続 発明物語 宮崎・地場産業における発明奮闘記 葉たばこのラックリフタ開発 フルタ熱機株式会社 代表取締役 古田幹雄 MIKIO Furuta さん 〒880-1108 宮崎県国富町大字須志田1284 TEL.0985-75-1501 FAX.0985-75-9188 葉たばこの日本一大産地である国富町にあるフルタ熱機 位置に針ラックを吊り上げることが困難でした。 株式会社は、葉たばこの乾燥作業に関連する機器及び資材 同社の金丸英章氏を中心とする技術開発グループは、この の開発・製造販売を行なっています。葉たばこは、乾燥の 問題に対処するために、当初、リフタの支柱自体を高くする やり方次第で品質が大きく左右されるデリケートな作物で、 ことを考えましたが、作業場の天井が低かったり、作業場内 乾燥工程中にも微妙な温度や湿度の調整等を要求されるため、 上方に柱や梁などの障害物がある場合、リフタの移動が不自 生産者は収穫から製品の出荷まで、いっときも気が抜けな 由になるという問題やリフタの重心が高く不安定になり転倒 い慎重さを要求されるばかりでなく、葉たばこの搬入搬出 するおそれがありました。そこで、思い切ってリフタの上部 作業等にも重労働を要求される結構やっかいな産物です。 フレームを取り払ってしまい、吊込みレールに上下動可能な そこで、この葉たばこ乾燥作業の省力化や各種機器の性能 昇降ブームを取り付け、これに嵌合する昇降ガイドを左右の かん ごう アップのために、長 支柱に取付ける方法、 年にわたって同業者 すなわち支柱自体が伸 間では熾烈な技術開 び縮みするように構成 発競争が繰り広げら してこれらの問題を解 れており、特許等の 決しました。このリフ 知的所有権の確保も タは不使用時にコンパ 重要事項となってい クトに収納できてシー ます。 ズンオフにおける保管 同社もこれらの機 性も良く、とくに小規 器に関連して種々技 模な葉たばこ生産者に 術開発を行ない、精 とっては高い利便性を 力的に特許出願して 発揮します。現在この います。例えば、葉 方式は、従来のゲート たばこを乾燥室に吊 型に対してトップフリ り込む際に使用され ー型と称されて、葉た るラックリフタとい う装置があります。 ばこ吊込み用のラック ▲のびのびくん リフタのニュータイプ これは、葉たばこが として高い評価を受け、 挟持された針ラック 同社の技術者は東北か を左右一対の吊込みレールに載せた後、吊込みレールを上 ら沖縄まで全国の葉たばこ産地を、まさに業界トップを走る 昇させて乾燥室内のレールに移動させるための装置です。 勢いで駆け巡っています。 従来のラックリフタは、一対の支柱上部の間に渡って上部 フレームが設けられた、いわゆるゲート型をしており、支 柱の上端よりも上方に吊込みレールを持ち上げることがで きませんでした。つまり、ゲート型である構造上、吊込み レールの上昇可能な高さが規制されており、乾燥室の高い 衞藤法律特許事務所 弁護士・弁理士 衞藤 彰 特許担当 岡嶋浩幸 Information of Miyazaki 08
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