ソリューション第三事業部 ヒューマンリソースマネージメントソリューション部 人事給与ソリューション第二担当 主任 倉谷 光博 < 企業統合を支える人事給与ソリューション > 厳しい国際競争に勝ち残っていくため,業種や分野 の枠を超えた大規模な企業統合や事業再編が進んでい ます。グループ企業の統合,ライバル企業との新会社 設立,新規市場への参入を目的とした合併など,形態 は様々ですが,その影響は業務内容・職場環境だけに とどまらず,社員一人ひとりの処遇や賃金に至るまで 大きな変化をもたらします。 当社も,事業再編による分社・統合とそれに伴う制 度変更を経験しました。また,人事給与ソリューショ ン「Generalist®」を提供するなかで,お客様の人事給 与の制度変更を多数ご支援してきました。これらの経 験を基に,当社は人事給与ソリューションを更に発展 させ,より強力に企業統合をご支援します。 1. 企業統合や事業再編に伴う課題 (1) 短期間でのシステム構築 経営環境が刻々と変化していくなか, 変化に応じた新 たな経営戦略を策定していくためには, 企業統合などの 意思決定以降, その統合効果をいかに早く発揮できるか が市場競争に勝ち抜く大きなカギとなります。 各社で運用していた人事給与システムを統合し, 新た にシステム構築を行うようなケースでは, 短期間で導入で きることが課題となります。 (2) 段階的な制度変更への対応 企業統合を実現する際には, 各社ごとで異なる人事制 度や賃金制度も併せて統合していく必要があります。 しか し, 制度を改定するためには, 事前に労働組合や社員 への説明を行い,理解を得る必要があります。多くの場合, 新しい制度への移行期間を設け, 段階的に制度を変更 する方法がとられます。 そのため, 人事給与システムも段階的な制度変更に 沿って, 柔軟にシステム変更できることが必要となります。 (3) 新たな人事評価制度への対応 企業統合や事業再編に伴う制度改定では, 企業戦略 や組織目標に連動して社員ごとの目標設定を行い, 業績 に応じた評価を行う, 新たな人事評価制度を導入するケー スが増えています。 それに伴い, これまでの人事情報管理や給与賞与計 算だけにとどまらず, 社員ごとの目標管理と業績に応じた 人事評価が行える仕組みが求められています。 2. 豊富な標準機能とノウハウで短期導入を実現 Generalist では標準機能を豊富に用意しており, この 標準機能と豊富な導入ノウハウにより, 短期間でのシステ ム統合を実現しています。 6 ①経験に基づく豊富な標準機能 これまで各社がそれぞれで実現していた機能や運用を プログラムの新規開発や修正を行うことなく実現するため には, 標準として提供される機能が充実している必要があ ります。 例えば, 建設業向けシステムの場合, 人員配置 情報管理機能が必要です。 Generalist は, 東芝グループ自らの利用実績はもち ろんのこと, 約 800 社にわたる導入実績から培った経験 をシステムに反映し,人事検索や集計データ出力など様々 な機能を標準で備えています。 また, グループ企業など を集中的に管理するための複数法人管理機能も標準で備 えています。 この複数法人管理機能を利用することで, 統合前の各社の管理形態応じた管理 ・ 運用方法を選択 することが可能です。 ②複数のデータ移行手段 システム導入時, 速やかに本運用を開始するためには, 既存システムや個々に管理している膨大な情報を容易に データ移行できる必要があります。 Generalist は, データ登録機能として, 端末画面で の会話型入力機能だけでなく, ファイルからの一括登録 が可能な取込機能やデータ移行ツールを備えているの で, スピーディかつデータ形態に応じた移行手段の選択 が可能です。 当社では,Generalist を核として, お客様の要求に 応じた導入計画を策定し, 実行します。 一部機能と移行 内容を制限することで, 導入開始から運用開始まで 3 ヶ 月という短期間で実現した事例もあります。 このように計画段階から設計, 移行, テスト, 運用に 至る一貫した工程において, 当社技術者が一緒になって サポートさせていただくことで, 短期間での導入を実現し ています。 3. パラメータ設定で 制度変更を柔軟にシステムに反映 Generalist では, 多彩なパラメータを持っており, こ のパラメータを設定 ・ 変更することで, 柔軟なシステム変 更を実現しています。 ①制度ごとの運用履歴管理 段階的な制度変更を行う場合, 制度ごとでの運用状態 を管理できる必要があります。 そのためには各種設定が 世代別に履歴管理されている必要があります。 Generalist は, “年月” や “年月日” で主なマスタを 世代管理しています。 このマスタを各機能から基準となる 日を元に参照することで, 制度ごとの運用履歴を正確に 再現することが可能です。 また, 将来的な設定変更も事 前に登録することが可能です。 「東芝ソリューション テクニカルニュース」2006年(秋季号) ②制度変更のシステム化 制度変更をスムーズに実施するためには, 制度内容を 熟知した人事 ・ 総務部門が容易にシステムに反映できる ことが重要になります。 単なるマスタ変更などにとどまらず, 人事管理項目の追加や給与計算方法の変更などに至る 範囲までが容易に変更できることが必要です。 また, 人事評価制度に必要な一次評価や最終評価の 入力時のワークフローについても,Generalist ワークフ ローシステムを組み合わせることでシステム化することがで き, 新しい人事評価度の実施を容易にします。 5. 戦略的な人財育成 ・ 管理を支援 当社は,2006 年 7 月に 「次世代 Generalist®」 を発 表しました。 新たなシステム概念を導入し, これまで以上 に短期間での導入や柔軟なシステム変更対応ができます。 また, 企業価値を高める “人財” を戦略的に育成 ・ 管理することができる以下のシステムも加わりました。 「人材評価システム」 Generalist では, 高度な人事検索や計算結果の集計 をはじめ, 給与計算項目の追加から計算式の変更に至る 範囲まで, 操作が容易なパラメータ形式により設定できる ので, 人事 ・ 総務部門の担当者がタイムリーにシステム に反映できます。 Generalist を導入されたお客様で, 人事部門が中心 となって半年間に 2 度の制度変更を実施された事例があり ます。 このように, 当社は, “お客様自身で” システムを 最大限活用できるよう, 機能や活用方法を熟知した技術 者がお客様の視点に立ってサポートしています。 (Generalist/CS : Competency & Skill) 「目標管理」 (Generalist/MBO : Management By Objectives) 「キャリア管理システム」 (Generalist/CMS : Career Management System) 4. システム連携で 新たな人事評価制度を実現 更なる進化を続ける 「Generalist」 を核とし,今後も様々 な” ソリューション ( 解決 )” をご提案していきます。 人事評価制度は会社や組織ごとに多種多様です。 企 業が統合した場合, 統合前の各社の制度に応じた業績 目標及び評価項目を任意に設定できること, あるいは, 新たな制度に応じて設定できることが必要となります。 Generalist は, 拡張情報機能により企業ごとに任意の 評価項目設定が可能です。 特に, 外部システムとのデー タ入出力や人事評価結果を給与に反映させることが容易 に行えます。 キャリアマップ定義 必要人材像の定義 C&S アセスメント定義 事 業 戦 略 Generalist /HR / PR / WF 人事 DB 教育・資格・経験定義 研 修 実 施 計 画 Check Generalist /CS Plan 能力評価(C&S) Generalist /MBO 人財開発 サイクル 認 定・承 認 学習実績・資格登録 メンタリング・カウンセリング Do CDP の設定 受講効果測定 目 標 管 理 受 講 申 請 学 習 計 画 策 定 Generalist /CMS 図1. 人財育成サイクルに沿った次世代 Generalist®の概要 当社は, お客様の人財開発サイクルを理解し, お客様ごとに適した人事給与システムを導入します。 「東芝ソリューション テクニカルニュース」2006年(秋季号) 7
© Copyright 2024 Paperzz