B0314 2 単位 春学期 今出川 講義形式 ○都市政策論 Urban Policy 新川 達郎 <概要> 都市自治体は,21 世紀を迎え, 人口減少社会の到来や, 少子長寿化の進展, 国, 地方を通じた厳しい財政状況, 団塊の世代 の大量退職など, 従来の社会経済システムを根底から見直さなければならない大きな転換期に直面している。 そこで, 現代 の都市問題を解決するために展開されている一連の施策の体系を都市政策と考え, こうした激動の時代において, 都市自治 体である京都市がどのような問題に直面し, どのように克服しようとしているのかを考察する。 内容としては, 地方行政における第一線の京都市職員によるリレー講義として,「京都市基本計画」 や 「京都市基本計画第 2 次推進プラン」,「京都未来まちづくりプラン」 等に係る事業, 施策等, 具体的な事例をもとに, その企画, 立案, 実施, 評 価について考察するとともに, 京都市の行政施策にフィードバックしていくことを考える。 <到達目標> 京都の都市政策について, 基本的な理解をすること, その課題について認識すること, さらには, 京都の都市問題の解決方 法を考える態度を身につけることを目標とする。 <授業計画> (実施回) (内容) 第1回 第 第 第 第 第 第 第 第 第 柴山 薫 (京都市総合企画局政策推進室長) 京都市 「21 世紀のまちづくり」(総論) 本講座全体を総括する観点から, 京都市が 21 世紀のまちづくりを進めるに当たり, 克服すべき諸課題と施策の 方向性について考察する。 2回 髙城 順一 (京都市行財政局財政部長) 「間断なき行政改革の推進」(行政改革) 京都市役所全庁を上げて間断なく取り組んできた市政改革について概括し, 危機的な財政状況, 人口減少社会の 到来などといった環境の変化に対応できる市政改革の展望について考察する。 3回 吉川 芳朗 (京都市総合企画局市民協働政策推進室大学政策担当部長) 「脆弱な京都市の財政基盤」(財政) 地方交付税の削減が続くなか, 世界規模の不況の影響も受けて極めて深刻な状況にある京都市財政について概観 し, 今後の経営戦略について考察する。 4回 稲田 新吾 (京都市教育委員会事務局総務部総務課長) 「「子育て支援都市・京都」 の推進に向けて」(子育て支援) 全国的な課題として少子化が挙げられるなか, 社会全体で子育てを支えることにより, 子どもを安心して産み育 てることができる 「子育て支援都市・京都」 を推進するための各種施策について考察する。 5回 平野 徹 (京都市子育て支援部児童家庭課子育て支援担当課長) 「災害に強く日々のくらしの場を安全にする取組」(消防) 火災件数 220 件に向けた取組など火災予防対策の推進や, 消防救助活動能力の向上などの消防活動体制の充実, 応急手当普及啓発・救急体制の充実など, 市民の暮らしを安全にするための各種施策について考察する。 6回 前田 利正 (京都市消防局安全救急部市民安全課長) 「地球環境問題解決への貢献−地球温暖化を食い止める新たな挑戦」(地球環境問題と自治体の役割) 京都議定書を平成 17 年 2 月に発効し, 世界中で地球温暖化を食い止める第一歩を踏み出す中, 全国初の地球温 暖化対策条例を施行する京都市の取組を紹介し, 地球環境問題解決への行政・事業者・市民の役割と連携などにつ いて考察する。 7回 大島 仁 (京都市地球環境政策監) 「だれもが安心してくらせるまち−環境への負担の少ない持続可能なまちをつくる」(環境共生型都市の創出と自治 体の役割) 大量生産・消費・廃棄の社会システムから脱却し, 環境と共生する持続可能な循環型都市づくりの観点から, 都 市における廃棄物問題, 行政・事業者・市民の役割と連携, 環境基軸の都市政策などについて考察する。 8回 金谷 勝巳 (京都市環境政策局循環型社会推進部循環企画課長) 「人が主役の 「歩いて楽しいまち」 づくり」(交通政策) 地球環境問題への危機感が高まる中,「公共交通に乗って, たくさんの人達がまちに集まり, 賑わいを生み出す 持続可能な都市」 であり続けるため, 幅広い視点に立った 「人が主役の魅力あるまちづくり」 を構想する交通戦 略の策定について考察する。 9回 木村 裕 (京都市都市計画局歩くまち推進室担当部長) 「市民のくらしとまちを支える基盤づくり−個性と魅力あるまちづくり」(都市づくり) 市民が快適に安心して生活でき, かつ, 多彩で個性的な機能をもつ魅力あるまちをつくるため, 広く市民との情 報共有・協働により, 京都独自のきめ細かなしくみを整えながら, 地域に根ざしたまちづくりを進めている, 京都 市の景観, 都市計画等の各種施策について概括し, その課題について考察する。 10 回 髙谷 基彦 (京都市都市計画局都市景観部長) ─ 1 ─ 第 11 回 第 12 回 第 13 回 第 14 回 「活力あふれるまち−産業連関都市として独自の産業システムを目指す」(産業振興) ものづくりの伝統を生かし, 産学公の連携による京都独自の産業システムをもつ, 新たな 「産業連関都市」 の 構築について考察する。 宮田 英喜 (京都市産業観光局商工部産業政策課長) 「活力あふれるまち−魅力ある観光を創造する」(観光振興) 観光産業を本市の戦略産業として位置付け,21 世紀の京都を牽引する観光を創造する観点から, 京都市の産業 観光振興政策について考察する。 北村 信幸 (京都市産業観光局観光部観光企画課長) 「魅力あふれるまち−成熟した文化が実現する」(京都文化の新たな展開) 都市の活力を左右するのは文化・芸術であるといわれるが, 世界的にも貴重な 1200 年という悠久の歴史をもつ 京都が取り組んでいる文化芸術振興政策について考察する。 平竹 耕三 (京都市文化市民局文化芸術都市推進室長) 「活力あふれるまち−大学の集積・交流が新たな活力を生み出す」(大学のまち京都の推進) 京都は, 市内に 37 の大学・短期大学が集積する 「大学のまち」「学生のまち」 であり, 活力あるまちづくりの 観点から, 大学の個性化・魅力化, 大学間連携, 大学と地域との交流, 大学と産業界との連携等について考察す る。 髙城 順一 (京都市行財政局財政部長) 「学校・家庭・地域, さらに産業界・大学等と共に進める京都市の教育改革」(教育とひとづくり) 学校と家庭・地域との連携の下で豊かな心と社会性を身につけた子どもたちを育む, 京都市における教育と人づ くりについて考察する。 総合討論:京都の都市政策を考える 第 15 回 ゲスト講師として京都市の政策を担う方々に講話を頂く。 ゲスト講師の都合により,授業計画を入れ替えることがある。 <成績評価基準> 平常点 (出席, クラス参加, 発表, グループ作業の成果等) 20% 授業への出席状況を重視する。 期末レポート試験・論文 70% 授業における理解度と, 授業外における自己学習の成果を確認するため, レポートを課す。 その他 (小レポートの実施) 10% 授業時に課題を示し, 終了後または次回の授業において提出を求める。 <テキスト> 「京都市基本構想」,「京都市基本計画」,「京都未来まちづくりプラン」。 その他, 各講師が指定するもの。 ─ 2 ─
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