波多野ファミリースクール - 外国人児童生徒支援リソースルーム

6.実態調査
6-1
国内調査−国内諸機関への訪問・見学−
前年度に引き続き今年度も、関係諸機関のご好意により各所への訪問・見学
を実現することができた。訪問先は次の通りである。また参加者による感想を
兼ねた報告を以下に記載する。
6-1-1
久 里 浜 少 年 院 、波 多 野 フ ァ ミ リ ー ス ク ー ル 、川 崎 市 立 殿 町 小 学
校
実 施 日 : 2007 年 1 月 18 日 ∼ 19 日
訪問先:久里浜少年院
波多野ファミリースクール
川崎市立殿町小学校
(石野祐太朗:中等教育教員養成課程国語・書道専攻3年)
「少年院」という施設に、入ったことも、見たこともない私にとって、今回
の久里浜少年院の訪問は、外国人児童の矯正教育だけにとどまることのない、
貴重な経験であった。昔は海軍の練兵所であったとか、少年院を出る時には職
業訓練所卒業の扱いになるとか、毎日の生活の実態も想像していたものとは違
っていた。少年院では、一人として入院している少年に出会うこともなく、そ
れだけプライバシーの管理が徹底しているのに驚いた。
この久里浜少年院に入院する外国人少年は、特に日本語の能力が乏しいと少
年鑑別所で監査された者である。その教育にあたるのは職員で、専門家が携わ
ることはない。その職員の日本語教室の風景を収めてあるビデオを、院内で見
た 。職 員 は 、大 人 向 け か と 思 わ れ る 外 国 人 向 け の 日 本 語 習 得 の た め の 教 科 書 を 、
難しい日本語のまま、講義していた。外国人少年たちは講義を聴いても、さっ
ぱりといった感じに見受けられたのだが、このような授業形態でも、一年後に
はきれいな日本語を使えるようになる。
どこに秘訣があるのだろうか。自分なりに考えてみた。
まず、難しい日本語を使う意味について。ビデオの様子の通り、外国人少年
が講義の内容を理解しているとは思えない。しかし、外国人少年たちの顔は教
官の話すのをしっかりと見ていることはわかった(ビデオではモザイク処理さ
れ て い た が )。お そ ら く 、こ の 職 員 は 、教 科 書 の 内 容 を 理 解 さ せ よ う と す る の で
はなく、日本語をたくさん話すことによって、少年の耳に日本語の音声を記憶
させようとしているのではないだろうか。外国人少年たちは、同じ外国人少年
同士で話をする機会をほとんど与えられないので、当然、日本語のほうを多く
耳にする環境に置かれる。ここにひとつの要因があると思う。
次に、少年院という環境について。少年院では、毎日、少年は教官に対し日
誌を書かなくてはならない。外国人少年も例外ではなく、毎日書かなくてはな
らないし、はじめは母国語で書いたとしても、次第に日本語で書くことを要求
されるのである。それゆえ、日本語を書く時間が生まれるのである。さらに教
官によって、言葉の添削を受けることになるので、正しい言葉の使い方に矯正
される。一般の学校に通っている少年よりも、はるかに「書く」時間が多いの
であることにも要因はあると言える。
最後に、外国人少年の学習への動機付けについて。外国人少年は、入院した
時に、日本語能力別に4段階に分けられる。下級の者は、進級を目標として勉
強をする。少年によっては、真夜中まで勉強する者もいるようである。日本語
だけにかぎらず、資格取得のための勉強をする者もいる。少年院を出た後は、
厳しい社会に出ることになる。それゆえ、勉強に対する意欲も並々ならぬもの
があるのである。
それでは、これらのことを、どう学校の外国人児童支援に役立てることがで
きるだろうか。
まず、外国人児童の少ない学校においては、外国人児童同士の接触をなるべ
く避け、日本人の児童と多く接触させてはどうだろうか。日本語で話す機会を
多くすれば、より日本語のコミュニケーション能力は向上するのではないだろ
うか。
また、学校における日本語能力の検定を行うことも日本語習得のための具体
的な目標として、効果的ではないだろうか。外国人児童の支援を、ただ漠然と
行うのでなく、はっきりとした目標を掲げるだけでも大きな違いが出ると思う
のである。
今 回 の 久 里 浜 少 年 院 の 訪 問 で 、以 上 の よ う な こ と を 学 び 、考 え る こ と が で き 、
このような機会があれば、また参加したいと思っている。
(伊藤(小林)有加:豊橋技術科学大学留学生センター非常勤講師)
波 多 野 フ ァ ミ リ ー ス ク ー ル 、大 蔵 守 久 先 生 が お っ し ゃ っ た 言 葉 に 、
「文字指導
は、
『 ふ 』を 富 士 山 の 形 に 見 立 て て 導 入 す る 方 法 な ど い ろ い ろ な 教 え 方 を 試 し た
が、結局一人一人、一つ一つ丁寧に訂正して書かせることが一番定着につなが
る」ということがあった。大蔵先生は授業で、多くの仕掛けをお持ちで文字導
入 も「 驚 き 」や「 気 づ き 」
「 楽 し さ 」を 持 っ て な さ る の か と 思 っ て い た の で 、私
にとっては新鮮な言葉であったと同時に日頃の活動の裏づけをいただけたよう
に思えた。
しかし、大人と違って子どもは単調な作業をさせるまでに、教師との人間関
係がしっかりできていないと、露骨に嫌がり、じっと座っていることすら不可
能になる。また、大人であっても訂正されることに抵抗が強く、お互いの関係
がよくないと指導は難しい。お互いのよい関係を作るために、大蔵先生はいろ
いろな手立てを紹介してくださった。日頃の授業に活かしていきたいと思う。
久里浜少年院でも、
「 係 わ り 」の 大 切 さ を 感 じ た 。こ こ に は 、日 本 語 の 指 導 が
必 要 だ と 判 断 さ れ た 外 国 人 22 名 が 集 め ら れ て い る 。 彼 ら は 卒 院 す る ま で に 、
漢字を使って手紙が書けるようになるそうだ。
外国人対応で、特に注目したいのは、外国人担当の教官は 5 名いて、きめ細
かい指導が可能であることだ。日本の学校での集団生活に馴染めなかったであ
ろう彼らにとっては親以外の大人との密な関係ができる初めての機会であると
想像する。その教官と毎日、日本語での交換日記がなされていることも、関係
作り、日本語の上達に欠かせない活動だと思われる。さらに、日記は書かせて
終わりにしないで、必ず面接があるそうだ。添削についても、朱書きして終わ
りということではなさそうである。会話面について、面接で教官との一対一の
内容のある会話が何度もなされていることは確かだった。実際に彼らと話して
日本語のレベルを探りたいという気持ちが残った。
川崎市では、外国人児童生徒が公立の小中学校に転入を希望する際、必ず面
接をして、その子とその背景を把握するそうだ。その子の学校に、その子の母
語が話せる指導員と日本語教師の配置をするそうだ。川崎市は外国人としっか
り関わっている。応援してくれている大人が身近にいることで、どんなに安心
だろうか。全く知らない言語で声をかけられ、肩をたたかれたら、どんな感じ
がするだろう。
「 お い 、邪 魔 だ ! 」な の か「 一 緒 に 遊 ぼ う ! 」な の か 、初 め に で
きた関係を元に、どう解釈するかが決まるように思われる。
川崎市以外は、外国人児童生徒との関係作りのチャンスを逃している。その後
大人になるまでの間に、日本人とどのくらい信頼関係が築けるのだろうか。
(原
絵理子:学校教育専攻国際理解教育領域M2)
久里浜少年院は、想像していたような閉鎖的な暗い場所ではなく、海に面し
た開放感のある場所であった。遠くに浮かぶ船や空高く飛ぶ鳥たちを望めば、
何もかも忘れて無を感じることさえできる。しかし、振り返れば厚い扉と塀。
私たちが生活している世界とは別の世界であることを改めて思い知らされた。
外国人の少年たちは、日本人の少年たちとは別の教育を受けており、日本人
の少年たちとの大きな違いは、日本語学習を受けていることだ。院内では、ほ
ぼ日本語だけの生活を送るので、少年たちは出院するころにはかなりの日本語
レベルを獲得するという。私語は制限されているので、主に教官とのやり取り
を通して会話能力を向上させていくのだそうだ。制限のある状況下でも、高レ
ベルな日本語を獲得していくというのは驚きであった。日々努力している彼ら
の姿がうかがえた。
毎日少年たちは、日本語で日記を書いて、教官に添削してもらい、コメント
をもらっている。教官は、そこから少年の様子や成長の過程を知り、一人ひと
りに適した指導法を実践されている。誠心誠意、教官の方々が指導にあたられ
ている様子をビデオで拝見し、見習わなければと強く思った。しかし、日本語
学習に関わっている方々は、日本語教育を専門にされているわけではないそう
なので、院内での日本語教育がますます充実していくことが望まれる。外国人
の少年たちがうけている、一対一指導は理想的な学習環境であり、日本の小中
学校に通う子どもたちにも、このように一人ひとりに目が行き届いた充実した
指導がなされればと思う。そうすれば少年院に行かなければならない子どもも
減少するのではないだろうか。
久里浜少年院の外国人少年たちには、一日でも速く出院し、身につけた日本
語や技術を生かして、のびのびと充実した生活を送ってほしいと切に願う。
2 日目の波多野ファミリースクールでは、大蔵先生の年少者日本語指導のス
キルや方法の豊富さにただただ圧倒された。私が今までやってきたことは何だ
っ た の だ ろ う か と 内 省 さ せ ら れ た 。 ご 講 義 で は 、 先 生 が 20 年 以 上 の 指 導 経 験
から生み出された「子どもに興味を持たせる工夫」を幅広く紹介していただい
き、どれも即実践可能なものばかりで、参考になった。その中のいくつかを実
際に日本語指導にあたっている中学校で試してみたところ、見事にうけた。そ
の食いつきように非常に驚いたとともに、子どもの楽しそうにしている表情を
見て、こちらも笑みがこぼれた。
年少者日本語指導に関わってまだ日も浅く未熟ではあるが、大蔵先生を見習
い、子どもが興味を持って日本語を学ぶことができるような充実した授業を実
践していきたいと思う。
(竹内千恵:日本語教育コース卒業生)
滅多に見学に行く機会のない久里浜少年院、外国人児童への指導で有名な大
蔵先生がいらっしゃる波多野ファミリスクール、外国人の子どもたちへの支援
が 厚 い 川 崎 市 の 殿 町 小 学 校 。外 国 人 中 学 生 に 日 本 語 を 指 導 し て い る 私 に と っ て 、
この 3 つ の場 所を 訪 れる こと が でき たこ の ツ アー は、とて も有 意 義な 時 間で し
た。
特に、波多野ファミリースクールでの大蔵先生の講義は、日本語の指導方法
に悩んでいる私にとってとても勉強になりました。講義は時間があまりない中
駆け足で進められましたが、とてもわかりやすく、そしてとても引きつけられ
るものがありました。この講義の中には、作文指導についてのお話もありまし
たが、卒業論文で外国人生徒への作文指導をテーマにした私にとっては興味深
いお話でした。子どもは大人と違って日本語を学習する動機付けがはっきりし
ていないことが多く、なかなか作文には取り組んでくれません。しかし、大蔵
先生が講義してくださったのは、まさに子どもが作文をおもしろいと思って取
り組むことができる方法でした。
大蔵先生がおっしゃっていた作文方法は、主に 6 つあります。示した文の言
葉を入れ替えて書かせる回答式作文。教師の言った内容を覚えて聞いた後に再
生させる再生式作文。絵を見て書かせる観察式作文。ストーリー性のある絵を
見せ、教師とのやり取りの中からヒントを得て書いていく想像式作文。ゲーム
のルールの説明や道案内を書かせる説明式作文。そして、一番難しいとされる
出来事の感想を書かせる感想式作文です。この中でも、回答式作文は日本語が
あまり話せなくてもできる作文方法ということで、この見学ツアーの後に早速
それほど日本語が話せない外国人生徒に試してみました。
「昨日どこへ行きまし
た 。」 の 「 ど こ 」 を 生 徒 が 実 際 に 行 っ た 場 所 に 変 え て 書 か せ た り 、「 何 時 に 家 に
帰 り ま し た 。」の「 何 時 」を 変 え て 書 か せ た り し ま し た 。そ の 結 果 、生 徒 は あ ま
り抵抗なくサラサラと作文に取り組むことができ、思ったより長い作文を書く
ことができました。
この波多野ファミリースクールで指導方法を学んだことで、実際に自分の日本
語の指導方法のレパートリーを増やすことができました。この作文指導方法以
外にも学んだことはとても多く、今後日本語を指導する上で活用していきたい
と考えています。
(西村知子:日本語教育コース卒業生)
波 多 野 フ ァ ミ リ ー ス ク ー ル は 文 科 省 所 轄 の 公 益 法 人 で あ る 。幼 児 か ら 成 人
ま で 多 彩 な 教 室 を 開 設 し て い る 。そ の 中 に は 、国 際 教 室 が あ る 。海 外 在 住 児
童 生 徒 ( 海 外 通 信 添 削 ) や 帰 国 来 日 児 童 生 徒 ( 国 際 学 級 )、 渡 航 家 族 ( 海 外
赴任前研修)などを対象に教育活動を行ってきた。
今 回 の 講 義 は 、 20 年 間 で 69 カ 国 1200 人 の 外 国 人 児 童 に 教 え て き た 国 際
学級の指導経験が基にされたものであった。
講義のテーマは「年少者日本語指導∼興味を持たせる工夫∼」である。
私 は 3 年 間 ボ ラ ン テ ィ ア と し て 小 学 校 で 、外 国 人 児 童 に 日 本 語 支 援 を し て
き た 。し か し 、い く ら 授 業 の 準 備 を し て 行 っ て も 児 童 の 気 が 向 か な い と 、そ
の 日 の 学 習 が 全 く で き な い と い う こ と が よ く あ っ た 。 そ の 経 験 か ら 、「 ど の
ように児童に興味を待たせるか」ということに一番関心があった。
講 義 の 中 で 「 ク マ ゲ ジ 」 と 言 う 方 法 を 教 わ っ た 。「 ク マ ゲ ジ 」 と は 、
ク→クイズ
マ→マジック
ゲ→ゲーム
ジ→ジョーク
である。
授 業 の 中 に「 ク マ ゲ ジ 」を 取 り 入 れ る こ と に よ っ て 児 童 の 興 味 を 引 く こ と
が で き る と い う の だ 。例 え ば 、
「ある」
「 な い 」を 導 入 す る と き に コ イ ン マ ジ
ッ ク を 使 う 。コ イ ン を 片 方 の 手 に 持 っ て 、な い ほ う を ま ず 児 童 に 見 せ て「 な
い 」を 導 入 。そ し て 、コ イ ン が 入 っ て い る 方 を 児 童 に 見 せ て「 あ る 」を 導 入
す る 。そ の 後 、児 童 に わ か ら な い よ う に コ イ ン を か く し て 何 も 入 っ て な い 両
手 を 握 っ て 見 せ る 。す る と 、児 童 は 片 方 に コ イ ン が 入 っ て い る と 思 っ て い る
の で 、コ イ ン が 入 っ て な い 手 を 最 初 に 見 せ ら れ る と 、も う 片 方 を 指 差 し て「 あ
る」と言う。しかし、その手にもコインがないという状況になる。
ま た 、平 仮 名 を 復 習 す る と き は こ う い う 方 法 が 紹 介 さ れ た 。自 分 の 体 や 服
の 中 、教 室 の 中 な ど に 平 仮 名 が 書 か れ た カ ー ド を 隠 し て お く 。そ し て 、授 業
中にそれぞれのカードを指差して平仮名を読ませる。
こ れ ら の 授 業 方 法 を 講 師 の 方 か ら 紹 介 し て も ら っ て い る と き 、私 自 身 も 授
業に引き込まれていった。
このような変化に富んだ授業展開では児童も興味を持って学習に取り組
め る と 感 じ た 。こ の 講 義 で 得 た こ と を 今 後 児 童 に 対 す る 日 本 語 支 援 で 生 か し
ていきたい。
(森岡京子:学校教育専攻国際理解教育M2)
日本語指導研修会「年少者日本語指導∼興味をもたせる工夫」
(波多野ファミリースクール大蔵守久主管)を受講して
「日本語学級」を書かれた先生のお話を聞ける貴重な機会を得ることができ
ま し た 。 講 義 は 10:30 か ら 12:20 ま で 止 ま る こ と な く 、 か な り 早 口 で テ ン ポ 良
く進められました。
伺ったお話を、感想を交えながら紹介したいと思います。
子 ど も た ち の 学 習 意 欲 の 不 振・消 化 不 良・定 着 促 進 に 効 く「 薬 」と し て「 情 」
「意」
「 知 」を 挙 げ ら れ ま し た 。ま ず 情 に 訴 え る そ う で す 。キ ー ワ ー ド で あ る「 ク
マゲジ」とはクイズ・マジック・ゲーム・ジョークの頭文字をとったものです
が、先生と子どもの会話で子どもに言いたいという気持ちを持たせ、日本語運
用能力を高めるために必要な物だそうです。そして子どもには、知りたい・や
ってみたい・勝ちたい・受けたい、という4つの「∼たい」があるので、その
意欲を促進させるような内容のことを取り上げます。例えば面白いことを言っ
て子どもが真似をして使ったら大袈裟に誉めて定着させます。放っておくと定
着 し な い そ う で す の で 、誉 め て 吸 収 さ せ ま す 。そ し て「 知 」と し て 語 彙・文 法 ・
文型の順序で教えるそうです。
クイズ・マジック・ゲーム・ジョークという言葉を聞いただけでなんて楽しそ
うな授業なんだろうと思いました。
習得の段階は、単語期⇒連結期⇒伸長期⇒定着期
があるそうです。
単語期
ま ず 単 語 し か 返 っ て こ な い 0∼ 1 ヶ 月 間 で す が 、 こ の 時 期 は 生 活 必
須単語を教えます。
「 ある・な い」
「 同 じ ・ 違 う 」「 わ か る ・わ か ら な い 」な ど 対
になる言葉を教えます。
「 あ る・ な い 」で は「 な い 」方 を 先 に 教 え ま す 。最 初 は
先 生 が 答 え ま す が 4∼ 5 回 目 に は 生 徒 に 答 え さ せ ま す 。「 わ か る ・ わ か ら な い 」
では封筒に絵カードを入れて少しずつ見せます。絵に描かれているものの名称
が分からなくてもいいそうです。
「 み え る・み え な い 」で は 先 生 の 若 い こ ろ の 写
真が紹介されました。うちわに貼られた写真を見ようとしましたが、先生が左
右に激しく振られたので「みえない」状態でした。次第にスピードを落として
く だ さ っ た の で「 み え る 」よ う に な り ま し た が 、写 真 は SMAP の 木 村 拓 哉 さ ん
でした。
「 右・左・上・下 」を 教 え る た め に 視 力 検 査 の 方 法 を 取 り 入 れ ら れ て い ま し た 。
上下左右が言えるようになると、右向き・左向きや、斜め、ひらがなといった
表現へ発展させることができます。次にコインが出てきました。片面ずつ赤と
青の紙が張ってあり、上へ投げてキャッチして「赤、青?」と尋ねます。私も
コイントスを児童生徒に試したことがありますが、驚くほど子どもたちの反応
が良かったことを思い出しました。次は図形がでてきました。画用紙に「○・
×・ △ ・ □ 」 が 書 い て あ り 、 そ の カ ー ド を 取 り ま す 。 子 供 同 士 の 取 り 合 い に な
らないように、一人一人にワンセット渡しておくそうです。正解のカードを選
ぶときに最初は周りの友達の答えをカンニングをしても良いそうです。そのう
ちに「さんかく」が「△」と認識されるようです。確かにいくら単語で覚えて
も実物と結びつかなければ日常生活で必要なときにすぐに出てこないので認知
することが大切だと思いました。
形容詞については、感情を込めて表情を変化させることが大切なのだそうで
す。抑揚や表情だけでなく、場所や教室の明るさなど、全てが記憶を手繰る手
助けになるそうです。
「 大 き い( 白 い )パ ン ツ 」と 大 袈 裟 に 言 う と よ り よ く 伝 わ
ります。そしてどなたが作られたのか確かめませんでしたが実物も用意されて
いました。封筒から折り畳まれた白い布が出てきたときは、まさか!と思いま
した。だんだん広げられていく大きい(白い)パンツは、広げられる過程を含
め て と て も 印 象 に 残 り ま し た 。 幅 は 80cm か ら 1m く ら い あ っ た よ う な 気 が し
ます。
「長い・短い」も両極端な長さのものを準備すると良いそうです。中途半端な
長さでは先生が回答に困るからです。言うときはもちろん「なが∼∼∼∼い」
「みじかいっ」と、長さに変化をつけて言います。何本もリボンが準備されてい
ましたが中には色を繋いでそのつなぎ目を手で隠し、
「 み じ か い 」も の を 選 ば せ
ますが、
「 み じ か い 」と 思 っ て 選 ん だ リ ボ ン は 実 は 途 中 か ら 色 が 変 わ っ て い て 実
際は「なが∼∼∼い」リボンだったというように面白要素が取り入れられてい
ました。
連結期
単 語を 並べ る 時期 で す。例 えば「 お 父さ ん 、会 社 、家、い ない 」こ
れでも意味は伝わります。このときは文法や文型があることはなんとなく自覚
しているのですがまだ使うことができません。文章にするためには短くて答え
や す く し ま す 。例 え ば「 え い ご
の
ほ ん 」と 答 え ら れ た ら そ れ で い い の で す 。
「これは英語の本です」という文はできるようになってからで良く、まず最初
は「∼の∼」でよいそうです。
次は「∼は∼です」と「です」の文で答える練習ですが、腕時計などの拡大図
が用いられました。一部分を拡大して元は何か推測します。また、影絵もあり
ました。
「 こ れ は 何 で す か 」と 尋 ね ま す 。本 体 の 影 絵 だ け で は モ デ ム の よ う な の
でヒントとして受話器の影絵を付け加えて下さいました。糸で台紙につけられ
た受話器部分は最初は裏面に隠されています。タイミングを見計らって受話器
の 影 絵 が 出 さ れ ま す 。台 紙 を 前 へ 振 る 反 動 で 後 ろ か ら 受 話 器 が 飛 び 出 し て き て 、
電話であることが分かります。
「 こ れ は 電 話 で す 」と い う 答 え を 導 く た め に こ う
い っ た 工 夫 が 施 さ れ て い ま し た 。他 に も 封 筒 の 窓 か ら 見 え る 中 の 絵 を 当 て ま す 。
A 4 の 紙 が 入 る 大 き さ の 封 筒 で す が 、左 上 に 8cm 四 方 く ら い の 窓 が 開 け ら れ て
い ま す 。封 筒 が 一 枚 だ け で す と 、例 え ば 中 の 絵 が 大 根 だ と 分 か っ た と き に は「 こ
れ は 大 根 で す 」と 答 え ま す 。そ し て 四 枚 く ら い 封 筒 が 並 べ ら れ て い る と き は( 番
.
.
.
号を振ってある)
「1は大根です」
「2は○○です」
「 3 は ○ ○ で す 」と「 は 」を
使って答える方法を増やすことができていました。
この時期の形容詞文は、
「 ど っ ち の 方 が ∼ で す か 」と い う 比 較 を 学 び ま す 。分
かりやすいものを比べるのではなく、目の錯覚を利用します。そして実際に長
さを計ったり図を重ねたりして、目の錯覚か実際に長さが違うのかを確認しま
す。
先ほどはコインの裏表で「赤・青」を学びましたが今度は赤・青の図形がでて
きました。
「 ○・ △・ □ 」大・ 小 の 図 形 が 準 備 さ れ て い ま し た 。子 ど も に は 一 人
1セットを渡します。
「( 赤 ) く て ー 、( 小 さ ) い ー 、 さ ん か く っ ! 」 の よ う に 属 性 を 表 わ す と き に は
語尾を長く伸ばして児童生徒に考える時間を与えます。そうすると最初はばら
ばらに置いていた図形を少しでも速く取るために自分でグループに分けて整理
し始めるそうです。
他にも色々なアイテムを紹介していただきました。
・
「 黒 く な り ま し た 」透 明 の 円 筒 に 黒 い 紙 が 入 っ て い ま す( ま る で 筒 に 墨 汁 が 入
っ て い る よ う に 見 え ま す )。白 い 紙 を そ の 中 へ い れ て ゆ っ く り 出 す と( ゆ っ く り
出 す の は 演 出 で す )、墨 汁 に 浸 け た 部 分 だ け 黒 く な っ て 出 て き ま す 。実 際 は 白 い
紙の裏半分は予め黒くしてあるので、ゆっくり出すときは裏返した状態で出し
ただけなのですが、私はとても面白く感じました。もちろん赤や緑でしても良
いそうです。
・
「 き れ い に な り ま し た 」ク レ 55 で 磨 い た り 、10 円 に タ バ ス コ を か け た り す る
そうです。毎回子どもにうけがよいといって先生が準備されていたのは汚い部
屋の立体的な絵でした。絵に掃除機をかけます。掃除機の頭の部分の模型で部
屋のゴミ等を押し上げると、先程散らかっていたものは上半分に押し上げられ
( 見 え な く な り )、部 屋 が す っ か り き れ い に な り ま し た 。今 ま で 紹 介 し て い た だ
いたものはどれも素晴らしかったのですが、この手の込んだ教材に感服しまし
た。
・「( ど こ ) に ( 何 ) が
あります」3つの紙コップを並べてそのうちの1つに
赤 い ボ ー ル を 入 れ ま す 。並 べ 替 え て ボ ー ル が ど こ に あ る か 尋 ね ま す 。
「右に赤が
あります」と答えることができます。マジシャンのようにどこへボールが入っ
たかわからないほど上手に行う必要はなさそうでしたので私にもできるかも、
と思いました。
授業では「静(見る、聞く、今日何をするのか)→動(する、話す、アクテ
ィ ビ テ ィ ー → 静( 書 く 、書 い た も の を 読 む 、定 着 さ せ る )」の 順 で 行 う こ と に 注
意 を す る と 良 い そ う で す 。最 後 の「 静 」
( 定 着 さ せ る )時 間 を と ら な け れ ば 、と
反省しました。
伸長期
文 章 を 読 む こ と に 慣 れ ま す 。4 行 く ら い の も の だ と 正 確 に 読 む 必 要
が あ り ま す 。算 数 の 文 章 題 な ど が そ れ に あ た り ま す 。20 セ ン テ ン ス く ら い に な
ると大まかに読むことが求められます。文の並べ替えを紹介していただきまし
た 。 例 え ば 電 話 の か け 方 は 「 番 号 を 押 し ま す 」「 カ ー ド を 入 れ ま す 」「 相 手 と 話
します」
「 受 話 器 を と り ま す 」の 4 つ の 文 を 並 べ 替 え ま す 。分 か ら な い 単 語 が あ
っても子どもは推測しようとします。他にはエレベータの乗り方、コンビニで
物を買う、チケットを買うなどがありますが文の数は4∼5個が限界だそうで
す。6つは難しいとのことでした。
文章を読んで次に何を聞かれるのか子どもは分かりません。母語でないならな
おさらのことと思います。前のことをそんなに覚えてもいられません。しかし
予想ができると読解はずいぶん分かりやすくなるそうです。そこで図を用いる
ことで読解の手助けをしていました。立方体を3つ、二段に積み上げてありま
すが、上に置いてあるものの場所や色が違います。説明に従ってどの図の説明
をしているのか考え、4つの中から正解を探します。
興味をそそる話題をするのも良いそうです。
「 悪 い 話・男 と 女・大 失 敗・異 文 化・
不思議」の話をすると受けるそうです。
異文化としてはある校則で、バレンタインデーの日にチョコを何時までに渡す
ようにと校則で決められている学校の例が紹介されました。
男女では A 君 B 君とどちらと付き合うかという話がありました。A 君 B 君を
説 明 す る と き に は 「( 付 き 合 っ て ほ し い と ) 言 わ れ ま す 、 聞 か れ ま す 、( 周 囲 の
人 か ら )好 か れ て い ま す 、
( み ん な に )囲 ま れ て い ま す 、追 い か け ら れ て 、写 真
を撮られて」と受身形が沢山出てきました。
それに対して児童生徒は自分なら A 君と B 君どちらを選ぶか理由を考えて書い
ていました。先生が読んでくださった子どもの文章はまだつたないものでした
が、どちらの彼を選んだのかその理由がよく伝わってきました。言いたいこと
を作文に書かせると表現しようとするそうです。何といっていいか分からない
ときは問題文を見て真似をするそうです。
また長文を使用する場合、数行ずつ区切って、あるいは文章を書いた紙を折り
たたんで使うそうです。日本の国語のテストに慣れさせるため行うそうです。
作 文 の 書 き 方 で す が 、い か に 正 し く 分 か り や す く 伝 え る か 学 ぶ た め に 、何 を( ネ
タ を あ げ る )、ど う( モ デ ル と な る 文 を 使 う )す る か を 明 確 に す る そ う で す 。作
文の教え方には、回答式・再生式・観察式・推測(想像)式・説明式・感想意
見式、があるそうです。回答式ではこちらから質問して書く内容を子どもが答
え る よ う に し ま す 。「 昨 日 ど こ へ 行 き ま し た か ? 」「 ダ イ エ ー 」「 誰 と ? 」「 お 母
さんと弟」
「何を買いましたか?」
「 靴 」。再 生 式 で は 色 々 頭 の 中 に あ る う ち に 文
を暗記して再生させます。観察式は見たものを書くため感想を書くより易しく
取 り 組 め ま す 。例 え ば 積 み 木 の 図 を 見 な が ら そ れ を 説 明 す る 文 章 を 書 か せ ま す 。
あるいは絵を二枚並べて(アヒルとペリカン等)見比べて書かせます。どこが
違うのか視点を限定させると比べやすいようです。推測(想像)式は絵を見せ
て、
「 日 本 ? 季 節 は ? 暑 い ? ど う し て ? 時 間 は ? ど う し て ? 場 所 は ど こ ? 」と 尋
ね、理由を聞いて作文を書かせます。説明式は例えば遊びのルールや道案内、
使い方、なぞなぞ(答えを「目」や「鼻」に導くようななぞなぞ)を書かせま
す。最後の感想式ですが、これは難しいそうです。ですからこちらから「∼し
てしまった」や「∼のようでした」を使うように指定して文章を作ってもらう
そうです。全てに共通していえる事は、常に子どもが考える機会を得ているこ
とだと思いました。自分の考えを表現する手助けを先生がされているように思
いました。
ひらがなの指導は何回も口に出して読んで覚えさせることだそうです。一番
効 果 的 だ っ た の は フ ラ ッ シ ュ カ ー ド だ そ う で す 。た だ 順 番 に 見 せ る の で は な く 、
上着の内側に貼り付けてちらっと見せるなど、体の中からカードを出すように
す る と よ り 面 白 く な る そ う で す 。ま た「 か な 」を 混 ぜ た 視 力 検 査 表 を 使 っ た り 、
文字の前にエアチップでフィルターをかけて少し見えにくくしたり、ひらがな
の一部分を見せたり、折りたたんだ紙の中に(四角形の頂点を真ん中で集まる
ようにして折る。一つずつ折り目を開いていくことで中のひらがなが見えるよ
うになります)ひらがなを書いておいたりするそうです。子どもは中から出て
くる怪しげなものの方が好きだそうです。
このようにして仮名を見えにくくしたり、一部分だけ見せたりするとそこから
子どもは可能性のある文字を推測させられます。見て読むだけではなく子ども
が考えなければ答えられないように工夫されていると思いました。
カタカナは1∼2年見込んでもよいそうです。日本に来て間もない子どもで
も、漢字があることを知っています。身の回りには漢字が沢山あります。ひら
がなをやっと覚えて次は漢字だと思っているところにカタカナがあるのです。
使用頻度もあまり高くありませんので、カタカナを覚えるのには相当時間がか
かるようです。ひらがなと似ている字から導入する方法もあるそうですが
(「 り ・ リ 」「 へ ・ ヘ 」「 も ・ モ 」「 か ・ カ 」「 に ・ ニ 」 な ど )適 当 な と こ ろ で 漢 字
指導を始めた方が良いそうです。それを聞いてほっとしました。
漢 字 を 教 え る 時 は 「 1. 興 味 を 持 つ 、 2.覚 え 方 を 知 る
3.手 が 覚 え る 」 こ と を
念 頭 に 置 く そ う で す 。ま ず「 山 」は「 や ま 」の 形 か ら 連 想 さ せ ま す 。ま た「 山 」
「田」
「大」
「森」
「 木 」な ど は 見 る と ク ラ ス に 必 ず こ れ ら を 使 っ た 苗 字 が あ る の
で 名 簿 を 参 考 に す る こ と も で き る よ う で す 。漢 字 を 学 習 す る と き に だ い た い 60
∼ 70 字 の 壁 が あ る よ う で す 。次 に 連 想 ユ ニ ッ ト で「 こ の 漢 字 は ど う や っ て で き
ている?」ときいたりするそうです。また「日」を使った漢字は沢山あると言
っていろいろ組み合わせながらシンコペイティッドクロックに乗せてテンポよ
く紹介して下さいました。先生の口ずさむ音楽とカードの説明があまりに見事
だったので終わったときには拍手喝采でした。このあと講義は、教科学習支援
へと続きましたが、報告はここまでにしたいと思います。
先生の講義では工夫がなされた手作りの教材が沢山準備されていました。
目の錯覚や先生の工夫によってマジックだ、とても楽しい、という印象が強く
残りました。
講演の内容に沿って封筒に入れられた教材が順に並べられテンポよく話が進め
られました。先生の講義は動きがあって見ていて面白く、CMのメロディーや
音楽を口ずさみながら進めてくださるので聞いていても楽しく、私たちは感心
したり驚いたり笑ったりしながらメモを取るのに必死でした。自分が担当して
いる児童生徒の顔を思い浮かべながら私もこれを取り入れよう、おや、これは
作るのが大変難しそうだと、いろんなアイデアを教えていただきながら考えま
した。
耳や目から楽しくて興味をそそるものが入ってくるとそれに刺激されて自然と
口や手(書く)で表現したいという行動に持って行く様子はとても素晴らしか
ったです。
勉強を勉強と思わずに楽しんでいる間に身につけられることが、大変理想的
な状態だと思いました。
私は今、学校支援で小学校へ伺っていますが、担当している児童生徒に絵日
記を書いてもらうことを試みています。相手に分かってもらいたい、思いや表
現を伝えたいという気持ちを助ける手段になればと思い、始めてみました。絵
も文章もサンプルを与えています。まだほとんど書写です。子どもはサンプル
があると自分が身近に感じる物、例えば自分の兄弟を描いたり、自分がもらっ
たクリスマスプレゼントを描いたり、
「 自 分 に 置 き 換 え る 」作 業 を し よ う と す る
ようです。そのうちに絵も単語も自分の表現したい言葉に置き換えられるよう
になるといいな、さらには文章へ発展するといいな、と思っています。
今回の講演は色々考えさせられ、とても参考になりました。得た考え方を少
しでも実践に取り入れられたら、と思っています。
(木村久美子:学校教育専攻国際理解教育領域M2)
殿町小学校教頭の佐藤裕之先生と報告者が知り合いだったことから、殿町小
学校を訪問させていただき、貴重なお話を伺う機会を得た。以前川崎市総合教
育センターで外国人児童生徒教育にかかわっていらっしゃった佐藤先生には、
川崎市における外国人児童生徒の現状と対応、そして問題点を話していただい
た。以下、先生より頂いたレジュメを元に川崎市の様子について報告する。
1.川崎市の現状
川 崎 市 の 外 国 人 市 民 は 人 口 130 万 人 中 2.8 万 人 を 占 め て い る と い う 。在 住 外
国人 1 位は韓国・朝鮮、2 位中国、3 位フィリピン、4 位ブラジル、そして 5
位がインドという。現在川崎市では雇用主の企業の撤退などから、ブラジル人
を は じ め と す る 南 米 人 は 減 少 傾 向 に あ り 、 集 住 地 区 は 見 ら れ な い 。 逆 に IT 関
連でインドからきたエンジニアが増えているという。しかしそのインドからの
子どもたちは公立小・中には入らず、インターナショナル・スクールなどに通
う場合が多いという。愛知県では勤労目的できた南米からの日系人が非常に多
いが、川崎市はオールドカマーである在日韓国・朝鮮人が多く、また国際結婚
を景気にアジアから来た人々が多いのが特徴的である。
2.学校現場では
海 外 生 活 が 1 年 以 上 で あ る 帰 国 児 童 生 徒 は 1500 名 程 度 い る と い う 。 そ の 中
で 外 国 籍 の 児 童 生 徒 は 約 800 人 、 そ し て 日 本 語 指 導 が 必 要 な 子 ど も は 常 時 100
人いるという。川崎市では「ともに生きる」ことをめざし、たとえ一人であっ
て も 日 本 語 が 不 自 由 な 子 ど も が い た 場 合 、日 本 語 指 導 等 協 力 者 を 学 校 に 派 遣 し 、
個別指導をしているという。この派遣の特徴は、母語対応による初期日本語指
導をすること、また、それのみではなく、心のケアや家庭と学校をつなぐ通訳
も行うことである。初期の日本語指導が終わった児童生徒には、巡回非常勤講
師が 週一 回 、半 年 から 1 年 間学 習指 導 を行 う 。講 師 は、元 教員 か教 員 免許 保 有
者で あり 、週 3 時 間指 導 する こと に なっ てい ると いう 。こ の よう に川 崎 市で は
非常に手厚い支援がなされており、また学校と指導者と教育センターの連携を
大切にし、指導状況の把握と指導に対する支援も徹底して行われていることが
分かった。母語対応が特色である川崎市に比べ、愛知県では残念ながら母語保
障 に 関 し て は ま だ ま だ 遅 れ て い る と 言 わ ざ る を 得 な い 。愛 知 で も 学 校 、支 援 者 、
子 ど も を つ な ぐ ネ ッ ト ワ ー ク の 強 化 、人 材 の 発 掘・確 保 が 必 要 で あ る と 感 じ た 。