
④
⑤
全米農業連盟
コメ
大麦 小麦
大麦・小麦
乳製品
牛肉・豚肉
砂糖・澱粉類
砂糖
澱粉類
日米自動車交渉の合意
■ 輸入関税:米国 乗用車 2.5%
軽トラック 25%
日本
ゼロ
■ 米国の関税撤廃を長期間猶予し、
後期に引下げ幅を拡大する段階
的措置の適用
■ 輸入自動車特別枠制度(認証制度緩和)
の適用を、現行の2倍以上5千台に拡大
「例外措置」か「完全自由化」の二者択一
でなく、部分自由化の方法を示唆
「例外なき関税撤廃」を原則とするが、
日本市場へのアクセスと、米農産品の輸出
機会が与えられるのであれば「TPPを支持」
全国豚肉生産者協議会
「例外なき関税撤廃」を原則とするが、
15年間に及ぶ段階的な引下げを認めるなら
「TPPを支持」
農業関係ロビー団体
コメ等重要品目1~2項に例外措置を認め、
段階的撤廃や関税凍結、輸入急増による
セーフガード措置の構築のほうが現実的
米国自動車業界
日本のTPP交渉参加に強く反対。日米間の
日本のTPP交渉参加に強く反対
日米間の
「事前合意」は無意味なゼシュチャー
20
TPPの農林水産業への影響
食料自給率(カロリー)= 40%⇒27%
食料自給率(生産額) = 70%
70%⇒55%
55%
多面的機能の喪失額
= 1.6兆円
兆
試算方式
(農水省)
個別品目毎
の生産流通
実態を精査し
積上げた生産
減少額を
(内閣官房)
GATPモデルに
組み入れた
試算対象:関税率10%以上で国内生産額10億円以上の農産物19品目、林水産物14品目
21
TPP影響試算
前提
■
■
■
■
■
米生産額減少額101百億円
関税率341円/kg ⇒ ゼロ
主産地:新潟 北海道 秋田 福島 茨城(上位5位)
主産地:新潟、北海道、秋田、福島、茨城(上位5位)
輸出国が短粒種・中粒種の生産を拡大
国内生産量の3割が米国・豪州品に置き換わる(2,700千㌧)
競合可能な国産米価格は、輸入米に置き換わる部分の
価格低下率の半分の低下率で下落
【米国・豪州品に置き換わる】 ⇒ (1) 65百億円
=一般米241円/kgX2,700千㌧
般米241円/k X2 700千㌧
【競合しないが価格低下】
良食味米 ⇒ (2) 4百億円
=(良食味米288円/KGX26%)
X515千㌧
生産減少額
一般米
⇒ (3) 33百億円
101百億円
=(一般米242円/KGX26%)
=(
般米242円/KGX26%)
X5,251千㌧
=(1)+(2)
(注) ※26%=(一般米241円/KG―輸入米117円/KG)÷
+(3)
一般米241円/KGX50%
般米241円/KGX50%
※5,251千㌧=H21国内生産量846.6万㌧―輸入米2,700千㌧
―良食味米515千㌧
22
試算
コメの種類と主な産地
短粒種:粒が短く粘りがある
中粒種:あっさりとした味覚や
べとつかない適度な
粘り 軽い食感
粘り、軽い食感
長粒種:粒が細長く水分が少なめ
粘りがなく 調理すると
粘りがなく、調理すると
バラバラになる。
加州米(2011、精米)
生産量: 155万㌧
国内消費: 85万㌧
輸出量:
70万㌧
‐日本
36万㌧
‐韓国
8万㌧
‐台湾
5万㌧
‐その他
他
21万㌧
㌧
短粒種(日本、韓国、台湾、中国東北部)
長粒種(中国南部、インド、タイ、ベトナム、フィリッピン)
中粒種(米国カルフォニア州)
23
主食用米 消費量 推移 業務用用用途
主食用米の消費量の推移と業務用用用途
平成24年度
(万玄米㌧)
米国
タイ
中国
豪州
その他
そ
他
合計
(うち一般輸入)
(うちSBS輸入)
36
28
5
6
1
77
66
10
24
カルフォルニア米とのコスト比較試算
米国 カルフォルニア産米との価格比較(精米10㎏)
2012年12月
コメ完全自由化
$10.38
$9.33
②海上運賃
$0.50
$0.50
③海上保険料(【①+②】X]0 006)
③海上保険料(【①+②】X]0.006)
$0 03
$0.03
$0 03
$0.03
④金利(【①+②+③】x0.012)
$0.06
$0.06
⑤輸入業者手数料(【①+②+③】x0.03)
$0.14
$0.14
$11.11
$10.06
⑥CIF価格(①+②+③+④+⑤)
⑦円建てCIF価格(100円/$)
¥1,111
¥1,006
⑨国内通関料(7千円/t)
¥70
¥70
⑩倉庫保管料(6百円/t10日x45日)
¥27
¥27
¥1 208
¥1,208
¥1 103
¥1,103
¥600
¥600
⑬小売価格(⑪+⑫)
¥1,808
¥1,703
⑭評価価格
¥2 430
¥2,430
¥2 430
¥2,430
¥622
¥727
52%
66%
⑧関税(ゼロ)
⑪倉庫渡し価格(⑦+⑧+⑨)
⑫国内販売手数料(6百円/10㎏)
⑮消費者メリット(⑭-⑬)
⑯消費者のメリットを0とする関税率
出展:九州大学大学院 伊藤正一教
授
①FOB価格
25
2025年における
食料支出額の推計
少子高齢化進行
2025年には、65歳以上が30.5%
を占める(2005年20.2%)
(原典)人口問題研究所2006年12月
世帯構成も、2025年
には単独世帯が2005年
比べて24.0%増加し、
増
、
36.0%を占めるように
なる。(2005年29.5%)
(原典)人口問題研究所
2008年3月
26
主食用米の消費量の推移と業務用用用途
主食用米
消費量 推移 業務用用用途
主食用米の消費量の推移
○米の消費量の推移
118.3Kg
(精米)
○主食用米消費量
の推移の試算
800
万㌧
61.4Kg
昭40
670
平19
○人口予測
2007
出展:農水省
2025
27
TPP論議を見て
論議 見
(筆者の私見)
1
TPP交渉参加は平成25年7月のペルー会議後半
からとなるが、「例外品目」全てが認められる
可能性は薄い?
砂糖>コメ>小麦>乳製品>牛肉の優勢順位となる?
沖縄>北海道>本土の優先順位となる?
TPP交渉は「外部厳秘」が原則
2
3
TPP交渉が年内合意なる可能性は、米国次第。
米国内事情もあり
批准には数年掛かる可能性もある。
「米の聖域化」に関する交渉が最大のポイント
28
アジェンダ
(1) TPPとその本質
(2) アベノミクスと『攻めの農業』
29
アベノミクス戦略とは
30
アベノミクス戦略とは
成長戦略の数値目標
成長市場の主な数値目標
上段は国内市場規模
カッコ内は海外
下段は雇用数
健康・医療
次世代インフラ
観光
農業
現在
12兆円
(109兆円)
50万人
1兆円
(50兆円)
5万人
1 3兆円
1.3兆円
25万人
2020年
21兆円
(333兆円)
143万人
13兆円
(140兆円)
65万人
━
━
2030年
30兆円
(714兆円)
201万人
25兆円
(300兆円)
170万人
4 7兆円
4.7兆円
83万人
100兆円
120兆円
━
(340兆円)
(680兆円)
10年後に40歳代以下の従事者を現在より
年後
歳代
従事者を現在より
倍増して40万人に
(注)観光は訪日外国人の国内旅行消費額。農業は産出額、カッコ内は海外の
食市場
食
場
31
アベノミクス戦略とは
為替 円安に・・H24,11 82円⇒H25,5 102円
株価・・H24,11 /8,000円⇒H25,5/15,000円
2013年1~3月は前期比0.9%増、
年
月 前期比
増、
年率で3.5%増となった。
海外需要
民間需要
公的需要
寄与度計
0.4%増
0.3%増
0.2%増
0.9%増
32
安倍首相 『成長戦略第2弾』を発表
インフラ輸出 農業を強化
インフラ輸出、農業を強化
H25 5 17
H25.5.17
成長戦略 第2弾
項目
現状
目標
期限なし
設備投資
約63兆円
70兆円規模
3年以内に達成
文化輸出
63億円
163億円以上
5年以内に達成
イ
インフラ輸出
ラ輸出
10兆円
兆円
30兆円
兆円
7年以内に達成
年以内に達成
4500億円
1兆円規模
7年以内に達成
1兆円
兆
10兆円
兆
10年以内に達成
年 内 達成
2校
10校
10年以内に達成
800万人
2千万人
期限な
期限なし
食料輸出
6次産業化市場
次産業化市場
世界大学トップ100
訪 外
訪日外国人
(朝日 H25.5.18)
33
『攻めの農林水産業』の展開
農林水産省 皆川事務次官 講演
平成25年4月22日 12:00~13:00 憲政記念館
“配布資料を参照ください”
『 少子高齢化にも起因する農業現場の将来予測を前提に、日本農業の
潜在力を海外市場をも視野に入れた新たな展開に生かそうとすると、
“今がまさに分岐点”と言える、一方、“この機会を失えば農村漁村は
言
、
、
機
失
農 漁
さらに衰退、国土経営コストが増加“するとし、生産現場の強化の必要性を
強調し、具体的には国費を使った農地改革に取り組みたい。』
34
『攻めの農林水産業』の展開
農林水産業・
農山漁村の潜在力
(1) 丹精込めた食物
づくりの技術と装置
(水田)
(2) 世界に評価される
日本食とおもてなしの心、
のどかな農村風景
農山漁村に
フォローの風
攻めの農林水産業
推進本部
(1) 世界の食市場規模が大幅に拡大
21年
340兆円
2倍
32年
680兆円
(2) 世界の食料・エネルギー価格高騰
(トウモロコシ、大豆:24年に過去最高値)
(3) 世界有数の森林・海洋
資源
森林率:世界3位
EEZ面積:世界6位
(4) 農山漁村にある再生
可能エネルギーのポテ
ンシャル
エネルギー総供給量の
43%に相当
(3) 平成の農地改革により、関連産業
を始め多様な主体が農業に参入
農地法改正前の約5倍のペースで一般
法人が参入(1,071社)
NPO、建設業、医療・福祉等の異業種、
多様な主体が参入
(4) 新たなライフスタイル(いやし、
健康等)を求める人々が増加
出展:農水省皆川次官講演(平成25年4月22日)
3つの戦略の方向
今
が
ま
さ
に
分
岐
点
①需要のフロンティアの拡大
②生産から消費までのバリュー
チェーンの構築
③生産現場(担い手、農地等)の
強化
農産漁村に受け継がれた
豊な資源を活用した経済成長と
多面的機能の発揮
この機会を失えば
ば
農山漁村は更に衰退
国土経営コストが増加
35
農業生産の停滞
36
2040年の人口推計
(千人)
2010年
2015
2020
2025
2030
2035
2040
0~14歳
16,839
15,827
14,568
13,240
12,039
11,287
10,732
15~64歳
81,735
76,818
73,408
70,845
67,730
63,430
57,866
65 74歳
65~74歳
15 289
15,289
17 494
17,494
17 334
17,334
14 788
14,788
14 065
14,065
14 953
14,953
16 448
16,448
75歳以上
14,194
16,458
18,790
21,786
22,784
22,454
22,230
128,057
126,597
124,100
120,659
116,618
112,124
107,276
総人口
37
2040年の人口推計
日経H25 3 28
日経H25.3.28
38
2030年販売農家予測
年販売農家予測
農水省
農業後継者の有無別離農世帯数割合
同居農業
経営者がい
る
39.3%
居、他出とも農
業後継者がい
ない
50.3%
他出農業経
営者はいる, 営者はいる
10.4%
販売農家数・平均年齢
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
163万戸
132万戸
104万戸
79万戸
58万戸
64.5歳
67.0歳
68.8歳
70.4歳
71.7歳
基幹的農業者・平均年齢
205万人
66.1歳
99万人
71.6歳
39
40
農地の利用状況
農地流動化の結果、平成22年には20ha
以上を持つ経営体が全体の32%になった
担い手の利用面積は平成22年には、
農地全体の49 1%になった
農地全体の49.1%になった
(万ha)
農地面積とその内担い手が利用する面積
600
500
農水省
(%)
60
49.1
504
504
504
504 50
400
40
38.5
300
30
27.8
200
20
17.1
100
86
134
181
226
0
10
0
H2
H12
H17
H22
農地面積に占める担い手の利用面積の割合
41
石破幹事長 「専業農家重視を示唆」
日本農業新聞
農 新
H25.3.26
平成24年度販売農家 (単位:千戸)
販売農家
主業
農家
準主業
農家
副業的
農家
1503.9
343.7
343.7
818.5
100%
23%
23%
54%
販売農家
専業
農家
第一種兼業
農家
第二種兼業
農家
1503.9
423.1
221.7
859.1
100%
28%
15%
57%
主業農家:農業所得の50%以上が農業所得
65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家
準主業農家:農業外所得が主で65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家
副業的農家:主業、準主業以外の農家
専業農家:自家の農業収入以外に収入をもたない農家
第一種兼業農家:農業所得を主とする兼業農家
第二種兼業農家:農外所得を主とする兼業農家
42
規模拡大のチャンス
規模拡大
チャン
生産費削減で競争力向上
産費削減 競争力向
米の規模別の生産費と所得
(円/60kg)
18,000
16,000
11,019
15,468
10,000 13,420
14,000
(千円)
12,000 7,309
5,309
,
12 000
12,000
8,000 6 000
6,000 9,870
10,000
8,609
8,000
36
453
1,919
4,000
4,000 7,538
1,371
7,765
6,000
2,999
7,320
6,479
‐105
■ 左図は
キャノン戦略
研究所山下一仁
研究員の講演
資料
2,000 0 (2,000)
■ 分散錯圃の
下では、15haを
超えると費用増、
分散錯圃解消で
50ha規模なら
5,000円/kg
(東大 本間正義
教授)
出所:農林水産省「農業経営統計調査平成19年」
及び「農業経営統計調査平成 年産米生産費
及び「農業経営統計調査平成21年産米生産費」
43
規模拡大のチャンス 生産費削減で競争力向上
30,000 (円) 26,921
,
25,000 20,000 15,000 10,000 米の作付規模別生産費(全国、H22)
22,057
(60㎏当りの生産費)
17,580
14,579
,
13,443
12,680
資本利子・地代等
12,496
11,531
労働費
物財費その他
農機具費
農薬費
5,000 肥料費
種苗費
0 ■ 農機具代、労働費、その他
物財費の総生産コストに占める
割合は0 5ha未満で77%
割合は0.5ha未満で77%,
15ha以上でも63%と大きい
■ 規模拡大に伴い、農機具代
(減価償却が進む) 労働費
(減価償却が進む)、労働費
(労働時間が長くなる)、
その他物財費(自動車費、
建物費の原価償却が進む)
の負担が減少する
■ しかし、3haを超えると減少率
は低くなる。
低
。
■ 20haを超えると、新規購入した
農機具代の減価償却と新たな
労働雇用が生じ、農業所得は
増えるが所得率は低下する
出所:農林水産省「農業経営統計調査平成22年産米生産費」
44
産業競争力会議
『農業改革』
民間議員
企業の農業参入完全自由化
合意事項
1.都道府県が主導して、農地の賃貸
また 完売
または完売
⇒(仮)県農地中間管理機構
2.* 6月の総まとめ
* 平成26年度予算
* 平成27年度
『農業・食料・農村基本計画』
3 その他民間議員の要望事項
3.その他民間議員の要望事項
* 農業生産法人の要件撤廃
* 直接所得補償の段階的撤廃
* 輸出特区の創設
* 施設園芸の工業化
* 信託手法による農地集積 45
農地集積、耕作放棄地解消の抜本的な強化
農地集積
耕作放棄地解消の抜本的な強化
【県農地中間管理機構(仮称)】
① 地域内の分散し錯綜した農地を整理し、担い手ごとに集約化する
地域内の分散し錯綜した農地を整理し、担 手 とに集約化する
必要がある場合や受け手が見つからない場合(耕作放棄地含む)に
中間的な受け皿(【県農地中間管理機構(仮称)】)が借り受け
② 中間的な受け皿は、必要な場合には、その負担で基盤整備等の
中間的な受け皿は 必要な場合には その負担で基盤整備等の
条件整備を行い、担い手(法人経営・大規模家族経営・集落営農
・企業)がまとまりのある形で、農地を利用するよう配慮して、貸付け
③ 中間的受け皿は、受け手が見つかるまでの間、当該農地について
中間的受け皿は 受け手が見つかるまでの間 当該農地について
農地として管理
④ 中間的な受け皿は、その業務の一部を市町村・農協・民間企業等に
委託し 中間的受け皿を中心とする関係者の総力で農地集積 耕作
委託し、中間的受け皿を中心とする関係者の総力で農地集積・耕作
放棄地解消を推進
⑤ 中間的受け皿が積極的に活動できるよう、国費を投入
46
農地集のイメージ
これからの取組み
10年後
各地の農地
集積バンク
各地の農地
集積バンク
集積
ンク
(
上 農
げ家
準 か
固 ら
有 の
化 借
り
)
農
家
な
ど
に
貸
す
農家
ある県の農地
農
業
法
人
や
大
規
模
政
府
基
金
構
想
3
千
億
円
投
入
賃
料
よ
う
に
整
備
・
使
い
や
す
い
・
貸
し
出
し
大きな農地ばかり
になる(全体の8割)
県
農
地
中
間
管
理
機
構
ある県の農地
農地集積バンクが借り上げた農地(全体の8割目途)
朝日平成25年5月25日
47
TPP対策
今
政府
日本型
直接支払制度
経営所得
安定対策
(旧戸別所得補償)
2014年度から
TPP交渉の結
果でさらに政府
が資金を投入
政府
コメ収入補填
農業共済
(保険)
統
合
3
新しい
保険制度
拡
充
(収入を補填)
2016~17年度
ごろ導入
日(
土)
コメ・麦・大豆
など補填
25
月
政府など
年
農
家
へ
の
変
動
額
の
支
払
い
平成
農
家
へ
の
固
定
額
の
支
払
い
朝日新聞
TPPに入った場合の農業対策の仕組み
入 た場合 農業対策 仕組み
23
48
最近の輸出は、景気の影響を受けつつも増加傾向を
示してきたが 円高や原発事故の影響等により大きな落ち込み
示してきたが、円高や原発事故の影響等により大きな落ち込み
49
「食」の人気が1番高いのは日本食だが、輸出に結びついていない
2011年 JETRO
50
「FBI」で国産農産物の輸出拡大を
現在の日本の農林水産物・食品輸出額は4500億円、
2020年までに1兆円水準に拡大する。
年
兆
準 拡 す 。
Made
① From
林農水省大臣 H25.5.16
今まで主に日本でしか使われていなかった農産物を、
外国料理の食材として位置付けて貰うこと。
例:フランスでは日本のユズを食材として使うレストランが
増えている。
② Byy
日本の食文化や食産業を海外展開すること。日本食そのものを
日本の食文化や食産業を海外展開すること
日本食そのものを
分化として世界に発信し、海外での人気をさらに高めることで国産
農産物の輸出に結び付けること。
③ In
日本で生産された農林水産物や食品を輸出すること。
51
「FBI」におけるコンビニの役割
52
日本のコンビニ 東南アジアで進化
タイ
約6800店舗を展開。13年度にも
日本のノウハウ供与
日経平成25年5月20日
ベトナム
比国
3月進出。13年度で約200店計画
14年2月末に
約90店目指す
4月進出、5年
4月進出
5年
で300店目指す
インドネシア
米セブンイレブンが
09年進出。約120店
年進出 約
店
年半ばにも1号店、5年で
約300店を計画
マレーシア
年内にも進出
3年で300店
計画
53
「FBI」で国産農産物の輸出拡大を
54
ミラノ国際博覧会
■ テーマ
「Feeding the Planet, Energy for Life (地球に食料を、生命にエネルギーを)」
■ 時期
2015年5月1日から10月31日までの184日間、
想定入場者数を2,000万人、想定参加国等は140カ国とされている。
■ サブテ
サブテーマ
マ
① Science and technology for food safety, security and quality (食料の安全、保全、品質のための科学技術)
② Science and technology for agriculture and biodiversity S i
dt h l
f
i lt
d bi di
it
(農業と生物多様性のための科学技術)
③ Innovation in the agro‐food supply chain (農業食物サプ イ
(農業食物サプライチェーンの革新)
革新)
④ Dietary education (食育)
⑤ Food for better lifestyles (より良い生活様式のための食)
⑥ Food and culture (食と文化)
⑦ Cooperation and development on food (食の協力と開発)
55
日本食文化・・・世界無形文化遺産に登録へ
■ 平成24年3月にユネスコへ登録の提案
・・・平成25年12月に可否の予定
平成 年 月に可否 予定
■ 日本食文化無形文化遺産化シンポジウム~伝えよう!地域の食文化
日本食文化無形文化遺産化シンポジウム 伝えよう 地域の食文化
・・・ 平成24年5月~
■ 登録済み・・・「フランスの美食術(H22)、「地中海料理(H22)
「メキシコの伝統料理(H22)、「トルコのケシケキの伝統(H23)
■ 環境整備 (例:フランスの美食術)
【登録内容】
・出産、結婚、誕生日等の生活における最も重要な時を祝う為
出産、結婚、誕生日等の生活における最も重要な時を祝う為
の社会習慣
・特定の料理ではなく、より美しく食事をするという美食の習慣
【保護措置】
・小学校における「味覚教室」の実施
【社会の賛同】 ・89.2%の国民が無形文化遺産への登録を支持
56
○ 6次産業の市場規模は平成22年で約1兆円
○ 農産物の加工に取り組む農業経営体は、平成22年2月1日現在で、
34,172経営遺体(平成17年 23,913経営体から42.9%増加)
6次産業の市場規模
分野
市場規模
直接販売
0.6兆円
加工
0 3兆円
0.3兆円
観光・レストラン
0.04兆円
合計
約
約1兆円
資料:農林水産省
「2010年世界農林業センサス」
57
58
需要フロンティア:内外に日本の強みを生かせる市場を創造し、需要を拡大
新たなニーズの開拓
〇 新たなニーズに応える
新たな
ズに応える
農林水産物 ・食品等の
技術・商品開発
(例:「ファーストフィッシュ」)
(例:「ファ
ストフィッシュ」)
グローバルな食市場の拡大を経済成長のエンジンに
農林漁業
成長産業化
ファンド
[A‐FIVE]
出資
国内6次産業
化企業体
Made in Japan
輸出
日本産の農林水産物・
食品を6次化企業体が
世界へ輸出・海外展開
Made by Japan
海外展開
支援 為
支援の為の
ファンド
出資
国内
食品産業
世界の中での我が国食品
企業の積極的な展開
出資
海外
食品企業
M&A,
工場立地等
日本の「食文化」の力によるグローバルな「食市場」の獲得
(1) 食関連産業のグローバル展開と併せた日本産農林水産物・食品の輸出戦略の実行
・ 和食の専門店やコンビニが進出し、「定食」や「おでん」が広まると、関連日本産食品の輸出が増大
和食の専門店やコンビニが進出し 「定食」や「おでん」が広まると 関連日本産食品の輸出が増大
(2) 日本の食文化の浸透を通じた海外展開
① 日本食文化のユネスコ無形文化遺産への登録(25年12月登録可否決定)
② 27年ミラノ国際博覧会(「食」をテーマとする万博)への公式参加
年ミラノ国際博覧会(「食 をテ
とする万博) の公式参加
59
日経 H25.3.17
「猫の目農政」の過ちを繰り返すな
猫の目農政」の過ちを繰り返すな
これまでの農業政策の問題点は、競争力を高める基本戦略を打ち出
してもそれを実現するための政策がちぐはぐだったり すぐに変更して
してもそれを実現するための政策がちぐはぐだったり、すぐに変更して
しまったりすることだ。
⇒ 「猫の目農政」
政策運営がふらつくのは、政府の意志が弱く、農村票を意識した政党の圧
政策運営がふら
くのは 政府の意志が弱く 農村票を意識した政党の圧
力に揺さぶられるからだ。これでは農家はどちらを向いて進んでいいのか分
からず、将来への不安が増す。
からず、将来
の不安が増す。
⇒戸別所得補償制度は?
戸別所得補償制度は?
1993年にコメ市場の部分開放が決まった際、政府は6兆円規模の農業対策
に踏み切ったが肝心の農業の強化に結びつかなかった この過ちも繰り返
に踏み切ったが肝心の農業の強化に結びつかなかった。この過ちも繰り返
してはならない。
⇒ 予想される大型補助金はどこに?
政府は関税が撤廃されたら国内農業がこれだけ被害を受けるという試算
を示した。コメ、小麦などの高関税を維持し、国内価格が高止まりする場合
に、消費者や企業にどれだけ負担がかかるかについても丁寧に説明すべ
に、消費者や企業にどれだけ負担がかかるかに
ても丁寧に説明す
きではないか
⇒ 消費者利益忘れずに!
60
農 改
農業改革のための農政方針
農
針
東京大学大学院 本間正義教授
• これまでの減反、高米価維持、戸別所得補償は
平均値による護送船団農政であった
• 地域の特性に応じた農政の展開のために、平
均値農政をやめて、特区を有効活用する
• TPP対応でも「重要品目」を例外とせず、国内で
重点化して改革を図る
• コメは関税撤廃の方向で構造改革に着手
• コメに国際競争力がつけば、コメ関連予算を、
麦、砂糖等の比較優位のない品目への直接支
払に回すことができる
61
日本農業の再生のために
• 霞が関平均値農政に依存しない農業の確立
☆地域の取組みをプロモ トすべき地域農政
☆地域の取組みをプロモートすべき地域農政
• 大型特区で自由な農業と異業種とのコラボ
☆農地を有効利用するなら規制適用除外
農
規
• 日本農業の3分割:日本型農業の展開
☆食料基地農業、オランダ型農業、サービス農業
• 農業と地域活性化のためのリーダーの育成
農業
性
ダ
育成
☆異業種への派遣、海外で商社活動を学習
• 市場は世界にあり、輸出志向で、海外に躍進
市場は世界にあり 輸出志向で 海外に躍進
☆コメはマーケットを世界に求め輸出産業へ
62
「ポストTPP国内対策」について
」
(筆者の私見)
1
2
3
ポストTPPの国内対策では、米作の構造改革
として打ち出した「農地再整備」
として打ち出した
農地再整備」 の展開に要注目
専業農家、農業生産法人を対象とした政策に
転換する可能性大であり、
平成27年予定の 農業 食料 農村基本計画」の
平成27年予定の「農業・食料・農村基本計画」の
内容を注視することが肝要
青果物に対しては、米同様の岩盤政策が適用
される可能性も?
63