「木のある暮らし」講座 Vol.8 ☆本日のテーマ 「遠くて近い!?顔の見えるフェアトレード」 みなさん、こんにちは!本日は、ご来場くださいましてどうもありがとうございます。 熱帯林の減少が続く中、地域住民による森林経営が注目されています。インドネシアのジャワ島にあるグヌンキドゥルのコミュニティ 林は、森林認証も取得し、持続可能なかたちで村人が使い続けられるようにしています。 そんなコミュニティ林から出てきた木材に付加価値をつけて国際的な市場に出せるように、インドネシア現地の NGO とフェアウッド・パ ートナーズが、木材加工のためのキャパシティビルディングや市場開拓のための支援を行っています。このプロジェクトの第一号とな るプロダクトが、(有)テラスとの協働によって生まれました。その名も Forest Stool。「自然と遊ぶ為の道具は、自然の中から生まれた 素材を使いたい」。キャンプで火を囲みながらくつろぐことをイメージして作られたスツールです。今回の講座は、このスツールを題材 に、インドネシア現地の村の様子や、プロジェクトの紹介をします。 そして、フェアトレードで長年実績を積み重ねてきたナマケモノ倶楽部の藤岡亜美さんが、フェアトレードのカカオからチョコレート作り のデモンストレーション!あわせて、同会がプロデュースした森林農法コーヒー「はちどりのひとしずく」を一緒に味わいながら、フェア トレードのバレンタインを一足先に楽しみましょう。 ☆本日のスケジュール 14:00 開演 14:05 大山 典保さん&三柴 淳一 Forest Stool のお話 ・インドネシアのコミュニティ林での人々の暮らし。 ・コミュニティ・チーク材でのプロダクトづくり 15:00 カフェ&トークセッション ・藤岡 亜美さん フェアトレードのカカオを使ったチョコレート作り実演 ・大山さん&藤岡さんとのトーク(チョコ&コーヒーをいただきながら) 15:55 お知らせ 16:00 閉会 ☆講師プロフィール 大山 典保さん(有限会社テラス代表取締役) 藤岡 亜美さん( 亜美さん(ナマケモノ倶楽部共同代表 1992 年清水建設株式会社入社。本社調 /スローウォーターカフェ有限会社代表) 達部にて主に木材の調達を担当。2000 年 学生時代からナマケモノ倶楽部のボランティア 同社退社後、チーク家具イスタナテラスを立 として南米エクアドルでコーヒーやサイザル麻製 ち上げ、2004 年有限会社テラスを設立、代 品の生産者と出会い共に活動をはじめる。大 表取締役就任。現在イスタナテラスの他、イ 学卒業後、 エクアドルとのフェアトレードを展 ンドネシアチーク家具の企画・卸し販売を行いながら、チークのトレーサ 開するスローウォーターカフェを設立。同国の農村、山村の人びとと、 ビリティーに努める。 食品や雑貨などを 共同企画、輸入、卸売を展開。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【フェアウッド】 森を破壊しない木材のこと。具体的には、[Reduce、Reuse]修理・再生した木製品、 [Recycle]古材や廃材を再使用した 木製品、 [合法材]最低限、違法伐採でない木材、[国産材、顔の見える木材]近くの森林から生産された木材、 [コミュニティ材、フェアト レード]地域住民が自ら適切に森林管理している木材、 [森林認証材]信頼できる第三者機関の森林認証を受けた木材。 ☆本日のキーワード 【コミュニティ林業】 コミュニティ林業】 熱帯林の減少と劣化は続く一方です。熱帯林を抱える途上国で、いかにして持続的な 森林管理を達成するか、模索が続いています。 かつて、南米アマゾン、東南アジアのボルネオ島やスマトラ島など、どこまでも広がっていた 熱帯ジャングルでは、様々な先住民族たちが、狩猟採集や伝統的な焼畑農業を営んで きました。しかし、19 世紀からの植民地時代以降、各地で中央集権的な森林管理がと られるようになりました。木材資源を効率よく海外に輸出するために、企業に伐採権を与 えて森林の伐採が行われるようになります。森林資源は徐々に利権と腐敗の温床とな り、林産企業が海外からの資金(融資)も集めながら、賄賂と引き換えに伐採権や開発 権を得て、大規模な伐採と森林開発が加速していきます。森林開発のために移民の入植も進められました。 森とともに暮らしてきた先住民たちは、どんどん狭くなる森の中に追いやられてきました。木材による利益は企業を通じて海外に流れていく一方、 先住民たちは森や土地を奪われるだけです。森が奪われれば、必然的に現金を得て生活せざるを得ません。あるいは、少なくなった森林で短 いサイクルで焼畑をせざるを得ません。そうして、伐採権を持たない住民が不法に伐採して生活費を稼いだり、同じ土地で焼畑を繰り返したり することによって、住民みずからも森を劣化させていくということになりました。さらに、不法に伐採された木材を集めて国際市場に密輸するブロー カーが暗躍するようになると、違法伐採と違法貿易がますます組織的・犯罪的に行われるようになりました。 このような変遷の過程で、熱帯林の急速な減少が国際的に問題視されるようになると、欧米や日本など海外の融資機関が圧力をかけて、中 央集権的な森林管理を見直す動きが広まります。しかし、森林管理が地方分権されると、さらなる混乱をきたすようになりました。地方の役人 に森林法の理解や森林管理の技術や資金が不足したまま、森林資源開発の利権が生じたため、伐採権や開発権が無秩序に乱発されるよ うになりました。 このような過程を反省し、森林環境を維持・回復しながら、地域住民の生活を守ることを目的として、かつてのように、地域住民による森林の 共同管理をしていこうというのが、コミュニティ林業です。森林から出る副産物の利用についても自分たちで管理・運営します。 ☆本日のメニュー ・フェアトレード!エクアドルのチョコレート 香りの高いボリバル州サリナス産のオーガニック・カカオを使用。チョコレート工場の技術は本場スイスから導 入、「スイスのチョコレートよりもおいしい」とも言われるほど評判です。カカオを焼き、溶かし、混ぜ、袋詰めをす る。原料供給だけでなく、製品化までの全行程がサリナスで行なわれています。 ・無農薬コーヒー「ハチドリのひとしずく」 森を残したまま、その中に様々な果樹や作物を植えていく、アグロフォレストリー(森林農法)で育てられたコー ヒー。メキシコ・トセパンとエクアドル・インタグ地方の豆をブレンドしています。どちらも、先住民の人たちとの産 直協定に基づくフェアトレードです。 ※NPO 法人ナマケモノ倶楽部が企画・販売している商品です。 ☆次回の案内 3 月 5 日(土)木のある暮らし講座 Vol.10 日(土) 2 月 17 日(木 日(木) 木のある暮らし講座 Vol.8 in 熊本 テーマ「山と街、人と人がつながる 「山と街、人と人がつながる 木のある暮らし」 テーマ「 「遠くて近い!?顔の見えるフェアトレード」 場所:京都「夏霞」(地下鉄・東山駅 2 分) 場所:カフェ・バー「ゴルビィ」(東京・目黒不動前) ・フェアウッドアイテ 1「 「地域材のエコ賃貸住宅 エココミューン山ノ神」 ・フェアウッドアイテム「 「日本の森の多様性を生かした木の家作り」 日本の森の多様性を生かした木の家作り」 話し手:木原 巌さん(木童) 話し手:松下 修(松下生活研究所) ・フェアウッドアイテム 2 「諸塚コナラ材のテーブル&チェアとインテリア小物」 「諸塚コナラ材のテーブル&チェアとインテリア小物」 話し手:中澤健一(フェアウッド・パートナーズ) ・フェアウッドメニュー 早春の山菜料理と森のコーヒー 作り手:橋本明朱花さん(マクロビオティック料理研究科) 【協力】 カフェ・バー ゴルビィ ゴルビィ( ビィ フェアウッドカフェ提携店) 【主催】 主催】 フェアウッド・パートナーズ 店舗や住宅の解体の際に出てくる都市木材を積極的に活用する、インテリア・木 工職人集団「ラケルメジェール」が企画・施工したカフェ&バー。木の暖かみを感じ られる都会の中の山小屋をイメージした空間をコンセプトに、様々な都市木材を 生かしたテーブルやチェア、キッチンウェアやテーブルウェアが使われています。 店長の原あいさん手作りの料理やカクテルがいただけます。 TEL:03-3779-1091 URL:www.fairwood.jp E メール:[email protected] TEL:03-6907-7217(FoE Japan 中澤・中畝) 03-3813-9735(地球・人間環境フォーラム 坂本) ※本講座は環境再生保全機構・地球環境基金の助成を受けて実施しています。
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