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平成 24 年 3 月 7 日
全国紙管工業組合 青年部会研修会報告
全国紙管工業組合青年部会の研修会として、平成 24 年 3 月 2 日(金)に、昨年の 3 月 11 日に
起きた、
「平成 23 年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」で実際に被災された、株式会社竹林
紙管の石巻工場と、日本製紙株式会社の石巻工場、三協紙業株式会社の仙台工場を見学させてい
ただきました。
当日は飛行機で向かったのですが、仙台空港に降りる
直前に眼下に見えた光景は、海岸線に沿って奥行 100m
はある広大な防風林の木々がすべて海と逆方向に傾き、
それを抜けた先には、そこに建物があったと思われるコ
ンクリートの基礎を残して何もない平地、そんな光景が
右にも左にもずっと広がっている。それは実際に大きな
地震が起き、その後に想像もできないような巨大な津波
が押し寄せて来たという事実を再確認させられ、ただ息
を呑むばかりでした。
仙台空港に到着すると、地震や津波が嘘だったのでは
と思われるほどきれいな建物で、震災を乗り越えて前に
進もうとする人間の力強さを感じました。そこから石巻
市まで車で約 1 時間、道端に山積みされた瓦礫や車の山
や、崩壊したビルや工場、1階の窓がすべて割れた廃屋、
田んぼや畑のように見える住宅地の跡。まだ震災の爪痕
はとても深く受け入れ難いものでしたが、そんな被災地
の真ん中に、竹林紙管の石巻工場はありました。白く清
潔感のあるその建物は、震災に負けまいとする、復興の
象徴のように誇らしく見えました。
そこで、村上社長から、地震発生から津波が来るまで、
そしてその後、社員全員の方と連絡が取れるまでの葛藤
や、工場が再稼働するまでのお話、自社や日本製紙の当
時の写真や被災状況のデーター、また偶然撮られたとい
う津波の映像等を見せていただき、地震や津波といった
自然災害の恐ろしさを再認識するとともに、災害に対す
る備えの大切さを改めて感じました。
その後、工場内も見学させて頂きましたが、被災され
たとは思えない程、工場内がきれいだった事や、製品の
素晴らしさもさることながら、社員の方々の元気で前向
きな目が特に印象的でした。
また、日本製紙の石巻工場も特別に見学させて頂き、
まだ震災の爪痕が痛々しい箇所も所々ありましたが、既
に稼働している 8 号抄紙機をはじめ、復興に向けて確実
に前進しておられました。
その後、三協紙業の仙台工場に移動し、当時の状況等
についてお話を伺い、地震によってできた地割れの跡等
を見せていただきましたが、厚さ10cm以上もあるコ
ンクリートの床が、まるで稲光のように割れている様は
とても信じられない光景でした。また、なぜそのような
地割れが起きたのかといった話も聞かせて頂き、大変参
考になりました。
研修会終了後は、鳴子温泉にて懇親会が行われ、おい
しい料理と、素晴らしい温泉を堪能させて頂き、青年部
会員の結束がさらに強まりました。
最後に、あの大震災から既に 1 年近くが経とうとして
いますが、被災地の現状を見学させていただき、また、
その中で実際に頑張っておられる方々に、当時の状況や、
これまでの復興への道のりなど、お話を伺う機会を頂け
たことにつきましては、大変お忙しい中、幹事をして頂
いた竹林紙管の村上社長をはじめ、三協紙業の佐方社長、
また各工場の方々、本当にありがとうございました。
そして、微力ながら 1 日でも早い被災地の復興を心か
らお祈り申し上げます。
株式会社鈴木松風堂
鈴木 陽