保ちましょう 面皰の中でニキビ菌︵アクネ菌︶が 増殖して炎症を起こすと、赤く腫れた 〝ニキビは皮膚の病気〟という認識に そのため早期の治療が大切なのです が、本人も周囲も︵ときには医師も︶ 、 %以上の人が思春期に経験するニキ ビ。よく〝青春のシンボル〟といわれま すが、若い患者さんの悩みは大きく、学 校生活に影響を及ぼすことも少なくあり ま せ ん。 ﹁ほうっておいてもそのうち治 る ﹂ と 思 っ て い る 人 が 多 い よ う で す が、 ニキビはれっきとした皮膚疾患です。い たずらに症状を悪化させる前に、ポツン とできたら医療機関を受診しましょう。 ニキビになります。重症になると、膿 毛穴が詰まって 皮脂がたまる といい、その色から白ニキビや黒ニキ ︵コメド︶ がりができます。これを面 皰 まると、最初にポツッと小さな盛り上 が重なってできます。毛穴に皮脂がた なっていることもあります。 生 で は、 い じ め や 不 登 校 の 引 き 金 と 日常生活に与える影響は大きく、中高 る以上に深刻な症状です。学校生活や 顔にできやすいニキビは、活動的な 若い人たちにとって、周囲が考えてい ニキビは、﹁毛穴の先が詰まる﹂﹁皮 脂の分泌が増える﹂という2つの要因 ビとも呼ばれます。 %程度です。 患者さんは、赤いニキビが目立って きたり、膿を持つようになってようや 面皰に有効な薬の登場 早期の受診ほど効果的 ニキビ患者さん全体の は、完全に元に戻すことはできません。 ている人も多く、病院を受診する人は 乏しいことが問題です。いまだに﹁洗 虎の門病院でニキビ治療専門の「アクネ外来」 を開設。ニキビの予防・治療に関する啓発活動 を行う「ニキビ治療推進委員会」委員長。 を 持 っ た り、 治 っ た あ と も 皮 膚 に ク ◉略歴 顔すれば治る﹂ ﹁思春期の生理現象だ 林 伸和 先生 レ ー タ ー の よ う な 瘢 痕︵ ニ キ ビ あ と ︶ (はやし・のぶかず) ニキビは、医学的には尋常性ざ瘡と 呼ばれる皮膚の病気です。思春期の若 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 皮膚科部長 から、そのうちおさまる﹂などと思っ 監 修 を残したりします。瘢痕ができた皮膚 90 者に多く、 歳くらいまで続きます。 1989 年、東京大学医学部卒業。同皮膚科教室 入局。1990 年、日本赤十字社医療センター皮 膚科。1993 年、米国フロリダ州マイアミ大学 細胞生物学教室留学。1995 年、関東逓信病院 皮膚科。2000 年、東京女子医科大学皮膚科講師。 2006 年、同大学助教授(2007 年に准教授に 改称) 。2011 年、虎の門病院皮膚科部長。 日本皮膚科学会代議員、日本臨床皮膚科医会常 任理事、日本美容皮膚科学会評議員、日本レー ザー医学会評議員、日本痤瘡研究会理事長。 10 20 ニキビ(ざ瘡) 正しい知識を持ちましょう 26 早めに受診して、よい肌の状態を 赤いニキビが1つポツッとできたら、 微小面皰や面皰はたくさんある可能性 キビがおさまってくる ます。少なくとも1年、理想的にはニ 歳∼ 歳くら い、再発しては治療を繰り返す人がい 療 も 炎 症 を 鎮 め る 抗 生 物 質︵ 抗 菌 薬 ︶ があります。それらが炎症を起こして した。この塗り薬は、ニキビの前段階 になり、ニキビ治療が大きく変わりま 2008年に、外用レチノイドとい う塗り薬が日本でも保険で使えるよう がぶり返すなどの問題があります。 と耐性菌ができたり、中止すると症状 く使うことが大切です。赤いニキビが の説明と使い方の指導を受けて、正し 外用レチノイドは、 日 回、洗顔 後に塗ります。医師から作用・副作用 ビ治療です。 が、現在では最も効果的で賢明なニキ る前に外用レチノイドで治療すること による治療が必要になります。そうな 次々に赤いニキビになると、抗生物質 ません。ニキビは病院で治療するのが 症状をこじらせてしまう人が後を絶ち 残念なことに、ニキビに効果がある と称する医薬部外品や化粧品を使って 悪化を防ぐことができます。 こ と で︵ 維 持 療 法 ︶ 、ニキビの再発や いまで外用レチノイドの塗布を続ける く医療機関を受診することが多く、治 が主体でした。抗生物質は、長く使う で あ る 微 小 面 皰 や、 面 皰︵ 白 ニ キ ビ、 たくさんできていれば︵炎症が強けれ 一番の近道だということを、ぜひ知っ 最初の“ポツッ!”に気づいたら、周辺には ニキビ予備軍がたくさんできています 1 1 病院で治療するのが 一番の近道です 黒ニキビ︶の治療に有効です。 ば︶ 、抗生物質を併用します。 20 日常的な注意では、規則正しい生活 と食事を心がけ、 日 回、洗顔料を 2 クまたはハイポコメドジェニックと記 が証明されているノンコメドジェニッ 品は、検査でニキビができにくいこと お化粧はしてもかまいません。その あと、きちんと落としましょう。化粧 ないように、こすらずに洗います。 よく泡立てて、ニキビの部分を刺激し 1 載されているものを使うと安心です。 27 18 て頂きたいと思います。 ニキビ治療は大きく前進しています! 早めに医療機関を受診しましょう 症状がよくなると治療を止めてしま 面皰からニキビへ
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