『双曲幾何』古宇田悠哉(東北大)

平成 ¾¾ 年度北大¹東北大学部生合同合宿
教科書: 『双曲幾何』 深谷賢治著,岩波書店
担当教員: 古宇田 悠哉 (東北大学)
セミナー概要:
双曲幾何とは,
「まっすぐ」な空間(ユークリッド空間)ではなく,負の定曲率を持つ「曲がった」
空間を扱う幾何のことをいう.歴史的には, 世紀前半にボヤイ,ロバチェフスキーらによって発見
され,以後,現在に至るまで数学の様々な分野の中で登場し,研究されてきた.本書『双曲幾何』は,
リーマン幾何の用語を最小限に抑えながら,その重要な例である 次元双曲幾何の面白さを解説して
いる.筆者による「まえがき」で述べられている通り,リーマン幾何学を学ぶ前に,本書の内容に触れ
ることにより,一般の場合に進む良い動機づけになると思う.
セミナーでは,本書の Ü から読み始め,Ü の終わりまで到達することを目標にする.参加希
望者は,
Ü ガウス平面と一次分数変換
Ü 群と作用
までをあらかじめ予習しておくことが望ましい.時間があれば,第 章を飛ばして,第 章を読む.
参考までに,セミナーで読むセクションのタイトルを下に挙げる.
第
章
次分数変換
Ü
次分数変換の性質
円円対応
第章
ÈËÄ
の元の分類
上半平面とポアンカレ計量
Ü
ポアンカレ計量
曲線の長さ
ポアンカレ計量
距離空間の公理
等長変換群
Ü
幾何学とそのモデル
円盤モデル
測地線の一意性
角形の合同条件
幾何学が同じということの意味
エルランゲン・プログラム
Ü
共形変換・等角写像
次分数変換の共形性
複素関数論との関係 測地線の決定
第章
タイル張り,離散群,ガウス
ボンネの定理
Ü
多角形の面積
面積の定義
角形の面積
多角形のガウス
ボンネの定理 オイラーの定理
Ü
平面のタイル張りと離散群
タイル張り
タイル張りの自己同型群
基本領域
離散群
Ü
ディリクレ基本領域 双曲面のタイル張りと離散群
双曲面のタイル張り
閉曲面と離散群
£ この部分はとばしてもよい.
鏡映群