北海道立食品加 工研究 センター報告 No.21996[報 文] 93 エ クス トルー ダを利用 したパ スタ様食品の製造試験 河野慎 一 ・熊林義晃 ・清水英樹 山崎邦雄 ・清水條資 A Studv of Extruder-assisted Pasta Production Shinichi KoNo, Yoshiteru KunrRneyRsuI, Hideki SHIMIZU,Kunio Yeuezeru and Josuke SHtlrIzu This study involved the production of wheat-grain pasta, using an extruder, and examined the operating environment of the extruder, in an attempt to simplify the pasta-making process- It was also an attempt to develop an unprecedentedwholewheat noodle. Experiments were separatedinto two main processes:milling and noodle making, or processing. In the milling experiment, optimal operating conditions, which yielded finely milled hulls and albumen, were achieved by combining a reverse-screwand kneading-disk, increasing the revolutions per minute of the screw andlor decreasing the supply rate of the raw material' In the production of noodles,the amount of water added profoundly affected the resulting noodles' physical properties. When noodles were made with small amounts of water, starch was gelatinized ot protein was denatured by heat resulting from the high pressures generated by dough passing through the die. As a result, the noodles' tensile strength increased. On the other hand, noodles made from a dough containing greater moisture closely resembled noodles now on the market. A novel wholewheat noodle was produced by combining the milling and processingsteps into one continuous sequenceusing a single extruder. In this experiment, a high screw revolution rate and large water volume were found to achieve a noodle possessingan acceptably low tensile strength. By using an extruder, wholewheat noodles were successfullycreated from wheat grain. This also demonstrated the ability of the extruder to mill wheat grain and process noodles in one continuous sequenceof events. ー メン等 の製品 は最 北海道産 の小麦 を用 いたパ ン,ラ 近,道 内 の製粉会社,加 工業者 により開発 され,多 く市 ー 場 に出回 つて いる。 これ らは輸入小麦 のポス トハ ベ ス ト問題等 か ら,消 費者 の食 品 に対 す る安 全性 指 向 が 高 1ヽ まってい る中で,好 評 を得てい る ェ クス トル ー ダは,装 置内部 で圧縮,粉 砕,せ ん断, 混合,混 練,加 熱,組 織化,成 型,膨 化な どの複数の加 工工程 を同時 に連続的に行 う ことが可能 である。 このた め複数 の制御因子 の最適 な組 み合わせ は容易 には特定 で 工す る場 合 は, きない。エ クス トルー ダを用 いて食品 を力日 制御因子 が製造物 の性状 に及ぼす影響及び,制 御因子 の 最適 な組合 せ,すなわち運転条件 を検討 す る必要がある。 ー 本試験 では北海道 産の小麦 を用 いて,エ クス トル ダ によるパ スタ様食 品の製造試験 を行 なった。原料 に小麦 麦粒 の粉砕 か ら麺の製造 までを 1台 のエ ク 粒 を用 い,ガ ヽ ス トル ー ダで行 うことによって工程の短縮 を試みた。 ま た今 までに例 が少な く,外 皮 の部分 を含むため繊維質 が め高 い生産効率 が得 られ,エ ネル ギ,労 働力 の節減 に役 立 つ新 しい食品加 工機械 として注 目されて い る。 一 方,エ クス トル ー ダは,ス ク リュの種類 や組合 せ, 含 まれ る全粒粉麺 の製造 を試みた。繊維質 は,生 体 の消 化管,主 に腸 に種 々の影響 を与 え,消 化管 の動 きを活発 スク リュ回転数,原 料供給量,バ レル温度等 の制御因子 が多 い。 また,こ れ らの制御因子 が,製 造物 の性状 に及 にす る,腸 内細菌 の種類 を変動 させ る,腸 内圧及 び腹圧 を低下 させ る等 の機能 を持 ち,腸 疾病 の発 生 を制御す る ぼす影響 について解析 されて いない部分 が多 い。こ のた とされて い る物質である。わが 国 は古 くか ら繊維質 の多 河野 ・他 :エ クス トル ー ダを利用 したパ スタ様食品 の製造試験 い食 品 に恵 まれ て い たが ,食 生活 が 近代 化 す るに つ れ て 2.小 麦粒 の粉 砕試験 加 工 食 品 の摂取 が 多 くな り,繊 維分 の 多 い食 品 の摂取 が 粉砕 試験 は小 麦粒 を粉砕 し全 粒粉 を製 造 した。原料 は 少 な くな って い る。全粒粉麺 は繊 維 質摂 取 を補助 で きる チ ホ ク コム ギ (清水 町産 )の 小 麦粒 を用 い た。成型部 分 機 能 的 な食 品 として,ま た ,北 海 道産 の小 麦 を用 い る こ で あ るダイ は装着 せ ず に行 い,水 は添加 しなか った。 運 とに よ り消費 者 の安 全性 指 向 を満 たす食 品 として期待 で 転 条件 を表 1に 示 した 。 ス ク リュパ ター ンは図 1に 示 す 1と 2の 組 合 せ で行 っ きる。 運転 条件 の検 討 は粉砕 試験 ,製 麺 試験 ,全 粒 粉麺 の製 造 試験 の 3段 階 を経 て行 った。 た。 製造 した全 粒 粉 は,lmm以 粉砕 試験 で は小 麦粒 を原 料 として用 い,ガ ヽ 麦 の粉砕 に 最適 な運転 条件 の検 討 を行 った。製麺 試験 で は小 麦粉 を 上 の外 皮 をふ るい分 け,残 りの 部 分 の 平 均 粒 径 を粒 度 分 布 測 定 装 置 (LS 130, COLTER社 原料 として,製 麺 の最適 な運 転 条件 の検 討 を行 った 。全 製 )を用 い て測 定 した。粒 度 分布測定装 置 は ー 液体 モ ジ ュ ル を使 用 し,分散媒 はメタ ノ ー ル を用 い た。 粒 粉麺 の製造 試験 で は小 麦粒 の粉砕 ,製 麺 の 2工 程 を同 3.製 麺試験 時 に連続 的 に行 うた め に,粉 砕 試験 ,製 麺 試験 で得 られ 製麺 試験 は,原料 にデ ュ ラム小 麦 の セモ リナ (A社 製 ), チ ホ ク コム ギの小 麦粉 (B社 製 )を 用 い て行 った。運転 た結 果 を組 み合 わせ て,最 適 な運転 条件 を検 討 した。 条件 を表 2に 示 した。 ス ク リュパ ター ンは図 1に 示 す 1の 組 合 せ で行 った 。 実 験 方 法 1.エ クス トル ー ダの運転 条件 エ クス トル ー ダ (TC0 30,神 製 造 した 麺 につ い て 水 分 の 測 定 ,走 査 型 電 子 顕 微 鏡 戸 製鋼所 製 )は ,バ ンル 内径 が 30 mm,長 径比 (L/D)が 24の もの を用 い た。 バ ンル に は温 度 制 御 用 の ヒー タ が 3台 附 属 され て お り,本 試験 で はい ずれ も 20℃ に設定 した。また,ス ク リュ パ タ ー ン,ス ク リュ回転 数,原 料 供給量 ,添 カロ 水 量 の運 転 条件 を変化 させ 試験 を行 った。 成型 部分 で あ るダイ は直径 2mm,丸 (S-2400,日 立 製作所 製 )を用 い た 表面 の観 察 を行 った 。 また,100° Cの お湯 の 中 で 3分 間 ゆで た後 に万能 引張試験 機 (AGS 500 A,島 津製 作所製 )を 用 い て 引張強度 を測 定 し,あ わせ て食 味試験 を行 った。 4.全 粒粉 麺の製造 試験 全粒 粉麺 の製造 試験 は,原 料 にチ ホ ク コム ギ (清水 町 形 ,2穴 の もの を 産 )の 小麦粒 を用 い,表 3に 示 す運転 条 件 で行 った 。 ス 用 い た。 ス ク リュ は,フ ォワー ドス ク リュ,ニ ー デ ィ ングデ ィ ス ク, リ バ ー スス ク リュの 3種 類 を用 い た 。こ れ らを図 1に 示 す 3つ のパ タ ー ンに組 み合 わせ て試験 を行 った 。 エ クス トル ー ダの運 転 の際 はデ ー タ ロガ を用 い て ,バ レル 温度 (° C),ダ イ温 度 (° C),ス ク リュの回転 数 (rpm), ー モ タの 負荷 (A),原 料供給 量 (kg/h),圧 力 (N/mm2), 材料 温度 (° C)の デ ー タ を記 録 した。 r\9-> t t\9-> z r\9-> e 表 1 月ヽ 麦粒 の粉 砕試験 の 運 転 条件 使用原料 小麦粒 (チホク コム ギ) 添加水量 (′ /h) スク リュ回転数 (rpm) 50,100,300 バ ンル 温 度 (° C) 原料供給量 (kg/h) 1.5, 2.9 ダイ な し ー ヮ 中 ュ隠 _シン ー グ ス ス 贔 ヮォ 列ュ ャク躙 刊バ 図 1 ス ク リュパ ター ン 北海 道立食 品加 工 研 究 セ ン ター報 告 No 2 1996 95 表 2 製 麺試験 の 運 転条件 チホ ク コム ギ デ ュ ラム小 麦 のセ モ リナ 使 用原料 添加水量 (′/h) 06, 0.8, 09, 1.0 スク リュ回転数 (rpm) 100, 200, 300 100, 200, 300 バ ンル温度 (° C) 原料供給量 (kg/h) 1.5, 2.9 2mm× ダイ 2 2mm× 2 表 3 全 粒粉 麺 の 製造 試験 の 運転 条件 0.4, 0.5, 06, 1.2 スク リュ回転数 (rpm) 150, 200, 300 バ ンル温度 (° C) 2mm× 2 ―ヽ Ⅱ ― ‐_ _ _ _ _ _ _ _ _ __ヽ _ ▲、 III 0 2 1.6, 3.5 ダイ `` ヽ_ヽ ● 0 4 原料供給量 (kg/h) ゞ 0 6 添加水量 (′/h) 日、︶u興ミ 丼 ︵ 小麦粒 (チホ ク コム ギ) 0 8 使用原料 0 ク リュパ ター ンは図 1に 示 す 3の 組 合 せ で行 った 。 製造 した麺 につ いて製麺 試験 で行 った測 定 と同様 の測 定 を行 った 。 0 100 200 300 スクリュ回転数 ( r p m ) 図 2 ス ク リ ュの 回 転 数 と平 均 粒 径 I ( ■ ) : ス ク リュパ ター ン 1 処 理量 : 2 9 ( k g / h ) 結 果 お よび考 察 II(◆):ス クリュパ ター ン1 処 理量 :1.5(kg/h) Ⅲ(▲):ス クリュパ ター ン2 処 理量 :1.5(kg/h) 1.粉 砕試験 粉砕 試験 は小 麦粒 のふ す まの部分 を細 か くす る こ とが 課題 にな る と思 われ ,粉 砕 した全 粒 粉 の平均粒 径 で評価 を行 った。 径 は大 き くなる傾向が認 め られた。 ニー デ ィングディスクは,フ ォヮー ドスクリュに上ヒ 較 し,原 料 をせん断する能力 が大 きい ディスクで あるが, エ クス トル ー ダ を用 い た小 麦粒 の粉砕 は,ス ク リュ と 原料 を進行方向へ送 る搬送能 力 が小 さい。原料の搬送 は, バ ンル 内壁 との 間 に生 じるせ ん 断力 に よって行 われ る。 新たな原料がデ ィスク上 に搬送 され,滞 留 していた原料 粉砕 は フ ォ ワー ドス ク リュのみで も可能 で あ るが ,こ こ が押 し出 され ることによ り行われ る。 ディスク上 に滞留 で きる原料 の量 は一定 であるため,原 料供給量 が多 くな ると,デ ィスク上 に原料 が滞留する時間 は小 さ くな り, で は よ りせ ん断効 果 の大 きい とされ るニ ー デ ィ ングデ ィ ス クを組 み込 んで行 い,図 1の ス ク リュパ ター ン 1の 様 に配置 した。 さ らにス ク リュパ タ ー ン 2で は リバ ー スス デ ィスクの作用 を受 けに くくなる。 このため,原 料供給 ク リュ を組 み込 んだ.こ の こ とに よ り原料 は押 し戻 され , ニ ー デ ィ ングデ ィス ク上 に長 い時 間滞 留 し,せ ん 断効 果 量が多 くなると平均粒径 は小 さ くなった と思われ る。 が更 に上 が る と予 想 され る。 均粒径が大 き くなると予想 されたが,条 件 Hと の差 が認 め られなかった。 ス ク リュ回転数が低回転 の場合,原 料 図 2に ス ク リュ回転 数 と平 均粒 径 の 関係 を示 した。 一 を除 い て 部 ,ス ク リュ回転 数 が 大 き くな るに従 い平 また,条 件 Iで は,ス ク リュ回転数が 50 rpmの 時 に平 の搬送速度 が遅 くなる。 このため,ス ク リュが高回転 の 均粒 径 は小 さ くな る傾 向 が 認 め られ た。小 麦粒 の粉砕 は, 場合 に比 較 し,原 料 がデ ィスク上 に滞留す る時間が長 く 前述 の通 り,バ レル の 内壁 とス ク リュの 間 に生 じるせ ん な り原料供給量の差が生 じなかった と思われ る。 スク リュパ ター ンの異なる条件 ΠとⅢ を上ヒ較す ると, リバ ー ススク リュを組 み込 まない条件 Ⅱは組み込 んだⅢ よ りも平均粒 径 が小 さ くなった。リ バ ー スス クリュ を組 断力 に よって行 わ れ るが,ス ク リュ回転 数 が 大 きい ほ ど せ ん断力 は大 き くな り,小 麦粒 は よ り小 さ く粉砕 され た と思 われ る。 条 件 Iと Ⅱ を比 較 す る と,ス ク リュ回転 数 が 50 rpm み込む ことに よって,ニ ー ディングデ ィスク上 に滞留す を除 いて,原 料 投 入量 の多 い条件 Iが ,少 な い条件 Hよ る時間が長 くな り,小 麦粒 はデ ィスクのせん断効果 をよ りも平 均粒 径 は大 き く,原 料投 入量 が 多 くな る と平均粒 り多 く受 ける。 このため,平 均粒径が小 さ くなった と思 400 河野 。他 :エ クス トル ー ダ を利 用 したパ ス タ様 食 品 の製造 試験 わ れ る。 このた め,材 料 温度 は上昇 し,材 料 中 の デ ンプ ンの α 化 , 2.製 麺試験 タ ンパ ク質 の熱変成 が起 こ り麺 の強度 が 高 くなった もの 製麺試験 で は原料 に小 麦粉 を用 い たた め粉砕 を考慮 す る必 要 はないが ,麺 の生 地 を作成 す るた め,ニ ー デ ィ ン と思 われ る。 グデ ィス クを図 1の ス ク リュパ タ ー ン 1の よ うに配置 し た。 ニ ー デ ィ ングデ ィス クはガヽ 麦粒 の よ うな固形物 に対 図 を示 した 。 図 4は デ ュ ラム小 麦 の 麺 で 強 度 は 1.98× して はせ ん断効 果 が期待 で きるが ,生 地 の よ うな粘性 の あ る もの,ま た ペ ー ス ト状 の もの に対 して は混 練効 果 が 度 は 0.90×102(N/mm2)で 期待 で きる。 図 3に チ ホ ク コム ギ にお ける添加 水量 と引張強度 の 関 係 を示 した。添加 水量 が増 えるに従 って 引張強度 が小 さ くな る傾 向 が認 め られ た。本試験 で用 い た ダイ は長 さが 24 mmで mmか あ る。 原料 が この 間 を移 動 す る間 に 内径 は 30 ら 2mmに 減 少 す る。水分 が 低 い材 料 は流動 性 が 悪 い た め に,ダ イ を移動 す る際 の材料圧 力 が 高 くな る。 図 4と 図 5に 強度 の異 な る麺 の表 面 の電 子顕微 鏡観 察 102(N/mm2)で ぁ った。 図 5は チ ホ ク コム ギの麺 で 強 ぁ った。 強度 の低 い チ ホ ク コム ギの麺 の表面 にはデ ンプ ン粒 が 認 め られ ,タ ンパ ク 一 質 の網 目構 造 も観 察 され た 。 方,強 度 の 高 い デ ュ ラム 小麦 の麺 はデ ンプ ン粒 や ,タ ンパ ク質 の網 目構 造 が ほ と ん ど認 め られず ,緻 密 な組織 で あ った。 麺 の食 味 は,添 加 水量 が 多 い麺 が 市販 され て い る麺 に 近 い食感 で あ った 。 3.全 粒粉 麺 の 製造試験 全粒粉麺 の製造 は,小 麦粒 の粉砕 と製麺 とを 1台 の エ ク ス トル ー ダ で 行 う必 要 が あ る。 この た め ス ク リュパ ター ンにニ ー デ ィ ングデ ィス クを組 み込 む こ ととし,ま た その効 果 を高 め るた め リバ ー スス ク リュ を組 み合 わ せ (10-2) 4 Y=-0020X+0032 た 。更 にその組 み合 わ せ を 2カ 所 に配 置 した。す なわ ち, c日日ヽZ︶ 燃韻怒 品 r=-0 80 原料 供給側 の組 み合 わせ で小 麦粒 の粉砕 を行 い,ダ イ側 の 組 み合 わ せ で生 地 を混 練 す る こ とを図 り,図 1の パ ター ン 3の よ うに ス ク リュ を配置 した。 ■ 表 4に 運 転 条件 と引張強度 の結果 を示 した 。運転 条件 No.5の 麺 が 最 も良好 な食 感 で あ った。 全粒 粉麺 の製造 試験 は小 麦粒 の粉砕 と製麺 とい う 2つ 08 10 添加 水量 ( ′ /h) 図 3 添加水 量 と引張 強度 ( デ ュ ラ ム小 麦 ) 図 4 デ ュ ラム小 麦 の 麺 の 表 面 引張強度 :198× 102(N/mm2) 倍率 ×300 の工 程 を同時 に行 った 。小 麦粒 の粉砕 試験 か らス ク リュ 回転 数 を大 き くす る と粉砕 度 が上 が り,ま た製麺 試験 か ら添加 水量 を多 くす る と麺 の 引張強度 が小 さ くな り麺 の 食感 は市販 品 に近 くな る との結果 を得 た。 これ らの 結果 図 5 チ ホ ク コム ギの麺 の 表 面 引張強度 :090× 102(N/mm2) 倍率 ×300 北海道立食品加 工研究 セ ンター報告 No.21996 表 4 運 転条件 と引張強度 No スクリュ回転数 原 料投入量 添 加水量 (rom) (kg/h) (′ /h) た 。 ス ク リュ回転 数 を大 き くす る こ とや 原料供 給量 を 引張強度 (N/mm2) 少 な くす る こ とで も同様 の傾 向 が み られ た 。 2)製 麺 試験 で は添加 水 量 が麺 の物性 に影響 を与 え,添 2.4 05 0_70× 10 2 26 04 098× 10 2 29 0.6 122× 10 2 3)全 粒 粉 麺 の製造 で はス ク リュ回転 数 が 大 き く,添 加 31 05 103× 10 2 水 量 が 多 い ほ ど引張強度 は小 さ くな る傾 向が認 め られ 4.5 12 077× 10 2 加水量 が 多 い麺 は市販 品 に近 い食 感 で あ った 。 た。 エ クス トル ー ダ に よ り工程 の簡 略化 が 図れ,粉 砕 工 程 と製麺 工 程 とを同時 に連 続 的 に行 う こ とが で きた 。 この よ うな複 数 の工 程 を同時 に行 う場合 の運 転 条件 につ い て は,各 工 程 の試験 を独立 して行 い,そ れ ぞれ の最適 な運 転条件 を把握 し,そ れ らを組 み合 わ せ る こ とで推 測 で き る こ とが示 唆 され た。 本 試験 で は今 まで にない食感 の全 粒 粉麺 の 試作 を行 っ た。全粒 粉麺 は繊 維質摂取 を補助 す る機 能 的 な食 品 とし て,ま た ,北 海 道産 の小 麦 を用 い る こ とで ,消 費者 の安 全性 指 向 を満 た す食 品 として期待 で きる。 文 i革 椰呈 早 ユ 1硼帖j#皐諄轟lIII‖ i柔 掏皐 ユ i彗 111111111111■ ■ 献 を踏 まえて,全 粒 粉麺 の製造 を行 った ところ,ス ク リュ 1)北 海 道 農政部 :平 成 5年 度北海 道 農業 の動 向,第 1版 (北海 道,札 幌 ),p.113,1994. 2)日 本 麦類研 究会 :改 訂版 小麦粉 一 その原 料 と加 工 品,第 1版 (日本 麦類 研 究会 ,東 京 ),p971,1976. 回転 数 が 大 き く,添 加 水量 が 大 きい ほ ど引張 強度 が 低 く 3)小 田聞多 :新 めんの本 ,第 6版 (食品産業新 聞社 , 図 6 全 粒粉 麺 の 外観 な る傾 向 が 認 め られ た。 製造 した全粒 粉麺 を図 6に 示 した。全粒 粉 麺 の外観 は, 外 皮 の影 響 のた め茶色 味 を帯 びた 。食感 は少 しざ らつい たが ,ス ク リュの回転 を上 げ,小 麦粒 を よ り細 か くす る こ とで 改善 で きる と思 われ る。 要 約 エ クス トル ー ダ を用 いて小麦粒 か らパ ス タ様 食 品 を製 造 した 。 その結果,以 下 の こ とが 明 らか とな った。 1)リ バ ー スス ク リュ とニ ー デ ィ ン グデ ィス ク を組 み合 わせ る こ とで,小 麦 の外皮 ,胚 乳部 が細 か く粉砕 で き 東 京),p162,1991. 4)食 品産 業 エ クス トル ー ジ ョンク ッキ ン グ技術 研 究 組 合編 :エ クス トル ー ジ ョン 。ク ッキ ングー 2軸 型 の 開発 と利 用 一 ,第 1版 (光琳 ,東 京 ),1987. 5)日 本食 品 工 業 学会編 :食 品工 業 にお け る科学 。技 術 の進 歩 (II),第 1版 (光琳 ,東 京 ),p.81,1985. 6)塚 本守 :日 本 調理 科学会 誌,17, 2(1984). 7)渡 辺 治 ら :北 海 道立食 品加 工 研 究 セ ン ター研 究報 告,1,(1994) 8)食 品成 分研 究会編 :食 品 の食 物 繊維 。無機 質 ・コ レス テ ロー ル ・脂 肪 酸含 量表 ,p.1,1985。
© Copyright 2024 Paperzz