小野国際交流クラブ第 43 回例会(平成 21 年 3 月)のまとめ <日時> 平成 21 年 3 月 14 日(土) 16:00∼17:50 <会場> 小野市うるおい交流館エクラ 2階中会議室 Ⅰ 世話人から 1 本日の例会の予定について Ⅱ (1) 前回(第 42 回)のまとめについての補足(資料(配布)、写真(供覧)) (2) 意見交換(前回の開催形式−外国語の日本語への通訳など−について)等 世話人からの報告(=第42回例会の補足) 2 月例会での話題提供者(カリド氏(兵庫教育大学にオマーンから留学している 30 歳の高等学 校男性英語教師))からの回答の補足並びに、世話人(村田)が 2 月例会終了後の夕食会やカリド 氏送迎の車中で聞いた情報並びに村田の質問事項に対するカリド氏の回答配布並びに世話人か らの説明。(後記 Ⅲ *) 小野国際交流クラブのあり方・進め方についての出席者間の話し合い。概要は次の通りであった。 1 軽い気持ちで話題を出そう。 2 取り上げたい話題を提案しよう。 3必要な資料・話題があれば世話人に要望しよう。 Ⅳ 今後の話題提供予定について 今例会出席者の2名から次回以降の話題を提供するとの申し出があった。 Ⅴ 今月例会のまとめ 1 ⇒は2月例会の質問に対するカリド氏の補足説明(同例会終了後に同氏から得たもの) 2 <10>∼<16>はカリド氏に対する村田世話人からの追加質問及びそれに対するカリド氏 の回答 (⇒の部分) * 話題提供者 Khalid Almagrafi 氏の回答(補足)+追加質問とそれへの Kharid 氏の回答 以下は「2月例会のまとめ」での報告内容以外の追加です。 1 「コーランか死か」の教えは今でも生きているのか? ⇒「直ちに死ぬ」ことにはならない。しかし、コーランの教えを守らなければ審判の日に「地 獄の火」に入ることになる。」 4 豚肉のほかにイスラームでの食事の際のタブーはあるか? ⇒死んだ動物は食べない。犬、猫、昆虫は食べない。 5 イスラム原理主義について意見が分かれているが、原理主義についてどう思うか?また、原理主 義者が即過激派なのか? ⇒「原理主義」については知らない。 「イスラム」とは生き方である。過激派はムスリムだけで はない。世界のどこにでも居る。善と悪はどこにでも存在する。 6 私の経験では、イスラム教徒の中には自分の顔の撮影を望まぬ人がいるが、偶像崇拝禁止の考え と関係があるのか? ⇒ムスリムは女性の許可なしに写真を撮らない。 7 留学の目的:英語の勉強ならば米国又はイギリスと等と思うが、何故日本を選ばれたのか。オマ ーンでは自国語以外で英語が必須科目なのか? ⇒多くのアラブ人は日本を勉強の場として選ばなかった。だから自分は日本を選んだ。オマー ンでは英語は1年生からの必修科目である。 9 日本に留学されて感じられた事について ⇒学生はどこの国でも同じだ。学ぶことの必要を悟らない学生はいる。他方、真面目な学生も 居る。世界のどこでもそれが人というものだ。 (1) 風習 ⇒日本の風習は大変よい。日本人は外国人に敬意を払うし、協力的で友好的だ。 (2) 食べ物 ⇒日本食は大変健康によい。しかし、我々には常に問題(厄介)である。多くの料理は部 分的に豚肉から作られているから。 (4) 日本の文化レベルで感じたこと ⇒文化レベルは高い。全ての家で日本文化をうかがい知ることが出来る。日本人は自文化 を保持し表に示している。日本の政府は日本文化を保持する計画を持っている。 <10> イスラム文化とアラブ文化の違いは何か? ⇒イスラム文化とアラブ文化は非常によく統合されている。全てのアラブ諸国は(イスラム の)同じ特色を持っている。アラブ 25 カ国では同じ言語を話す。宗教も同じである。コ ーランには社会通念・作法があり、我々はそれに従い行動する。それが人の生き方であ る。イスラムもアラブもほとんど同じ価値観と礼儀作法を持っている。文学も共有して いる。我々は通常イスラムアラブ文化と言っている。 <11> 私は仏教徒である。私は正しいことをしようと心掛けて来た。他の人に対して良いことをし、 必要な時には他の人たちを助け、社会のために出来ることならどんなことでも心掛けてきた。 自分の親切や援助の結果として他の人々が幸せになるのを見ることが嬉しいので、このよう なことを心掛けてきた。私は死後に、地獄ではなく極楽に行きたいからである。もし邪悪な 人間であれば地獄に行くかも知れないから。一般のイスラム教徒はイスラム教徒でなくても 天国に行けると考えているのか。 ⇒先ず第一として、天国に行くのか地獄に行けるのかは、イスラム教徒ではなく、全ての 人間の運命を統御している神アラーがお決めになる。しかし、我々イスラム教徒は「イ スラム教徒でなくて死ぬと地獄へ行く、イスラム教徒と異なる行いをすると何も得られ ない、死後には敗者となること」を「神の言葉=コーラン」から判断できる。 <12> イスラムの教えの守り方(教えへの忠実さ)には個人差があり、国ごとで違いがあるし、世代 により異なると聞く。貴方はこれらが事実であると思いますか?あなた自身はこれについて どう思いますか? ⇒これは事実ではない(そんなことはない)。イスラムは一つである。イスラムの教えは同 じである。それは(世界の)どこでも、何時(の時代)でも同じである。それ(イスラムの教 え?)は人が言っているものではない。人が作ったものではない。それは神が作られたも のである。それは一つでなければならない。 しかし、宗派間に見るという相違点は基本的・根本的な信仰ではない。それ(宗派間の相 違)は人間が作り出しているほんの少しの相違である。それはアラーの教えではない。ア ラーは唯一の宗教(イスラムの教え)を人間に下さったのだ。(イスラム教の教えには)い かなる矛盾も無いのである。 <13> イスラム教の教えの遵守は、イスラム教徒が中東から遠いほど、特にサウジアラビアやイラ ンから離れるほど弱くなっていると聞く。貴方はこれが事実だと思いますか?もしこれが事 実だとすれば、貴方はこの事実についてどう考えますか? ⇒この質問を説明してください。(質問の意味が)分かりません。 <14> アラーの神以外に神が存在すると考える日本人についてどう思いますか? ⇒(アラー以外に)他に神は存在しない。唯一の絶対の神アラーなのです。アラーは 99 の属 性/付属物を持っておられる。それゆえにアラーはほかのいかなる創造物とも非常に違う (存在な)のである。神とは石でもなければ、偶像でもない。動物、鳥でもなければ人間 でもない。神はこれらすべての世界の創造物(神が創ったもの)を超えた存在なのである。 <15> 多くのイスラム教徒はアラーに忠実だと思う。しかし同時にトルコ人の中に見られるように それほどアラーに忠実でないイスラム教徒もいると思います。前者(忠実なモスリム)とそ れほど忠実でないモスリムについてどう思いますか。 ⇒貴方は間違いなく正しい(見方をしている) 。名前だけのイスラム教徒が居る。 しかし彼等は実際にはイスラム教徒ではない。忠実(誠実)なイスラム教徒とはコーラ ンとスナ−(言行録)の教えに従って生きている人々のことである。名前だけのイスラ ム教徒はコーランやスナーとは離れた存在で、間違ったことをしている。 <16> オマーンには男性による女性差別が存在しますか?他のイスラム国ではどうですか? ⇒オマーンには女性差別は無い。女性はイスラム教が認める全ての完全な権利を与えられ ている。イスラム国はいろいろとある。しかし、私の知る限り、女性差別は無い。いく つかの教養が無い、(精神薄弱的?)普通以下の国では女性差別があるかもしれない。 ◎ 以上の報告の後、意見交換が行なわれた。その概要は次の通りであった。 1 イスラム教徒が増えているとの情報がかなり聞こえてくる。NHK のテレビでもかなり前に放送 していたし、カリド氏自身もアメリカでは1日に 100 人がイスラム教に改宗していると言っ ていた。 2 インドでもイスラム教徒が問題を起している。インドはヒンズー教徒の国ではあるが、イス ラム教徒の数もかなり多い(1億数千万でインドネシア、パキスタンに次いで世界で3番目 と聞く。) 3 普通のイスラム教徒はまとまなようだ。自爆テロなどをやる若者は、アラーの神のためにジ ハード(聖戦)に参加すれば素晴らしい(美しき花、美味しい食べ物、清純なる乙女達等々 に囲まれた)天国に行けると教え込まれて居るとのことである。 4 イスラム教徒は概してまともで真面目で誠実だと感じる。しかし、宗教の話となると、イス ラムが全てであるような話になる可能性が高いのであろうか? 5 イスラムの考えは、日本と比べて極めて異質なるが故に、国際時代、多文化共生の時代に生 きる我々日本人は、イスラム教、イスラム文化に関するある程度の知識を持つことが、自ら をトラブルから守ることになるのではないだろうか。 Ⅵ Ⅶ Ⅷ その他 1 平成 21 年度(同年4月∼22 年 3 月)から会費を 1,500 円とすることを確認。 2 今後の例会話題の予定(5月以降) (1) 「私が経験した外国旅行」 (國井会員(5月)) (2) 「アフリカ旅行体験」(宮脇昌三氏(ゲストスピーカー)(6月または7月) ) (3) 「大航海時代以降のヨーロッパと日本」(竹内会員) 次回の予定 1 話題:「私の外国」 足立会員のお話 2 開催日時:平成21年4月11日(土) 3 会場:小野市うるおい交流館エクラ 16:00∼17:30 平成21年度月例会開催日 平成 21 年度: 4 月例会: 4 月 11 日(第2土) 5 月例会: 5 月 16 日 6 月例会: 6 月 20 日 7 月例会: 7 月 18 日 8 月例会: 8 月 15 日 9 月例会: 9 月 19 日 10 月例会:10 月 10 日(第2土) 11 月例会:11 月 21 日 12 月例会:12 月 5 日(第1土) 平成 22 年 Ⅸ 1 月例会:1 月 16 日 2 月例会:2 月 20 日 世話人:井上忠雄、黒田哲也、竹内英晃、村田和繁 ○ 世話人からのお知らせ: 3 月例会:3 月 20 日 1 4月例会から新年度会費をご納入下さい。例会ご出席の際に世話人へ、又は小野市うるお い 交 流 館 エ ク ラ ( 小 野 市 中 島 町 72 電 話 : 0794-62-6763 e-mail : [email protected])内、小野市国際交流協会事務局にご納入下さい。 2 平成21年度例会日程(Ⅷ)をご確認下さい。 3 平成21年度小野市国際交流協会「国際交流のつどいⅠ」は第 42 回例会の内容が深まる企 画ですので、別紙「平成 21 年度案作成に先立つ基本的な考え」をご覧戴き、 「つどいⅠ」 にご参加戴ければ幸いです。 平 成 21年 度 案 作 成 に 先 立 つ 基 本 的 な 考 え ・共通テーマ案: 「多文化共生にどう対応するか−日本と異なる外国の考え方を知り、どう仲良く暮ら すかを考えよう−」 <平成 21 年度小野市国際交流協会「国際交流のつどいⅠ−①、②、③」実施計画> 【年間共通テーマ】=イスラム文化の正しい知識を持ち、将来の日本のあり方を考えよう。 1 イスラムを取り上げる理由:次の①∼⑧までのことは知っておく必要があるのではないか。 (1) 大多数の日本人(特に地方の方々)は、キリスト教ならある程度聞いたことがあり、 知識もあるが、イスラム教は遠い国の話で日本とは関係ないと思いがちでないだ ろうか。 (2) 西欧社会で一神教と呼ばれている一番元はユダヤ教で、それからキリスト教が生ま れ、7世紀にイスラム教がマホメット(ムハンマド)によって始まった。マホメ ットは神【ユダヤ教、キリスト教と同じ神だが、 「アッラー」とイスラム教で呼ば れる、モスリム(イスラム教徒)からすれば、世界で唯一存在する神】)からの啓 示を受けて、人間のあり方を伝えた。その内容がコーラン(言い伝えではなくア ラビア文字の形で)となって残っている。 (3) アッラーの神は人間をすべて対等の者とみなしている。イスラム教はそのアッラー の教えの通り、「格差」を作らない、「格差」を認めないとの教義に基づき、金持 ちはアッラーの神に捧げる形をとって、貧しい人に財物を分配するとされている。 (4) 同じ神から出たキリスト教を信じる人々が大多数を占めるアメリカでは、「自由」 の名の元に(?)、「稼げるものはいくらでも稼げ、自由社会だから」との考えに基 づいた経済活動の結果、経済格差を一層拡大させて、貧困者は放置される結果と なっているのが実情と思われる。特にブッシュ前大統領になってからは、「世界 の全ての国々にアメリカ的民主主義を広めるべきだ」と言わんばかりに、イスラ ム諸国にもそれを押し付けようとして、今日の世界的大混乱を引き起こしたとの 印象を与えている。 「原理主義者」の名の元に自爆テロを行なう過激派がイスラム 教から多く出るのは、 「アメリカ的民主主義の押し付け」に対する反発であるとも 考えられる。 (5) 格差の益々広がるアメリカでは、キリスト教徒からイスラムに改宗する貧困層が増 大している(NHK 放送の関係ビデオ有り)。一方、イスラム教に入信すると、絶対に 他の宗教に改宗できないといわれている。 (6) 現在の世界には約13億(中国の人口に匹敵する)のイスラム教徒がいるとされて いる。入信率が高い上に出生率が高いから、世界におけるイスラム教徒の数は増 加している。 (7) 何らかの理由のため、タイ(仏教国)やフィリピン (カトリックが主流)の一部では、 異教徒である同国人の間で激しい争い、殺し合いさえ生じてきた。また、同じイ スラム教徒の間でも新興の相違のためか、殺し合いが生じている。 (8) 国際時代の現在では、自国が安全でなくなってきたため、或いは貧しい人々が多い が故に、日本で働いて収入を得たい等の理由のため、日本にもイスラム教徒(モ スリム)が移り住む傾向がある。 (9) イスラム教は、アルコールは一切摂取してはならないとか、豚肉は勿論、その汁が 入った食物も摂ってはならないとするのが本来の教えである戒律超厳守の超真面 目(?)宗教であるようである。イスラムでは国法よりもイスラムの教えがそれに優 先すると言われる。多文化共生の時代を迎えて、日本人はこの異文化を十分理解 しておく必要がある。 2 立案趣旨 1の(1)∼(9)の理由から考えて、とりあえずイスラム教とはどんな特色があるのか、イ スラム文化は 日本の考え方や習慣とどのような類似点と相違点を持っているのかを、 知ることが必要であると考える。 「つどいⅠ」への参加者の判断・取 このような重要な情報を発信し、情報受信者である 捨選択に任せるのが、今後の日本社会にとって、 安全で健全なやり方ではないかと思う。当協会としてこの内容を取り上げることの意義 が認められると考える。 3 平成21年度小野市国際交流協会「国際交流のつどいⅠ」(年3回)の略案 (1) 「つどいⅠ−①」 ① 日 時:2009 年7月25日(土) ② 13:30∼15:30 当日の会の概要: ・ジャビさん(パキスタンの20歳の男性(日本語3級))にイスラム教 関係の話をパネリストとして出ていただく。 ・当協会から、イスラム関係についての基調報告としてイスラム教、イ スラム文化に関する情報提供を行なう。 (2) 「つどいⅠ−②」 ① 日 時:10月4日(日)または3日(土) ② 13:30∼15:30 当日の会の概要 ・ビデオ(NHK 放送録画2回分)を精選して上映し、その他((1)で言い残 された)解説や情報等を話す。 (NHK 教育テレビ: 「イスラムの世界」 「イスラムの潮流」) ・2 月 21 日の小野国際交流クラブでの Khalid 氏の話・質疑応答の記録 を報告する。(質問事項別 記) (3) 「つどいⅠ−③」 ① 日 時:11月14日(土) 13:30∼15:30 ② 講 師:オムリ・ブージッド氏(関西学院大学 キリスト教と文化研究セ ンター講師) ③ 当日の会の概要 ・オムリ先生に、イスラム教、イスラム文化の本当の姿(日本に入るイ スラーム関係の情報が本当に正しいものばかりなのかについて、こ の講座立案者は疑問に思っている)をお話していただく。 ・オムリ先生のお話の時間は、80∼90分程度。ご講演が終わってか ら、30∼40分程度、受講者からオムリ先生に質問させていただ く。
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