「中国経済及び株式市場の見通しについて」

平成 23 年 6 月 28 日
ユナイテッド投信投資顧問株式会社
「中国経済及び株式市場の見通しについて」
中国経済及び株式市場の状況と今後の見通しにつきまして、ご報告を申し上げます。
1.転換する中国経済
中国経済は過去、沿岸部に拠点を置く製造業を中心に、設備投資や製品の輸出の伸びが大き
な牽引役となって発展してきました。これにより所得が増加し、今後は沿岸部における消費の
拡大が期待されます。また、内陸部における都市化の進展は、重要な経済発展の要素となると
考えられます。
懸念材料でもある住宅価格・不動産価格は今後もある程度上昇を続ける可能性が高いと思わ
れるものの、昨年来とられてきた不動産投機抑制策、金融引締めの効果もあり、現在では落ち
着きを見せ始めています。また、極端に不動産価格が上昇している地域・物件は問題ながらも、
不動産・住宅セクターの成長は素材、消費セクターなどへの波及効果が大きく、今後も経済成
長の牽引役のひとつと考えられます。主に投機的な資金の対象となっているのは高級住宅です
が、政府の住宅政策に基づいて供給される勤労者向け住宅の供給増加も計画されており、これ
らは安定的な成長を支えるひとつの要因といえます。
2.中国経済の見通し
中国経済における注目点のひとつにはインフレ率の動向が挙げられます。中国政府はインフ
レ率の目標を 4%としていますが、2011 年 5 月のインフレ率は 5.5%と目標を上回っています。
これは食品価格の高騰が主な要因とみられ、当面は高止まりの状況が続くと予想されます。こ
れに対し、温家宝首相は、今年のインフレ率について、4%を下回る水準に抑えるのは困難だ
が、5%を下回る水準は達成可能、との見方を示しています。
中国では、5 年ごとに経済計画を立て実行しておりますが、特に計画実施の当初 1、2 年は
強いコントロールを持ってその実現に努める傾向が見られます。今年はその初年度に当たるた
め、その実現性には期待が持たれます。2011 年の経済見通しは、GDP 伸び率:9.0~9.5%(前
年比)、消費者物価指数:+4.5~5.0%(前年比)、マネーサプライ(M2)
:+16%(前年比)、新規
貸出伸率:7.0~7.5%(前年比)と予想します。温家宝首相は今年の GDP 伸び率を 8~9%超の
水準になると述べており、前述のインフレ率と合わせて予想の範囲内と考えられます。
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。本資料
は当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その完全性、正確性を保証するものではありませ
ん。投資の最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料
作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
経済計画を実現するために 2011 年を通して金融政策は引締めが継続すると思われますが、
財政政策は積極策が続くと予想しております。
3.中国株式市場の動向
中国の株式市場を見る上で、経済状況に加えて、企業業績や株価水準を見ることは重要です。
2010 年の企業業績は、前年比+26%の増益となり、事前の予想を上回ったうえ、年間を通じて
上方修正が継続しました。今後について重要な 2011 年の企業業績予想は、前年比+15-20%の増
益が予想されます。増益率は 2010 年と比較して鈍化するものの、売上の見通しは良好である
と考えられます。依然としてインフレ率やコスト上昇には注意が必要ですが、企業収益は良好
な状態が継続する可能性が高いと考えられます。
良好な企業業績ながらも、株式市場は上昇を見せませんでした。株価を評価するひとつの尺
度である PER(株価を一株利益で割ったもの)は、現在 2011 年予想利益に対して 12 倍から 13
倍程度となっております。これは、過去の長期平均の 15 倍を下回る水準であり、平均的に割
安であると考えられます。
株式投資の銘柄選択において消費主導経済への転換や、製造業の高付加価値化は注目すべき
テーマであることには変わりありません。一方、市場でのインフレなどに対する不透明感が残
る現在においては、徹底した銘柄選択によるバリュー投資は有効な手段であると考えています。
2011 年後半の中国株式投資では「慎重な姿勢を保ちながらも積極的な銘柄選択に注力する」
ことが重要と考えております。
以上
※当資料は当社のファンドに組み入れられているファンドの運用会社である、バリューパート
ナーズグループの見解をもとにユナイテッド投信投資顧問が作成しました。
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