チューニングカタログ エンジンチューニング

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5.エンジンチューニング関係 スコルパ/Gas-Gas
1) スコルパ/ランドネ 125Fを140cへボアアップKit部品(競技専用部品) 対応/125.4st
→ 38,000円 <内容>
・シリンダー.ピストン.ピストンリング.ピストンピン.ピンクリップ.ニードルベアリング.各ガスケットのすべて
1.その昔のHONDA/TL125バイアルスの時代から、125cc4stのボアアップは140cc付近までが性能的にも耐久性で
もベスト。同じキャブセッティングに同じ排気系そのままでOK。エンジン出力性能曲線も、ほぼ125と同じ。それ
に145cc付近までアップは、単純にボアアップ価格だけですみます。
2.これ以上の170cc付近にまでボアアップしようと思えば、これはクランクケースを加工してまでの作業となり、コ
スト的にも10万円以上かかり、それだったら最初から200ccバイクを購入した方が得策です。
3.それに125ccを170ccにパワーアップすると、クラッチやキャブレターや排気系もいじらないと性能が出ず、コス
トがさらにかかりますし、性能曲線は125とは別物になります。
4.あくまでも、125ccの延長線上の性能はボアアップ145ccまでと考えて下さい。参考までに「125cc→145cc」は
「 250cc→290cc相当」で、「125cc→170cc」は「 250cc→340cc相当」となり、170ccにボアアップなん て、250を340にするのと同じで、あなた340ccのトライアルバイクに乗りますか?とんでもないのです。
5.黒山レーシングでは125は125のまま乗る事をおすすめしますが、どうしても、もう少しパワーがほしいという民
間人皆さまには、この140ccをお進めいたします。
2) 140ccやオーバーサイズピストン(126ccか128.3cc)へボーリングし交換工賃 対応/125.4s
→ 15,000円 *エンジン単体で送ってきた場合の交換工賃 → 29,000円 *バイク持ち込みの場合の交換工賃(エンジン下ろし積み実働まで 14,000円を含む)
<内容> ・どちらの場合も交換工賃の他に、部品代としてオーバーサイズピストン(5,170円)+オーバーサイズピストンリング
Set(2,730円)+シリンダーヘッドG/K(725円)+シリンダーベースP/K(231円)+シリンダーボーリング代金 (12,800円)=21,656円が別途必要です。
・ついでに、ハイカム(9,800円)+強化バルブスプリング(1,600円)に交換する場合は11,400円が別途部品代が必要
です。この場合の交換工賃は「込み」ですので必要ありません。
1.アルミシリンダーにニカジルメッキの場合、ピストン動きクリアランスに限界を超えた横ガタ(0.1以上)が出てきた
場合は、シリンダーはそれで終わりでして再メッキか新品交換しか手だてはありません。
2.ですが、ヤマハ125Fの純正シリンダーは古典的な鉄シリンダーの為、純正部品のオーバーサイズ用ピストンに合う
ように、シリンダーをボーリングし穴径を広げれば新品として再生出来ます。
3.ちなみにスタンダードは125と表記していますが、実際は「123.7cc」です。純正部品として市販されている0.5
ミリオーバーサイズピストンに合わせてボーリングすれば「126cc」となり、その上の1ミリオーバーサイズピス
トンだと「128.3cc」となります。
4.128.3ccだと、明らかにスタンダードの123.7ccに比べ、低速トルク感の違いが民間人でも体感出来ます。
5.ボーリングは当社では設備もノウハウもなく不可能で、当社では作業せずにレース用二輪と旧車専門の内燃機ボー
リング屋さんに外注します。
チェーンを428サイズから520サイズへ、交換のおすすめ
1.エンジンチューニングとは関係ありませんが、125ccスタンダードのままや145ccにボアアップしてトライアルを
楽しむ場合、純正チェーン428サイズを兄貴分の520サイズに交換すると、よりセクション走破性が高くなり、よ
りトライアルが楽しくなります。
2.520サイズに交換した場合のメリットは・エンジンのパワーをよりダイレクトに後ろタイヤに伝えられる・スタン
ダードの減速比よりも、少し足が速くなりセクションが走りやすくなる・泥等がチェーンにかみこまない・428サ
イズよりも大ぶりですが、軽く丈夫でまず伸びない等々です。
3.詳細は40ページの2)をご覧下さい。
3) スコルパ/ランドネ 125Fのスタンダードカムをハイカムへ交換工賃 対応/125.4st 30
→ 7,500円 *別途、ハイカム部品代(9,800円)が必要です。
<内容>
・カム交換(4,000円)+バルブクリアランス調整(3,500円)
1.50ccを含めて145ccまでの小排気量トライアルは、低速トルクがないのでとにかく回転の上がるエンジンでない
と、トライアルに使えません。下のパワーは少しなくなりますが、上はスタンダード以上に回転が上がりパワーの
出るハイレシオのカムシャフトです。
2.カムシャフトだけの交換作業は、エンジンそのままのボルトオン作業で簡単です。本当は、バルブスプリングも同
時に強化スプリングに交換した方がいいのですが、これにはエンジンを下ろしての作業になり時間もお金も必要。
3.145ccボアアップ交換時工賃には、このハイカムと、強化スプリング交換工賃も含まれます。 4.このハイカムに交換しますと、回転を上げてクラッチを多用するようになりますので、クラッチチューニングの純
正5枚クラッチを、6枚クラッチに変更する事もお勧めいたします。詳細は40ページの2)をご覧下さい。
4) スコルパ/ランドネ 125F用強化バルブスプリング部品 対応/125.4st → 1,600円(INとOUTの2本で) *自分で交換する場合、単体売り可。交換工賃は両方で2,000円。
ハイカムに交換した時は、同時に強化バルブスプリングに交換した方が、カムに連動しているバルブの上下動の追従
性が上がり、正しくハイカムの性能が出ます。
<内容> ・どちらの場合も交換工賃の他に、部品代として145Kit(32,100円)+ハイカム(9,800円)+強化バルブスプリング (1,600円)=44,100円が別途必要です。
1.ハイカムと強化バルブスプリングは、単品部品として掲載していますが、140ボアアップにこの二つの部品は必ず
必要なセットと考えて下さい。ハイカムに交換する事で、バルブの上下動が多くなりますが、この動きに追随する
強化スプリングが必要になります。バルブスプリング交換工賃も「込み」です。
2.140ccKit&ハイカム&強化バルブスプリングの3つのコンビネーションにより、小排気量トライアルに必要な低速
時のピックアップと、高回転域で飛躍的なパワーの出方が体感出来ます。
5) スコルパ/ランドネ 125Fの、フライホイル軽量化 対応/125 4st → 3,500円 *はずし組み代別 → 1,500円
1.ボアアップして排気量を上げた場合は、スタンダードの重さがベスト。でも、スタンダード125ccのままトライア
ルするには、少しフライホイルは重すぎます。 2.で、生涯125でいくと決めたら、フライホイルを少し削って軽くした方が、トライアルがより楽しくなります。
6) スコルパ/ランドネ125Fのクランクケース底のデベソ凸部をサンダーで削るか、アルゴン溶接
か 対応/125 4st
→ 4,000円 *アンダーガード修正、クランクケース底の凸部削り代すべて。 31
1.125Fで絶対にやっておいた方がいいのは、クランクケースの下にあるドレン穴を埋めたあとの凸部(通称でべそ)
を半分程に削る事です。
2.アンダーガードをはずせば分かりますが、クランクケース底部に丸い凸部があります。アンダーガードゴム部には
しっかりとくい込んだ凹のへこみが確認出来ます。
3. ズバリ、強くアンダーガードを打ち付けた時にクランクケースを破損する原因になりますので、これをサンダー
で半分に削っておく事ですね。
→ 2,000円 * アルゴン溶接のみの費用
1.サンダーで凸部を削るのは簡単ですが、山の半分程しか削り落とせません。理由は、山をなくす程周囲と平行に削
ると、中央部に6φ程の穴があいてしまうからです。
2.山の半分を削っても、アンダーガードからの衝撃はかなりやわらぎますが、完全に底部をフラットにしようと思え
ば、山を削ってなくし、中央にあいた穴の部分をアルゴン溶接するのがベスト。
3. エンジンオーバーホールのついでにやる作業ですので、別途、エンジンオーバーホール代 →40,000円が必要で
す。
7) スコルパ/ランドネ 125Fのクランクケースエンジンオイル注入口にブリーザーホース取り付
け 対応/125 4st
→ 4,800円 *穴付きオリジナルアルミボルトを取付けて、内径の大きなブリーザーホースにつなぎます。
8) スコルパ/ランドネ 125Fの、つぶれたドレンボルト抜き取りとドレン穴修正 対応/125 4st
→ 5,000円
1.純正の鉄からアルミ製のドレンボルトに交換した場合、アンダーガードからの衝撃でアルミボルトごとドレン穴が
変形してくる事があります。。
2.こうなると、アルミドレンボルトはもうはずすことが出来なくなり、オイル交換は反対側のマグネットカバーをは
ずして交換することになります。
3.つぶれたアルミドレンボルトを削って消滅させ、ドレン穴を修復し、肉抜きした磁石付き軽量鉄製ドレンボルトに
復活させます。
4.エンジンオーバーホールのついでにやる作業なので、別途、エンジンオーバーホール代 →40,000円が必要です。
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Beta
1) Beta.Rev-3のシリンダー加工(250cc270ccとも共通) 対応/beta
→ 22,000円 チューニングのタイプA (中速高速回転域性能アップ)
<内容>
・中速域から上のパワーアップと限りなく回る高回転域
・全開からアクセルを戻したときの回転の落ちの安定化
・はずし組み代別
1.吸気ポートと排気ポートの両方を加工します。特に排気ポートはガスの流れを変える加工をします。
2.体感的に低速から中速はマイルド(おとなしく)になり、その分、中速から上のパワーが出て限りなくエンジンが回
ります。
3.低いギアを常に使うライダーにはおすすめで、例えば、今まで2速では上れなかった登りが2速で可能になります。
4.ピックアップも出て、下から上まですべての回転域でトルクもパワーも出そうと思えば、つまり、タイプAとタイ
プBの両方の性能を同時に出そうとしても、これは単純にシリンダーをいじっただけでは不可能です。
5.ワークスのようなエンジン性能を出そうと思えば、吸気系(エアークリーナーBOX.キャブレター)と、排気系(エキ
パイ.チャンバー.サイレンサー)と、電気系(イグナイター.イグニッションコイル)のすべてをいじらないと無理で すね。
→ 10,000円 チューニングのタイプB (低速中速回転域性能アップ) <内容>
・低中速域からのピックアップ向上とトルクアップ
・全開からアクセルを戻したときの回転の落ちの安定化
・はずし組み代別
1.吸気ポートのみを加工します。低速から中速までのトルクアップと、ピックアップの向上のチューニングです。
2.中速からは上はスタンダードのままの性能。
2) BetaRev-3 サブフライホイル加工 対応/betaと全メーカー
→ 3,500円 ⇒2st4stを問わず全メーカー、メインフライホイル削りも同工賃です。 <内容> ・腕前に合わせて慣性重量(専門用語でイナーシャという)を軽減します。 ・はずし組み代別 → 1,500円 1.フライホイルを削り少し軽くすると、真ん中から上のトルク感は減りますが、下のピックアップが良くなり、バイ
ク自体に元気が出ます。
2.反作用として、ステアケース等に回転を上げて登ろうとしたときに、アクセルを戻すとすぐにパワーが落ちて失速
する欠点もあります。この事を「当たり負け」と言います。
3.フライホイルを重くするか軽くするかは、その時代のトライアル背景によるところが大きいですね。
4.その昔は重く、タレスの時代は軽く、そして今また重くの時代になりつつあります。
5.この事は2stエンジンの事ですが、4stエンジンは特性が違うものの、やはり重くが主流ですね。
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*レーサー整備室の室内から見た、4月満開のモモの花。
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その他
1) 各メーカー 6速を→5速か4速か3速か (ニュートラル位置変更なし) 対応/全機種 → 3,000円 *ギアひとつはずす工賃 (4速のみ) → 5,000円 *ギアふたつはずす工賃 (4速と5速)
1.例えばSY250Fのギアは、1.2.3速がクロスして4.5速はコース移動用でギア比が離れています。この4.5速のどち
らかのギアをはずしてしまい、軽量化とシフトギアの簡単化を狙う作業です。
2.4速だけ5速だけ、4速と5速の両方はずす事とも可能です。はずしたギア部分はニュートラルとなります。
3.民間人は、単にギアをはずすだけとお思いでしょうが、ギア飛びがないようにとかの、カラーを作って入れる作業
ノウハウがあります。
4.例えば4速だけをはずした場合「1.ニュートラル.2.3.ニュートラル.5速.6速」となります。
5.例えば4速と5速の両方をはずした場合「1.ニュートラル.2.3.ニュートラル.6速」となります。
6.例えば一番よく使う2速に入れる場合、ニュートラルからかき上げるより3速に入れて落とす方が確実です。
2) Beta 6速から→5速ギアか4速ギア化 (ニュートラル位置変更あり) 対応/beta
→ 8,000円 *ギアひとつはずす工賃 (1速のみ) → 10,000円 *ギアふたつはずす工賃 (例えば1速と5速のみはずすとか)
1.1速ギア除去、軽量化+ギア回転抵抗の軽減
2.1速ギアは、一番大きな歯車でオイルをかき混ぜているから、回転抵抗が大きいし重いのです。
3.2速と3速の間へニュートラル変更、この工作をしないで単純に1速ギアだけをはずすと「ニュートラル→2.3. 4.5.6速」になってしまいます。
4.シフトドラムのチェンジ機能変更後は「2.ニュートラル.3.4.5.6速」になります。
5.例えば3速ギアで登り、登り切ったところで2速にシフトダウンが安心かつ確実に可能になります。
6.この事は、一番下まで力一杯何度踏みつけても、2速にしか入らないからですね。
7.Beta時代の黒山選手は、5速もはずしていました。エンジン単体で、けっこうな軽量化になります。
8.1速と5速をはずした場合は「2.ニュートラル.3.4.ニュートラル.6速」になります。
3) 燃焼室と排気通路の鏡面研磨仕上げ 対応/全機種
→ 3,000円 (2st車すべて)
→ 7,000円 (4st車すべて) 1.排気流速を上げるために、ガス通過面を鏡面研磨することは性能アップのはずせないポイント。ただしこの鏡面研
磨は「燃焼室と排気通路のみ」で、キャブレターから燃焼室まではやってはいけません。
2.この区間は「ガソリンと空気をよく混ぜる」区間で、鏡面研磨すると流速は上がりますが、空気とガソリンがよく
混ざらないうちに爆発行程に行ってしまうのです。
3.だから、ざらざら表面でディンプル効果(ゴルフボールの凸凹)と同じく、凸凹で空気とガソリンをかき混ぜる効果
のため、いじらないアルミ地肌そのままが一番ベスト。メーカーもそういうアルミ地肌にしています。
4.以上のことは、キャブレターから燃焼室までの距離が近い場合のことであって、ロードの4st4気筒のようにキャブ
レターから燃焼室までの距離が遠い場合は、この区間も鏡面研磨した方が良い性能が出ます。
5.でも、ことコンパクトなトライアルバイクに限っては、キャブレターから燃焼室までの距離が近いので、いじらな
いそのままが一番ベストということです
4) シリンダーベース部削り加工 対応/beta
→ 7,000円
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1.シリンダーのベース部(下側)を削りすべてのポート穴位置を下げることにより、エンジン性能を低速型に変更出来 ます。逆にシリンダーベースパッキンを追加して2枚入れると、すべてのポート穴位置が上がり高速型のエンジン
性能になります。
2.当然、シリンダーそのものが上下すると、自動的に二次圧縮が変わってしまいます。ですから、それに合わせてシ
リンダーヘッドも削るかパッキンを追加して調整してやらないと、二次圧縮が正しくなりません。
3.Gas-Gas社とBetaMotor社は、この部分を削らなくてもいいように、この部分に入れるシリンダーベースパッキン
の厚さの違う種類を何種類かスタンダード部品として販売しています。
5) 2サイクルクランク本体バランス穴埋め加工(一次圧縮のアップ) 対応/全機種
→ 5,000円
各社、ある年式のエンジンのクランクには大きなバランス穴が左右で4カ所あいており、このすべての穴とクラン
クピン左右穴をイタリア製耐熱コルクでふさぎ、一次圧縮を上げる工作をします。全体的なトルク感がアップしま す。一次圧縮を上げるとトルクが出て、二次圧縮を上げると真ん中から上のパワーが出ると単純に考えてください。
6) 2サイクルシリンダーヘッド加工(二次圧縮のアップ) 対応/全機種 → 3,500円 *スコルパ.Beta.HONDA
→ 5,000円 *Gas-Gas.シェルコは、シリンダーの上側を削ります(シリンダーヘッドは削れません) <内容>
・中高速回転域パワーアップ/腕前に合わせ加工レベルおまかせ
・はずし組み代別
7) 2サイクル新品シリンダーのポート穴の面取り加工 対応/全機種 → 2,000円 新品2stシリンダーの場合、シリンダーにあいているたくさんの穴(ポート)と、往復するピストンリングがかじりつ
くおそれがあります。このポート穴周囲を専用ゴム砥石であらかじめ面取りしておくと、慣らし不要、即、いきなり
全開可能です。
8) 2stリードバルブ取り付け部段付きの面取り加工 対応/全機種 → 3,000円 *何故かクランクケースのこの部分の合わせ目に段付きが大きいのです。 9) 予備のピストンリング合い口隙間調整のみ 対応/全機種 → 1,000円
10) 新品ピストンの面取り加工 対応/全機種 → 1,000円 1.2stピストンは下(スカート部分)が、4stピストンのように短く左右均等ではなく、排気側は長く、吸気側は半円形
をしています。
2.2stピストンは上からも下からも圧縮がかかりながら往復するためと、ピストンの形自体で吸気排気のふた(4stで
いうバルブ)の役目をしているから、必然的にこういうデザインになります。
3.ですから、新品ピストンの角部分すべてをあらかじめ専用ゴム砥石で面取りをしておくことが大切です。
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11) クランク穴 & フライホイル穴ボーリング加工 対応/Beta → 4,000円 (1カ所) 12) 2サイクル二次圧縮圧測定 対応/全機種 → 1,000円 13) 各社年式問わず、点火時期正規合わせ (年式により点火タイミングが違います) → 3,500円 14) チェンジペダル修正 対応/全機種 → 2,000円 から(ややこしいのは切断して修正し溶接します)