32 期 3年3組 文化祭奮闘記 6 月 1 日の体育祭が終わると、すぐに文化祭の企画をどうするかの検討が始まった。 群馬名産の焼きまんじゅう⁈たこ焼き⁈焼き鳥⁈と焼いたらできそうなものを中心に担任は 色々意見を出していたが、クラスの話し合いで不動の 1 位となっていたのは『ケバブ』だ った。確かに美味しいそう。でも、文化祭でどうやって作るか誰も知らない。 『ポテト』も合わせるといいかも?というアイデアを合わせた案がクラスでまとまり、6 月中旬の LHR で試作できるように準備が始まった。試作品の予算は 1 人 100 円。 コストコの会員の先生に協力してもらい、文化祭クラス代表が買い出しに行った。文化祭クラス代表は 自らソースレシピを自宅で調合。また、野菜に火を通さなければならないという条件を 2 年前にケバブ を販売していたクラスがどうクリアしていたかその時の担任の先生にヒアリング。その結果、湯どうしで やってみることになった。生じゃないキャベツで美味しいケバブが果たしてできるのか? ある程度、見通しが立ったところで、総合実習室で 試作会となった。クラスの反応は「美味しい!」 「も う、ちょっとソースがあった方がいいね」 「いくらで 売れるかな?」。うん、いい感じ。 試作の内容をもとにどうにか企画書を提出。ほっ。 徴収金 1 人 1000 円、販売価格 ケバブ 240 円、ポテ ト 5 個入り 100 円、それぞれ 1 日 100 食販売。 次のテーマは異装、つまり、クラス T シャツをどうするかだ。担任は金銭的に負担かかるので、かな り、消極的だった。クラスでの何度か話し合い、そして、文化祭クラス代表が一人一人にヒアリングをし た結果、バルセロナ(2016 年~2017 年モデル 青×赤(縦線) )に番号と名前を入れることに決定した。 担任は文化祭クラス代表の熱意に負けて、価格、参加人数の条件を緩めた。夏休みが間に入り、オーダー が遅れてしまいそうだったけど、どうにかクリア。 ところが、これで行けると思っていたところに保健所からの指摘が。ソースの調合はダメだとは既に聞 いていたけれど、調理済み肉でも切り分けるなどした場合は直前に火を通さなければならないというも の。文化祭本部の先生方や家庭科の先生方に色々とアドバイス頂きながら、再調整。果たしてこの問題を クリアできるのか?調理室とテント内の作業をどう分担すればよいか案を練り直した。 電気調理器、つまりホットプレートのワット数は心配されたが、とりあえず、二台使い、ピタパンを温 める横で肉をテント内で再加熱することになった。 今年は例年より夏休みが終わるのも早く、文化祭の時期も早かった。それに加えて、入社試験申し込み 書類送付の締め切りが重なった。3 年次は進路と文化祭の活動が並行した。 文化祭の 2 週間前の LHR で最後の試作となった。担任はついにコストコの会員になることを決意。前 日火曜日に活動出来るメンバーで文化祭当日の調理室の作業、つまり、キャベツの千切り、チキンの下処 理を終えた。副担任の先生は突然、雨に降られてしまいながらも、自転車でホットプレートを運んできて 下さった。 水曜日の 4 時間目、教室をテント内と見立て、ホットプレート 2 台とカセットコンロ 1 台セッティン グした。もう 1 台のホットプレートも直前に到着!1 時間でケバブ、ポテトそれぞれ約 20 食作り終わっ た。文化祭当日の販売時間は 4 時間。時間と販売数は大丈夫そう! ・キャベツがもう少し多い方が美味しい ・オーラルソースの味はいいけど、キャベツの下に入れた方がいい ・バーガー袋は一回り大きい方がいい ・ポテトの袋の大きさはいいけど、入れる手提げのポリ袋があった方が油がつかなくていい ・肉やキャベツを測ってアルミホイルに入れておいた方がいい ・ポテトを炒め揚げする時間は 2 分半。油避けや揚げたポテトを置く場所が必要。 など改良点や必要な小物も見えてきた。 その後、通販で注文した商品が続々と担任のもとに届く。足りないものはないか? しかし、盲点はまだ、あった。調理人は土日同じメンバーで 10 人という決まり。青天の霹靂だった。 予定していたシフトのイメージが崩れ落ちた。やばい!何を言ってもダメなものはダメだ。うまく作業を 分ければどうにかなるか?調理人 10 人を再調整し、調理人説明会に行けたが、販売、買い出しを含め、 シフトの調整は文化祭前日まで決めきれなかった。 木曜、金曜と文化祭の準備が始まった。木曜あいにくの雨模様 となり、テントが立てられず、金曜日に急ピッチでテント内の準 備が始まった。それでも、みんなの土壇場の底力でテントの装飾 もかなり凝ったものに仕上がった。さあ、明日、いよいよ、土曜 日本番だ! しかし、土曜日、朝、登校すると用意していた看板が落ち、受 付の装飾はにじんでいた。えっ?夜雨降ったの?想定外。ショッ ク!東の空には、太陽の光が注いでいる。信じがたい光景だった が、次第に強い日差しが照りつけてきた。 例年より、スタートが 1 時間遅いのにも関わらず、あっと言う間にお客さんが列をなしてしまった。 ケバブは作っても作ってもお店の前の列は減らない。一方でポテトが売れない。 「ポテトを宣伝して!」 のテント内の声に「ケバブにポテトに僕のスマイル付きセットはいかがですか〜ぁ」と販売係。どんどん ポテトが売れ始めた。いいぞ、いいぞ! 太陽が高くなるにつれて、テント内の温度はどんど ん上り、ケバ部部員は暑さでモウロウとし始めた。 「暑 い」 、「ヤバい」、 「くらくらする」、 「喉乾いた」…つい に、担任は 13:00-14:00 一時閉店を決断(←もっと早 くても良かったね)。 その時点で土曜の予定販売数は優に超えていた。で も、チキンを追加で購入すれば、さらに販売できる。 どうする?その選択に文化祭クラス代表は迷わず、 「売 るでしょう」と方針を決定した。お店を一時閉めると 同時にチキンなどを買い足しに行き、その後、販売を 再開した。追加分も残り 1 時間で売り切った。 文化祭終了時刻 15:00 からすべての調理器具を調理室に運び、テント内を片付けた。翌日の天気予報 は雨。帰りの SHR の後、受付を解体し、翌日に向けての話が行われた。皆へとへとだったが、それぞれ の知恵を絞って明日に向けての作戦が決まっていった。その後、文化祭クラス代表が油やトングなどの買 い足しに行ってくれた。 最終日の開店は 10:00。天気は予報通り雨だった。 2 日目で昨日よりは少し慣れているものの、慌ただしい。大師高校ケバ部部員からの改善点は主に以下 の3つだった。 ・キャベツは先にすべて切って茹でて置き、テント内でチキン同様再加熱する ・1 時間ごとに売る個数を決めて、売り切れたら一度お店を閉めて次の販売の準備をする ・整理券を使って販売個数を正確に把握する その結果、調理室の調理台の上はすっきりとして、テン ト内に行ける調理人の人数が増えた。結果、部員だけでス ムーズに回り始めた。凄い進歩! 文化祭終了する頃、仕入れた食材はすべて使い切り、完 売した。そしていつしか雨も上がっていた。 6 月の始め、きっと美味しいから売れるに違いないとい うだけで始めた企画が日に日に進化し、終わりを遂げた。 誰もケガをしなくて、本当に良かった(←担任)。 そして、高校最後の文化祭が終わった。みんなにとってどんな文化祭だっただろうか。何年かしてこの 日のことをどんなふうに思い出すのだろうか。 最後に 3 年 3 組の企画に力を貸して下さった多くの方々にこの場で感謝の意を伝えたいと思います。 本当にありがとうございました。 追記:卒業式まで登校日は思っている程、多くない。悔いの残らないように毎日を過ごしてね。
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