ビジネス手帳の代名詞ともいえる「能率手帳」が生 まれたのは1949年

ビジ ネス手帳 の代名詞 ともいえる「能率 手帳」が生
まれたのは1949年。発明し た社団法人日本能率協会
(1942年設立)はビジネスや経営の課題解決を通じて
日 本の産業 界を支援 してきた。 同協会を 母体に、企
業 や団体の 経営革新 を人材育 成面からサポートする
組織として、 1991年に分離独立し たのが株式会社日
本 能率協会 マネジ メントセンタ ー
(http://www.jmam.co.jp /)だ。同社 は、国内 eラー
ニング市場の黎明(れいめい)期にあたる2001年6月
か らeラ ーニングサービスに着手し 、企業人 教育に求
め られる多彩なニ ーズに応 えてきた。そ れは、インタ
ーネットで、いつでも、どこでも、何度でも、受講できる
と いうeラ ーニ ングの特長を 最大限に生かし 、「難し
い 」を「わかりやすく」、「手 軽に学 べて、満足 できる」
と いう同 社eラーニング教材 の特色に見てとれ る。
2013年版で発売50年を迎える「能率手帳ゴールド」
1986年から企業内教育とコンピュータ の活用について
研 究・開発を 続けてきた同 社ならではのノ ウハウを教材
づ くりに活かし たかたちだ。その eラーニングサービス
が、2010年1月から刷新し、進化を遂げている。内定者・
新 人から管理職 までの階層別 教育、 コンプライア ンスや
ビジネススキル、語学 といった目的別 教育、技 術・技能
教 育などeラーニングの 全教材を ライブラリ化し、 いつで
も、どこ でも、 何度でも、定額 で利用できる新たなサ ービ
ス体 系でリスタートし たのだ。
出版事業ではビジネス分野や資格関連分野で書籍
を刊行
発端は 2008年 に実施 された、 それまでのeラ ーニ ングサービスの見 直しだ。 当時、 同社のe ラーニ
ングサ ービスは、コ ース単位での販 売と企業 それぞれのニ ーズ に合わ せたカスタム メイドにより提
供 されていた 。カスタムメ イドの要 望が高まること により、 標準コ ースの 開発に影響が出 ていた。ま
た 、システ ムインフラ の柔軟性 と安定性 に課題 があり、 大量の受 講者が一 度にア クセスをすると極
端 に動作 が遅くなるなど、 大口顧客 へのビジネス機 会を逸することもあった。
そうし た状況か ら、 同社では課 題を精査 。「市
場 動向や技 術進化も見据 え、料金 やコース設
定 などの サービス体系 やコンテンツ、サ ービス
提 供を支えるシステ ムインフラの それぞれの軸
か らユーザー企業の 利便性確 保を第一 に、大
幅 な刷新に踏み切る決断を 下しました 」というe
-ラ ーニング事業本 部の岩崎 淳システ ム開発推
進 部長の言 葉のように、全体見 直しに着手。ま
ず 、1コースごとに1万円前 後で数カ月間 利用
でき た従来の 体系から、全 コース(当時80コ ー
ス)をライブラリ化し、535,500円(税込)で1年
間、100名より使い放題にするという価格を始
め とする 大幅な改 革を実施 した。ま た 、新コー
スの 学習時間 も30分 程度とし 、ちょっとした空
き 時間にも受 講可能な内 容に改 めた。その 結
果 、ユーザ ー企 業数と受 講者数の 劇的な伸び
が 予測され 、スケール 拡大に耐え得るシ ステム
e-ラーニング事業本部 本部長 角田 修 氏
刷新が不可欠となった。2009年半ばに複数のSIer(システムインテグレーター)に提案依頼を 要望
し て比較検討 した結果 、定評あるパ ッケージをSaaS型 プラ ットフォームで活 用できる東芝ソリューシ
ョンの「Generalist®/LM(SaaS)」(ジェネ ラリスト/エルエム (サース))を選択するに至った。
「いつでも、どこでも、何 度でも受講できるという 『eラーニング ライブラリ』そもそものコンセプトを
実 現させるためには、何より数千人 単位の受 講者が一 気にア クセスし てもダ ウンし ないシステ ムの
高 可用性が 大事。 東芝グループ内で10万 人規模での 稼動実績 を持つパッケージと いうこ とが最大
の 評価です」(岩崎氏 )。
それだけ ではない。「実は2008年段階でも自前
の システム 構築を前 提に複 数SIer に声 をかけ検
討 しました。 寄せられた仕 様はどれも的を射た も
の でしたが、 実現には数億円 のコストが必要 で現
実 的ではありませんでした。そ こで再度声 かけした
中、一番目を引いたのが「Generalist/LM
( SaaS)」でした」と 同事業本 部の角田 修本部長 は
語 る。新 たなシステ ム構築は もちろんサーバー管
理 やシステ ム運用管 理も不要となり、 結果、イニ シ
ャルだ けでなくランニングコストの抑制 も実 現する
SaaS型ソリューショ ンに大きな魅力 を感じたこ とも
明かす。加えて、新たなサービスプラットフォーム
の 導入を短 期間で成し 遂げたい同社 の思いもあっ
た 。「ユーザ ー企 業の利便 性を第一 に考え大 幅な
e-ラーニング事業本部
システム開発推進部長 岩崎 淳 氏
改 訂を施すわけですから、少 しでも早くリプレイス
し たい。そ んな我々 の思惑を かなえてくれる導入ノ
ウハウを東芝ソリューションが提示 してくれたの も
大 きかったですね」(岩崎 氏)。実は 、東芝ソリューショ ンにとって同 社が大規 模向けと してはSaaS型
プラットフォームのファーストユーザーであった 。「前例がなかったにも関わらず、2009年9月から12
月 一杯で無事 に導入 を果たし てくれ た。工 程管理をは じめとするマネジメ ント力、営業 やエンジニ ア
の 人の力には敬意 を表します」(角田 氏)。
ユーザー企業 に迷惑 をかけないようにするため、 シ
ステ ムの高 可用性にこだ わった同社が 手にし た、
「Generalist/LM(SaaS)」による新たなeラーニ ングの
サ ービスプラットフォ ーム。売り切 り型から継続的 にサ
ービスを提供するビジネスモデルへと 、大幅な変 革を
促 すこ とで、導 入時から加速 度的にユーザー数を増
や すこ とにつながった。 例えば、刷 新以前は 受講者3
万人規模だったものが、2012年9月現在、800社超の
ユーザー・20万人強 の受講者 を抱えるま でに成長 。コ
ンテンツもスタート時の80コースから113コースに拡
充 されている。また、 契約期間 中は追加 料金なしで、
新 コースが続々 追加され ていくことが 大きな支持 を得
てい る。「1ユーザー企業で2, 000人規模の 教育コ ンテ
ンツを 複数同時 に動か しても、システ ムダウンしませ
ん。 以前の環 境からは考えられない堅 牢性です。ビジ
ネスの機 会損失は なくなりまし たね」(角田氏 )。スケ
ールア ップに伴う 運用面でも、以 前のシ ステム環 境か
ら進化を遂げた。 「800社超のユーザー企業それぞれ
の 受講状況 をすぐ把 握できるの もありがたい ですね 。
我 々がお客 様を、お 客様が自 社内の受 講者を、と い
った両 面の管理 機能が向 上しました 。加えて、操 作画
角田 本部長
面 のデザインや 各種ブラウザへの 対応、メ ール など、 サービスを運 用して見えてきた 機能追加 の要
望 にも、毎 年のバージョ ンア ップ時 をメーンに逐次対 応してくれる柔軟性が あり、重 宝しています」
(岩 崎氏)。
利用者の利便性を考え、PC(左)の他に、今後iPad(中央)やiPhone(右)にも対応する予定
様々な導入 効果を得 た同社では 、更なる進化をめざし
「Generalist/LM(SaaS)」によるeラーニングのサービス
プラ ットフォームを 運用し続 けている。 「これまでは ユー
ザ ーの 利便性確 保が第一 という視 点から、主 にお客様 の
教 育担当者 様、つまり管理者まわ りの機能強 化を重点的
に進めてきま した。その 路線は引 き継ぎながら、今 後は
ユーザー企業の 受講者、 つまり利用 者のユーザビリテ ィ
ー向上も果たしていき たいですね」(角田氏 )というよう
に、さらなる進化を目論んでいる。「2012年度の取り組み
と して、スマートフォ ンやタ ブレットなどモバ イル端末へ の
対 応とユニコ ード 化による英 語や中国 語などの多言語 対
応 を果たし たい。こ れらのテーマに関 しても、東芝ソリュ
ーションとともに、着実に進めているところです」(岩崎
氏)。ITリテラシー(アプリケーションソフトの利用スキル
向 上など)関連の5コ ースに関しては 、東芝 ソリューショ ン
が 制作した もの を展開するなど、コ ンテ ンツ制作の領 域
でも協業 体制を構 築。それ らの 対応スキルや導 入効果
へ の評価か ら、 新たにJMAMビジネスカレッジ でも
岩崎 システム開発推進部長
※写真をクリックすると同企業のオフィシャルページ
が開きます
「Generalist/LM(SaaS)」が導入され、2011年4月から公
開コース事業がスタートしている。ユーザー本位でeラー
ニ ング事業を進 化させなが ら、 人づくりで貢献する日本
能 率協会マネジメ ントセンターは今 後も、企業や 団体の教 育担当者 、経営 者などか ら、 eラーニング
の 相談を受 けながらビジ ネスを展 開していく。そ の進化を実 現するサービスプラ ットフォ ーム の提供
で支 える東芝 ソリューショ ン。 クラ ウド によるeラー ニングの 新しいスタ ンダードは 、この 両者のチ ャレ
ンジからつむぎだされるのかもしれない。
株式会社 日本能率協会マネジメントセンター
●設立 :19 91 年8 月8日
●代表 者:代 表取締 役会長 野口 晴 巳、代 表取締 役社長 長谷 川 隆
●従業 員数: 39 1名(2 01 2年3 月時点 )
●売上 高:1 24 億円(2 01 2年3 月期)
●本社 所在地 :東京 都港区 東新 橋1- 9- 2 汐留 住友ビル 24 階
●URL :http:// www.jma m.co .jp/
●事業 内容: 人材育 成支援 事業 (通信 教育事 業、e ラーニン グ事業、研 修事業 、アセ スメント事 業)、ビ ジネ スツー
ル事業 (手帳 、システ ム手帳 、カレ ンダー 、家計 簿など の開発 制作お よび販 売) 、出版事 業( ビジネ ス書の 発行、資
格関連 図書・ 資料の 出版)
産業界 における 経営革 新の推 進機関 として 、194 2年 に創立した 社団法 人日 本能率 協会を 母体としている 。その
後、企業 や団体 の経営 革新を 人材育 成という 分野 から総合的 に 支援してい く ため、19 91 年に分離 独立 。通信教
育・社 内研修 ・e ラーニン グ・ ア セスメントなど 、様々 な手法 で人材の 能力開 発を行 う「 人材育 成支援 事業」 、ロング
セラー 商品の 「能 率手帳 」をは じめとす る「ビジ ネスツ ール事 業」 、ビジネ ス分野 や資格 関連分 野で書 籍を刊行 する
「出版 事業」 の3 つのコア ビジ ネスから「 人づく り」に貢 献す ることを ミッシ ョンにしてい る。日本 能率協 会の 創立以
来、管理 者を中 心とした階層 別教 育やビジ ネス の基本 能力を 習得す るための スキル教 育サー ビスを提 供してき た
実績とノ ウハウを生か し、提供す る教育 研修プ ログラム の受 講者一 人ひとり が確か な「成 長実感 」をつ かめるプ ロ
グラ ム開発 や教 材制作 に取り組 んでい る。また 、ビジ ネス手 帳の代 名詞 ともい える「能 率手帳 」を筆 頭に、手帳 の
年間発 行部数 は1, 130 万冊 に上 る。
日本能 率協会 マネジ メントセ ンターが提 供する 「eラ ーニング ライ ブラ リ」は 、1年 間の契 約期間 中、全 受講者 がライ
ブラリ に集約され た全 コー スのe ラーニン グを何度でも受 講でき る研修 システム である。料金 体系は 受講者 数に応
じた 定額 制のた め、学習 する回数 が多 いほど コストパフォー マンスが高 くなる 。20 12年 9月 現在、全 11 3コースを ラ
インナップし、8 00 社、のべ 20 万人が 利用してい る。価格 例: マネジ メント系ラ イブラ リ( 201 2年 9月現 在6 3コース) の
場合、1 00 名様3 78 ,00 0円( 税込 )から提供 。
eラーニングソリューション 「Generalist®/LM(SaaS)」
東芝ソリュー ショ ンが自 社開発 した人財 管理 ソリ ュー シ ョンパ ッケー ジ、
Gene ra list 。1 998 年の 販売以 来、現在 までに東 芝グルー プを はじめ、製
造、流通 ・サー ビス、建 設、金融 など多 業種で1 ,10 0社 以上の 販売実 績を持
つ。これをベ ースに人 材教育 を支援 する「 Gen era list / LM」は 20 01年 の発売 以来 、大規模 ~中堅 企業ま で約3 50
社、32 0万 人への 導入実 績がある 。その Saa S型サ ービスである「 Gen er alis t/ LM(Sa aS)」 は20 10 年10 月、導 入/
運用/ 保守の 負荷低 減をは じめ、低 コスト・短納 期で導 入でき る教育 ソリ ュ ーシ ョンとしてリリ ースされ た。さらに、
東芝ソリュー ショ ンは2 01 2年8 月、「 Gen era lis t/ LM」の 携帯端 末対 応版、「 Gen era lis t/ LMモ バイル オプシ ョン 」の
販売も開始 した。
東芝ソリューショ ン株式 会社
経営企画 部 広 報担当
電話: 044-331-1100
※社名、商品名等は各社の登録商標です。
※この記事は、2012年8月に制作されました。記事内における数値データ等は取材時のものです。