結核菌群リファンピシン耐性遺伝子同定検査. モダンメディア 49(5)10~15, 2003 山 根 誠久 【 要 旨 】 Line probe hybridization を測定原理とし,結核菌群, Mycobacterium tuberculosis complex でのリファンピシン(rifampicin: RFP) 耐性を菌体 rpoB 遺伝子上の特定部位 の変異を検出することで判定する検査試薬キット, Inno-LiPA Rif. TB (Innogenetics N.V., Zwijnaarde, Belgium) がわが国でも認可され, 臨床検査で使用することができる ようになった。本試薬キットは,M. tuberculosis complex としての菌群同定と共に, rpoB 遺伝子の特定の変異を同定するもので, 特に菌群同定の精度は極めて高い。RFP 耐性の判定については, これまで報告された評価成績では 2~10%程度の「偽感性」 が発生するものの, 従来からの培養法を原理とする薬剤感受性試験と比べ, 迅速判 定に優れることから, 今後の臨床応用が期待される。
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