本巣市浄化槽設置工事基準書

本巣市浄化槽設置工事基準書
平成 27 年 4 月
本巣市上下水道部
目 次
【1】目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P2
【2】一般事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P2
【3】掘削工事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P2
【4】基礎工事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P3
【5】不等沈下防止等のための支柱設置・・・・・・・・・・・・・P4
【6】浄化槽の搬入・据え付け・・・・・・・・・・・・・・・・・P4
【7】埋戻し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4
【8】上版スラブ工・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4
【9】マンホールの嵩上げ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5
【10】ブロワー工事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5
【11】排水工事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5
【12】提出写真・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
【13】竣工の確認等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
【14】その他の留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P7
【15】適用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P7
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【1】目 的
この基準は、本巣市浄化槽設置整備事業補助金を受けて設置される浄化槽設置工事に適用し、
浄化槽設置における適正な施工の確保及び本巣市浄化槽設置整備事業の円滑な推進を図ること
を目的として、
「浄化槽法(昭和 58 年法律第 43 号)第 4 条第 3 項」の規定による「浄化槽工事
の技術上の基準及び浄化槽の設置等の届出に関する省令」及び、その他の関係法令等に基づき
策定する。
【2】一般事項
1. 「本巣市浄化槽設置整備事業補助金交付要綱(平成 16 年本巣市告示第 71 号)
」にかかる
浄化槽設置事業は、この基準書の定める事項に基づき施工するものとする。
2. 「浄化槽法第 29 条」に基づき、浄化槽工事業者は浄化槽工事を行うときは、これを浄化
槽設備士に実地に監督させ、又はその資格を有する工事業者が自ら実地に監督しなければな
らない。
3. 浄化槽設置工事に関しては、次のような事項について、施主に十分説明し、施主の承認と
協力を得て、設計・施工に入らなければならない。
① 浄化槽工事について(配置・工事費用等)
※ 飲用井戸がある場合は、
「建築基準法施行令第 34 条」を準用して規定された距離以
上離すこと。
② 完了までの予定工期について
③ 周囲への配慮について
④ 放流先について
⑤ 浄化槽(本体及びブロア)のしくみについて
⑥ 維持管理及び法定検査について(浄化槽法第 7 条、11 条検査)
⑦ その他
※ 浄化槽管理者はあくまでも申請者であることを理解してもらうこと。
【3】掘削工事
浄化槽設置箇所の掘削工事を行う場合は、次の事項に留意し、施工すること。
① 掘削面積は、底版スラブの外形より概ね 50 ㎝以上大きく掘削すること。
※ 参照「国交省:公共建築数量積算基準/根切り」
② 掘削深においては 、基礎が不安定となったり 、水平の狂いを生じたりするため 、所
定の深さ以上に掘削しないこと 。万一過掘りとなった場合は埋戻しを行わず 、基礎コン
クリートで調整すること。
③ 掘削は 、周辺の状況・土質・地下水の状況などに適した工法とし、関係法令等に従い
土砂が崩壊しないよう施工すること。
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深さ一・五メートル以上の根切り工事を行なう場合においては、地盤が崩壊するおそれ
がないとき、及び周辺の状況により危害防止上支障がないときを除き、掘削面に勾配を付
けるか、土止めを行う等の措置を講ずること。
※ 参照「建築基準法施行令第 136 条の 3」
④ 土砂の運搬によるこぼれ・飛散あるいは排水による泥土の流出防止に努め、必要に応じ
て清掃及び水洗いを行うこと。
※ 参照「浄化槽の設計・施工上の運用指針」
※ 掘削土の処分は「環境省・建設廃棄物処理指針/建設汚泥の取扱い」参照。
※ 機械掘削:参照「建設省:建設工事公衆災害防止対策要綱(建築工事編)」
【4】基礎工事
基礎工事は、浄化槽工事において、槽の水平確保及び不等沈下防止上極めて重要であるため
十分に配慮すること。
① 地盤の場合は砕石基礎とし、軟弱地盤の場合は栗石基礎とする。
砕石基礎の敷厚は 100 ㎜とし、栗石基礎の場合は 150 ㎜とする。
② 栗石基礎の場合は、クラッシャーランによる目潰しを行い十分転圧すること。
③ 捨てコンクリートを 50 ㎜打設すること。
④ 捨てコンクリートの設計強度は 、呼び強度 18N/mm2 以上、スランプ 18 ㎝以下、最大骨
材寸法 40 ㎜とする。
⑤ 底版スラブを打設するときは、基礎コンクリート用「型枠」を必ず設置し、コンクリー
トを水平に打設すること。 尚、型枠材は木材以上の強度を有するものを使用すること。
⑥ 底版スラブは鉄筋コンクリートとし、設計強度は、呼び強度 18N/mm2 以上、スランプ 18
㎝以下、最大骨材寸法 25 ㎜とする。
⑦ 底版スラブ厚は 100 ㎜以上とし、D10-200@シングルの配筋を行うこと。ただし、軟弱な
地盤の場合及び上部に荷重がかかる場合はスラブ厚 150 ㎜以上とする。
※ 10 人槽以下の浄化槽の場合。
※ 鉄筋のかぶりを確保すること。また、スペーサーは、コンクリートの強度以上のも
のを使用すること。
※ コンクリートは十分な養生を行い、浄化槽を設置すること。
⑧ 湧水が多く工事に支障を及ぼすおそれがある場合等、やむを得ない場合は、既製の底版
コンクリート版を使用することができるものとする。その場合は、捨てコンクリートに空
練モルタルを敷き均すこと。
(事前に市/担当者と協議を行うこと。
)
※ 参照「国交省:公共建築工事標準仕様書・機械設備工事編」
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【5】不等沈下防止等のための支柱設置
① 不等沈下防止及び上部荷重がかかる場合は支柱を設置するものとする。
※ 参照「国交省:浄化槽の設計・施工上の運用指針」
② 支柱レス対応の浄化槽の使用については、事前に市/担当者と協議をしたうえで、支柱
工事を省略することができる。
【6】浄化槽の搬入・据付け
① 搬入車からはクレーンによる荷下しとし、落下させないよう十分に注意すること。
② 流入口、放流口等のレベル確認を十分に実施すること。
③ 水張りにより浄化槽本体を安定させ、破損および水漏れ等を確認すること。
※ 参照「国交省:公共建築工事標準仕様書・機械設備工事編」
④ ろ材・接触材の変形・破損の有無を確認すること。
⑤ 薬剤筒の有無・傾きを確認すること。
⑥ 槽内を満水にし、放流口から均等に水が流れるよう調整する。
⑦ 浄化槽を仮置きする場合は、浄化槽に損傷を与えぬよう保護マットや枕木等を敷くこと。
※ 地下水位が高い場合、浮上防止ベルト等の浮上防止対策を必ず実施すること。
※ 偏土圧や偏水圧による浄化槽の傾き防止対策を講じること。
⑧ 埋戻し前に漏水検査を必ず行うこと。
※ 参照「建築基準法施行令第 33 条」
【7】埋 戻
① 埋戻しの前に、必ず流入側から浄化槽本体の規定水位まで水張りを行うこと。
② 埋戻し材は、山砂および砕砂を使用し十分な締固めを行うこと。
(発生土による埋戻し
は原則不可。
)
③ 埋戻しにあたり、埋戻し箇所の残材、廃物、木屑等を撤去し、周辺を均等に転圧・水締
めを行うこと。
(一層仕上げ厚 30 ㎝ 以下。
)
※ 施工場所により上記方法が困難な場合は、別途協議とする。
※ 参照「国交省:公共建築工事標準仕様書・機械設備工事編」
【8】上版スラブ工
① 砕石基礎を敷厚 50 ㎜施工する。
② 上版スラブの厚・配筋・コンクリート強度等については、底版スラブに準じる。
③ 口部補強筋は SD295A-D10 を使用すること。
④ 上版スラブは金ゴテ仕上げとし、水切り勾配をつける。
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【9】マンホールの嵩上げ
① 嵩上げ材料は、純正アジャスターを使用すること。
② 嵩上げ高さは 300mm を上限とし、それ以上はピット構造とすること。
※ 参照「国交省:浄化槽の設計・施工上の運用指針」
【10】ブロワー工事
ブロワーの据え付け位置は、次の点に留意しつつ設置者と協議して選定すること。
① 送気配管の距離は、できるだけ短い場所を選定し、配管の長さは 10m 以内で曲がりは最
低限度にとどめ、規定の送風量が確保できるものとする。
② 直射日光及び風雨が当たり難く、湿気が少なく風通しのよい場所とすること。
③ 保守点検が容易な場所に設置すること。
④ 電源コンセントは防水型とすること。
⑤ 運転音及び振動に考慮し、寝室・居間からできるだけ離れた位置とすること。
⑥ ブロワーの基礎は地盤より 10 ㎝以上高くし、
ブロワー台の外寸より 5 ㎝以上大きくし、
コンクリート造りとする。
※ 各浄化槽メーカーの「浄化槽施工要領書」等を参照
⑦ ブロワーを確認し、接地工事(アース)が必要なものは必ず施工すること。
⑧ 浄化槽の機種によっては、ブロワーが複数台設置されるものもあるため各ブロワーの能
力(風量)等を確認し、メーカーの指定とおり設置すること。
⑨ ブロワーの稼動を制御するためのタイマー等が付設されているものについては、その制
御装置の作動状況を確認すること。
⑩ ブロワーには、点検の妨げや熱がこもるような構造物を設置しない。
⑪ 冬期間、雪に晒される場合は、雪を防ぐよう対処すること。
⑫ 警報装置を設置すること。
※ 参照「国交省:浄化槽の設計・施工上の運用指針」
【11】排水工事
① 汚水管(雑排水を含む)の最小口径はφ75 以上とし、硬質塩化ビニール管を使用すること。
② 桝は原則として内径が 15 ㎝以上の樹脂製のインバート桝又はトラップ桝を使用するこ
と。
③ 起点、屈曲点、合流点及び管径・勾配の変化するところ、及び直線部にあっては 12m 以
内に桝を一箇所設置すること。又、トラップ桝を使用する場合には二重トラップにならな
いよう、十分に注意すること。
④ 桝の基礎は、コンクリート・モルタル・砂のいずれかで行い、厚みは 5 ㎝以上とするこ
と。
⑤ 管勾配は1/100 以上で、最小土被りは概ね 20 ㎝以上とし、管の露出配管は認めない。
やむを得ず露出させる場合は、さや管等の適切な保護対策を講じること。
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※ 参照:
「国交省:浄化槽の設計・施工上の運用指針」
⑥ 雨水や足洗い場の排水は接続してはならない。
⑦ 浄化槽放流管は、雨水時の高水位で逆流しないよう、放流水路との水位差を適切に確保
すること。
⑧ 桝における配管貫通部は確実にシールすること。
※ 浄化槽放流管と雨水管は原則として別ルートとすること。
※ 排水設備は浄化槽設備士の責任の範囲であり、不適な場合は、浄化槽設備士の責任
において、早急に改善すること。
※ 参照:
「下水道排水設備指針(日本下水道協会)」
「建設省告示:建築物に設ける飲料水
の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件第 2」
「建築基準法施行令
第 129 条の 2 の 5」
「国交省:浄化槽の設計・施工上の運用指針」
【12】提出写真について
① 着工前・本体確認・竣工写真には浄化槽設備士が必ず入らなければならない。
② 着工前及び竣工写真には、家屋の全景及び浄化槽の設置位置が判るもの(設置予定箇所
をテープ等で示す)を付けること。
※ 既設単独浄化槽の撤去がある場合は、既設の撤去位置が判る写真とすること。
③ 工事写真は、工事用黒板を掲げ、撮影年月日を記して工種・工程ごとに撮影すること。
※ 参照「浄化槽法第 30 条に規定する標識板」
④ 漏水検査の写真を付けること。
※ 参照「国交省:浄化槽の設計・施工上の運用指針」
⑤ 全ての流入箇所の桝が判る写真を添付すること。
(トイレ・風呂等の注釈を記入)
⑥ 放流口及び放流先の状況が判る写真を添付すること。
⑦ A4 の台紙で整理し、[設置者名・設置場所・施工業者名・工事期間]を記した表紙を付け
ること。
⑧ 撮影した工事写真は、設置者にも渡すこと。
※ 参照「国交省:営繕工事写真撮影要領」
【13】竣工の確認等
① 新築で、建物の未完成や未居住の場合は、浄化槽工事が完成しても確認検査が出来ない
ため、必ず建物が完成して入居後に実績報告書を提出すること。
② 実績報告書の提出後、市の確認検査ができる状況にしておくこと。
※ 浄化槽の上部に物を置かない等、施主と調整しておくこと。
③ 確認検査により指摘箇所があった場合は、速やかに手直し等の措置をすること。
※ 実績報告書は、市の完了検査を 3 月 31 日までに行うため、当該年度の 3 月 20 日ま
でに提出して下さい。
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【14】その他の留意事項
① 市補助金交付決定後に着工すること。
※ 交付決定の前に着工した場合は、補助の対象とならない。
② 単独処理浄化槽の撤去補助を受けようとする場合は、着工前に必ず市/担当者の確認を
受けること。
③ 疑義がある場合は、市/担当者と協議の上施工すること。
④ 万が一、トラブルが発生した場合は、相手方に誠意をもって対応し、当事者間で必ず解
決すること。
⑤ この基準書は浄化槽人槽 10 人までに適用し、それ以上の人槽の設置の場合については
市/担当者と協議すること。
⑥ この基準書に定めのない事項は、次の指針及び基準等による。
(1) 国交省:浄化槽の設計・施工上の運用指針
(2) ・〃・:公共建築工事標準仕様書・機械設備工事編
(3) ・〃・:公共建築数量積算基準
(4) ・〃・:営繕工事写真撮影要領
(5) 建設省:建築工事安全施工技術指針
(6) ・〃・:建設工事公衆災害防止対策要綱・建築工事編
(7) ・〃・:建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造を定める件
(8) 環境省:建設廃棄物処理指針
(9) その他
1) 浄化槽システム協会:浄化槽に接続する宅地内配管について
2) 日本下水道協会:下水道排水設備指針
【15】適用
この基準書は、平成 26 年 4 月 1 日より「本巣市浄化槽設置整備事業」により施工する浄化槽
設置工事に適用する。
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