NewsLetter 第135号

The Women’s Studies
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第 135 号 2015 年 9 月
目 次
2015 年度日本女性学会大会 報告
2014 年度少額研究活動支援報告…………… 6
シンポジウム報告……………………… 1
会員主催研究会の募集……………………… 6
シンポジウム参加者から……………… 2
研究会実施報告……………………………… 6
パネル報告・報告……………………… 4
会員著作紹介………………………………… 7
個人研究発表…………………………… 5
会費納入のお願い…………………………… 7
懇親会…………………………………… 5
2015 年度日本女性学会大会 報告
日時:5月 16 日(土)、5月 17 日(日)
会場:京都市男女共同参画センター ウィングス京都 大会シンポジウム
「スポーツにおける男性性の解体:
〈周辺〉からの試み」
パネリスト: 來田享子、風間孝、井谷惠子、亀井好恵
コーディネーター: 合場敬子、堀江有里
シンポジウム報告
合場敬子
このシンポジウムでは、近代スポーツがその誕生から深い結びつきを持ってきた 「男性性」を問うことから始め、
その結びつきを解きほぐす存在としての、女性や性的マイノリティの実践について検討を行った。4人の報告者の中
での共通の論点は、スポーツにおける競技志向の問題であった。井谷報告は、解体すべき「男性性」とは、スポーツ
における競争で勝者となり、
競争の結果、
序列の上位に立つことであると明確に指摘した。この競争原理が内包された、
スポーツ中心の体育のカリキュラムに違和感を持つ女子たちが、運動離れを起こしている。したがって、女子の運動
離れは「男性中心文化」への抵抗であると井谷報告は論じている。また風間報告では、性的マイノリティのスポーツ
サークルでも、競技志向を目指す参加者とそうでない参加者とが分離していくことが指摘された。亀井報告では、興
業女相撲から一般女性による女の草相撲への変化として、相撲取り組みや力芸ではなく、土俵入りや女相撲甚句踊り
が継承され、脱競技化していく点が指摘された。來田報告でも、変化すべきは、競争の結果、他者よりも上位に立つ
ことを目指す「男性性」ではなく、闘争をかきたてる記録化や序列化であるとの主張があった。
脱競技志向の試みの一つとしては、風間報告で紹介されたレズビアンの野球サークルが実践していた「戦略的競技
志向」が挙げられる。これは、
スポーツを楽しむことと競技で勝つことの両者のバランスを取ろうとする実践である。
1
シンポジウムでは競技志向の問題点が大きく浮き彫りにされたが、女性や性的マイノリティを排除しているのはそれ
だけではない。その一つは、來田報告で言及された、性的身体は二つしかなく、二つであらねばならないという不文
律である。この点をシンポジウムでは深めることができなかったのが残念である。
大会シンポジウム感想
シンポジウム参加者から
石田仁
大会シンポジウム感想
シンポジウムでは、スポーツとジェンダーに関する論
秋風千恵
点が、社会・サークル・カリキュラム・興業といった異
障害のある身体であるため子どもの頃から体育の授業
なる切り口から提示されたので、オーディエンスの関心
は見学であり、大人になってからも商業スポーツを単純
も高かった。
に楽しむものとしてしかとらえてこなかったので、当初
それぞれ印象的な部分のみ大意を紹介しつつ述べさせ
今回のテーマには、あまり興味はなかったのだが…。シ
ていただくと、まず來田氏の報告では、女性の海水浴が
ンポジウムに参加して、近代スポーツがどれほど男性性
露出の高さにもかかわらず陸上競技より批判が少なかっ
優位のヘゲモニックな空間であるか、ということに初め
たことが指摘され、これはジェンダー的な「常識」には
て気づかされた。女 / 男の線引きをし、
性的マイノリティ
反するが健康人を創出する企図という点で近代社会と
を排除する、闘争心をかきたてるために記録化し、序列
難なく接続されるという説明に納得した(熱をおびたグ
化する近代スポーツ。オリンピックが称揚されることの
ルーヴ感ある話しぶりも魅力的だった)
。風間氏の報告
怖さも理解できる。現在の危険な政権は過剰にオリン
では、先行研究においてなされていた “ レズビアン/ゲ
ピックを称揚するが、それはオリンピックが政権のあや
イの運動サークルは、非異性愛規範的な空間を確保する
うさを隠蔽する効果をもつからでもあるだろう。きな臭
ものではあるが同時に競技志向を放棄している ” とする
さがプンプンする。
見解を否定し、競技志向を相対化しつつ折り合いをつけ
体育教育にかかるジェンダーバイアスの手強さについ
ているさまを、質的データの巧みな整理によって取り出
ては目から鱗であった。小学校入学と同時に、子どもた
していた。井谷氏の報告では、最新の系統化された学校
ちはジェンダーバイアスを刷り込まれていく。体育はほ
体育カリキュラムが、多様な価値・多様な運動の可能性
とんど見学だった私も、男女の体力差を自然のことと受
を育む場ではなくなり、競争主義と成果主義ならびに
けとめ「男子はグランド4周、女子は2周」と言う教師
「伝統」を強化する作用をもたらすという鋭い指摘があっ
の言葉になんら疑問を抱かなかった。しっかりバイアス
た。亀井氏の報告では、女相撲や力くらべが大相撲とは
を刷り込まれてきていたのだ。近代スポーツがはらむ競
全く異なる歴史的背景を持ってきたことに触れつつ、女
争原理のもとにカリキュラムされていくならば、周縁化
性の大力を示す興業では、観客に男性的/女性的/両性
され、体育が嫌いな女子が増えることも頷ける。教育制
的な振幅を伴う魅力を与えていたことが貴重な歴史口述
度も現場もこのバイアスを切り崩していこうという意思
の研究から明らかにされていた。なお、亀井氏の今回の
を持ってほしい。現状では、かなりな難題であろうけれ
報告は事実ベースであったが、他方、例えば戦後雑誌記
ども。
事の表象ベースでは女相撲は「女斗美」
(めとみ)として、
女相撲は観客が演者になるケースが多い、面白さから
しばしば(男性)読者の「レズビアン的」消費の対象と
の出発が自己肯定に繋がり自らのジェンダーアイデン
なっていた。事実と表象との関連性、ジェンダーとセク
ティティを変容させるという報告は大変興味深かった。
シュアリティの関連性はどうだったのか、個人的には知
聞きそびれてしまったが、相撲をとれなくなってからの
りたいところである。
彼女たちの行末が気になった。逸脱した身体は排除の対
シンポジウムのあとには、他の参加者と、ある「アポ
象となると、歴史は示す。肯定的にジェンダーアイデン
リア」について話し合った。それは、あるあり方を「男
ティティを変容させた彼女たちには安寧なその後が待っ
性的」なものとし、そうではないあり方を「女性的」な
ていたと考えたいのだが、
実際はどうだったのだろうか。
ものあるいは第三のものとして割り振り、後者への志向
性を論じること、あるいは男性的-女性的な往還に価値
を見出すことは、スポーツをジェンダー分析する上で論
2
点先取にならないかという点である。スポーツの専門家
大会シンポジウム感想:
ではない私たちの「アポリア」は、誤謬の問いであった
シンポジウムから「スポーツとジェンダー」研究の
これからを想う
り、報告者の間ではすでに解決済みの問題であったりす
るかもしれないので、何かの機会にご教示いただけると
幸いである。
関めぐみ
今回のシンポジウムでは、スポーツにおける男性性を
解体しようとする「〈周辺〉からの試み」が紹介され、
大会シンポジウム感想
その可能性が提示された。スポーツ関連の暴力やハラス
鈴木楓太
メントが可視化し、社会問題化している現在、日本女性
近代スポーツが、近代社会の「男性原理」を色濃く反
学会がスポーツにおけるジェンダー問題に焦点を当てる
映した社会制度であることは、スポーツ研究の領域では
ことは時宜を得たものだった。女性や性的マイノリティ
大前提となっている(と、願いたい)
。そのため、女性
の取り組みに着目することで、これまで不可視化されて
をはじめとしたマイノリティの参入による近代スポーツ
きたスポーツをする主体と男性性との関係の一部が示さ
の変容が、スポーツの本質を俎上に載せた研究の重要な
れた。
テーマであるとみなされてきた(と、願いたい)
。
今後の「スポーツとジェンダー」研究の展開を考える
このことを、女性学やジェンダー研究の視座を共有す
うえでは、これら〈周辺〉からの試みの重要性もさるこ
る空間において、バラエティに富んだ事例研究を通じて
とながら、同時に、〈中心〉からの試みも検討する必要
確認できた点で、有意義なシンポジウムだったと思う。
があるだろう。特に、日本では 2020 年の夏季オリンピッ
なかでも、1930 年代の高等女学校生を含む幾人もの女
ク開催に向けて、スポーツ関連の話題増加が予想される。
性が、見物に行った女相撲に魅了されて入門したという
その際に、来田氏と井谷氏が指摘した、オリンピック・
エピソード群(亀井報告)からは、女子教育機関や競技
パラリンピックの「産業化」の視点は重要である。グ
団体等の制度的な発達との関連で幾分かキレイに跡付け
ローバル化の進展と新自由主義の広がりの中で、ジェ
られてきた女性スポーツ史像からは零れ落ちていた、女
ンダーだけでなく、人種、エスニシティ、セクシュアリ
性たちの主体性とひらかれた身体の越境性にまつわる
ティ、階級、障がいなど、交差する人権問題に対して批
判的に切り込む運動・研究が求められている。
「ごちゃごちゃ」したものに接近する「ワクワク」感を
喚起された。
さらに、今回暴かれた国際サッカー連盟(FIFA)の汚
一方で、冒頭の來田報告が提起した重要な問いの一つ
職問題など、オリンピックだけでなく、メガ・スポーツ
が、十分には深められないまま残されたことはやや心残
イベントと呼ばれる巨大な産業も、近代スポーツの「男
りであった。近代スポーツが「男性性」の牙城であり、
性原理」の価値観を問ううえで見過ごせない存在である。
それは解体されるべきものであると言うとき、そもそも
これまで「スポーツの問題」とされてきた分野に、女性
私たちは何を「男性性」として措定し、そのような価値
学やフェミニズム、ジェンダー、クイア研究において蓄
の担い手は誰で、具体的に何を解体しようとしてきたの
積されてきた実践や理論を援用することで、
「男性性」
か。アスレティシズムをはじめとする近代スポーツの諸
を中心から変容させる可能性が見出だせるのではないだ
要素は、はたして「男性原理」としてのみ位置づけられ
ろうか。今回のシンポジウムを通じて、
「スポーツが好き」
るものなのか。時代や場所による違いもあるだろう。研
な人だけでなく、
「スポーツが嫌い」な参加者にとって
究者自身が「男性性―女性性」という二項対立を所与の
もスポーツへの関心が広がり、より多くのジェンダーセ
ものとして問を発することで、実態レベルの多様性や変
ンシティブな運動・研究が生まれることを期待したい。
容の契機を見過ごしてきたということはなかったか。…
概ねこのような問いだったように思う。
大会シンポジウム感想
これを受けて、今回報告された事例がどのように深め
られるのか。この点についてシンポジスト間の議論を聞
水野英莉
いてみたかった。今後の展開に期待したい。
近代スポーツは、規範的なジェンダー規範、異性愛主
義、男性中心主義と強く深く結びついた領域であること
はよく知られている。このようなスポーツの世界の「野
蛮さ」ゆえか、スポーツにアプローチすることも、ジェ
3
ンダーやセクシュアリティ研究の対象として議論するこ
をすることで生じたさまざまな問題、あるいは功績・今
とも、なんとなく主流にならない空気(?)を感じてい
後の可能性について検討がなされた。
たので、このように日本女性学会のシンポジウムにおい
堀報告では被災地の女性が行った “ 炊き出し ” 活動を
て真正面から取り上げられるのは、とても喜ばしいこと
取り上げた。“ 炊き出し ” 活動はその殆どが無償で行わ
であった。
れており、「不払い問題」として指摘もなされたが、
「命
現代のスポーツは、政治・経済を巻き込んで強大な世
をつなぐ」ための活動であったことを重要視する被災地
界を形成しているので、ここに切り込み、その核心であ
の女性の意識とはズレがある。その一方で、性別役割分
る「男性性」を解体するというのは、とてつもなく壮大
担や「無償」で食事の準備をすることを当然視していた
な試みである。ともすると、
女性の功績は埋もれ、なかっ
ということへの気づきも起きている。ケア提供者による
たことにされてしまうし、性的マイノリティは競技をす
ケアを必要とする人びとへの応答という “ 炊き出し ” の
る機会やキャリアを、
時に暴力的に奪われることがある。
意義と課題の背景にあるジェンダー意識を検討すること
従って今回のように、これまで周縁化されてきた存在が
が今後男女共同参画社会を実現する手がかりとなる可能
中心に取り上げられることは依然として大きな意味を持
性を示した。伊藤報告では “ 女性関連施設の指定管理者
つ。
事業 ” について取り上げ、自らのカナダでの体験を交え
近代スポーツは一般に、競技性が高まるにつれて性に
つつ、女性関連施設のあり方を「ひとり一人の女性たち
よる差異化も強まる傾向にあると言われている。それ
のエンパワーメントをどのように支えるか」という視点
は「男女の体力の差」や「公平性の確保」の観点から正
から検討するものであった。新自由主義改革のもとで進
当化されるのだが、どちらの観点も恣意的なものである
められた男女共同参画政策立案とその執行の場である女
のは、しばしば指摘されているところである。報告の中
性関連施設が分離することで生じる問題についても触
で、シンポジストの來田さんが投げかけられた「本当に
れ、今後の課題とした。渋谷報告では、介護や子育ての
スポーツは性で分かれてするべきなのか」という問いは
分野、あるいは女性関連施設の指定管理者事業など、女
とても重要である。多くの人を魅了する身体活動である
性たちで組織されることが多くなった “NPO 法人 ” の活
スポーツが、あらゆる差別から自由になり、創造的に生
動を取り上げた。公務として行っていた仕事を NPO 法
まれ変わるために、私たちはこの問いに答えていく必要
人に委託することで生じる不安定雇用と低賃金問題やそ
があるからである。
れに関連する労働法上のさまざまな問題に言及し、今後
スポーツ史、体育科教育、性的マイノリティのサーク
の課題として「ディーセント・ワーク」の実現と社会の
ル、明治期以降の興行女相撲など、バラエティに富んだ
改善運動としての「評価」の重要性について示唆した。
題材から得られる知識も新鮮であり、多角的にこの問題
米倉報告では、渋谷・伊藤が理事を務める NPO 法人「参
を考えることを可能にする濃い内容だった。ひとつだけ
画プラネット」主催の若年世代の女性たちによる “ 読書
もっと聞きたかったと思ったのは、スポーツ研究者以外
会活動 ” を取り上げ、参加者の変化について報告した。
の方々がこの内容をどう聴いたのか、という点である。
「参画プラネット」が創出した、
「人間発達」を目的とし、
スポーツが今後一層学際的な場で議論されることを期待
権威的でなく、様々な組織とゆるくつながったプラット
している。
フォームのような組織のあり方が、若い参加者の定着、
世代間の交流を生み、読書会を会社/社会への働きかけ
を伴った豊かな活動へとつなげていることを希望学的観
パネル報告・報告
点から考察するものであった。
4人の報告を受け、女性たちの活動や運動の今後につ
いてフロアとのディスカッションが進み、世代、地域、
第5分科会
さまざまな状況を超えて、女性たちが暮らしと政策をつ
パネル報告
なぐために必要な方策等の議論が深まる分科会となっ
「政策・被災地・世代・NPO の視点で見つめ
た。(米倉清花)
る女性の活動─社会へ届く活動を目指して」
伊藤静香、堀久美、米倉清花、渋谷典子
本パネルでは、女性による「活動」と女性がその活動
4
第2分科会
第6分科会
草柳和之●『DV 撲滅ソング〜 DV カルタを歌にした』
パネル報告
── DV カルタ活用の発展形に関する報告
「家族 の規範を問う──非規範的な親子関
巽真理子●「父親の子育て」再考 ── 子育てというケ
アと現代日本の父親の男らしさ
係・パートナーシップ関係をめぐって」
中原朝子・山田和代・熊安貴美江・伊田久美子●親同居
の実態が語る若年女性の貧困
釜野さおり、高田恭子、堀江有里
本パネルでは「家族規範」の考察を試みた。「家族」
島原三枝●女性の耐窮性と脆弱性
の多様性が事実として認められるにもかかわらず、男女
の対と子どもから構成されるかたちを「標準」
(規範的
第3分科会
家族)とし、そこから外れた存在(非規範的家族)を逸
竹内愛●ネパールの女性自助組織「ミサ・プツァ」によ
るコミュニティ活性化
脱とする主張が、亡霊のように繰り返し出現し続ける。
この「規範的家族」を問うことがパネルの主眼であった。
伊藤有理沙●北海道における女性農業者のネットワーク
活動とその意義
釜野報告では、1990 年代以降、
「家族」を重視する
意識が強まっているなか、構築される「規範的家族」観
鈴木暁子●地域の男女共同参画に関わるステークホル
が提示された。また、
「男女のあり方と社会意識に関す
ダー(行政・経済団体・NPO・大学)等のパートナー
る調査」(2015.3)をもとに、同性カップルを含む非標
シップのあり方の調査研究
中村奈津子●社会的責任に関する国際規格 ISO26000
準形態(非規範的家族)に対する意識から「規範的家族」
の可能性を探る─企業の男女共同参画推進の視点から
支持の状況が明らかにされた。
堀江報告では、渋谷区「男女平等及び多様性を尊重す
る社会を推進する条例」
(2015.3)をめぐる問題を導入
第4分科会
とし、「規範的家族」を強調する人も、同性カップルの
飯田未希●戦前の髪結の活動と「出髪」の問題化
法的保護を求める人も、カップルが核となる家族を求め
山家悠平●芸妓たちの信貴山籠りストライキ(1937 年)
る点で共通することを指摘し、
「反婚」という営為から
山本めゆ●戦時性暴力の再 - 政治化に向けて──「引揚
女性」の被害を手がかりに
根源的に家族規範を問うことを提起した。
高田報告では、法により規定される「家族」が、かな
村上彩佳●フランスのパリテをめぐる男女の『性差』の
解釈―─女性誌のレトリック分析を通じて
らずしも社会における「規範的家族」とは一致しないこ
と、非規範的家族を法規範へ包摂する法の営みが提示さ
れた。また、時代的変遷のなかで非規範的家族が規範に
懇親会
与えてきた影響が明らかにされた。
非学会員も含め 50 名ほどの参加があったことに感謝
ウィングス京都1階のレストラン「ふくすけ」で開催。
しつつ、引き続き、課題を追っていきたいと考えている。
会員非会員を合わせ、たくさんの参加がありました。
(堀江有里)
個人研究発表
次回大会予告
第1分科会
日程(予定):2016 年6月の土日の2日間
岡崎佑香●ヘーゲル承認論の再考
碇陽子●ファットはフェミニズムの問題か?─アメリカ
会場:首都圏
を中心に展開するファット・アクセプタンス運動から
の一考察
※詳細については、決まり次第、お知らせいたしま
す。
鬼頭孝佳●エコフェミニズムは環境問題の救世主となり
得るのか
5
2014 年度少数研究活動支援報告
2014 年度は、本学会の少額研究活動支援に応募し、
たない会員 10 名に、本学会の趣旨にあった活動をして
採択された3名の会員に研究活動支援金を支給すること
いただく場合に、一人あたり 3 万円の研究助成を支給
ができました。受給者は、一年以内にその成果を簡単に
するというものです。多くの会員の皆さまに本制度を活
まとめた報告書を提出していただくことになっていま
用していただきたいと考えております。2016 年度の少
す。現在までにすべての受給者から報告書を送っていた
額研究活動支援の募集が始まりましたら、ぜひともご応
だきました。本支援金は本学会を運営するための財源と
募ください。なお、今年度の総会時に承認された 2015
なっている会員からの会費から捻出されています。本研
年度の採択者8名への支給はすでになされており、採択
究活動支援を用いた研究の成果を発表される際には、ぜ
者とそのテーマは、本学会のウェブサイトに掲載されて
ひとも本支援金のことに言及していただけるようお願い
おります。(担当:清末愛砂)
いたします。本支援金制度は、常勤や正規雇用契約をも
会員主催研究会の募集
日本女性学会は、学会活動の活性化のため、会員主
・ 学会ニュース、学会ウェブサイトに掲載する「研究
催の研究会に対し以下の応募要件にしたがって補助金
会のお知らせ」の原稿(25 字× 20 行前後)があ
助成をおこなっています。
ること。(研究会の問い合わせ先を明記する)
研究会終了後、実施報告文を学会ニュースと学会
応募要件
ウェブサイトに書いていただきます(補助費はこの
・ 研究会の趣旨が日本女性学会の趣旨に適っているも
原稿提出後に出金いたします)。
の。
・ 少なくとも会員に対して、
公開の研究会であること。
・ 学会総会での会計報告に必要なため、支出金リスト
・ 研究会のタイトル、趣旨、企画者(会員個人・会員
と、総額での企画者による領収書を提出すること
を含むグループ)
、開催場所、開催日時、研究会の
申し込みは、広報期間確保のため原則として開催
プログラム、全体の経費予算と補助希望額(2万円
の2カ月前までに、研究会担当幹事までお願いいた
以内です)が決定していること。
します。詳細のお問い合わせも、研究会担当幹事ま
(未決定部分は少ないほど良いのですが、場所・プ
でお問い合わせください。
ログラム・経費については予定=未決定の部分を含
んでいても結構です)
「イデオロギーとジェンダー研究会」第2回研究会報告
本研究会は、社会運動に親和的なイデオロギー性をも
ニュースレターおよびメールニュースで開催を広報し
つものから反動的なイデオロギー性をもつものまで、さ
た。第2回研究会では会員の細谷実氏による富永郁子
『新
まざまな思想のイデオロギーをジェンダーとの関連性に
保守主義の作用』
(勁草書房,2008 年)に関する報告
おいて検討し、幅広く議論していくことをめざして、本
を中心に、今後の共同研究計画なども検討しつつ議論を
学会員2名が呼びかけ人となって結成した。第1回研
おこない、参加者は会員4名、非会員2名であった。第
究会を 2014 年7月 25 日に行って以降、約2ヶ月おき
3回以降は、研究会参加者を中心に、共同研究「新自由
のペースで研究会を開催し、2015 年8月までの間に5
主義・新保守主義下でのジェンダー再編の理論整理およ
回を重ねるに至っている。研究会助成は 2014 年 10 月
び日英韓比較研究」を進行している。助成金は研究会で
11 日 10 時~ 14 時に武蔵大学教授研究棟 901 号室を
講読用の書籍購入費、資料コピー代に使用した。
(文責:海妻径子)
会場に開催した第2回研究会以降について受け、学会
6
会員著作紹介
◆乙部由子・山口佐和子・伊里タミ子編著『社会福祉と
◆災害とコミュニティラジオ研究会編『小さなラジオ局
とコミュニティの再生―─ 3.11 から 962 日の記録』
ジェンダー』(杉本貴代栄先生退職記念論集)ミネル
大隅書店、2014 年(執筆会員:松浦さと子)
ヴァ書房、2015 年
◆内藤和美・山谷清志編著『男女共同参画政策―─施設
評価と行政評価』晃洋書房、2015 年(執筆会員:伊
藤静香、渋谷典子、内藤和美)
以下のルールで会員のみなさまの著作を紹介します。
掲載ご希望の方は、学会ニュース担当者までご連絡く
◆スーザン・マン著、小浜正子+リンダ・グローブ監訳、
ださい。
秋山洋子・板橋暁子・大橋史恵訳『性からよむ中国史
・ 会員が執筆・編集している単行本(分担執筆
―─男女隔離・纏足・同性愛』平凡社、2015 年
含む、雑誌をのぞく)
◆早川紀代・秋山洋子・伊集院葉子・井上和枝・金子幸
・ 1年以内の発行物
子・宋連玉編『歴史をひらく―─女性史・ジェンダー
・ ご本人の申し出があったもの
史からみる東アジア世界』御茶の水書房、2015 年
・ 寄贈は条件としない
・ 寄贈いただいたもので会員の著作と判明した
◆堀江有里『レズビアン・アイデンティティーズ』洛北
もの
出版、2015 年
◆小川真理子『ドメスティック・バイオレンスと民間
学会ニュース担当 シェルター―─被害当事者支援の構築と展開』世織書
飯田祐子、西倉実季
房、2015 年
会費納入のお願い
● 2015 年度の会費が未納の方は、どうぞお早めにお支払いください。会費納入のお願いと払込用紙はすでに送
付しております。払込用紙をなくされた方は、郵便局備え付けの払込用紙をご利用のうえ、下記の納入先まで
お振込みください。
ゆうちょ銀行 振替口座
口座記号番号 00890-6-31306
加入者名 日本女性学会
●日本女性学会の会費は年収スライド制(自己申告・税込み・該当年度予定収入)をとっております。
・400 万円未満(無職・学生含む)
:6,000 円
・400 〜 600 万円未満:8,000 円
・600 万円以上:10,000 円
●3年以上会費を滞納されている方は退会とみなされます(日本女性学会幹事改選選挙実施規定第4条(3))。
複数年滞納されている方は、
過不足なくお支払いいただくためにもご自身の納入状況を事務局にご確認のうえ、
どうか早急にお支払いください。
●学会の運営は会員のみなさんの会費によって成り立っております。重ねてのご協力をお願いいたします。
7