テキーラ

テキーラ
テキーラは、アガペ・アスール・テキラーナ(A
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z
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lT
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l
a
n
a)という竜舌蘭の
一種を発酵、蒸留したメキシコの酒。アガベは、マゲイ(M
a
g
u
e
y)とも呼ばれるヒガンバ
ナ科の常緑多年生草で、8∼10年生育した直径70∼80cm、重さ30∼40k の
球茎を利用する。
アガベには、アスール(青という意味)・テキラーナの他にアガベ・アメリカーナ(Agave
A
m
e
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i
c
a
n
a )、アガベ・アトロビレンス(A
g
a
v
eA
t
r
o
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r
e
n
s )といった品種があるが、こち
らはメキシコで古くから飲まれてきた醸造酒であるプルケ(
P
u
l
q
u
e
)の原料として使われる
ことが多い。
メキシコでは、一般にアガベを蒸留した酒をメスカル(M
e
z
c
a
l)と呼んでいるが、ハリ
スコ州(J
a
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s
c
o
)テキーラ村を中心とした特定地域で栽培したアガベ・アスール・テキラ
ーナを特定地域で蒸留したものに限り、テキーラと称することが許される。この法的規制
は、フランスのコニャックやアルマニャックなどに適用されているA
C法(原産地呼称法)
に似ている。
法律で定められたテキーラの特定地域は、メキシコ西部のハリスコ州全域、ミチョアカ
ン(M
i
c
h
o
a
c
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n
)
、ナヤリットN
a
y
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t 両州の一部となっている。アガベ・アスール・テキラーナを原料に
使っても、法定地域以外の場所で製品化したものはテキーラを名乗ることはできず、ピノ
)と
ス(P
i
n 言う名称で販売されている。
メキシコに蒸留技術が伝えられたのは、16世紀になって、この地を占領、支配したス
ペイン人によってである。現在のテキーラの製法は、畑で切り取って葉をおとしたアガベ
の球茎を工場に運び、半分に割って大きな加圧釜に入れ、蒸し煮にする。蒸し煮にするこ
とでアガベの球茎のイヌリンが分解し、果糖に変わる。これをローラーで破砕して搾汁し、
タンクに入れて酵母を加え、発酵させる。蒸留は、単式蒸留器で2回蒸留し、アルコール
度数5
0∼5
5度の蒸留液を得る。貯蔵は、ステンレス・タンクでの短期貯蔵がほとんどで、
一部をオーク樽に入れて熟成させる。
テキーラの種類
1 ホワイトテキーラ(W
h
i
t
eT
e
q
u
i
l
a
)
テキーラブランコ(
T
e
q
u
i
l
a
B
l
n
c
o
)
、シルバーテキーラとも呼ばれる。無色透明でシャープ
な香りが特徴。本来はまったく熟成させないが、 週間ほど樽貯蔵し、その後、活性炭の
層に通して、無色、マイルドに精製したものもある。
2 ゴールドテキーラ(G
o
l
dT
e
q
u
i
l
a
)
テキーラレポサド(T
e
q
u
i
l
aR
e
p
o
s
a
d
o
)ともいう。蒸留後 2ヶ月以上、樽で貯蔵熟成さ
せるため薄黄色をしており、わずかに樽材の香りをふくむ。