クリーンディーゼルカー

クリーンディーゼルカー
メンテナンス ガイドブック
− 平成 28 年 11月 発行 −
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目 次
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【本書の使い方】
本書について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
収録車種について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
収録内容について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
関連書籍について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
輸入車のクリーンディーゼルについて(参考) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
【収録メーカー】
トヨタ(3 モデル)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
日 産(3 モデル)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
三 菱(2 モデル)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82
マツダ(5 モデル)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100
主な収録内容
車両諸元 予防整備 DPF 再生制御 DPF 強制再生 DPF システム 警告ランプ点灯時の故障要因 DPF データリセット DTC コード DPF 制御部品配置図
DPF 交換時付随作業 AdBlue 補充手順
エンジンオイル点検&交換&データリセット バッテリー交換時の初期化設定 フューエルフィルター水抜き
・ご注意・
本書「クリーンディーゼルカーメンテナンスガイドブック」の内容につきまし
ては、各自動車メーカーの技術資料を基に編集致しております。
収録モデルは、平成 28 年 10 月現在の生産車と旧型車を対象としています。
収録データに尽きましては、可能な限り変更や追加内容を反映させておりま
すが全てが完璧とは言えません。記載事項への疑問・ご不明箇所等がござい
ましたら、弊社までご連絡下さい。再調査の上、ご連絡申し上げます。
( 株 ) 公論出版:03-3837-5731
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本書の使い方
▪
本書について
本書は、「クリーンディーゼルエンジン」搭載の国産乗用車のメンテナンス情報と排出ガス後処理装置(DPF ※・尿
素 SCR)
関連の整備&点検手順等をまとめました。
(※トヨタの呼称は DPR)
クリーンディーゼルエンジンのメンテナンスや制御システムは、従来のディーゼルエンジン車とは大幅に異なります。
これらの装置は、適正な使用方法と正しいメンテナンスを行わないと、エンジン停止や黒煙の多量排出等を引き起こし
エンジントラブルを招いてしまいます。本書は、これらのトラブルを防ぐことを主旨とし、車種別に排出ガス後処理装
置の「適正な使用方法」とエンジンオイル交換作業等の「メンテナンス解説」を車種別に収録しました。
収録車種について
収録車種は、「平成 17 年排出ガス規制適合車」及び「平成 21 年排出ガス規制適合車※」が対象車両となります。
※平成 21 年ポスト新長期規制車両も含みます。
平成 28 年度 10 月現在で生産されている車種、又は生産終了した車種の合計 13 モデルです。
(全車ターボ搭載)
一部改良やマイナーチェンジ等で変更箇所等がある車両は追加記述をしています。
(OEM 車はベース車両を参照)
収録内容について
収録内容は、大きく分けて「車両諸元」、「予防整備」、「DPF 再生制御」、「各種警告灯の見方&リセット」、「DPF ス
イッチ操作」
、
「DPF 制御装置図」
、
「エンジンオイル交換」
、
「フューエルフィルター水抜き」
、
「DTC コード」
、
「バッテリー
取り外し時の初期化設定」等で構成されています。
エンジンオイル交換、フューエルフィルターの水抜き作業は、交換距離又は交換時期(年)を収録しました。
エンジンオイル交換は指定交換サイクルを正しく守らないと、エンジンオイル内に煤の堆積が増えて、エンジン故障
の原因となりますので厳守して下さい。又、エンジンオイルも低アッシュ(灰分)の「DL-1 ※」規格オイルを使用して
下さい。
(※日産エクストレイルは、欧州 ACEA C3 規格オイルのみ使用可能です。DL-1 規格は使用不可です。
)
車両入庫時に該当車両が「定期点検等のメンテナンス」又は「DPF 関連装置のトラブル」の何れかによって整備作業
が大幅に変わりますので、予めご注意下さい。
・DPF 制御装置・
・低アッシュ規格オイル・
・フューエルフィルター(矢印部)
・
・DPF 警告表示灯・
フューエルフィルター交換は、
「定期交換部品」に該当します。定期交換サイクルを本文内に記述しておりますので、
交換サイクルに注意して下さい。燃料噴射量補正は、
「法定点検」に指定されてはおりませんが、メーカー指定の定期点
(主に 1 年毎を推奨)
検に該当する車両があります。点検サイクルは、各メーカー及びディーラに確認を行って下さい。
DPF 関連装置の付随作業として、部品単体交換後(ECU や排気温センサー)のリセット作業や、バッテリー交換後
の初期化設定作業も収録しました。特にアイドリングストップ車はバッテリーの電流積算値等があるのでご注意下さい。
−2−
関連書籍について
平成 27 年 2 月発行の「DPF 装着トラックのメンテナンスガイドブック」は、DPF 又は尿素 SCR を搭載しているト
ラック全般(1t ∼ 10t)のメンテナンス手順をまとめた 1 冊です。
定価:4,800 円 送料:500 円(共に税込金額)
頁数:240 頁 A4 版サイズ
収録台数:国産トラック 48 モデル(1t ∼ 10t)
対象車両:平成 27 年 1 月時点で DPF 又は尿素 SCR 搭載車両全て。
(生産終了車、現行生産車問わず)
収録内容:DPF 手動再生&強制再生/ DPF 関連部品配置図/警告灯リセット
尿素 SCR システム/尿素水&フィルター交換/トラブル処置
DTC コード一覧/エンジンオイルメンテナンス
輸入車のクリーンディーゼルについて(参考)
日本に正規輸入販売されている「クリーンディーゼルエンジン搭載車両」を一覧にしました。
(弊社調べ)
国産車は NOx トラップ方式を主に採用していますが、輸入車は尿素 SCR(AdBlue)方式を多く採用しているなど後
処理装置等に違いがあります。尚、
全てのモデルがポスト新長期排出ガス規制(ユーロ 6)をクリアしています。
モデル名
車両型式
エンジン型式
排気量
制御システム
M.B C 220 d
LDA-205004
651
2.2 L
DPF +尿素 SCR
(BlueTEC)
M.B E 220 d
LDA-213004C
OM654
2.0 L
DPF +尿素 SCR
(BlueTEC)
M.B E350 d
LDA-212024C
LDA-212026C
642
3.0 L
DPF +尿素 SCR
(BlueTEC)
M.B E220 d
LDA-212001C
651
2.2 L
DPF +尿素 SCR
(BlueTEC)
M.B E320 CDI
ADC-211022
642
3.0 L
DPF +尿素 SCR
(BlueTEC)
M.B CLS220 d
LDA-218301C
651
2.2 L
DPF +尿素 SCR
(BlueTEC)
M.B S300 h
LCA-222104
LCA-222004
651
2.2 L
+
HV
DPF +尿素 SCR
(BlueTEC)
M.B GLE350 d
LDA-166024
OM642
3.0 L
DPF +尿素 SCR
(BlueTEC)
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1 ハイエース&レジアスエース
H2 型
車両諸元
◎ 生産年式:平成 19 年 8 月∼
◎車両型式:ADF- ♯♯ 2, LDF- ♯♯ 2, QDF- ♯♯ 2(※)
◎ エンジン型式:1KD-FTV
◎排出ガス後処理装置:DPR(手動再生スイッチ)(※)
※ 2KD-FTV エンジン(∼平成 19 年 8 月までの生産車両)は、DPR 装置は装着されていない。
《車両構成》
生産年式
排出ガス
適合記号
(※)
排出ガス
後処理装置
平成 19 年 8 月∼平成 22 年 7 月
平成 22 年 7 月∼平成 25 年 12 月
平成 25 年 12 月∼
ADF
LDF
QDF
平成 17 年排出ガス
規制適合車
平成 21 年ポスト新長期排出ガス
規制適合車
平成 21 年ポスト新長期排出ガス基準
NOx・PM + 10%低減レベル適合車
DPR スイッチ無し
DPR スイッチ・オプション設定
DPR スイッチ・標準設定
(※)
車両型式
KDH201V、KDH201K、KDH211K、KDH206V、KDH206K、KDH221K、KDH223B
予防整備(走行時に排出ガス浄化装置警告灯が点滅された時の処置)
排出ガス浄化装置内のフィルターに捕集したススが一定量堆積すると、自動的にススを燃焼(再生)処理する。
万一、警告灯が点滅した場合は、下記の手順にて煤の燃焼(再生)処理を行う。
《排出ガス浄化装置警告灯が点滅した時は・・・/平成 22 年 7 月以降∼の生産車両》
○排出ガス浄化装置スイッチの作動表示灯とメーター内の ( 排出ガス浄化装置警告
灯 ) が点滅したときは、下記の手順で燃焼処理を行う。
① 車を安全な場所に停車する。
② パーキングブレーキを確実にかけシフトレバーを P にする。
(MT 車は N にする)
尚、エンジンは停止せず、アイドリング状態にしておく。
③ 排出ガス浄化装置スイッチを押す。
④ スイッチの作動表示灯とメーター内の排出ガス浄化装置警告灯が点滅から点灯に
変わり、アイドリング回転数が上がる。尚、燃焼 ( 再生 ) 処理が終了するまでに
約 15 ∼ 40 分程度の時聞が必要となる。
⑤ 排出ガス浄化装置警告灯が消灯して、アイドリング 回転数がもとに戻れば手動再
生作業は終了となる。
(排出ガス浄化装置警告灯/イエロー)
《注意》
※ 排出ガス浄化スイッチを押したあとは、アクセルペダルを踏まない。
ペダルを踏むと処理が中断される。処理が中断されてしまった場合は、すみやか
に燃焼処理をやり直す。
(MT 車はクラッチペダルも踏まないこと)
※ 走行距離が短い運転が連続した時や、頻繁なアイドリングストップを行った場合
などに、通常より早く排出ガス浄化装置警告灯が点滅される場合がある。
※ 点滅開始してから、約 50km 走行以内に排出ガス浄化装置スイッチを押して、燃
焼処理を行う。
※ 排出ガス浄化装置警告灯が点滅したまま走行を続けると、エンジン警告灯が点灯
し、排出ガス浄化装置警告灯も点灯に変わる。そのまま放置すると、排出ガス浄
化装置やエンジンが損傷する恐れがあるため、直ちにサービス工場等で点検を受
ける。
(排出ガス浄化装置スイッチ)
※ エンジン警告灯が点灯した時は、排出ガス浄化スイッチが機能しなくなる。
※ 走行直後など排気管の温度が高いときに行うと、エンジンが冷えているときより
も早く燃焼処理が終了する。
※ 燃焼処理中はアイドリング回転数が上がる。
※ 始動時や燃焼処理中に、排気管から白い煙 ( 水蒸気 ) が出る場合があるが故障で
はない。
(排出ガス浄化装置スイッチ)
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(エンジン警告灯)
《排出ガス浄化装置堆積モニターについて・・・/平成 25 年 12 月以降∼の生産車両》
○アナログメーター装着車はメーター内、オブティトロンメーター装着車は、マルチインフォメーションディスプレイ内の表示
でススの堆積量を確認することが出来る。
○ススが堆積して目盛りがいっぱいになる前に、排出ガス浄化スイッチの作動表示灯と、メーター内の排出ガス浄化装置警告灯
が点滅する。点滅を確認したら、必ずススの燃焼 ( 再生 ) 処理を行う。
《① ススの堆積量が多い》
◦目盛りがいっぱいになると、メーター内のエンジン警告灯が点灯し、排出ガス浄化装置警告灯が点灯する。
万一、エンジン警告灯が点灯したときは、直ちにサービス工場等で点検を受ける。
《② ススの堆積量が少ない》
◦ススの堆積量が一定量未満の時は、一番下の目盛りも表示されない。
・排出ガス浄化装置警告灯・
・アナログメーター・
・オプティトロンメーター・
警告メッセージが表示されたときは・・・/平成 25 年 12 月以降∼の生産車両
マルチインフォメーションディスプレイに警告メッセージが表示された場合は、
下記のように対処すること。
① マスターウォ一二ングライト(右図)
マルチインフォメーションディスプレイに警告メッセージが表示されている
とき、点灯&点滅する。
② マルチインフォメーションディスプレイ(右図)
警告メッセージ(マルチインフォメーションディスプレイ)
警告内容・対処方法
排出ガス浄化装置に捕集したススの燃焼処理が必要なとき
→浄化装置スイッチを押し、燃焼(再生)処理を行う。
排出ガス浄化装置の異常 ( ディーゼル車 )
→ただちにトヨタ販売店で点検を受けてください。
DPR システム
○ ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる PM(Particulate Matter)や CO、HC を効率的に捕集と浄化を行う DPR(Diesel
Particulateactive Reduction)システムを採用した。システムは DPR 触媒、酸化触媒、排気絞り弁、排気温センサー、DPR
排気圧センサーを一体構造としている。
○ このシステムは、通常運転時制御、PM 強制再生制御を持っていて、あらゆる車両の使用条件に合わせながら排気ガスの浄
化を行う。
○ ターボチャージャーの後方に酸化触媒の補助的な働きをする ATC(After Turbo Catalyst)を採用した。
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《システム図》
《通常運転時制御》
○ DPR 触媒の温度が十分に高い時は、フィルターにより連続的に PM を捕集し、触媒作用により連続的に酸化して CO2、H2O
として排出する。更に、DPR 触媒と酸化触媒の効果により CO、HC の浄化も行う。
《PM 強制再生制御》
○ 通常運転時に行われる連続再生には、高い排気温度が必要となるが、排気温度の低い条件が続くとフィルタ上に PM が堆積
する。過度に堆積した PM は、エンジンの背圧が上昇したり、一気に燃えた場合にフィルタを破損する恐れがある。これら
の不都合を防ぐため、強制的に堆積した PM を酸化させる必要がある。
○ エンジンコントロールコンピュータは、DPR 触媒の堆積状態を各センサからの信号をもとに推定して、決められた値に達し
た場合、強制的に触媒の温度を上昇させて PM を酸化処理する。走行条件により異なるが、数百 km 走行毎に行われる。
○ 触媒の温度を強制的に上昇させる方法として、燃焼制御、アイドルアップ制御、排気絞り弁制御、ポスト噴射制御、グロー
コントロール制御がある。エンジンコントロールコンピューターは、これらの制御を最適に組み合わせて触媒の温度を上昇
させる。
○ 触媒の温度を強制的に上昇させる方法(➡)
制御
制御内容
アイドルアップ制御
エンジンのアイドリング回転数をアップさせて排気温度を上昇
させることで触媒の温度を上昇させる。
排気絞り弁制御
排気絞り弁を全閉にして排気温度を上昇させることで触媒の温
度を上昇させる。
ポスト噴射制御
燃焼しないタイミング(クランクシャフト角度:120°-150°)
でシリンダー内に燃料噴射して、触媒酸化反応で排気温度を上
昇させることで触媒の温度を上昇させる。
グローコントロール制御
グローリレーを作動させグロープラグを加熱して排気温度を上
昇させることで触媒の温度を上昇させる。
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《PM 強制再生制御の流れ》
《フェイルセーフ》
○ 一般的な使い方をしていれば、DPR 触媒に PM が堆積すると自動的に PM 強制
再生制御が実施され堆積と再生を繰り返すが、1 トリップ(エンジン始動→
走行→エンジン停止)の走行距離が短い運転が連続した場合に、PM 強制再
生制御が十分に実施できない場合がある。その結果 DPR 触媒に PM が堆積
され続けてしまう。PM が堆積され続け、限界値を超えた場合に PM 強制再生
制御が実施されると DPR 触媒が破損する恐れがある。
○ これを防ぐ為,PM の堆積量の推測量が決められた値以上に達した場合、コ
ンビネーションメーター内の DPR ウォーニングランプを点滅させドライバー
がサービス工場等にて点検を行うことを促す。
− 11 −
○ PM 堆積に対する制御
PM 堆積量が(A)を超えた場合
基準値(A)を超えた場合、自動的に PM 強制再生制御を開始し、堆積量がゼ
ロになるまで再生運転を実施する。
PM 堆積量が(B)を超えた場合
基準値(B)を超えた場合、コンビネーションメーター内の DPR ウォーニン
グランプを点滅させ、ドライバーがサービス工場等にて点検を行うことを促す。
PM 堆積量が(C)を超えた場合
基準値(C)を超えた場合、この状態で PM 強制再生制御が実施され、一気に
堆積した PM が燃えると DPR 触媒が破損する恐れがある為、チェックエンジ
ンウォーニングランプを点灯させるとともにエンジン制御をフェイルセーフ
モードにし、燃料噴射量を必要最小限に制御する。
《エンジンオイルレベルによる PM 強制再生制御の禁止》
○ PM 強制再生制御が実施された場合、ポスト噴射により DPR 触媒の温度を上昇させるが、ポスト噴射した燃料のごく一部が
シリンダーの壁面を伝わってクランクケースに入りエンジンオイルの希釈が発生する。一般的な使い方をしていればエンジ
ンオイル温度上昇によりオイル中の燃料は蒸発する為、オイルレベルの上昇はほとんど無いが、1 トリップの走行距離が短
い運転が連続した場合、徐々にエンジンオイルの希釈が進み潤滑性能が低下する恐れがある。もし、エンジンオイル量があ
る決められた位置に達した場合、オイルレベルアッパーウォーニングランプを点灯して、ドライバーにエンジンオイルの交
換を促す。その後もオイル交換が行われなかった場合、オイルレベルアッパーウォーニングランプを点滅すると同時に PM
強制再生制御を禁止する。
LED /イエロー点滅
(オイルレベルアッパーウォーニングランプ)
《オイルレベルセンサー》
○ エンジンオイル量を検知して、コンビネーションメーター内のウォーニン
グランプを点灯及び点滅させるオイルレベルセンサーを採用した。
○ このオイルレベルセンサーには、エンジンオイル量が規定レベルより減少し
た場合に、コンビネーションメーター内のオイルレベルロアウォーニングラ
ンプを点灯させるオイルレベルロアスイッチと、DPR システムの PM 強制再
生制御時に発生するエンジンオイルレベルが上昇する現象が起き、それによ
りエンジンオイルが規定レベルを超えた場合に、コンビネーションメーター
内のオイルレベルアッパーウォーニングランプを点灯または点滅させるオイ
ルレベルアッパースイッチの 2 つのスイッチを持っている。
− 12 −
DPR システム構成部品
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DPR 強制再生
○ MIL 点灯および DPR インジゲータランプが点灯または点滅している場合は、PM 過堆積なので PM 強制再生制御を 2 回連続
で実施する。
(MIL 警告灯⇔エンジン警告灯)
《操作手順》
① DPR インジゲータランプが点滅している場合に以下の作業を行う。
② SST(TaSCAN)を DLC3 に接続する。
③ エンジンを始動し、暖機する。
④ SST(TaSCAN)の画面表示に従って、[アクティブテスト]→[PM 強制再生制御]を実施する。
注意
・PM 強制再生制御を行うときは、データモニターで[DPR/DPNR 絶対圧]および[排気温 (OUT) バンク 1]を確認しな
がら行う。
・PM 強制再生制御は、30 分∼ 40 分で終了する。
(※平成 22 年 7 月以降∼の生産車両は、15 分∼ 40 分で終了)
⑤ PM 強制再生制御が終了したら、アイドル−無負荷最高回転のレーシングを 10 回行い、DPR 触媒の溶損・破損を点検する。
・黒煙の排出が 5 回 * 未満の場合は、PM 強制再生制御完了となる。
・黒煙の排出が 5 回 * 以上の場合は、DPR 触媒が溶損・破損しているので、エキゾーストパイプ ASSY FR(DPR 触媒)を
交換する。
*: レーシング中に黒煙が薄くなっても、目視できる場合は 1 回として数える。
⑥ PM 強制再生制御完了後は、エンジンオイルレベルの点検を実施する。
・エンジンオイル量が Full レベルを超えている場合は、エンジンオイルを交換する。
オイルレベルウォーニングランプ点検
▪オイルレベルウォーニング ( アッパ ) ランプ点灯または点滅している状態の点検
《操作手順》
① エンジンオイルを交換する。
注意
・エンジンオイルを Full レベル以上入れない。
・エンジンオイル量が基準値以上の状態で走行を続けると、以下のフェイルセーフにより、PM 強制再生制御が禁止される
ため、過堆積による DTC サービスコード「P2002/94」が検出される。
・エンジンオイルレベルウォーニング(アッパ)ランプ点灯後、走行距離が約 400 km 間は PM 強制再生制御が可能となり、
それ以降は PM 強制再生制御が禁止される。
・エンジンオイルレベルウォーニング(アッパ)ランプ点滅中は、PM 強制再生制御が禁止される。
・エンジンオイルレベルウォーニング(アッパ)ランプが消灯していても、前トリップで異常検出されており、異常状態が
継続している場合、PM 強制再生制御が禁止される。
・エンジンオイル量が原因で PM 強制再生制御が禁止された場合、禁止要因解消の次トリップにて正常判定後、再生制御禁
止が解除される。
▫ 正常判定条件:IG OFF → ON 後、エンジン冷却水温 60℃ to 90℃、エンジン回転数 1,150 to 2,750 r/min のとき、10 秒以
上エンジンオイルレベルセンサ OFF。
▫ 正常判定を検出しないと PM 強制再生が出来ない。( バッテリクリアのみでは PM 強制再生は出来ない )
② エンジンを暖機して停止 5 分後、オイルレベルゲージの Low レベルと Full レベルマークの間にオイル量があることを点
検する。
③ エンジンを暖機し、車両停止状態でエンジン回転数を 1,200 to 2,700 r/min の間で 40 秒以上保持し、オイルレベルウォー
ニング(アッパ)ランプが再点灯しないことを確認する。
注意
・オイル交換後の確認運転でオイルレベルウォーニング(アッパ)ランプが再点灯する場合は、エンジン
オイルレベルセンサの断線またはショートを点検し、異常がある場合はエンジンオイルレベルセンサ
を交換する。
・オイルレベルウォーニング(アッパ)ランプが再点灯する場合で、エンジンオイル量が適正、かつ
エンジンオイルレベルセンサが正常の場合は、エンジンオイルレベルセンサ←→エンジンコントロー
ルコンピュータ間のワイヤハーネス及びコネクターを点検する。
・エンジンオイル交換後に DPR インジケータランプが点滅する場合は、PM 強制再生を行う。
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DPR サービスコード(DTC)点検
○ DPR 関連部品・制御装置系統のサービスコード(DTC)について収録した。(一部抜粋のみ)
DTC
診断項目
点検部位
排気絞り弁開固着
エキゾーストガスコントロールバルブ ASSY
排気系統漏れ
絶対圧センサ
エキゾーストパイプエアホース No.8
エンジンコントロールコンピュータ
P048A/33
排気絞り弁閉固着
エキゾーストガスコントロールバルブ ASSY
排気系統詰まり
エキゾーストパイプ ASSY FR(DPR 触媒詰まり)
絶対圧センサ
エキゾーストパイプエアホース No.8
エンジンコントロールコンピュータ
P0545/A3
排気温センサIN断線 (Low)
ワイヤハーネスまたはコネクター
エキゾーストガステンパラチャセンサ No.1
エンジンコントロールコンピュータ
P0546/A3
排気温センサIN断線 (High)
ワイヤハーネスまたはコネクター
エキゾーストガステンパラチャセンサ No.1
エンジンコントロールコンピュータ
P2002/94
DPF/DPNR 異常
エキゾーストパイプ ASSY FR(DPR 触媒)
エキゾーストガスコントロールバルブ ASSY
絶対圧センサ
エキゾーストパイプ エアホース No.8
エンジンオイルレベルセンサ
エキゾーストガステンパラチャセンサ No.1
エキゾーストガステンパラチャセンサ No.2
インジェクタ ASSY
サクションコントロールバルブ ASSY
インテークエアフローメータ S/A
ワイヤハーネスまたはコネクター
エンジンコントロールコンピュータ
P2032/A3
排気温センサ OUT 断線 (Low)
ワイヤハーネスまたはコネクター
エキゾーストガステンパラチャセンサ No.2
エンジンコントロールコンピュータ
P2033/A3
排気温センサ OUT 断線 (High)
ワイヤハーネスまたはコネクター
エキゾーストガステンパラチャセンサ No.2
エンジンコントロールコンピュータ
P2226/A5
大気圧センサ系統
エンジンコントロールコンピュータ
P2228/A5
大気圧センサ系統(Low)
エンジンコントロールコンピュータ
P2229/A5
大気圧センサ系統(High)
エンジンコントロールコンピュータ
P2454/A4
ディーゼル差圧センサ系統 (Low)
ワイヤハーネスまたはコネクター
絶対圧センサ
エンジンコントロールコンピュータ
P2455/A4
ディーゼル差圧センサ系統 (High)
ワイヤハーネスまたはコネクター
絶対圧センサ
エンジンコントロールコンピュータ
P047F/33
《DTC 読み取り方法:TaSCAN を使用する場合》
① DLC3(運転席インパネ下部に設置)に SST(TaSCAN)を接続する。
② SST(TaSCAN)の画面表示に従い、メインメニュー[診断]→診断メニュー
[パワトレ]→[ECD]→システム診断メニュー[モード移行]を選択して、
ノーマルモードまたはチェックモードを選択する。
③ SST(TaSCAN)の画面表示に従い、メインメニュー[診断]→診断メニュー
[パワトレ]→[ECD]→システム診断メニュー[ダイアグコード フリーズ
フレームデータ]を選択し、ダイアグコードを確認する。
※車両は IG ON 状態(エンジンは掛けない)
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表示項目
現在ダイアグコード数
内容
異常を示すダイアグコード
ペンディングコード数
仮異常を示すダイアグコード
異常であることは確定していないが異常の可能性を知ることが出来る。
※仮異常とは 2 トリップで異常を検出するダイアグコード(P0340/12)において、1 トリップ目の異常を仮異常としてエンジ
ンコントロールコンピュータが記憶することを示す。
《DTC 消去方法:TaSCAN を使用する場合》
① SST(TaSCAN)の画面表示に従って操作を行い[診断機能メニュー]−[ダイアグ確認]画面を表示させ、ダイアグコード
を消去する。
注意
・消去出来ない場合は、一度 IG OFF にした後、再度やり直す。
・不具合原因解明までは、TaSCAN によるダイアグコード消去を行わない。
エンジンオイル量点検&交換&警告灯点灯時の処置
エンジンオイル量点検
① エンジンを暖機して停止 5 分後、
オイルレベルゲージの Low レベルと FULL レベルマークの間にオイル量があることを点検する。
注意
・FULL レベルマーク以上、エンジンオイルを入れない。
・エンジンオイル量が少ない場合は漏れを点検して FULL レベルマークまで補充する。
② エンジンを暖機して、車両停止状態でエンジン回転数を 1,200 to 2,700 r/min の間で 40 秒以上保持し、オイルレベルウォー
ニング(アッパ)ランプが再点灯しないことを確認する。
注意
・オイル交換後の確認運転でオイルレベルウォーニング(アッパ)ランプが再点灯する場合は、エンジン
オイルレベルセンサの断線またはショートを点検し、異常がある場合はエンジンオイルレベルセンサ
を交換する。
・オイルレベルウォーニング(アッパ)ランプが再点灯する場合で、エンジンオイル量が適正、かつ
エンジンオイルレベルセンサが正常の場合は、エンジンオイルレベルセンサ←→エンジンコントロー
ルコンピュータ間のワイヤハーネス及びコネクターを点検する。
エンジンオイル交換
▪ エンジンサービスホールカバー No.2 を開ける。
(セカンドシート前に設置)/オイルフィルター交換時
① オイルフィラキャップを取り外す。
② オイルパンドレンプラグ及びガスケットを取り外し、エンジンオイルを抜き取る。
③ オイル抜き取り後、新品のガスケットを介してオイルパンドレンプラグを取り付ける。
○締め付けトルク値:34 N ・ M(347kgf ・ m)
指定油脂(純正推奨油)
トヨタキャッスルディーゼルオイル
規格
JASO:DL-1
SAE 粘度
0W-30(新車充填時)又は 5W-30
エンジンオイル交換時油量(L)
▪ 2WD:5.0/ 6.6 ※(L)
▪4WD:5.5/ 6.8 ※(L)
※平成 22 年 7 月以降∼の車両
エンジンオイル+フィルタ交換時油量(L) ▪ 2WD:5.2/ 6.8 ※(L)
▪4WD:5.7 /7.0 ※(L)
※平成 22 年 7 月以降∼の車両
全容量(L)
−
エンジンオイル交換時期
20,000Km 毎(但し 12 ヶ月を超えないこと)※仕様用途問わず
警告灯点灯時の処置
エンジンオイル量点検、交換時に於いて下記の「警告灯」や「モニター」が表示された場合の処置方法を一覧にした。
警告灯
警告灯名・警告内容
処置方法
油量警告灯
工ンジンオイル量の異常
エンジンオイルを補給する
(マルチインフォメーションディスプレイ)
エンジンオイル量の不足
警告ブザーが鳴る
エンジンオイルを補給する
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・エンジンサービスホールカバー No.2 開口状態・
(ボルト 3 ヶ所取外し)
・エンジンオイルレベルセンサー(オイルパン側面に設置)
・
フューエルフィルタ(エレメント)の交換
《取外手順》
① フューエルタンク キャップ ASSY を取り外す。
② バキュームスイッチ ASSY 及びレベルウォーニングスイッチからコネクター
を切り離す。
③ フューエルフィルタ ASSY 上部のフューエルホース 2 本を切り離す。
寒冷地仕様車は、フューエルフィルタ ASSY 上部及び下部のフューエルホ
ース 4 本を切り離す。
④ 燃料をフューエルフィルタ ASSY のドレーンコックから抜き取る。
− 17 −
⑤ マイナスドライバーを使用して、締め付けナットが手で回るまで緩める。
⑥ 締め付けナットを手で緩める。
⑦ フューエルフィルタキャップ ASSY の片方を持ち上げてからフューエルフ
ィルタキャップ ASSY を取り外す。
⑧ フューエルフィルタエレメントサブ ASSY をフューエルフィルターケース
サブ ASSY から取り外す。
⑨ O リングをフューエルフィルタケースサブ ASSY から取り外す。
※燃料フィルタ交換は「定期交換部品」に該当する。交換サイクルは 60,000 ㌔毎で指定されているので注意すること。
-1 年次改良による変更箇所(平成 22 年 7 月以降∼の生産車両)
《概要》
○ 従来より採用の 1KD-FTV エンジンをモディフィケーション(エンジン制御の最適化、ピエゾインジェクターの採用など)
を行っ
た 1KD-FTV エンジンを採用した。
○ピエゾインジェクター・グローコントロール制御・小型可変ノズル式ターボチャージャー・DC モーター式 EGR バルブの採用や、
低圧縮比化を図るとともに DPR システムを変更。これらの改良により「平成 21 年排出ガス基準(ポスト新長期排出ガス規制)
+ JC08C + JC08H モード」に対応した。
《DPR システム》
○ DPR システムを一部変更し、排出ガス浄化性能を向上した。
○ PM 燃焼時に燃料噴射を行う燃料添加弁を採用し、ターボチャージャー後部に配置。尚、燃料添加弁の採用に伴い、排気絞り
弁を廃止した。
○ DPR 触媒の排気圧を検出する圧力センサーを「絶対圧検知式」から「差圧検知式」に変更すると共に、DPR 触媒後部に排気
温センサー No.3 を追加設定し、DPR システム制御精度の向上を図った。
○ DPR 触媒の後方に酸化触媒を追加採用した。
○ DPR の手動 PM 強制再生を行う手動再生スイッチを販売店装着オプション設定した。
− 18 −
《システム図》
《PM 強制再生制御》
○ PM の強制酸化方法の排気絞り制御を廃止した。又、エンジンのシリンダー内に燃料を噴射するポスト噴射制御を廃止し、新
たに採用した燃料添加弁(PM 燃焼用)を用いてターボチャージャー直後に燃料を噴射する燃料噴射制御を採用した。
○ グローコントロールユニットの採用に伴い、グローコントロール制御をグローコントロールユニットを介して行うものに変
更した。
○ エンジンコントロールコンピューターは、アイドルアップ制御・燃料噴射制御・グローコントロール制御を最適に組み合わせ、
触媒の温度を上昇させ PM を酸化処理させる。
○ 触媒の温度を強制的に上昇させる方法(➡)
制御
制御内容
アイドルアップ制御
エンジンのアイドリング回転数をアップさせて排気温度を上昇させることで触媒の温度を上昇させる。
燃料噴射制御
ターボチャージャー直後の高温排気内に燃料噴射して触媒酸化反応で排気温度を上昇させることで触
媒の温度を上昇させる。
グローコントロール制御 グローコントロールユニットを介してグロープラグに通電し、グロープラグを加熱して排気温度を上
昇させることで触媒の温度を上昇させる。
○ PM 堆積量の推測量が決められた値以上に達した場合、従来の DPR ウォーニングランプ点滅に追加して手動再生スイッチ設
定車は手動再生操作を促す。(フェイルセーフ機能時含む)
− 19 −
《排気温センサー》
○ 排気温センサー No.3 をフロントパイプの触媒コンバーター後部に追加設定し、従来の 2 個から 3 個に増加することで、DPR
システムの制御精度を向上させた。
《排気圧センサー》
○ DPR 触媒の PM 堆積量を推定し、目詰まり判定を行うための検出する排気圧センサーを、DPR 触媒上流側の絶対圧検出式か
ら DPR 触媒上流と下流の差圧検出式に変更し DPR 制御精度の向上を図った。
○ 差圧式排気圧センサーは、高圧側・低圧側の接続口があり、高圧側を DPR 上流側に、低圧側を DPR の下流側に接続すること
で、DPR の入口と出口の排気圧の差を検出する。尚、排気圧センサーの接続口部に誤組み付け防止用の識別マークを設定した。
《オイルレベルセンサー》
○ DPR 制御におけるポスト噴射の廃止に伴い、オイルレベルアッパースイッチ及びコンビネーションメーター内のオイルレベ
ルアッパーウォーニングランプを廃止した。
○ オイルレベルセンサーには、エンジンオイル量が規定レベルより減少した場合に、コンビネーションメーター内のオイルレ
ベルロアウォーニングランプを点灯させるオイルレベルロアスイッチを配置している。
○ オイルレベルロアウォーニングランプ点灯条件(➡)
オイルレベルロアスイッチ
判定時間内に規定回数以上 ON した場合
オイルレベルロアウォーニングランプ
点灯
− 20 −
《DPR サービスコード点検》
○ DPR 関連の「追加 DTC コード」を一覧にしてまとめた。
DTC
DTC 検出条件
1. 診断条件 2. 異常状態 3. 異常期間 4. その他
点検部位
P242C/A3 1. エンジン回転中、冷却水温 60℃以上
2. 排気温センサ出力が 0.2V 以下
排気温センサ
3.3 秒
OUT3
断線 (Low)
4.1 トリップ
エキゾーストガステンパラチャセンサ No.3
ワイヤハーネスまたはコネクター
エンジンコントロールコンピュータ
P242D/A3 1. エンジン回転中、冷却水温 60℃以上
2. 排気温センサ出力が 4.95V 以下
排気温センサ
3.3 秒
OUT3
断線 (High)
4.1 トリップ
エキゾーストガステンパラチャセンサ No.3
ワイヤハーネスまたはコネクター
エンジンコントロールコンピュータ
1. 車両停止状態かつ、エンジン回転中
P244A/94 2. 手動による PM 強制再生が終了しない
DPF 差圧過小 3. 約 60 分
4.1 トリップ
燃料噴射系統
吸気/排気系統
排気浄化システム
1. 走行中
P244B/94 2. 触媒差圧が 0.27 以上
DPF 差圧過大 3. 約 3 秒
4.1 トリップ
エキゾーストパイプ ASSY FR(DPR 触媒)
ディファレンシャルプレッシャセンサ
1. エンジン回転中
P244C/94 2.PM 強制再生中、触媒昇温が十分得られない場合
DPF 昇温不良 3. 約 3 分
4.1 トリップ
燃料噴射系統
吸気/排気系統
排気浄化システム
ディファレンシャルプレッシャセンサホース配線の誤り
1.ディファレンシャルプレッシャセンサバキュームホース
P2453/A4 2. ディファレンシャルプレッシャセンサからの出力電圧が
が詰まっている
正圧を負圧と示す
ディーゼル
バキュームトランスミッティングパイプ SUB-ASSY の
3.5 秒
差圧センサ
詰まり
4.1 トリップ
系統
ディファレンシャルプレッシャセンサ
エンジンコントロールコンピュータ
1. エンジン回転中
P2463/94 2. 走行中、PM 強制再生が必要な表示 ( ランプ点滅 ) が出
てからも走行を継続して PM 堆積量が限界を超えた場合
PM 過堆積
3. 即時
4.1 トリップ
燃料噴射系統
吸気/排気系統
排気浄化システム
《燃料経路のエア抜き》※∼平成 22 年 7 月以前の生産車両は除く
① フューエルフィルタキャップ ASSY に設けられているプライミングポンプを
使用して、燃料系統のエア抜きを行う。
プライミングポンプのポンプノブの動きが硬くなるまで連続してポンピング
する。
注意
・プライミングポンプの操作速度 : 2 回 / 秒以下で行うこと。
・プライミングポンプはフルストロークで操作を行うこと。
・インジェクション OR サプライポンプ ASSY 入口の圧力が飽和したときに
プライミングポンプが硬くなる。
・エア抜き作業中、ポンピングを途中で中断すると配管中の燃料がタンクに
戻ってしまうことがあるので、プライミングポンプが硬くなるまでポンピン
グを続けること。
・200 回以上続けてポンピングしてもプライミングポンプが硬くならない場合、フューエルタンク∼フューエルフィルタ間の配
管の漏れ、またはガス欠が考えられる。
・フューエルシステム中に大量のエアが残っている場合、コモンレール内燃圧が通常使用域まで上がらず、エンジンが始動でき
ない。
② エンジンを始動する。
※エンジンが始動出来ない場合は、プライミングポンプによるポンプノブの動きが硬くなるまで再度行う。
注意
・フューエルシステムに多量のエア残りがあると、始動に 10 秒以上掛かることがある。
・バッテリ上がりに注意すること。
(満充電バッテリを使用すること)
・20 秒以上連続してクランキングしないこと。
− 21 −
③ IG スイッチを OFF にする。
④ DLC3 に SST(TaSCAN)を接続する。
⑤ IG スイッチを ON にする。
⑥ SST(TaSCAN)の電源を ON にする。
⑦ SST(TaSCAN)の[診断]→[パワトレ]→[ECD]→[ダイアグコード・フリーズデータ]を選択し、検出ダイアグコード
を消去する。
⑧ エンジンを始動する。(*A)
⑨ SST(TaSCAN)の[診断]→[パワトレ]→[ECD]→[アクティブテスト]→[高圧燃料系検査]を選択する。(*B)
⑩ アクティブテスト[高圧燃料系検査]を ON/OFF それぞれ 10 秒間のインターバルで 5 回行う。(*C)
⑪ 3 分以上アイドリングで運転する。(*D)
⑫ SST(TaSCAN)の[診断]→[パワトレ]→[ECD]→[ダイアグコード・フリーズデータ]を選択し、検出ダイアグコード
を確認する。
○ダイアグコードが出力しない場合、エア抜き作業は完了。
○ダイアグコードが出力した場合、以下の作業を実施する。
⑬ SST(TaSCAN)の[診断]→[パワトレ]→[ECD]→[ダイアグコード・フリーズデータ]を選択し、検出ダイアグコード
を消去する。
⑭ 上記要領の (*A)、(*B)、(*C) および (*D) を再度行う。
警告灯点灯時の処置
燃料系統エア抜き作業時に於いて、下記のような警告灯やモニターが表示された場合の警告内容又は処置方法を一覧にした。
警告灯
警告灯名
警告内容又は処置方法
フューエルフィルター
燃料・水分離器水位警告灯
LED /イエロー表示
フューエルフィルターの異常/燃料・水分離器の排水時期
・走行中、フューエルフィルターが目詰まりを起こすと点灯。
・エンジン回転中、燃料・水分離器内に規定レベルの水が溜
まると点滅する。
(マルチインフォメーションディスプレイ)
警告ブザーが鳴る。
燃料フィルタ内に規定レベル以上の水が →直ちに安全な場所に停車しサービス工場等へ連絡する。
溜まったとき
- 2 年次改良による変更箇所(平成 24 年 4 月以降∼の生産車両)
《概要》
○ DPR の手動 PM 強制再生を行う手動再生スイッチ(DPR スイッチ ASSY)を標準設定とした。
《DPR 強制再生制御》
○ DPR 強制再生制御手順に於いて、データモニターの確認部位が変更となった。
[DPR/DPNR 絶対圧]及び[排気温(OUT)バンク 1]➡[触媒差圧]、
[DPR/DPNR 差圧]及び[排気温センサ B1S3]に変更。
− 22 −
- 3 年次改良による変更箇所(平成 25 年 12 月以降∼の生産車両)
《概要》
○ PM 堆積量をドライバーに知らせる DPR 堆積バーインジケーターを採用した。
○ 表示は、IG ON 時は表示なし。走行開始と共に計測を開始し、PM 堆積モニターデータが受信できない場合は、IG OFF するま
で表示状態を保持する。
○ 外部診断機(トヨタ純正)を「TaSCAN」から「GTS」への変更に伴い、ダイアグコードの読み取り&記憶消去方法が変更となった。
《DPR 堆積バーインジケータ》
・オプティトロンメーター・
・アナログメーター・
DPR 堆積バーインジケータ−(拡大図)
《ダイアグコード点検(GTS による読み取り)
》
① GTS を DLC3 に接続する。
② GTS の画面表示に従い、
[パワートレイン]→[エンジン]→[作業サポート選択]→[チェックモード移行]を選択する。
③ GTS の画面の[ダイアグコード]を選択して、ダイアグコードを確認する。
表示項目
現在 DTC
仮(ペンディング DTC)
過去 DTC
内容
異常を示すダイアグコード
仮異常を示すダイアグコード
異常であることは確定していないが異常の可能性を知ることが出来る。
過去に出力されたダイアグコード
※仮(ペンディング DTC)とは 2 トリップで異常を検出するダイアグコード(P0171/25 など)において、1 トリップ目の異
常を仮(ペンディング DTC)としてエンジンコントロールコンピュータが記憶することを示す。
《ダイアグコード記憶消去(GTS による消去)
》
① GTS の画面表示に従って操作を行い[パワートレイン]-[エンジン]-[ダイアグコード]を表示させ、
ダイアグコードを消去する。
注意
・消去出来ない場合は、一度 IG OFF にした後、再度やり直す。
・不具合原因解明までは、GTS によるダイアグコード消去を行わない。
バッテリー交換時の初期化設定作業
○ バッテリーターミナルのマイナス端子を取り外す、及びバッテリー交換後は、
システムの初期化設定が必要な部位があるので注意する。
○ バッテリー取付位置は、助手席シート下。
− 23 −
《パワーウインドウ初期化》
① パワーウインドウレギュレータマスタスイッチ ASSY を DOWN 操作(MANUAL DOWN または AUTO DOWN 保持)して、
ドアガラスを 1/4 以上下げる。尚、ドアガラスが 1/4 以上下がっている場合は作業不要。
② パワーウインドウレギュレータマスタスイッチ ASSY を UP 操作(AUTO UP 保持)して、ドアガラスが全閉停止後、さらに 1
秒以上スイッチを保持し続けるとリセットとなり、初期化が完了する。
③ 保持したスイッチを離したときに、ドアガラスが下がらないことを確認する。ドアガラスが下がる場合にはリセットが完了して
いないため、バッテリーのマイナスターミナルを 10 秒間切り離した後、再度リセット作業を行う。
参 考
・上記作業でリセットできない場合は、スイッチを AUTO UP 側に保持し、ドアガラスが全閉した後もスイッチを 12 秒間保持し
続ける。
・長時間スイッチを操作すると、PTC( 連続作動制限機構 ) の働きによりドアガラスが動かなくなり、更にスイッチ操作を続けると
一時的に AUTO 作動およびリモート作動ができなくなる場合がある。この場合は、しばらく時間を置いて、再度リセット作業を
実施する。
《周辺監視モニター:バックガイドモニター初期化》
○ バッテリー端子をはずす(バッテリー端子脱着、ステアリングセンサのコネクター脱着)などによりバックガイドモニター画面 に
[システム初期化中]が表示した場合、以下のいずれかの操作を行い舵角中立点のずれを修正する。
方法 1・・・左右両側にステアリングホイールをいっぱいに切ると舵角中立点が修正される。
方法 2・・・できるだけ曲り角、カーブ、渋滞の少ない進路を 20 km / h以上、5 分間以上走行する。その後車両を停止させ、
中立点が学習されたかどうか確認する。学習されていない場合は、さらに走行する。
参 考
・
“DVD ナビゲーション ” は、ナビゲーションレシーバ ASSY が直進状態を判断して中立点が学習される
・“HDD ナビゲーション ” は、テレビジョンカメラコントローラが直進状態を判断して中立点が学習される
( 後席 9 型ワイドディスプレイ装着車 )
・“HDD ナビゲーション ” は、ナビゲーションレシーバ ASSY が直進状態を判断して中立点が学習される
( 後席 9 型ワイドディスプレイ非装着車 )
《パワースライドドア初期化》
注意
・パワースライドドア付き車で、スライドドアを開いた状態でバッテリーを切り離した場合、初期化が必要となる 。
(閉じた状態でバッテリーを切り離した場合は不要)
① スライドドアを手動で、全閉にする。
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《資料転載協力》
・トヨタ自動車(株)
・日産自動車(株)
・三菱自動車工業(株)
・マツダ(株)
【ご注意】
本書は、各自動車メーカーが発行する各種技術マニュアル・データを基にして編集しております。
各種技術マニュアル・データの編集に関しましては、各自動車メーカーより図版等の使用許諾を得て
本書に使用しております。従って、図版等についての著作権は、各自動車メーカーに帰属致します。
本書の著作権は、弊社及び各自動車メーカーが有しています。著作権者に、無断でコピーや画像デー
タ等にして使用することは、たとえ一部であっても著作権法違反となりますのでご注意下さい。
◆社名変更の御案内◆
◎平成 28 年 4 月 1 日より社名を変更致しました。
社名変更に伴い、電話番号が変わりましたのでお知らせ致します。
尚、住所・FAX番号は従来通りで変更はございません。
(内容のお問い合わせは、下記の編集番号へお願い致します)
∼平成 28 年 3 月 31 日
株式会社 自動車公論社(TEL:03-3837-5730)
➡
平成 28 年 4 月 1 日∼
株式会社 公論出版 (TEL:編集 03-3837-5731)
(TEL:販売 03-3837-5745)
クリーンディーゼルカー
メンテナンスガイドブック
(平成 28 年 11月 発行)
■ 発刊日:平成 28 年 11 月
■ 定 価:3,800 円 送 料:200 円(共に税込)
■ 印 刷:平成 28 年 11 月
■ 発行所:株式会社 公論出版
〒 110-0005
東京都台東区上野 3-1-8 TEL:03-3837-5731 FAX:03-3837-5740
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