倉敷芸術科学大学 産学連携プロジェクト iPad PROJECT 2012 プロジェクト概要 iPadプロジェクト 2012 は、倉敷芸術科学大学デザイン学科プロダクトデザインコースの3年生と株式会社ハートスイッチの産学連 携プロジェクトです。介護・医療分野の現場でも急速に普及が進んでいる iPad ですが、そのケースは世界的に見ても健常者向けの 商品しか無いのが現状です。そこで、片麻痺等の障がいを持っている方をはじめ、片腕で赤ちゃんを抱く母親や、片手で吊革につ かまる人たちにとっても利便性のあるユニバーサルデザイン仕様の iPad 用ケースの商品開発を目指し、株式会社創心會(介護事業所) の協力の元、障がい者の方によるユーザー評価や、日常動作分析を行う作業療法士の専門家評価を取り入れながら、学生の自由な 発想でのデザインを試みました。 教授の視点 作業療法士の視点 (教育的な側面から) 企画者の視点 (リハビリ的 側面から) (社会的 側面から) ●企業・障がい者との連携で期待した効果 ●学生との連携で期待した効果 ●学生との連携で期待した効果 ユーザーの多様性を理解し 障がい者の身体や動作の特性を理解して頂くこと。不便な状 地元大学と連携により、創心會グループの 個々のニーズに丁寧に幅広く対応する 態から生み出される「代償動作」の理解を深めて頂くこと。 ユニバーサルデザインを実践すること。 ●実際に得られた効果 知って頂く。ご利用者様の生活の質の向上。 個々の生活背景を理解した上で、実用的に iPad が日常にとけ ●実際に得られた効果 込めるようデザインして頂けたこと。 学生との交流や意見交換による、 ●実際に得られた効果 障がい者の方や専門家の協力を得て、 デザインが使われる実情を理解できた。 倉敷芸術科学大学 デザイン学科 柳田宏治教授 株式会社 ハートスイッチ 連携の形態 情報提供 (使用実態、不便さ等) 調査機会提供 2012年初夏 協力ユーザー (株式会社 創心會) 宇野京子 ハートスイッチ iPad 関連事業立ち上げに伴い、障がい者用 のツールの必要性を感じる。倉敷芸術科学大学へツールの 上肢障害のある方、 高齢者、その他 共同商品開発を打診。賛同を得る。 協力依頼 ユーザー調査 芸術学部デザイン学科 プロダクトデザインコース 3年生7名(3グループ) 指導:デザイン学科教授 柳田宏治 ご利用者様 ( モニター ) の社会参加意欲の向上。 株式会社 ハートスイッチ プロジェクトの流れ (講義、ヒアリング、観察など) 倉敷芸術科学大学 土居 義典 社会参加支援 の取り組みを地域の皆様へ 10 月 9 日 情報提供 テーマ提供 情報提供 (ユーザー特性、業界動向等) 専門家指導 ユーザー理解および利用状況理解のための講義 (岡村誠次郎様参加) 不便さ調査・ユーザー(ご利用者様)及び、療法士へのヒアリング 株式会社 創心會グループ会社 株式会社 ハートスイッチ デザイン提案 実用化・商品化の検討 ● 多様なニーズを持つユーザーに協力していただき、ユーザー参加型のデザイン開発とする。 ● 各種専門家(作業療法士など)に協力していただき、専門家評価を受ける。 11月 30 日 中間検討会(岡村様・藤原健志様参加) (森下真紀様は iPad のテレビ電話機能を使って参加) ユーザーと作業療法士からの評価・ユーザビリティテスト 各種専門家 1月 22 日 最終検討会(岡村様・森下様・藤原様参加) 2 月 12 日 プレゼンテーション(岡村様・森下様・藤原様参加) ( 2 月13 日倉敷ケーブルテレビニュース枠にて紹介) 制作者 制作者(学生) (学生)側の視点 側の視点 A group 倉敷芸術科学大学 芸術学部デザイン学科 プロダクトデザインコース 3年 入江公美子・戸谷朱里 コンセプト 「情報を身に着ける」 1.My Glove ∼まるで自分の手のような iPad mini ケース∼ 専用のグローブで、腰につけたホルダーからスムーズに取り出せる。 胸につけたタッチペンで、指を使わずに操作可能。 2.drape ∼おしゃれに身に着けられる iPad mini ケース∼ iPad mini を自然に身に着け持ち歩ける。 首にかけることで手で持つ必要がなく、操作も片手で楽々。 B group 倉敷芸術科学大学 芸術学部デザイン学科 プロダクトデザインコース 3年 馬場恵美子・三宅由実 コンセプト 「失敗バイバイ ∼ちょっとしたミスを無くす My Pad ∼」 1.JUMP 持ち運び楽々、保持しなくていい外付けケース 薄くて意外と掴みにくいフォルムの iPad。ワンタッチで取り出して、 ケース自体がスタンドとなる。自由に角度調整も可能。 保持の手を必要とせず、片手で操作ができる。 2.CHOICE 自由にカスタム、 私 に合わせて選べるパーツ ひとによって手の形や大きさ、器用さ、動作能力は違う。自分の手に合う グリップパーツを選んでカスタマイズできる iPad アクセサリ。 グリップパーツの形はボール型、ネット型、ハンドル型など様々な種類がある。 Cgroup 倉敷芸術科学大学 芸術学部デザイン学科 プロダクトデザインコース 3年 沖田絋行・田口壮馬・松浦裕史 コンセプト 「iPad to Go! ∼外へ iPad を持ち出そう∼」 1.KANGAROO Wallaby 着こなす iPad!∼ iPad が片手で操作できるバッグ∼ 2.ELEPHANT 情報はいつも目の前に! ∼ iPad を手を使わず保持できるアーム付きケース∼ モニター(創心會ご利用者様)の視点 モニター(創心會ご利用者様)の視点 参加モニター:岡村誠次郎・森下真紀・藤原健志 藤原健志 さんの感想:きっかけはハートスイッチからの声掛け。普段から使っている iPad のプロジェクトということで興味があり参加した。 すぐにでも商品化できるのではないかと感じられる試作品が次々に出てきて、わくわくした。同様の機会があれば、是非また参加したい。 岡村誠次郎 さんの感想:ユーザー理解のための 10 月の講義から参加しているが、片麻痺の人は袋を開けるときに口を使うことや、トラ ンプのケースが開けられなかったことなどから不自由さを掘り下げてよく研究してある。障がい者に限らず健常者でも使えるものを考える のは素晴らしい。出来上がりも大切だが色々と考える過程が大切。次回もあれば、いつでもモニターして参加したい。 森下真紀 さんの感想:自助具の観点はあったが、ユニバーサルデザインには着目してなかった。障がい者を研究しての取組みは素晴らしい。 医療器具は値段が高い割に、自分に合わないことも多い。障がい者・健常者問わず使える市販品が普及すれば、選択肢も広がりありがたい。 株式会社 株式会社 創心會代表 二神雅一のコメント 創心會代表 二神雅一のコメント 学生の柔軟な発想に驚いた。商品化に繋げられるよう連携出来たら良い。iPad の可能性は、2012 年 11 月の創心會大祭りの藤原健志さ んの講演「脳トレ i Pad 教室で学んだこと。」で感じた。藤原さんが福岡の姪御さんとテレビ電話(Face Time)を使って会話をされてい る時に、バーチャルでなくリアルな感覚があり、iPad を通じてご利用者様が元気になる環境を作りたいと感じた。iPad を使いたくて も使えないユーザーは沢山いる。はじめの形がどうであれ できる にチャレンジすることで QOL(生活の質)は高まるはず。健常者、 障がい者を問わず使えるユニバーサルデザインの iPad 用ツールが普及していくことを望む。 iPad PROJECT 2012
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