6 胃液の作用と分泌機序を説明できる。

文部科学省の「コア・カリキュラム」のテーマをそのまま目次にしました。
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到達目標
6
胃液の作用と分泌機序を説明できる。
図 7 摂食時における胃液分泌調節(脳相、胃相、腸相の 3 つがある)
大脳
胃
嗅覚
味覚
脳 相
脳幹
十二指腸
血管
迷
走
神
経
� 脳相では食物の嗅覚や味覚刺激あるいは条
件反射によって迷走神経が刺激されて胃液
(塩酸とペプシノーゲン)の分泌が促進する。
壁
壁細胞…塩酸を分泌
G 細胞…ガストリンを分泌。
胃幽門前庭部や
十二指腸に分布。
G
ガストリン
� 迷走神経からの指令は壁細胞と G 細胞に伝
えられ、G 細胞からはガストリンが分泌され
て壁細胞からの塩酸分泌を促す。
S
S 細胞…セクレチンを分泌。
十二指腸に分布。
胃 相
� 食物が胃に入るとその物理的刺激が壁細胞
を、化学的刺激が G 細胞を刺激し、胃液の
分泌が亢進する。
食
物
� このときの塩酸の分泌量は基礎分泌量(約
2mEq / hr)の 10∼20 倍に増加する。
壁
G
S
的を射た Point 解説とユニークで印象的
なイラストの組合せにより、難しい知識
の習得が容易になっています。
腸 相
壁
� 食物が十二指腸に入ると腸相が働く。
� 十二指腸壁の S 細胞からはセクレチンが分泌
され、セクレチンはガストリンの分泌と塩酸
の分泌を抑制する。
食
物
G
S
セクレチン
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❏ 胃体部の壁細胞からは胃酸が分泌され、胃内の pH は約 1 . 5 の強酸性に保たれ、食物により摂取され
た微生物に対し殺菌の役割を担っている。
❏ 胃液の分泌量は約 2 L /日で、胃酸(塩酸)のほか、ペプシノーゲン、粘液、内因子などが含まれている。
❏ 胃酸の分泌は神経系・内分泌系の調節を受けており、脳相(刺激)、胃相(刺激)、腸相(抑制)の 3 相
に分けられる。
❏ 固有胃腺の細胞から分泌されるものとして以下がある。
主細胞 ──── ペプシノーゲン
壁細胞 ──── 塩酸、内因子(ビタミン B 12 の吸収に必要)
副細胞 ──── 粘液(ムチン、胃粘膜を保護する)
❏ 胃液分泌促進因子:アセチルコリン、ヒスタミン、ガストリンなど。
❏ 胃酸分泌抑制因子:セクレチン、GIP、コレシストキニン、ソマトスタチンなど。
質の高いオリジナル新作問題を多数収録。
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医師国試の基礎知識の整理にも最適です。
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❏ 解法ガイド
胃酸分泌を亢進するのはどれか。
A
セクレチン
B
ガストリン
C
ソマトスタチン
D
迷走神経腹腔枝刺激
E
大内臓神経刺激
CD-ROM に収録した問題は、問題番号のすぐ下
に CD マークを入れてあります。
CD-ROM には 180 問を収録しました。
胃液の分泌は迷走神経と消化管ホルモンによって調節される。神経性には迷走神経
の興奮によって胃液分泌が亢進し、幽門部 G 細胞からのガストリン分泌により胃液分
泌が亢進する。胃液分泌の抑制は、十二指腸壁の S 細胞から分泌されるセクレチンのほ
か、GIP、コレシストキニン、ソマトスタチンによってもなされる。
❏ 選択肢考察
A
セクレチンは十二指腸壁の S 細胞から分泌され、ガストリン分泌を抑制し、その
B
ガストリンは幽門洞の G 細胞から分泌されるペプチドホルモンで、胃酸分泌を
結果、胃酸分泌を抑制する。(×)
亢進させる。(○)
C
ソマトスタチンはガストリン分泌を抑制し胃酸分泌を低下させる。(×)
D
迷走神経腹腔枝ではなく、胃枝が刺激されれば、胃酸分泌は亢進する。(×)
E
大内臓神経は第 5 ∼ 9 胸髄由来の交感神経なので、その刺激で胃液分泌は低下す
る。(×)
解答:B
1
構造と機能
Point