Vehicle Routing Planner

Vehicle Routing Planner シリーズ
IBM Vehicle Routing Planner for Windows (Standard版)
IBM Vehicle Routing Planner Entry for Windows (Entry版)
IBM Vehicle Routing Planner Server for AIX (VRP Server)
製品の概要
IBM Vehicle Routing Planner シリーズ(以下VRP)は、Super IF-MAPが持つGIS
(地理情報システム)の基本機能に、IBM独自の最適化技術を組み込み開発した製
品で、 複数の車両が複数の訪問先に集荷・配送を行う際の最適な経路決定を支援
する「配送経路最適化ツール」です。 また、「改正省エネ法」への対応を考慮してCO2
排出量を加味した最適化や計算機能も提供しています。
VRPはロジスティクス(物流)分野における意思決定支援のためのソリューションとし
て、戦略的な輸送計画や日次の配車計画業務を運用していくなかで有効に活用する
ことができます。 最適化エンジンには、日本アイ・ビー・エム(株)で研究開発した独自
のアルゴリズムを採用しており、質の高い最適化結果を短時間で得ることができます。
Standard版は、通常の配送計画であれば追加開発無しで利用でき、また、ミルクラン
やユーザー評価関数機能などを制限したEntry版も用意しております。
さらに、VRP Serverは最適化エンジンをIBM AIX上で動作(マルチプロセスおよびマ
ルチスレッド)するように機能拡張した製品で、 全国規模の集荷・配送計画を一括し
て最適化したい、あるいは全社レベルの配車業務の最適化を推進したいといった大
規模な最適化に対するお客様の要望にお応えします。
製品の特長
以下のような配車計画策定の支援ツールとして利用することができます。
戦略的な輸送計画策定
訪問先・荷量などに変更が生じ配送ルートを再設定する必要がある場合や、現状
のルートの見直しあるいは評価を定期的に実施する場合など、制約条件の変更に
応じて、様々な角度からシミュレーションを実行し、検証・評価していくことができます。
日次の配車計画支援
配送先や荷量の変動に合わせた、効率的な配車計画を立案することができます。
<期待される効果>
 配送コスト削減
⇒最適配車による車両台数の削減および最短経路計算による配送時間短縮
 訪問先のお客様満足度向上
⇒時間制約の考慮による納品時間厳守および店着時間事前通知
 荷主獲得に向けた営業戦略
⇒提案ツールとしての活用による営業力、企画力の向上
 配車業務のワーク・ロード削減
⇒専任者の手作業のIT化による計画時間短縮および配車要員の非専任化
製品の機能概要
VRPは、お客様のご要望に応じた機能拡張を継続的に実施しており、お客様独自の
配車業務に沿った制約条件を取り込み、それぞれの輸送モデルをシステム化するこ
とができます。 最適化を実行し、全体が最適された結果を運行スケジュールとしてガ
ントチャートに表現すると共に、訪問リストとして帳票出力することも可能です。また
ルートマップの地図表示をはじめとするGISが持つ豊富なメニューを標準機能として
提供しています。さらに、昨今注目されている「改正省エネ法」への対応として、燃料
消費量やCO2排出量の削減を考慮した最適化もオプション機能の利用により可能と
なります。
<VRPの主な機能>
• 経路最適化機能 (配送制約条件の設定、配送計画の作成/修正など)
• GIS(地図情報)関連機能 (地図の表示/操作、ルートマップの表示など)
• 道路ネットワーク機能 (速度情報の調整、道路属性情報の設定など)
• 配送計画出力機能(車両別配送先リスト、ルートマップ、CSVファイルなど)
主な経路最適化機能
目的別経路最適化
• 車両数最少化
• 物流拠点数最少化
• 稼動時間最小化
• コスト最小化
• 稼動時間平準化
• 燃料消費量およびCO2排出量の最小化
制約パラメータ設定
• 時間制約設定
(訪問指定時間枠、作業時間、車両稼動時間枠など)
• 積載制約設定
(重量・体積・パレット換算等の積載単位に対する許容制限)
• 車種制限設定
(訪問先への搬入可能車種、集配可能物流拠点指定など)
• 車両コスト設定
(車両単価、運行単価、時間単価、距離単価など)
• 訪問件数、運行回数の上限設定
• 訪問先作業時間の時間帯別調整
さまざまな集配形態への対応
• ルート集荷/配送、集荷配送の混在
• 複数物流拠点からの集配および中継拠点を介した集配
• 集配順序固定、ミルクラン・ルート、複数回転輸送
• 経路タイプ設定(集配エリアの集約、往路集配、復路集配など)
• 帰路の最適化からの除外
• 訪問先が進行方向の左側となるルート設定
ユーザー評価関数による固有制約ロジックの作成 ※ロジックは要開発
最適化結果出力
(ガントチャート、訪問リスト、ルートマップ、HTML出力など)
マルチスレッド化による複数CPU搭載時の処理パフォーマンス向上 ※Entry版を除く
主なGIS(地図情報)関連機能
• 地図基本操作(住所検索、移動、スクロール、拡大/縮小、印刷など)
• 地図情報表示(レイヤー設定、距離/面積測定、スケール表示など)
• 自動・手動マッチング(町丁目レベル)
• 訪問先のプロット登録、位置補正、エリア指定による属性情報の一括編集
• 選択経路のハイライト表示、エリア表示、ルート情報のチップ表示
• ルートマップGIF出力(車両別のGIF画像出力)
配送計画結果表示
(ガントチャート形式)
ルートマップ表示
※地図提供:住友電気工業株式会社
主な道路ネットワーク機能
• 距離行列作成(訪問先間の時間/距離テーブル構築)
•
•
•
•
•
最短経路や最短巡回路の計算/表示
道路属性の変更・編集、走行時間/距離の実績値反映
通行可否道路の選択(交差点や道路区間の閉鎖)
時間帯別走行速度の調整
選択経路の交差点・道路名表示
サーバー機能(VRP Serverのみ)
• 最適化エンジンをIBM AIX上で実行(マルチプロセスおよびマルチスレッド)
• 起動された後、バック・グラウンドのプロセスとして常駐
• 動作に必要なパラメータ(同時実行プロセス数、スレッド数など)をVRPサーバー
構成情報ファイルに設定
• WebSphere MQのキュー・マネージャーとMQクライアントとして通信を行いVRP
クライアントAPIとコマンドおよびデータの送受信
• 実行時に検出した各種メッセージ(エラー、警告、情報)をログ・ファイルに出力
• 距離行列作成(訪問先間の時間/距離テーブル構築)
クライアントAPI機能(VRP Serverのみ)
• APIとしての提供 (アプリケーションからVRPサーバーを利用するためのイン
ターフェースを提供)
• WebSphere MQとの通信に関する各種設定値をVRPクライアントAPI設定ファ
イルに設定
• WebSphere MQのキュー・マネージャーとMQクライアントとして通信を行いVRP
サーバーとコマンドおよびデータの送受信
• 複数のVRPサーバーに最適化実行を要求
• API機能(宛先VRPサーバーに対するAPI開始処理/最適化の実行要求/最
適化結果受信関数の登録/最適化実行の状況取得、取消、中止/宛先VRP
サーバーに対するAPI終了処理など)
VRPシリーズの機能比較表
Standard 版
Entry 版
VRP Server
ミルクラン・ルートの作成
○
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○
ユーザー評価関数の提供
○
×
○
マルチスレッド化の対応
○
×
○
上記3つを除く経路最適化機能
○
○
×
GIS(地図情報)関連機能
○
○
×
道路ネットワーク機能
○
○
×
サーバー機能(最適化エンジン)
×
×
○
対象機能