インターフェースVol.1

I 2 C とバッファ
をボードの外部に引き出すなどバスの総延長が長くなった場合に
最近の電子機器ではひとつの製品中に何種類ものデジタルインタ
は期待した動作をしなくなることが考えられるので注意が必要です。
フェースバスが使われています。機器と機器、ボードとボード、IC
I 2 C はバス接続なので、全体としてマルチノードのワイアード OR
と IC といった具合に、さまざまな形態での相互接続が必要である
接続になります。各 IC の 出力はオープンドレインとし、SCL と
と同時に、それぞれに適した仕様が考えられるからです。
SDA の両ラインは電源から抵抗でプルアップされますが、バスに
言えますが、一方で、機器内には小容量で速度もあまり必要としな
いデータのやりとりも多く存在します。例えば、周辺機能を持つ IC
のモード設定や電源管理を CPU からセットする場合などがこれに
当たります。こうした周辺 IC 管理用のバスとしては、SPI が知られ
ていますが、最近では I 2C や類似する SMBus が多くの半導体メー
カで採用され、汎用的に使われるようになってきました。ちなみに、
I 2C( Inter IC Bus )について述べると、転送レートは標準モードで
接続される IC の数や配線の浮遊容量などによって、H および L の
レベルが規格値から外れたり、立ち上がり/立ち下がりのスロープ
が緩やかになってタイミングエラーを起こすことがあるからです。
各出力 IC のドレイン電流を調節したり、プルアップ抵抗の値を変え
たりすることで、ある程度の改善はできますが、両者は相互に関係
し合うため、完全に修正することはできません。こうした場合は、
I 2 C 専用のバスバッファIC を挿入します。バスバッファは、レベル
を H 、L 個別に修正するとともに、トランジェントも改善します。
100kbit/s 、ファーストモードでは 400kbit/s で、他に 3.4Mbit/s
写真に LTC ® 4300 による波
の高速モードも定義されています。接続形態はマルチマスタ/スレー
形 改善の一例を示します。
ブによるバス接続、通信にはクロック( SCL )とデータ(SDA)の 2 つ
バス中にバッファが入ること
の信号を用いる半二重(双方向)方式が採用されています。
で、バス上に分布していた負
I 2C はシンプルで使いやすいインタフェースです。信号の速度も他
のデータバスほどは速くないので、遅延や反射などの気遣いもさ
ほど必要ありません。ですが、多数の IC が接続された場合や、バス
荷容量などが分割され、
ドラ
バスバッファの効果
1V/DIV
バスの多くは大量のデータを高速に転送することが主な機能だと
イブ条件が向上するという効
果も得られます。
VCC = 5V
CLD = 200pF
1µs/DIV
、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。
ThinSOT、HotSwapはリニアテクノロジーの商標です。
その他の商標は、該当の会社のものです。
LTC1694/‐1
SMBus/I 2Cアクセラレータ
SMBus/ I 2 C 立上り時間遷移を改善
SMBus/ I 2 C 上の複数のデバイスでデータの完全性を確実に
“ L ”状態のノイズ・マージンを改善
広い電源電圧範囲:2.7 V ∼ 6 V
複数のデバイスを並列に接続して
ドライブ能力を増強( LTC1694-1 )
高さの低い( 1 mm )SOT– 23( ThinSOT TM )パッケージ
VCC
5V
VCC
5V
VCC
SMBus1
C1
0.1µF
LTC1694-1
RP2
RP1
SMBus2
GND
LTC 16 94 /LTC 16 94 – 1 は規定されるすべての SMBus 負荷
条件において、データ伝送速度と信頼性を向上させるように
設計された、デュアル S MBusアクティブ・プルアップ。Philips
社の I 2 C バスにも適合しています。正のバス遷移時に 2.2 mA
の高プルアップ電流を供給してSMBusまたはI 2Cラインをスルー
する
(LTC16 94–1、LTC16 94 は SMBus)
ことにより、スルー
レートやバス性能を低下させずに、複数のデバイス接続や長
距離で大容量の相互接続を可能にします。負の遷移時や安定
したDCレベル時には、LTC 1694 は、電流源は 275 µAに減少
して負スルーレートを改善し、
“L”状態のノイズ・マージンを改
善、LTC 16 94 -1 は電流を供給しません。
SCL
SMBus SDA
CLK
IN
DATA
IN
CLK
IN
DATA
IN
CLK
OUT
DATA
OUT
CLK
OUT
DATA
OUT
DEVICE 1
DEVICE N
▲ LTC 1694-1 標準的応用例
SDA ラインおよび SCL ライン用双方向バッファにより、ファンアウト数を増加
入力 SDA および SCL ラインを出力から絶縁
I 2 C 、I 2 C Fast Mode 、および SMBus 規格に準拠(最大 400 kHz 動作)
すべての SDA および SCL ラインで 1 V のプリチャージ
ロジック・スレッショルドの ENABLE 入力( LTC4300A-3 )
V
CC
READY オープンドレイン出力( LTC4300A-1 )
5 V から 3.3 V へ のレベル変換( LTC4300A-2/LTC4300A-3 )
LTC 4300 A –1 /LTC 4300 A –2 /LTC 4300 A –3 はホットスワップ
可能 2 線バス・バッファ。データ・バスやクロック・バスに悪影響
を与えることなく、電源の入ったバックプレーンへの I/Oカード
の挿入を可能にします。接続が行われると双方向バッファリン
グを提供し、バックプレーン容量とカード容量を分離します。立
ち上がり時間アクセラレータ回路により、弱い DCプルアップ電
流を使用しても、立ち上がり時間要件を満たすことができます。
挿入時は、バス障害を最小限に抑えるために、SDAラインと
SCLラインが 1 Vにプリチャージされます。LTC 4300 A –3 は 8
ピンDFN( 3 mm×3 mm)および MSOPパッケージ、LTC4300
A –1 / –2 は小型 8ピン MSOPパッケージで供給されます。
VCC2
3.3V
0.01µF
0.01µF
10k
SCLIN
SDAIN
10k
8
1
2
6
7
10k
SCLOUT
SDAOUT
LTC4300A-3
5
OFF ON
10k
3
ENABLE
GND
4
▲ LTC 4300A-3 標準的応用例
LTC4301
電源に依存しないホットスワップ可能な 2線バス・バッファ
V CC 以上あるいは V CC 以下のバス・プルアップ電圧が可能
SDA 、SCL ライン用双方向バッファにより、ファンアウト数を増加
入力 SDA および SCL ラインを出力から絶縁
I 2 C 、I 2 C Fast Mode 、SMBus 規格に準拠(最大 400 kHz 動作)
10 kV 人体モデル ESD 保護
すべての SDA および SCL ラインで 1 V のプリチャージ
3.3V 5V
小型 8 ピン MSOP および DFN( 3 mm × 3 mm )パッケージ
0.01µF
VCC
LTC 4301 は、データ・バスやクロック・バスの損傷なしに、電
源の入ったバックプレーンへの I/Oカードの挿入を可能にし、
VCC 、SDAIN および SCLINプルアップ電圧とSDAOUT および
SCLOUTプルアップ電圧を互いに独立させることができます。
制御回路により、ストップ・ビットまたはバス・アイドルが検知さ
れるまで、バックプレーンがカードに接続されるのを防ぎます。
接続が行われると双方向バッファリングを提供し、バックプレー
ン容量とカード容量を絶縁したままに保ちます。
10k
STAGGERED CONNECTOR
LTC4300A-1/-2/-3
ホットスワップ可能な 2線バス・バッファ
10k
BACK_SCL
BACK_SDA
10k
SCLIN
SCLOUT
SDAIN
SDAOUT
5V
10k
CS
BACKPLANE
CONNECTOR
10k
LTC4301
GND
CARD
▲ LTC 4301 標準的応用例
データシートと評価サンプルについては、当社Webサイトまたは販売代理店にお問い合わせください。
READY
CARD_SCL
CARD_SDA
LTC4301L
低電圧レベル変換、
ホットスワップ可能な 2線バス・バッファ
1 V 信号を標準の 3.3 V および 5 V ロジック・レールにレベル変換
SDAIN および SCLIN で 1 V の低いバス・プルアップ電圧が可能
SDA 、SCL ライン用双方向バッファにより、ファンアウト数を増加
電源の入ったバックプレーンでボードを安全に挿抜可能
入力 SDA および SCL ラインを出力から絶縁
1.2V
10 kV 人体モデル ESD 保護
クロックストレッチ、アービトレーション、同期をサポート
3.3V
0.01µF
2k
VCC
LTC 4301 Lは、ホットスワップ可能 2 線バス・バッファ。SDAIN
および SCLINピンは、1 Vの低いプルアップ電圧のシステムと互
換性があります。制御回路により、ストップ・ビットまたはバス・
アイドルが 検知されるまで、バックプレーンがカードに接続され
るのを防ぎ、接続が行われると双方向バッファリングを提供し、
バックプレーン容量とカード容量を絶縁したままに保ちます。
8ピンDFN( 3 mm× 3 mm)および MSOPパッケージで供給さ
れます。
2k
10k
VCC
10k
SDA
SDAIN
SDAOUT
SDA
SCL
SCLIN
SCLOUT
SCL
µP
LTC4301L
READY
CS
GND
GND
▲ LTC 4301L 標準的応用例
LTC4302-1/-2
アドレス指定可能な 2線バス・バッファ
SDA 、SCL ライン用双方向バッファにより、ファンアウト数を増加
SDA ラインおよび SCL ラインを 2 線バス・コマンドで接続
I 2 C Standard Mode 、I 2 C Fast Mode 、および SMBus 規格に準拠
SDR ラインおよび SCL ラインでの立ち上がり時間アクセラレータ
2 つの汎用入出力( LTC4302-1 )
5 V システムと 3.3 V システム間の変換( LTC4302-2 )
小型 10 ピン MSOP パッケージ
LTC 4302–1 /LTC 4302–2 は、バスの損傷なしに電源の入っ
たバックプレーンに対して周辺ボードを挿入/引き抜き可能に
する、アドレス指定可能なI 2 C バスおよび SMBus 準拠のバス・
バッファ。VCC 電源が有効になり、バックプレーン側のマスター・
デバイスが LTC 4302-1 /LTC 4302-2 をアドレス指定し、接続
コマンドを発行するまで、バックプレーンと周辺ボードの間の電
気的絶縁を維持します。ADDRESSピンは、VCCとGND の間
に接続された外付け抵抗分割器によって設定可能な 32 のア
ドレスを供給します。2.7 V∼ 5.5 V の電源電圧で動作し、VCC
が 低い時は SDA および SCL 入出力はバス・ラインに負荷をか
けません。
2.7V
to
5.5V
R3
10k
R4
10k
R1
1870Ω
R2
2000Ω
R5
10k
C1
0.01µF
VCC
R6
10k
SDA
CARD SDA
SDAIN SDAOUT
SCL
CARD SCL
SCLOUT
SCLIN
CONN
ADDRESS GPIO2
GPIO1
R7
10k
LED
GND
LTC4302-1
▲ LTC 4302-1 標準的応用例
LTC1710
VCC
2.7V TO 5.5V
SWOD
0V TO VCC
8
10µF
1
10µF
SW0
LTC 1710 は、2 線式 SMBusインタフェースによって制御される
2 つの 0.4 Ω/ 300 mA スイッチを内蔵した SMBus デュアル・ス
イッチ。スタンバイ電流は 14 µA( 3.3 V )で、SMBus で規定さ
れた 0.6 V V IL および 1.4 V V I H 入力スレッショルドを維持した
まま、2.7 V∼ 5.5 V の入力電圧範囲にわたって動作します 。
2 線式インタフェース( CLK および DATA)を使って、SMBus
の Send Byteプロトコルに従い、2 つの 0.4 Ω 内部 N チャネル
電源スイッチを独立に制御します。これらのスイッチは内蔵チャー
ジ・ポンプによって完全に導通します。
2
5
LOAD 1
CLOCK
FROM SMBus
6
DATA
CHARGE
PUMP
3
AD1
(PROGRAMABLE)
SW1
2
LOAD 2
LTC1710
4
▲ LTC 1710 標準的応用例
www. linear -tech.co. jp/
R9
1k
LED
SMBusデュアル・モノリシックハイサイド・スイッチ
2 つの 0.4 Ω/ 300 mA N チャネル・スイッチ
SMBus および I 2 C に適合
DATA および CLK の V IL は 0.6 V 、V IH は 1.4 V
MS 8 および SO– 8 パッケージ
低スタンバイ電流:14 µA
SW 0 へ の別々のドレイン接続
1 つの 3 状態アドレス・ピンで 3 つのアドレス
R8
1k
LTC1695
SOT–23パッケージのSMBus/I 2Cファン・スピード・コントローラ
完全な SMBus/I 2 C ブラシレス DC ファン・スピードコントロール・システム
5 ピン SOT– 23 パッケージ
出力電流定格 180 mA の 0.75 ΩPMOS リニア・レギュレータ
6 ビット DAC で制御される 0 V ∼ 4.922 V の出力電圧範囲
単純な 2 線式 SMBus/I 2 C インタフェース
ファンを確実に起動する 250 ms 内部タイマ
LTC 1695 は、パワー・マネージメント・マイクロプロセッサ
が 2 線式 SMBus/I 2 Cインタフェースを通して、5 Vブラシ
レスDCファンを制御するために必要なすべての機能を提
供するファン回転速度コントローラ。ファン・スピードは、シ
ステムの必要な温度プロフィールに従って制御され、単純
なオンオフ制御を提供するだけのシステムに対して、ファン
の消費電力の低減、バッテリの動作寿命の延長、可聴
ノイズを低減できます。180 mAの低損失リニア・レギュレー
タ、2 線式 SMBus/I 2 Cインタフェースおよび 6 ビットDAC
を内蔵しています。
5V
1
+
VCC
VOUT
5
+
10µF
2
4.7µF
GND
LTC1695
3
SYSTEM
CONTROLLER
SCL
SDA
5V DC FAN
SUNON
KDE0502PFB2-8
0.6W, 1.7 CFM
(25 • 25 • 10)mm3
4
▲ LTC 1695 標準的応用例
ここに掲載した技術情報は一部です。
リスト内の情報や製品のデータシート、その他の技術資料は、すべて当社のWebサイトよりご覧いただけます。
www. l i near - tech.co. j p/
DN 329
アドレス指定可能なI 2 Cバス・バッファによる2 線バス・システムの容量バッファリング、活線挿入、およびネストされたアドレス指定
DN 279
VIDラインなしでI 2 Cバスによって設定されるマイクロプロセッサ・コア電源電圧
DN 270
LTC1840:I 2 Cファン制御によるシステムの連続冷却
DN 238
バッテリ寿命を延長してノイズを低減するSOT– 23 SMBusファンスピード・コントローラ
DN 193
英語
SMBusアクセラレータによるデータ完全性の向上
Linear Technology Magazine Sep 2001
英語
VIDピンを介さずSMBusを経由してCPUをコントロールする電圧レギュレータ
Linear Technology Magazine May 2000
英語
バッテリの動作寿命の延長とノイズを低減するSOT– 23 SMBusファンスピード・コントローラ