Pick-up プロダクツ 高鮮明化処理のPC専用 Desktop Imager DEと性能について アトラス株式会社/谷田部 弘 アトラスでは、映像化技術に不可欠な鮮明化処理アルゴリズムの開発を行っている。この 技術の動向は汎用品レベルで当社の技術は他社の追従を見ない。特にリアルタイム処理を 可能する鮮明化処理に関しては、一昨年に鮮明化アルゴリズムのASIC化に伴い大幅なロー コスト化と超小型鮮明化モジュールを実現した。それに引き続き、昨年末には新たな次世 代の高鮮明化アルゴリズムの開発を完了している。 本稿では、その新たな高鮮明化アルゴリズムが活用できるPC専用のDesktop Imager DE ソフトウェアと、その高鮮明化性能に関する技術の紹介をする。 1 はじめに ③ 逆光環境 ④ 鮮鋭化処理 当社の鮮明化処理の定義とは、 “鮮明化=見え難 上記の対象となる環境映像の多くは、その機器 い映像を見易い映像に処理”するための映像化技 仕様や設置条件により個別の環境に対応したもの 術のことをいう。 が多く、複合環境下にマッチしたものは少ない。 そのため、通常映像を精細かつ綺麗にするよう 近年、確かにイメージセンサや撮像系が進歩し な映像の精細化を意味するものではない。一方で 改善も成されているが、実態の実力性能は、左程 は本来の映像で劣化 (ボケ映像化) した映像を復元 高いとは思えない。当社の 4 つの環境映像を同時 化(鮮鋭化) する軽微な復元画像処理の機能も、鮮 に鮮明化処理する製品は特にない。加え汎用品レ 明化処理の中に含まれている。 ベルでは程遠い。以下に PC 専用ソフトおよび高 鮮明化の性能に関する技術を記述する。 2 高鮮明化処理技術とは 【高鮮明化処理の映像性能】 3 高鮮明化処理ソフトウェア 一般に鮮明化処理の機能を搭載した他社製品は Desktop Imager DE は、映像を高鮮明化する PC いくつかあるが、その性能比較においては視覚的 版の専用ソフトウェアである(図1)。 な判断を伴う部分が多い。 当社では、当社品の比較も兼ね、その比較検証 が可能な手法を用いて、その個々の性能の評価を 【概要】 ◎ PC 全体画面(メインウィンドウ) している。以下に主な 4 つの対象環境を示す。 DE 画面は、 (左:鮮明化処理ウィンドウ)、元 ① 霧、霞、雨、雪 (粒子分布空間) の環境 画像(右:ビューウィンドウ)に配置、左下に鮮 ② 暗視環境 明化処理のコントロールパネルを配置。 28 ︱June 2016 eizojoho industrial
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