ウェブ活用の現状と可能性 - イントリックス株式会社

新連載
BtoB メーカーのウェブ活用
〈第1回〉
気賀 崇 イントリックス㈱代表取締役
ウェブ活用の現状と可能性
◎はじめに
リーマンショックに端を発した世界同時不況
それは主に2つの理由に拠る。
①製品が複雑で耐用年数が長いため、
人によるきめ細かな対応が必要となる
下の現在、倒産・失業などの暗いニュースばか
高度な機能を持ち多様なユーザーニーズに
りが続いているが、“巣篭もり消費”という言
応えねばならないB2B製品は、セミ/フル
葉に代表されるように、ネット企業のサービス
オーダーメイドの形で受注生産したりオプ
はこの環境を逆手にとって、浸透のスピードを
ション対応することが多いため、顧客の要
より一層加速している。だが、インターネット
望をきめ細かく把握するには、人が対応す
の事業への活用は、ネット企業の専売特許では
べきとの考えが根強い。また長期間利用さ
ない。むしろ出遅れている分、リアル企業のネッ
れることが多く、そうした過去製品へのア
ト活用の潜在性は巨大なものがあると言って良
フターサービスは、柔軟な対応が求められ
い。
るため、やはり人への依存が高くなる側面
もちろん一部のリアル企業は、ネットの積極
活用を明確に打ち出しており、徐々に成果も上
がある。
②限られた顧客接点を、営業マンで補う
げつつある。自動車メーカーは広告予算を大き
BtoC製品のデジタルカメラならばよほど
くオンラインにシフトしているし、ITバブル
の田舎でない限り、製品を手に取り、質問
の崩壊後に一度は諦めかけたスーパーのネット
もできる量販店やフォトショップが近くに
宅配は再挑戦の結果、大きな伸びを見せている。
あるだろう。しかしBtoBの場合はそれほ
だがその多くはBtoC企業であり、残念ながら
ど密な販売網とはなっていない。この物理
BtoBの姿は少ない。
的なリーチの弱点を補うのが営業マンと考
し か し、BtoB企 業 の 特 徴 は、 実 は 極 め て
ウェブとの親和性が高い。そこで本連載では、
えられている。
このように、BtoB企業が人依存となるには
BtoBメーカーにおけるウェブ活用の可能性を
それなりの理由がある。だが、ウェブ活用の現
考えてみる。
状を評するならば、人依存という考えが強すぎ
◎営業マンがいるからウェブに
頼らなくて良い、は本当か?
る結果、事業への活用はそれほど議論されず、
ウェブが持つ特性を活かしきれていないように
見受けられる。では、ウェブのどんな特性が、
ウェブとは、対外コミュニケーションツール
BtoB事業に適合するのだろうか。注目すべき
である。BtoB企業の対外コミュニケーション
は、制約のない情報発信と、双方向性機能の2
は、BtoCに比べて営業マンへの依存度が高い。
つである。
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産業広告 2009年8月号
BtoBメーカーにとってはありがたい特徴だ。
◎BtoBで活用できるウェブの特性①:
販売網が充実している国内とて、大半のBtoB
制約のない情報発信
メーカーの営業拠点は、全国を隙間なく埋める
制約のない情報発信とは、情報量や場所・時
ものではないはずだ。結果的に営業マンが外回
間の制限を受けないことを指している。例えば
りにかける工数はそれなりのものとなる。当然
電子部品事業であれば、ウェブは、何万、何
のことながら、営業マンは拠点からそう遠くな
十万という部品点数を全て格納することができ
い顧客に注力するため、情報提供の密度は地域
る。さらに、部品それぞれについてのカタログ
に拠って偏りが出てしまう。だがウェブサイト
基本情報、アプリケーション情報、CADデータ、
は、情報のやり取りにおいて物理的な距離の制
技術情報を、情報スペースの確保に頭を悩ます
約を全く受けない。ウェブサイトに情報を置い
ことなく、掲載が可能だ。ちなみに、オンライ
ておきさえすれば、場所に関係なく必要な時に
ン書店のAmazonで芸術書などの非売れ筋商品
お客様から飛び込んでくるため、これまでなら
の売上が高いことを指すロングテールは、情報
ば、ニーズがありながらも物理的接点の不在に
量に制限のないというウェブの特徴に基づく現
阻まれていた顧客との関係を、新たに構築でき
象だが、BtoBメーカーのウェブ閲覧ログやウェ
るようになってきたのである。
ブ経由の問い合わせ内容でも、明らかなロング
また、企業の対外コミュニケーションが時間
テールの傾向が見て取れることが多いので、読
の制約から解放されたということは、対外コ
者諸氏も自社ウェブサイトの傾向をしっかりと
ミュニケーションの稼動率が飛躍的に向上した
分析してみることをお勧めする。
ことを意味する。世界中のユーザーをターゲッ
ウェブを通じた情報発信が場所の制限を受
トにしたグローバルサイトのアクセス状況を見
けないことも、顧客への物理的リーチが弱い
れば、24時間・365日の絶え間ない閲覧が確認
表 1.制約のない情報発信
開放された制約
具体例
メリット
全製品の情報
ニーズの低さから十分なカタログを用意できなかった製品も掲載
が可能
過去製品情報
販売は終了したが使われ続けている製品の情報は、故障などをきっ
かけに重要な顧客接点となる
製品マニュアル
長期使用の中で紛失したり、必要な時に手元にないリスクに対し、
いつでもウェブにある安心感を提供できる
FAQ(よくある質問)
顧客自身による問題解決をサポートすることで顧客満足度も、サ
ポートの負担も改善する
場所
拠点のカバーが薄い地
域への情報配信
訪問・コンタクトが難しいゆえに埋もれていたニーズを発掘でき
る
時間
営業時間外の情報配信
24 時間・365 日アクセス可能ゆえ、顧客が興味を持った瞬間に
情報提供できる
情報量
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できるはずだ。
軽に利用ができるようになった双方向性機能
このように、企業の対外コミュニケーション
だ。シミュレーションの操作はウェブ上で実施
は、情報量・場所・時間の制限を受けないウェ
することもあれば、シミュレーションソフトを
ブの登場で、情報を伝達できる範囲が格段に広
ダウンロードさせて、ユーザーのPC上で実施
がった。顧客は、その製品・会社に興味を持っ
させる場合もある。機械のライフタイムコスト、
た瞬間に、どこにいようと、どの時間帯であろ
購入・リーシング費用、性能チェック等が典型
うと、ネットのアクセスさえあれば、好きなだ
的なシミュレーションだが、CADデータを提
けその製品・会社に関する情報を引き出し、調
供し、簡易的に設計を行ったり設置・稼動にム
べつくすことができるのである。制約のない情
リがないかのチェックを支援することも、広い
報発信の本質は、「鉄は熱いうちに打て」と言
意味でシミュレーション機能と言えるだろう。
われるように、顧客がその製品・会社に興味を
このような複雑なやり取りは従来であれば、
持った瞬間を確実に捉えることで、顧客の興味
営業マンに尋ねた後にしばらく時間をおいて回
が冷めないうちに次のステップに持ち込めるこ
答があったり、営業マンが持ち歩くPC上でシ
とにあると言えよう。
ミュレーションを行っていた訳だが、営業マン
◎BtoBで活用できるウェブの特性②:
双方向性機能
ウェブのもう1つの特徴は双方向性にある。
を介していては、時間がかかったり、設定条件
の数には限度があるなどの制限があった。いつ
でもどこからでも存分に試してみることが出来
るウェブ上のシミュレーションは、顧客の興味
情報が一方通行ではなく、顧客の要求に応じた
を冷めさせない上で、重要な役割を果たすはず
反応を返せることがその意味だが、BtoBメー
だ。
カーのウェブサイトにおいて重要な役割を果た
す双方向性機能は、製品選択支援やシミュレー
ション、そしてサポート系ツールである。
◎BtoBメーカーのウェブ活用が
進まない理由
製品選択支援と一言で言ってもその可能性は
ただし残念ながら、日本のBtoBメーカーの
様々だ。最もオーソドックスなのは、例えば電
ウェブサイトを見渡すと、制約のない情報発信
子部品を選択する場合に、スペックなどの諸条
にせよ、機能提供にせよ、その特徴を存分に活
件を入力することで、最適な部品を提示する機
かしたウェブサイトはあまり見当たらない。先
能であろう。また、最近は比較機能も実装され
述の営業マン重視のカルチャーもその一因だ
るようになってきた。これにも色々な種類があ
が、その他にもいくつかの理由がある。
り、自社類似製品との比較のみならず、過去製
1つには、長期的なウェブ戦略が存在しない
品や他社製品との比較まで行えるものもある。
ことが挙げられよう。これはBtoB、BtoCを問
また取り付け可能なオプション品を選べる機能
わない問題だが、ウェブ活用のプレゼンスが企
や取り付け後の見積もりを行う機能は、PCサ
業の中で急速に上がる中、ウェブ担当者は日々
イトでおなじみだが、海外のBtoBメーカーサ
のメンテナンスに精一杯で、自社の事業にウェ
イトでも見かけるようになってきた。
ブをどう絡ませていくのかということを、じっ
シミュレーションもウェブの登場によって気
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くりと考える余裕がないのが実情だ。
2つ目に、主管部署の問題がある。ウェブサ
方法が議論されている。しかし、ウェブサイト
イトは1990年代半ばから企業に使われるように
に来た顧客に製品のことを深く知ってもらうた
なった新しいメディアだが、社外と広くコミュ
めにどのようなコンテンツや機能を掲載するか
ニケーションできる側面が広報に近いと解釈さ
については、それほど話し合われていない印象
れたことから、コーポレートコミュニケーショ
がある。特に双方向性機能については、製品の
ン系の部署が主管していることが多い。結果的
データベースが必要になるケースもあるなど、
にどちらかと言うと、IRをはじめとするコーポ
コスト的にも期間的にも負担がかかるため、こ
レートの情報配信やブランディングに絡む施策
うしたサイト内でのおもてなし施策よりも、比
が中心で、いかに多くの人に見てもらうか、即
較的低予算で短期に実施が可能な呼び込み施策
ちアクセスを集めることに力点を置いている傾
に力を入れがちとなる状況がある。
向が見られ、個々の製品情報提供のあり方につ
いては、事業部に任されている状況がある。
3つ目に、企業のウェブ活用の議論が、依然、
◎ウェブ活用に向けて:
ロードマップづくりからはじめよう
購買プロセスの前工程に偏っていることが挙
このように、BtoBメーカーのウェブ活用は
げられる。つまり、ウェブサイトに顧客を呼
様々な理由から、まだ発展の初期段階にある。
び込む施策については、検索エンジン対策や
だが、グローバルな競争の激化に加えて景気の
リスティング/バナー広告、CGM(Consumer
出口が見えない今、多くのBtoBメーカーでは、
Generated Media:インターネット上の口コミ
これまでのような営業体制を維持できなくなり
メディア)と他メディアとの連携など、様々な
つつあり、効率化への要請は強まるばかりだ。
表 2.双方向性機能
双方向性機能
製品選択支援
シミュレーション
サポート
具体例
メリット
条件入力による製品選択
機種名、用途、要求性能などによる検索で、膨大な製品群の中から
適切な製品を探しだせる
自社製品比較
複数の類似製品から、より適切な製品を見つけることができる
過去製品比較
今使っている製品と比較すれば、検討製品の性能がイメージしやす
い
他社製品比較
購買プロセスにおける競合比較の資料作成が容易になる
製品のライフタイムコス
ト
購入後の試用期間をも含めたトータルの費用を簡易的に知ることが
できる
オプション取り付け・見
積もり
膨大なオプションの中から取り付け可能なものを選択し、総費用を
チェックできる
購入・リーシング費用
支払い条件の設定で購入・リースにかかる費用がわかる
性能チェック
特定条件下での性能をチェックできる
部品購入
必要な部品の検索・購入がいつでもできる
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一方で、ウェブサイトの社会的プレゼンスは
いうことを理解してもらうことが出来る。
高まり、何を調べるにもまずはウェブから、と
企業内でのウェブの存在感は確実に向上して
いう行動パターンが定着した。BtoBメーカーに
いるが、そのスピードに人員増が追いついてい
おいてもファーストコンタクトはウェブ経由と
ないのが実態だ。そのため、ウェブ担当者はど
いう状態になりつつある。呼び込み策だけでな
うしても緊急度の高い、日々のメンテナンスに
く、ウェブサイトそのものの充実化を真剣に考
集中せざるを得なくなる。長期的にウェブをど
えるべき時期に来ているのではないだろうか。
う活用するのかを徹底的に考えてみる必要性を
ただし、ウェブサイトの多様な特徴全てを一気
感じつつも、そうなってしまっていることだろ
に活かすことは現実的ではない。まずは顧客の検
う。自社の事業にウェブがどこまで使えるのか、
討・購入プロセスを整理し、それぞれの施策が
ロードマップに落とす作業を通じて、徹底的に
ウェブでも可能なのか、ウェブでやるとすれば
考え抜いてみることをお勧めする。
どんな形態がありうるのかをチェックされたい。
日本産業広告協会が提唱するBtoBの購買プロセ
スモデルであるASICA(Assignment / Solution
◎ウェブの特性を使い切るために:
積極的な情報公開姿勢
/ Inspection / Consent/Action)や電通のAISAS
最後に、ウェブの特性を使い切るために必要
(Attention / Interest / Search / Action /
な心構えについて言及しておきたい。それは、
「な
Share)などを参照すると良いだろう。ウェブで
るべく多くの情報を積極的に掲載する」という
従来と同品質の情報伝達ができるならば、顧客に
姿勢である。積極的な情報公開と言えば、迫ら
とっての選択肢を増やす意味で実施すれば良い
れて渋々出しがちな事故や不祥事に関する情報
し、施策によっては、これまでのメディアを上回
を自ら進んで出す、の意で語られることが多い。
る、もしくは不可能だった品質が可能になるケー
もちろんそれも含むのだが、ここでは企業のこ
スもあるはずである。先述のように、購買プロセ
とを“余すことなく”伝える姿勢と捉えたい。
スの前半におけるネット施策は広く検討されてい
例えば米国のBtoBメーカーサイトでは、研
るため、後半、つまりウェブサイトに呼び込んだ
究者のブログや連絡先一覧などが良く見られ
後にどのようなコンテンツ・機能を提供できるの
る。日本では、「会社の統一見解とずれたらど
か、徹底的に洗い出してみたい。
うするのか?」「機密事項が漏れたらどうする
次に、リストアップされた各施策に、効果や
のか?」「ライバル企業に引き抜かれやすくな
実現性、コストなどで優先順位を付け、中長期
る」などの心配が先に立つところだ。しかし米
のロードマップに落としてみよう。企業内で現
国企業は、対外コミュニケーションの窓口を一
実性をもって受け入れられるためには3 ヵ年程
本化してしまうと埋もれてしまいがちなナレッ
度の計画に収めることが良かろうが、全施策を
ジを公開することのメリットが、それらマイナ
実施し、全社に根付かせるためには5年から10
ス要因を上回ると考えている。
年はかかるというのが、筆者の感覚である。い
情報掲載量に制限がなくなった利点を最大に
ずれにせよ、こうしてロードマップに可視化す
活かすには、企業が持つあらゆる公開可能な情
ることができれば、社内の関係者にウェブの可
報をウェブに掲載した方が良い。米国企業サイ
能性と、それを活かし切るには時間がかかると
トでは他に、数十年前に遡った過去製品情報、
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製品マニュアルなど、無制限の情報スペースと
問者が欲しがる情報」の発信へとの発想を転換
いう特徴を上手に活かした情報発信を見つける
することが必要だろう。
ことが出来る。ネットは国防総省にルーツを持
今まで企業は、情報量の制約を理由に、伝え
つ米国生まれの仕組みだが、積極的な情報発信
たいことのみに力点を置いたコミュニケーショ
姿勢と無制限の情報スペースという特徴が噛み
ンをしてきた。結果的にアピールの巧拙が売上
合っているのも、ともに米国ならではの特性だ
を左右する側面があった。しかし、製品に関し
からかもしれない。
て余すことなく伝えられるようになったという
だから、ネットの利点を活かすためには、日
ことは、第三者が書く口コミも含め、一製品に
本企業ももっと様々な情報発信を行うべきだ。
関する極めて多角的な情報とその選択が顧客側
これまでは、情報を持っている企業側が、情報
に委ねられつつあるということである。とすれ
を持っていない顧客側に対して優位である“情
ば、アピールのあまり得意でない、しかし製品
報の非対称性”が収益の源泉だった訳だが、イ
の品質そのものには絶対の自信を持つ日本の
ンターネットの普及によって、両者の情報格差
BtoBメーカーにとっては、製品のことをより
は徐々に縮まりつつある。ある情報を企業が出
伝えやすくなったという意味で、大変有利な時
さずとも、誰かが別のサイトで書いてしまうよ
代が到来したと言えるのではないか。もちろん
うな時代なのだから、そろそろ「出せる情報・
それは、ネットを上手に活用できたら、という
今ある情報」の発信に止めるのではなく、
「訪
条件付であることは言うまでもない。
書 評
YouTube時代の大統領選挙
―米国在住マーケターが見た、
700日のオバマキャンペーン・ドキュメント―
大柴ひさみ著(東急エージェンシー出版部、1,600円+税)
著者は、米国サンフランシスコ・シ
リコンバレーを拠点に、日米マーケティ
ング・ビジネスに関わる事業戦略の企
画実践・調査分析などのコンサルタン
トとして活躍している。2007年2月4
日に「オバマさんが大統領になるかも」
というタイトルで大統領選を追うブロ
グを開始したが、本書はその2年間に
わたったブログを詳細に報告したもの。
今回の「オバマ大統領誕生」には、
米国民のオンラインによるアクティビ
ティが大きな役割を果たしたことがあ
るという。ある調査によると、
「政治
的なコンテンツをポスティングした」
「SNSによって政治的にエンゲージし
た」などと回答した人は、マケイン氏
支持者よりオバマ氏支持者の方が圧倒
的に多かったという。また、著者のマー
ケターとしての観点から見ると、今回
の オ バ マ キ ャ ン ペ ー ン は「 急 速 に 変
化するマーケティング&コミュニケー
ションのパラダイムシフト」を戦略的
に生かして成功した稀有な事例だとい
う。事実、膨大な数のブロガーやソー
シャルネットワーカーたちが、オバマ
氏のメッセージから感じたことを仲間
と共有するためにソーシャルメディア
を通じて連日発信し、それが増幅され
ていったという。
著者は、
「まさか、オバマキャンペー
ンを2年以上も追いかけることになる
とは思いもよらなかった」というが、
「オ
バマ現象」を綴ったこのブログを通じ
て、アメリカの大統領選の醍醐味をリ
アルに味わってもらいたいという。
「オ
バマさんが大統領になるかも」から「オ
バマ大統領の議会初演説」まで、マー
ケターならではのユニークな感覚と分
析力を随所で楽しめる。
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