【材料技術】 つくばセンター 自己熱回収機能を備えたディーゼル車排ガ ス浄化のための多機能一体型コンバータ 新燃料自動車技術研究センター省エネルギーシステムチーム 小渕 存,大井 明彦,内澤 潤子,難波 哲哉 連絡先: [email protected] ● 研究のねらい: ディーゼル車やディーゼル特殊自動車に対する規制強化が進められ ており、これに対処できる新技術として、NOxの還元無害化や粒子状物質焼却などの排出 ガス浄化機能と自己熱交換作用による昇温機能をすべて一体化した、多機能一体型コン バータの開発を行っている。 ● 研究内容: 触媒コンバータの中で触媒層 下流側の処理ガスから上流側の未処理ガス へと熱を回収(自己熱交換)すると、触媒層 内部を大幅に昇温することが可能になる。そ こで図1に示すように、プレート型熱交換構 造体に各種触媒やディーゼルパティキュレ ートフィルタ(DPF)を直結させた、往復型の 流路を備えたコンバータを開発した。 NH3 を用いる選択還元触媒(NH3-SCR)を搭 載した最新の試作器(図2)による実車の1015モード試験において、約100℃の低温排ガ ス条件でもNOx除去率98%、PM除去率99.9% の性能が得られた(図3)。 図2 試作コンバータの外観 還元剤 (尿素水、燃料) DPF (PM 酸化触媒 担持) 燃料由来 SCR触媒 熱交換部(往路) SCR触媒 酸化触媒 (HC、CO、残存 NH3除去) 熱交換部(復路) ポスト噴射された燃料を含む排ガス 図1 多機能一体型コンバータの概念図 図3 NH3-SCRによる10-15モード走行条件でのNOx除去
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