平成23年7月26日 さ く し ん (校長室だより 2 8) 下氷鉋小学校 校長 大内 徹 登校日数74日の一学期が終わり、明日から夏休みに入ります。子ども達は一人ひとり長く感じたり 短く感じたり、さまざまな思いで一学期の終業式を迎えたことでしょう。 この一週間、台風の影響で時折風雨が強くなることがあったり、涼しくもなったりして、夏の暑さも 一休みかなと思える日もありましたが、18日早朝には、なでしこジャパンとアメリカとの決勝戦があ り、日本中サッカーで熱くなっていたのではないでしょうか。あの決勝戦の余韻にまだ浸っていたい気 もします。本当に素晴らしいゲームでした。眠い目をこすりながらテレビ観戦をしていたのですが、残 念なことに、なでしこジャパンが得点したその瞬間に限って見そこねていたのでした。アメリカチーム に得点される度に、 「あーあ・・・やっぱりだめか・・・」 「相手は体格も技術もいいからな・・・」と、 プッツリと望みを絶たれたような諦めの気持ちに襲われ、がっくりと布団の中でひっくり返って寝てい たのでした。そして、なでしこジャパンが得点して追いついた瞬間、テレビ解説者が歓声を上げると、 「えっ?」と閉じかかっていた目を開けて跳ね起きては、「うそー!」「やったー!」と、テレビの前で 拍手するという極めて態度の悪い、忠誠度の低い応援をしていたのでした。自分自身の諦めの早さにあ きれ恥じ入った次第であります。本校の学校目標の「最後までやりぬく」ではありませんが、最後まで 諦めずにやり通すことの「言うは易く行うは難し」を改めて思い知らされました。 一度も勝ったことのないアメリカを相手に、得点を先行されても決して諦めることなく粘り、延長戦 でも追いつき、3:1の PK 勝ちで奇跡的な勝利を収めたなでしこジャパンは、私達に「最後の最後ま で何があるか分からない、絶対にあきらめてはならぬこと」の大切さを教えてくれただけでなく、劣勢 の中で頑張り通す勇気を与えてくれたように思いました。「奇跡か」という言葉を耳にした時、量的に も質的にも裏打ちされた相当な練習や準備があったからこそ、「奇跡的」とも言える逆転劇が生まれた のだろうと思いました。 ところで、なでしこの花を見たことがおありかと思いますが、英語ではなでしこの花のことを pink(ピ ンク)と言います。英語のピンクは赤ん坊の肌を連想させ、健康、若さ、活力、純真、新鮮さを象徴す るようです。このようなイメージで、なでしこジャパンの活躍ぶりを振り返ってみると、確かに、英語 の「ピンク」の意味する姿そのものが伝わってくるように思いました。 さて、なでしこジャパンの決勝戦があった日の夕方から夜にかけて、私は志賀高原の石ノ湯にホタル を見に行ってきました。石ノ湯のホテルの脇には沢が流れているのですが、沢全体に群がるようにホタ ルが乱舞しておりました。温泉の効果でしょうか、一帯の自然条件がホタルの生息に適っているとのこ とでした。9月下旬あたりでも舞っているようですので、今までホタルの乱舞を目にしたことのない方 には必見の価値があります。また、24日の日曜日には、戸隠から七二会に通じる陣馬平、地蔵峠まで、 ヒメボタルの鑑賞会に行ってきました。ヒメボタルは、標高800メートル以上の山に生息する陸(お か)ぼたるであります。幼虫は水の中で成長するのでなく、土の中で、ミミズや蛆(ウジ)のようなも のを食べて成長するとのことでした。線香花火のようにチカッチカッと光を発しておりました。 志賀高原石ノ湯のホタルや戸隠地蔵峠のヒメボタルのお話をしていると、「下氷鉋小中庭の水路のホ タルはどうでしたか」ということになってきそうですね。今年の夏は本校のホタルもよく舞ってくれま した。市内では一番早くから舞い始めました。中庭の水路に足を運んで下さった方々も多いことでしょ う。ホタルは多い時には50匹や60匹は舞っていたのではないでしょうか。「♪♪ほーほ、ほーたる 来い。こっちの水は甘いぞ♪♪」と歌ってはみましたが、別にお砂糖をまいた訳でもありません。田牧 にお住まいの伊藤絹子さん(長野市ホタルの会員)がゲンジボタルの雌雄を見分けるのがお上手で、い とも簡単にメス蛍を捕まえてくださいました。校長室前の廊下に用意した箱の中で、ゲンジボタルをメ ス1匹に対して雄3~4匹の割合で2,3組ほど飼育してみました。箱の中でホタル達がとまっている 苔石には水を朝昼夜と毎日霧吹きかけました。飼育していたホタルはやがては命を全うしていくことに なるのですが、その跡に、卵を産み付けた様子がないのです。苔の上や中に産み付けられたホタルの卵 はふ化すると、その底に張ってある細かな金網の目の間から、更にその下で受け皿となっているタライ の水に落ちていく仕掛けになっていたのですが、苔の上や中に卵が産み付けられた様子も、ましてや卵 がふ化した様子も見られないのでした。今年もホタルの産卵・ふ化は失敗してしまったかなあと諦めか けました。 「それでも水くらいは吹きかけてみよう」と空しい思いで水を吹きかけていると、先週の木曜日に羽 田さん(長野市戸隠在住。長野市ホタルの会会員でホタルの幼虫を本校に分けて下さっている方)が、 学校においでになり、タライの水中に数え切れないくらいの幼虫を見つけて下さったのでした。(普通 に肉眼で見ていると見えないくらいな小ささです。顕微鏡で40倍にしてホタルの幼虫の形が確かめら れるます)知らないでいれば、水ごと捨ててしまっていたかもしれません。いつどこに産卵して、ふ化 していたのでしょうか。私達がぼんやりと目をこすっている間に、ホタルさんも、なでしこジャパンも どきの細かな網の目を通るようなシュートを決めていたに違いありません。2年目にして、一応、ホタ ルの卵をかえらせることには成功したことになり、私も満足しています。 ホタルの話ばかりしていると叱られそうです。一学期の4ヶ月間に本校では病院のお世話になる件数 が30件ありました。(頭2、眼2,歯2,骨折7,捻挫8,切り傷3、他6)昨年の同時期に比べて 多く、けがの原因も様々です。廊下を走らないようにしたり、ふざけ半分で余分なことをしないように したり等、もう少し注意力を働かせていれば防げていたかもしれない類の負傷が目立ちます。子供達の ことなので、遊びに夢中になってしまい、注意深くなんていう具合にはいかないのかもしれません。昨 年と違って、今年の一学期は交通事故が全く無かったことは大変よいことでした。本校 PTA の長年に わたる交通安全活動が県警本部長より表彰を受けたばかりですが、地域のピカリンパトロール隊や祖父 母の会の皆様の指導や呼びかけにも感謝したいです。 児童の安全に関わってのお願いがあります。毎朝、校門前の横断歩道に立っていますと、校門を出入 りする保護者の方の車が大変危なく目に映ります。ご事情があってお子様を乗せておいでの場合もおあ りでしょうが、登下校の時間帯に校門の中に入ってロータリーの周辺に駐車したり、作新記念館の周り に駐車して、さらに校門から出ていかれると、職員の車も入りにくくなりますし、児童の校舎敷地内で の交通安全の妨げにもなります。周辺にも広い駐車場もあります。車でおいでの保護者の方々にはご配 慮をお願いすると共に、絶対に児童が車と接触しない状況、環境の確保にご協力いただきたいのです。 幸い、私の知る限りのこの4年間は、保護者の車に児童が接触するような事故は起きておりません。し かし、危険を感じながら、いつ接触するとも知れぬ可能性(危険性)をそのままにしておくわけにはい きません。保護者の皆様からも、接触事故等を心配する声があがっております。是非とも、児童の安全 のためにご理解ご協力をお願いします。 信州の夏休みは短いです。保護者の皆様にはお子様と体験活動をしたり、仕事をしたり、遊んだり等 々、心でつながる時間を大切にして、休み明け、元気な姿でお子様を学校に送り出していただきたくお 願いします。規則正しい生活リズムを大切にすることが、休み明けのスムーズなスタートに直結します。 また、河川や海での水難事故、交通事故に遭わないように各家庭では心配りとご指導をお願いします。
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